Fate/magi sister's 冬木の天秤   作:高島智明

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Episode.36 激突

「王の財宝!」

ギルガメッシュの後方の空間が揺らぎ、無数の宝具クラスの武器が現れて来る。

「どうした。あの時の様に、あの手癖の悪い騎士でも召喚するか」

「そうすれば、シュメールの軍勢でも召喚するのか。ならば、私と貴様で決着を着ける」

 

「セイバー、今だけ凌いでくれ」

衛宮士郎はセイバーへと檄を飛ばし、詠唱に入った。

「体は剣で出来ているー」

「その詠唱は?」

愉悦神父が初めて動揺した。

 

詠唱の間もセイバーは聖剣を振るい、降り掛かって来る武器を凌ぐ。

 

「ーUnlimited Blade Works!」

固有結界が展開し、その虚空には歯車が浮かび、果てなき荒野に無数の剣が突き刺さっている。

それらの剣が矢のように放たれ、ギルガメッシュが降り注がせる武器と相打ちに成った。

 

「何故あの雑種と同じ技が使える?」

慢心の英雄王が焦りを見せた。

その懐に、隙を見出したセイバーが聖剣を振るって迫る。

 

「雑種どもが逆らうか。ならば、これだ」

ギルガメッシュは無数の武器を降らす代わりに、只1つの剣を抜いた。

全ての神話の原型と成った武器の原型を所有する最も古き英雄王、その財宝の中でも、只1振りだけ後世の誰も所有しなかった「乖離剣エア」

それを抜き放って、セイバーの聖剣と斬り合った。

 

その斬り合いを見守るまでも無く、マスターとマスターも対峙した。

「黒鍵」と呼ばれる投擲剣を抜き放って迫る言峰綺礼に対して、士郎はアーチャーに倣った無限の剣を放って立ち向かう。

「何故だ、貴様とあのアーチャーに何の繋がりが在る」

愉悦の余裕も無くした神父に対して士郎は、

「言い当ててみろ!」

 

斬り合うセイバーとギルガメッシュ。

乖離剣の神秘の威力は、何度かセイバーを攻撃しているが、ギルガメッシュには未知の防御力が防いでいた。

「何故だ、何故、我が乖離剣が通じない」

「ギルガメッシュ!今の私には、シロウが返還してくれた此の鞘が在る。

この鞘が、シロウが無限の防御で私を守ってくれる」

「言うな!ならば…」

 

英雄王から慢心が零れた。

「ならば、乖離剣の真の力を解放してやる。天地乖離す…」

「約束された勝利の剣ー!」

瞬間だけ先手を取ったか、セイバーの聖剣から解放された光り輝きが、ギルガメッシュを包み込んだ。

 

「うぐっ!」

士郎の結界から放たれた何本かの剣が、綺礼の両手両足を貫き、抵抗を奪った。

「どうした?何故急所を狙わぬ」

「あんたにはカレンが居る。悲しむ人が居る者を殺したく無い」

「ここまで「正義の味方」気取りか」

 

黄金色の甲冑も砕け散り、遂に原初の英雄王もよろめいた。

「我の…慢心を認めざるを得ないか…騎士王…遂に我が財宝と成らぬか」

この10年間、現界し続けて来たギルガメッシュも、遂に聖杯へとくべられた。

 

士郎には今1つ、綺礼に問い質さなければ為らないことが在った。

「イリヤは何処だ?」

「あの聖杯の娘なら、大聖杯の洞窟だ」

 

そこへ見守っていた士郎の父親と遠坂姉妹が近寄って来た。

「士郎、未だ決着が着いて居ない。聖杯が未だ残っている」

かつて第4次聖杯戦争の聖杯を破壊した「魔術師殺し」は、今度こそ聖杯戦争の決着を着けるべく、第5次聖杯戦争の勝者と成った筈のマスターとサーヴァントに決意を促した。

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