Fate/magi sister's 冬木の天秤   作:高島智明

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Episode.26 光の御子

アサシンこと呪腕のハサンVSセイバーの激突した夜、遠坂姉妹も再戦していた。

開戦の夜に遭遇したランサー陣営とである。

 

「よお、嬢ちゃんたち。又会ったな」

不敵な槍兵は不敵に笑った。

マスターの男装の麗人もファイティングポーズを取る。

同時に姉妹も其々のサーヴァントに霊体化を解かせた………。

 

……。

 

…激突し続ける槍兵と2騎。

 

ランサーがアーチャーに槍を向けようとすればライダーが、ライダーに向き直ればアーチャーが其の隙をつく。

アーチャーとライダー自身は此の第5次聖杯戦争だけの即席共闘でも、お互いのマスターは姉妹当主として支え合って成長して来ていた。

そのマスターたちからの見事に連携しての指示で、アーチャーとライダーは先ずは連携してランサーに立ち向かうことが出来た。

 

そして遠坂姉妹にとっても、ひと度戦った相手であり其の経験が在った。

格闘戦に優れたマスターのバゼット・フラガ・マクレミッツが援護に入ろうとすれば、姉妹の魔術が飛んで邪魔をする。

「あの時、あんな目撃者なんか放って置いて止めを刺して居れば…」

100戦錬磨と言って言い筈のバゼットも、次第に焦りを覚え始めた。

 

「これならどうだ」

遂にランサーの穂先がライダーの首筋を掠(かす)め、血潮を噴き出させた。

だがしかし、それはライダーの誘いだったかも知れない。

ライダーの首の血潮から天馬が飛び出し、騎兵の本領が発揮され出した………。

 

……。

 

…尚も、2騎相手に退かず槍を振るい続けたランサーだったが、遂にライダーの天馬の体当たりを受けて大きく体勢を崩した。

その瞬間に間合いを取ったアーチャーの双剣が弓矢に変化して、

「壊れた幻想!」

 

矢避けの加護を持つランサーではあった。

狙撃手を視界に収めている限り、どのような投擲武装であろうと肉眼で捉え対処出来る。

だがしかし、大きく体勢を崩した此の瞬間だけ、アーチャーを見失っていた。

そして、狙い撃たれた矢が爆発した。

 

この1撃は、かろうじて耐えたランサーだったが、遂に槍と膝を大地についた。

「ランサー!」

バゼットにも、マスターとサーヴァントを繋いで来たラインが切れる感触が伝わった。

「バゼット、アンタは好い女だったぜ」

そう笑って「アルスターの光の御子」は前のめりに倒れた………。

 

……。

 

…ファイティングポーズを解いた、先程までのランサーのマスターに対して、遠坂姉妹は向き直った。

「どうするの?止めを刺すのかしら」

バゼットから逆に呼び掛けられて、桜は姉を見上げ凛も首を振った。

「教会へ行きなさい」

バゼットは、苦い笑いを残して踵(きびす)を返した。

*

「又1つ」

イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの聖杯に、又1体の英霊がくべられた。

*

「今夜はもう帰りましょう」

姉の提案に妹も頷いた。

 

第5次聖杯戦争は、未だ2騎が脱落したばかり。

戦いは終わってはいなかった。

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