ビノとシトギ ──異世界異食冒険譚──   作:プリン定食

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08. 訳わかんない・夢・ふたりの獲物

「持ってっちゃうんですか?」

 

 ロープを締め直し、右手にナイフ、左手に水針蟲(すいしんちゅう)の尾節を持った背中に、ビノからそんな声が飛んできた。

 こんな時にまで、という脱力を覚えながら、うんざりと顎を引く。

 

 ──いざという時の囮だよ囮……

 

 気を引くなり盾にするなりすれば、勝ち目が薄い中にもまだ活路を見出せるかもしれない。

 貴重な食料が……という副音声が聞こえてきそうな瞳を振り切って、死骸を引きずっていく。

 再び見下ろした水面は、穏やかに凪いでいた。

 ここが墓場となるか晴れ舞台となるかは、これからの自身の頑張り次第なのだ。

 

 ──ええい、ままよ!

 

 大きく息を吸い込む。どぼん、と勢いづけて水中に飛び込んだ。

 

(さて、まずはこのロープが届く範囲にいるのかどうかだが……)

 

 空振りであれば、入水のポイントを変更して探し直さなければならない。できればここで片をつけてしまいたかったが、そう上手く行くだろうか。

 そこまで考えてふと、異変に気づく。

 

(……やけに静かだ……)

 

 先ほどまでとは違って、他の生き物の気配がほとんどしない。

 

(さっき俺が暴れすぎたから……? いや、でもそんな極端なことあるか……?)

 

 なんとも言えない嫌な予感を覚えながら、ゆっくりと潜水していく。

 そうして。死んだように静かな水の中、その“嫌な予感”は確かに実を結ぶこととなる。

 

「…………!!」

 

 順調に泳ぎ進めていた足に、急ブレーキがかかった。意図的なものではなく、本能的な反射に近かった。

 眼下に、巨大な“何か”がいる。

 足が動かなくなったのは、そのせいだった。

 自然で生きていくことにそれなりの適性を持つこの肉体は、その存在がこちらの生命を脅かす恐れがあることを、明確に読み取っていた。

 

 予想通り、それは左手に持った水針蟲のそれの2倍以上はある体長を誇っていた。

 エビのような節のある胴体。カニのような細く長い8本脚には、鋭い棘が生えている。

 そして──ぴんと天を向いた、鋭い尾節。

 いっそコミカルにさえ見える頭部のつぶらな双眸が、今はただ不気味に映った。

 カブトガニというよりはサソリに近いフォルムの“本命”が、こちらを見ている。

 

 ──……き、た

 

 激しく身震いする。

 果たしてそれは武者震いなのか、あるいはただの怯懦なのか。今はまだ、判別がつかなかった。

 

(でも、さっきまでこのあたりにはいなかったはず……)

 

 そこで、その水針蟲がどちらかといえばこちらではなく、左手の死骸に意識を向けているらしいことに気づく。確かに、乱暴にナイフを突き立てたそれからは、まだ新しい体液が流れ出しているのが感じられた。

 

(血の匂いに惹かれて来たのか……)

 

 現状、誘引剤としての役割を果たしているらしい死骸を、苦々しく見遣る。

 

「……!」

 

 眼下の巨体がふわりと浮き上がって、とっさに水面に向けて後ずさったが。水針蟲はそれ以上の追撃は仕掛けて来なかった。

 

(こいつ、もしかして遊泳できないのか?)

