DAYDREAM THE BLUE ARCHIVE…? 作:さすらいの明太子
Case1:夢現る(ゆめみる)
「ここはどこだ……街か……?」
俺は朱成義レイ。特撮が好きなだけの、どこにでもいる普通の高校二年生……だった。
年齢は17歳。目立つのが好きなわけでもなく、できるだけひっそりと生きていた。
まあ、いわゆる陰キャってやつだ。
そして俺は――
「……どこだよ、ここ」
見知らぬ街に立っていた。
周囲を見渡してみても、見覚えのある景色は一切ない。
「胸に違和感……?」
そう思って胸元に手を当てる。
そこで気づいた。
「……ゼッツドライバー?!」
俺の胸には、俺が大好きな仮面ライダーゼッツの変身ベルト――ゼッツドライバーが装着されていた。
「……いや、なんで?」
当然の疑問だった。
俺はゼッツドライバーなんて持っていない。ましてや、こんな風に身体へ装着されている理由なんて知るわけがない。
「……あれ?」
さらに違和感。
「ドライバーはあるのに、カプセムがない……?」
そう。仮面ライダーゼッツへ変身するために必要なカプセムが、どこにも見当たらない。
「てか……なんかデカくないか?」
玩具版とは明らかに違う。
まるで劇中で実際に使用されているものを、そのまま身体に装着しているようなサイズだった。
しかも、俺はミレニアムの制服をそのまま男子用にしたような制服を持っているし、なんかミレニアムにいた時の記憶も少しだけある。
「さっぱり分かんねぇな……っと、それよりここはどこな――」
――パンッ!
「……っ?!」
突然、銃声が響いた。
「おいおい……マジか?」
音のした方向を恐る恐る覗き込む。
そこでは、頭上に輪っかのようなものを浮かべた少女たちが、銃を撃ち合っていた。
「…………」
いや待て。
あの輪っか。
あの制服。
そして、この光景。
「……これって、ブルーアーカイブの世界じゃね?」
頭の中で、いくつもの情報が一気に繋がった。
「……つまり俺は、カプセムのないゼッツドライバーを持ったまま、ブルーアーカイブの世界に来たってことか……?」
いや、意味が分からない。
「……って、待てよ」
視線を動かす。
そして――
「あった……シャーレ!」
見覚えのある建物が視界に入った。
「ってことは……ここ、チュートリアルの場所ってわけだ?」
だとすれば――
「先生がいる!」
少しだけ安心した。
先生がいるなら大丈夫だろ。
……たぶん。
俺はとにかく連邦生徒会を目指し、なるべく銃撃戦に巻き込まれないよう走った。
……というか、なんで街中で普通に銃撃戦が起きてるんだよ。
キヴォトスって怖ぇな。
ちなみに、俺にもヘイローがあるらしい。
「……なんで?」
分からないことが多すぎる。
まあ、今さら一つ増えたところでどうということもないか。
しばらく走り続け、ようやく目的地へ辿り着いた。
「……着いた。これが……連邦生徒会……」
実際に見ると、想像していた以上にデカい。
「……入ってみるか」
建物の内部へ足を踏み入れる。
すると、どこかで聞いたことのある声が聞こえてきた。
どうやら、何人かの生徒が連邦生徒会長について話しているらしい。
「……あれ?」
見覚えのある髪色。
そして、見覚えのある制服。
「もしかして……」
青髪のツインテールの少女。
その隣には、長身の黒髪の少女と、白銀色の髪をした少女。そして淡い茶髪の少女がいる。
「……チュートリアル組じゃん」
まさか、本当にゲームで見ていた光景を直接見ることになるとは。
妙な感覚だった。
そんなことを考えていると、連邦生徒会の少女――七神リンが、こちらに気づいた。
「……あ」
まずい。
完全に目が合った。
……まあ、隠れる理由もないか。
そのまま話を聞いていると、どうやら連邦生徒会長が行方不明になっているらしい。
そして、行政制御権を失った連邦生徒会はかなり混乱しているようだった。
俺は少し離れた場所で話を聞きながら、状況を整理していく。
……なるほど。
ゲームで見たチュートリアルと、ほとんど同じだ。
なら、次は――
「……って、なんで貴方がいるの!」
「やべ」
ユウカと目が合った。
そりゃそうだ。
さっきから真横で話を聞いていたんだから、気づかない方がおかしい。
「ちょっと散歩してて……」
