デイビッド・マルティネス、彼は転生者であった。そして、前世では野球部であった。
前世で彼は結構強かった。
野球選手の背番号はランクポイントを表しているのだが、そこらの選手が2桁止まりのなかデイビッド(前世)の背番号は2077。グラマス帯であった。
しかしそんなエリート野球部も死には抗えず。気づいたらデイビッドに転生していた。ちなみに彼はサイバーパンクを知らない。
アラサカスクールに野球部がなくとも素振りも走り込みも毎日欠かさず励んでいる。目指すは世界一の野球部だ!
そんなデイビッドは母、グロリアと校長室で面談をしていた。
リパーでアップグレードしたデバイスのせいでシステムがぶっ壊れたから……ではなく、校内でうっかり通りがかったサブロウ・アラサカに対して挨拶をしたのが原因だった。
デイビッドの声はデカイ、野球部だから当然である。さらに挨拶はよりデカイ、野球部だからである。
そしてサブロウはよぼよぼのおじいちゃんであったため、あまりの音圧に心臓が止まって倒れた。予備心臓がなければ即死だった……大人しく死んどけ。
一命は取り留めたものの社長の命を脅かしたということで何もしないわけにもいかず。
……それでもってやったことがただの挨拶ということで処分を決めかねて校長にぶん投げられたのである。
「すみませんでしたッッ!!!!(2077 dB)*1」
「退学で」
デイビッド・マルティネス──退学
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学校からの帰路、グロリアは車の中でため息をつく。
「あんまり大きな声は出さないでっていつも言ってるでしょ」
そうグロリアは窓の外に話しかける。
ちなみにデイビッドは車と並走していた。野球部の基本は走り込みである。
「ごめん母さん!!!!!!!!!(1,200,000 dB*2)」
グロリアはもう一度ため息をつく。育て方、どこで間違えたのかしら。
小さい頃は才能溢れた、いい子だと思っていた。
もの覚えがよく*3、誰に対してもハキハキした声で挨拶をしていた*4。
やけに野球が好きだったけどそれくらいで、人生が二回目だって言われても違和感がないくらい賢い子だった。
アラサカスクールに入ればきっとアラサカに入社して幸せな人生を……そう思っていたのに。
そう思っていたからこそ頑張れたのに。
グロリアの頬を涙が伝う。
デイビッドはグロリアの方をじっと見つめていた。
しかしその目に映っていたのはグロリアではなく、その先に見えるマシンガンの銃口であった。
ズダダダダダダッ!!
「ブッ殺せッ!!」
アニマルズがグロリアの車を挟んで反対側にあるコーポの車を襲い始めた。
毎秒20発の弾丸がグロリアを襲う!
しかしデイビッド、流石野球部。その動体視力で弾丸を完全に捉えていた。
そしてその手にはキャッチャーミットが
「何だァ……?」
銃弾が1発もコーポの車に当たっていない……?
疑問に思ったアニマルズがグロリアの車内を覗く。
そこには弾丸を全てミットに収めるデイビッドの姿があった。3ストライク!ゲームセットだ!
「クソッ!サンデヴィスタン持ちが護衛についてやがった!」
否、サンデヴィスタンではない。野球部だ。
「ランチャーで車ごと吹き飛ばしてやれ!」
アニマルズの1人がロケットランチャーを撃つ。
しかしそんなもの、野球部のデイビッドにとって止まっているも同然だ。
回避も弾くも余裕である。
しかしデイビッドに雑念が走る。
……これに当たれば一塁に出れるのでは?*5
そんな思考が一瞬よぎり、その一瞬は致命的であった。
一瞬の閃光の後、衝撃。デイビッドの意識は暗転した。
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デイビッドが目を覚ますとそこは見知らぬ家の中だった。
自宅とか病院ならわかるけど誰とも知らない人の家?全くわけがわからない。
「目を覚ましたのね?」
声のした方を振り向くと黒髪ボブのネットランナーらしき女が。
混乱するデイビッドを知ってか知らぬか女は状況を説明してくれる。
「バイオテクニカが人体実験やってるってウワサの研究所に入ったらアンタがいて、証拠ついでに助けてあげたのよ。」
感謝は要らないわ、ついでだもの。と女は続けた。
なるほどだからこんなところに。しかし疑問が浮かんでくる。
「俺はなんでそんな所にいたんだ?確かアニマルズに襲われた所までは覚えてるんだけど……」
街中であったしNCPDも救急車もすぐ来るだろう。コーポが堂々と人攫い出来る状況とは思えない。
「行った病院が運悪くバイオテクニカの“提供元”だったんじゃない?運が悪かったわね。」
この世界は末法の世である。平然と病院が人攫い会場になっている。
しかしそうなるとグロリアが心配である。きっと母も同じ病院に運び込まれただろうから。
「俺以外に人は!」
「生きてたのはアンタだけ」
デイビッドの顔から血の気が引く。ふらつく体に鞭を打ち、「あ、ちょっと!」と女の引き止める声も意に介さず走り出した。
メガビルディングのとある一室。
家賃滞納でロックされたドアを無理やり開く。
「母さん!」
どうか無事でいてくれ。というデイビッドの願いとは裏腹に誰からも返事は帰ってこない。
そしてテーブルの上にある物に気づく、気づいてしまった。
マルティネス。そう書いてある遺骨があった。
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「なんだったのよ……」
嵐のように過ぎ去って行った少年への困惑が収まらない中、女はバイオテクニカの悪事をまとめる
バン!
扉が勢いよく開けられる。
「今度は何……」
扉の先には息を切らしたデイビッドが居た。
「……バイオテクニカに復讐がしたいんだ。」
「手伝ってくれ。」
女にはデイビッドの目に見覚えがあった。
コーポに全てを奪われ、復讐に燃える。そんな目
鏡に映る自分の目と同じだ。
「いいよ。こき使ってあげる。」
そういえば名乗ってなかった。
「私はサーシャ、よろしく」
なぜ2塁にしたのか(タイトル)、2…………2?!?!
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今年の夏は、ネトフリで決まりだ!
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