 

 最初に仕留めた個体も水底を這い回っていたあたり、そういう身体構造なのかもしれない。そう思って、

 

(あいつのホームグラウンドでやり合うのは危険すぎる……浮かせた方がまだ俺に利があるかも)

 

 想定していた通りに、死骸で釣ることにした。しかし、相手に奪われてしまったら元も子もない。

 一旦ナイフは諦めて、口に咥えた。その上でマントを脱いで、それで死骸を包んだ。

 件の水針蟲の脚は前にいくほど棘だらけで、厚手のこの生地が引っ掛かれば多少の妨害になると思ったからだ。

 思いつく限りの対策を整えて、ゆっくりと水針蟲に近づいていく。

 

(気をつけろ……)

 

 そう自身に言い聞かせた瞬間。

 

「!!」

 

 ジェット機のようにこちらに突っ込んできた水針蟲が、脚で死骸に掴みかかってきた。

 見た目通りの馬鹿力に腕を離しそうになったが、すんでのところで持ち堪える。しかし、衝撃で大きく息を吐き出してしまった。貴重な酸素が水中で泡となって消えていく。

 

(しまった、息が……!)

 ──クソ、この……ッ!!

 

 流れていきそうになったナイフを掴んで、力いっぱい水針蟲の眼球に突き立てる。不気味だとか気持ち悪いとか考えている余裕は、今度こそなかった。

 勝たなければ。勝って、生き残らなければ。それしか頭には無かった。

 

(ダメだ、これじゃまだ足りないッ!)

 

 固めた拳を、半端に突き刺さったナイフの柄に向かって盛大に叩きつけてやる。

 急所を穿たれた蟲が、大型船の沈没かのような聞くに堪えない金切り声を、鋏角の内側から放つ。

 

 ──うぐっ!

 

 とっさに身を引こうとした水針蟲の動きに、強く引っ張られる。

 どうも死骸を奪い去ること自体は諦めたようだったが、読み通りマントの生地が脚の棘に絡んで、上手く身動きが取れなくなっているらしい。

 ただパニックになっているのか、それとも前脚を切り離してしまえば生きていくのが難しくなることを理解しているのか、蟲はめちゃくちゃに暴れている。

 目の前で、ナイフが通らないと諦めた死骸の甲羅に蟲の鋏角が突き立てられる。いとも容易くひしゃげて割られるその装甲に、自身の肌の柔さを思い返してぞっとなった。

 

 ──これに噛まれたら終わりだ……! でも手は離せない……!

 

 ただ、ナイフでの攻撃がすぐさま致命傷に繋がっている様子はない。どうすれば。どうしたらいい。息もさほど長くは続かない。

 焦りだけが積み重なっていく中で、

 

「っ、!!」

 

 前からではなく、後ろから引っ張られる感覚があった。理由は、すぐに頭に浮かんだ。

 

 ──ビノ!?

 

 水針蟲との引っ張り合いは、地上のビノには引き上げの合図として伝わったらしかった。

 

 ──っ、いや、好都合だ、このまま俺が離さなければこいつを陸に引きずり出せる……!

 

 “不可能”の3文字は頭に無かった。ビノの異次元の力を以てすればその程度は容易に叶えられる、そんな確信があった。

 死骸ではなく、水針蟲の頭部そのものを抱え込むように腕を伸ばす。鋭い牙は不安だったが、間に挟まった死骸は短い間ならば盾として働いてくれるだろう。

 

 ──ビノ頼む、はやくっ……!!

 

 その時、一際強く引っ張られる感覚があった。

 良くも悪くも遠慮のないビノは、ロープから異常な抵抗を感じても、躊躇わず地上に引き上げることを選んだようだった。

 強い耳鳴りがして。

 次の瞬間、自身の身体は水針蟲ごと宙に浮いていた。

 やった、と思ったのも束の間。

 ──アウェイに引き摺り出された水針蟲の死に物狂いの一撃が、牙を剥いていた。

 くねる尾節の先端が、こちらを向いているのに気づいて。まずい、と身構えている余裕はなかった。瞬きする暇もなく、その尖った針が、右太腿の内側を激しく掠めた。

 

「〜〜〜〜ッ!!」

 

 足に焼けつくような痛みが走って、受け身を取る間もなく地面に墜落する。

 手放した死骸と水針蟲は、少し離れた場所に落下したらしいことだけが救いだった。

 

 ──痛い、痛い!!