「散歩でこんなところ来るわけないでしょ!?」
ですよね。
俺自身もそう思う。
しかし、そこでスズミが助け舟を出してくれた。
……スズミさん。
「神か……?」
思わず心の中で拝んでしまう。
そんな俺をよそに、話は進んでいく。
そして――
「……連邦生徒会長は今、席におりません。行方不明です」
「……え!?」
「……!」
その言葉に、周囲の生徒たちがそれぞれ驚きの反応を見せる。
俺は黙って話を聞いていた。
サンクトゥムタワー。
最終管理者。
行政制御権。
ゲームで知っている内容とはいえ、実際に目の前で聞くと、とんでもない話だ。
そして、そこで初めて――
先生と呼ばれている女性に目を向けた。
「……この世界の先生は女性なのな」
ゲーム内の先生は、男女どちらとも取れる中性的な存在だった。
だから少し意外ではある。
とはいえ、納得できないほどではない。
……というか。
「先生、寝てる?」
ぴっちりとしたシャツに連邦生徒会のジャケットを羽織り、椅子で眠っている。
自由だな、この人。
その後も話は続き、先生がシャーレという部活の顧問としてキヴォトスに来たことが明かされる。
そして、そのシャーレの部室は――
「……30km?」
外郭地区。
しかも、そこへ向かうためのヘリを手配することになった。
そこでモモカと呼ばれた少女のホログラムが現れる。
しかし――
「……大騒ぎ?」
どうやら、シャーレの部室がある外郭地区では、停学中の生徒たちが騒ぎを起こしているらしい。
さらに話を聞いていくと、戦車まで持ち出されているという。
「…………」
リンの表情がどんどん曇っていく。
そりゃそうだ。
目的地が戦場になってるんだから。
しかも、シャーレの建物そのものが狙われているらしい。
「……なんか、大変なことになってんな」
そしてモモカは、昼食のデリバリーが来たとかなんとか言って通信を切った。
……自由すぎない?
「大丈夫? 深呼吸する?」
先生がリンに声を掛ける。
「だ、大丈夫です」
そう言いながら笑うリン。
ただし、目はまったく笑っていない。
「……怖ぇ」
俺は思わず小さく呟いた。
そんな中、リンは俺たちに向かって言った。
どうやら、シャーレの奪還にはここにいる生徒たちの協力が必要らしい。
「……なるほど。不良の鎮圧ね」
ハスミが状況を理解する。
「話が早くて助かります」
「ちょっと待って!? なんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの!?」
ユウカが食い下がる。
……まあ、そりゃそうだ。
しかし、リンは聞く耳を持たない。
最終的に俺たちは、シャーレの部室を奪還するために動くことになった。
そして、その瞬間――
「……そうだ!」
俺はあることを思い出した。
「前にユウカが没収したカプセム、持ってない!?」
「カプセム……?」
「そう! ガチャガチャのカプセルみたいなやつ!」
あれさえあれば――
「俺も戦えるし」
ユウカは少し困ったような顔をする。
そして、少し考えた後――
「……仕方ないわね…まあ、いいわ」
「よっしゃ!」
ついに。
ついにゼッツになれる。
テンションが上がる。
だって、俺は仮面ライダーゼッツが好きなんだ。
その変身を、実際に自分ができる。
こんなの興奮するに決まってるだろ。
「い、いろいろ情報量が多いですが……では、行きましょうか」
七神リンの言葉を合図に、全員が戦闘へ向けて準備を始める。
どうやら車で向かうらしい。
車内では、先生がユウカを宥めたり、リンが今回のシャーレ奪還についてハスミに説明したりしている。
俺はそんな会話を聞きながら――
手の中にあるカプセムを握りしめた。
「…………」
これから始まる戦い。
そして――
俺が、仮面ライダーゼッツになる。
そう考えるだけで、自然と胸が高鳴っていた。
とりあえずチュートリアルのとこまでは書き終わってるんで連続投稿しときます。
日常回ってあっほうがいいですか?
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はい
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いいえ