 

 剥き出しで盛大に叩きつけられた背中や腕より、針が掠めた太腿が激しく痛んだ。

 高圧電流を流されているような断続的な激痛に、起き上がることもできない。

 

 ──何でこんなっ……まさか毒……!?

 

 あの水針蟲の、サソリにも似た不気味なフォルムが頭をよぎる。

 負傷の経験がさほどある訳でもないが、これは明らかに普通の傷の痛みではなかった。絶望に苛まれたが、それすらも長くは続かなかった。

 確かに周囲で響いているはずの水針蟲の耳障りな怒号も、それを劈く鈍い刺突音も、どこか遠い。身体を貫く痛みだけが全てだった。

 

「っ、」

 

 力強く抱き起こされて、一瞬我に返る。ビノがこちらを覗き込んでいた。彼はこちらの全身をひと通り検分した後、太腿の傷に触れる。

 

「あいつにやられたんですか」

 

 淡々と聞いてくる。普通の痛がりようではないことに彼も気づいているようだった。

 しかし、もともと言葉が通じない上に、とてもじゃないが苦痛で思考がまとまらない。無反応のまま身悶えるこちらを、ビノは無言で観察していたが。身体が、急に地面に降ろされた。

 立ち上がったビノが、こちらの足の間に膝をついた。右膝の裏に手が入って、持ち上げられる。

 そして、ビノは。

 躊躇なく太腿に顔を寄せて──血を垂れ流すそこに、自身の唇を押し当ててきた。

 

「!?」

 

 負傷したのはかなり付け根に近い位置だったので、こちらからはビノが裸体の股ぐらに顔を突っ込んでいるようにしか見えない。痛みも一瞬吹き飛ぶ、強烈な絵面だった。

 

「ッ、……!」

 

 そこから走るまた別種の痛みに、ぎくんと身体が強張る。どうやらビノは、傷に口をつけて毒を吸い出そうとしているらしかった。

 

 ──っ、いや、俺もそれは聞いたことある、けどっ、やっちゃダメって……!

 

 理由は単純で、処置者が確実に二次汚染されるから、ということに尽きたが。ビノはただ思いついた処置をしているだけで、そんな知識はないのかもしれない。

 

 ──せめてすぐ吐き出し……飲んだ!?!?

 

 当然のように上下する喉に無い目を剥きそうになったが、ビノに全く堪えた様子はなかった。

 また同じように傷に口をつけ、血液ごと毒を吸い出し始める。それを何度か繰り返した後、今度はただ傷口を舌で舐め始めた。

 処置のおかげなのか、激しい痛みはだんだんと収まってきた感覚があったが。他意はないとはいえ、太陽の下で組み敷かれて、かなりセンシティブな部位に口をつけられている現状の堪え難さにばかり目が行くようになる。

 

 ──もう……訳わかんね……

 

 全て見なかったことにしたい。

 そんな願望通り、いつしか意識は溶けたバターのように形を無くし。ゆっくりと、闇に溶けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──意識の外側で、大きく身体が跳ねた。

 それを感じた。

 

『っ、』

 

 その衝撃で一気に覚醒する。

 ごづっ、と足元で硬質な打撃音が鳴ったのが聞こえた。ぱっと、瞼を開ける。

 

 ──あれ? 俺……

 

 ……何をしていたんだっけ。脳が浮腫んだような、ぼんやりとした頭痛を感じる。

 何となく視線を下に落とすと、自身の革靴の近くに転がる四角い板が見えて、ぎょっとした。

 

 ──やば、スマホ!

 

 先ほどの音は、これを床に落としたせいだったようだ。現代でこの端末は生命線そのものだ。慌てて手を伸ばして拾い上げる。

 屈めた上体を持ち上げる時、周囲の乗客の何人かが冷ややかな目でこちらを見ていることに気づいた。

 

 ──そうだ、俺、会社の帰りで……

 

 がたん、ごとん。怠い身体を沈めたシートが、断続的に揺れている。

 残業を終えて、いつもより遅い電車に乗ったまでは良かったが、疲労でついうつらうつらしてしまったらしかった。

 硬いシートにもたれて、深く息を吐き出す。スーツがシワになるかも、と一瞬思ったが、今日は金曜日だ。そんなところにまで気を配る余力は残されていなかった。

 

 ──……何か、夢を見ていたような気がする……

 

 内容はよく覚えていなかった。

 けれど、見慣れた景色が視界に入って、なぜか少しほっとした。あまり良くない夢だったのかもしれない。

 そんなことを考えているうちに、あまり覚えのない駅名のアナウンスが流れ始めた。今までの思考が全て吹き飛んで、思考が焦りに支配されたが、よくよく思い返せば最寄りの1つ先の駅名だ。うたた寝しているうちに、1駅乗り過ごしてしまったらしい。

 

 ──仕方ない……下りの電車待つのもしんどいし、歩いて帰るか……飯も道中で済ませよう、

 

 鞄を持って、停まった電車から降りた。

 

『うう……寒っ』

 

 12月の北関東は夜風が冷たい。ホームの自動販売機で、温かい缶コーヒーを買った。

 デスクワークで稼いだ金さえあれば、いつだって好きな飲み物や食べ物が買えるのだ。良い生活だ。そんなことをなぜか思った。

 街に出ると、駅前のイルミネーションにカップルらしき男女が大勢屯っているのが見えた。この駅は、自分の最寄り駅周辺よりはだいぶつくりがしっかりしているように見えるが、それにしても異様な人出だ。

 そこまで考えて、握ったままだったスマートフォンの画面をつける。

 

 ──12/24……今日ってクリスマスイブか……

 

 正真正銘の独り身には関わりの薄いイベントだったため、記憶から抹消していた。

 メッセージアプリから、新着メッセージを告げる通知が表示されていたので、惰性で確認する。いつ友達登録したのかも忘れた公式アカウントからのセール告知だった。

 アプリを閉じようとしたところで、母親とのチャット欄が目に入って、少し苦い気持ちになった。

 

『…………』

 

 両親とは、もう1年近く顔を合わせていない。

 遠方で一人暮らしをしていると、会える機会も限られるからと、以前は長期休みの度に顔を見せていたが。最近はそれもしなくなっていた。

 彼らの変化に、気づいてしまったから。

 年に数回しか会わなくても、平坦な暮らしを送る身では両親との会話のタネなんて限られていた。仕事でミスをしたとか、家賃が値上がっただとか、そういう退屈な日常の話。

 彼らは、それを一応真面目な顔で聞いてはくれた。けれどいつしか、必ず最後に、「それで、」と口を開くようになった。

 それで、彼女は。結婚は。子供は──

 何の話をしていても、最終的にはその話題に着陸した。

 ──気づいてしまった。

 大学を卒業して、就職した子というのは、もう単独ではレベルアップの余地が残されていないのだ。少なくとも、両親にとってはそうだったのだろう、と感じていた。

 彼らにとって、自分は既に繰り返しの多いコンテンツで、存在しているだけで意義や喜びを見出せるものではなくなってしまった。

 それを悟った時はショックを受けたし、期待に応えられるよう頑張ってもみた。けれど、ことごとく空回りした。嫌になって、やめてしまった。

 自分の人生は、今の会社に入ったあの4月1日から、ずっと停滞している。──否、

 

『死んでるのと同じ……』

 

 未成年でも学生でもなくて、1人で暮らして、1人で働いているだけの凡人なんて、そこに存在している意味がない。今生きていることも、数十年後に死ぬことも、本質的には大差ないのだ。

 自分が生きた証はどこにもない。

 スマートフォンを握りしめた手に、白いものが落ちてきて、すぐに水滴へ変わる。

 街に、雪が降り始めていた。

 ホワイトクリスマスだ、とはしゃぎ出した通行人に紛れて、自身のくたびれた革靴だけをじっと見つめていた。

 

『俺……独りだなあ』

 

 その肩を、背後の誰かが優しく叩いて、

 

 

 

 

 ──目が覚めた。

 まず初めに覚えたのは、喉の渇きと、腹部の不快感だった。

 自分のものではない高い体温をすぐ近くに感じる。誰かの腕に抱えられて、揺られている。

 

「…………」

 

 何かが、肩に繰り返しぶつかっている。

 ぼんやりと意識を向ける。腕の主が背負っている鞄、そのショルダーストラップについた金具が、歩みに合わせて揺れているせいだった。

 何となく手を伸ばすと、

 

「あ。起きた」

 

 声が頭上から降ってきた。規則的だった振動が止まる。

 

「大丈夫ですか?」

 

 腕の主──ビノが軽い口調で聞いてくる。

 怠さや痛みはあったが、また今すぐ意識を失うというほどではない。ひとまず顎を引くと、こちらを見つめる彼が僅かに表情を緩めた。

 だんだんと、意識を失う前の出来事を思い出していく。

 

(そうだ……俺、水針蟲の針にやられて)

 

 現状を鑑みるに、ビノの荒療治で一旦はどうにかなったらしい。出来るだけ忘れていたい記憶だった。そもそもあんな真似して身体は大丈夫なのかと思ったが、

 

「あんまり口の中ピリピリしなかったから、そんな強い毒じゃないと思います」

 ──苗字がゾルディックだったりする?

 

 同じ生物とは思えない耐久値の高さに、異世界生まれのビノには確実に伝わらないぼやきだけが脳から出力された。

 

(そういえば、あの水針蟲は)

 

 今回の依頼の主題を、そこでようやく思い出す。生死は問わないが持ってこい、とあの雇い主は言っていた。しかし、あれは常識的に考えて難しいサイズな上に、今のビノは自分という怪我人まで抱えている。

 何にせよ置いてきたんだろうか、と思いかけて。

 まさか、と思わず肩から身を乗り出した先、

 

「わ。どうしたんですか」

 

 巨大な網袋に包まれて担がれた件の水針蟲を認めて、一瞬言葉を失った。あの後ビノが仕留めたのか、すでに死んでいるらしい。

 一体、どれほどの膂力があればこんな無茶な真似ができるのだろう。

 

「あ、水針蟲ですか? ちゃんと持ってきてますよ、安心してください」

 ──重くないか?

 

 思わず、思話でそう呼びかけていた。伝わらないとわかっていても。

 こちらを見つめるビノは、柔らかく目を細めて。

 

「初めてのふたりの獲物ですから」

 

 その誇らしげな声を聞いたら、何だか力が抜けた。ずるずると、乗り出していた肩からずり落ちていく。

 脱力した身体を、ビノが再び両腕で抱えて歩き始めた。ずり、ずり、と水針蟲が地面を引きずられる音が聞こえる。

 

「…………、」

 

 夢を見ていた、と思い返す。夢を見ていた、と錯覚する夢を。

 奇妙な入れ子構造だったが、どちらが本当の現実なのかはなんとなく察しがついていた。

 

(あっちが夢……)

 

 夢の中の自分は、見た夢の内容を覚えていなかったけれど。今の自分は、まだはっきりと記憶していた。

 前世の夢──人間だった頃の記憶だった。寒かったな、とだけ思った。

 今は寒くなかった。むしろ暑いくらいだったが。

 

「まだ休んでいていいですよ」

 

 ビノの呼びかけに、小さく顎を引いた。温かい泥に意識を沈めていく。

 今度こそ、夢は見なかった。





出てくる生物にはだいたい元ネタがありますが、登場させる上で多少嘘をついている部分もあります。
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