何処かの世界のあり得たかもしれない少女達の日常物語 作:タク-F
学園シンフォギアもついに無印最終回&G編導入回です!
選考及び壮行式を終えてから2ヶ月後……雪音家では
「ん……姉貴遅くなったけど選考突破おめでとう」
「お前が対面で称賛するなんて珍しいな。憎まれ口を叩くと思ったけど」
「別にわざわざ家族に嫌われてまで吐きたい暴言は無いよ。それにそもそも3枠もあれば姉貴なら滑り込めるとは思ってたけど」
「あ? 喧嘩売ってんのか? 買うぞコラ勇!」
憎まれ口を叩く勇に怒りを向けるクリスだが、等の勇は態度を改めない。
「やめなさい勇……クリスも一々怒っても駄目よ?」
「……どうしてクリスと勇は喧嘩せずにいられないの?」
「「姉貴/勇が喧嘩を売るから!」」
「……程々にしなさい」
父である雅律の言葉はもはや仲裁にも至らない。だがそんな日常が送れる事そのものが彼女達にとっては幸せな光景だった。
「父さん……今度行ってくるから」
「わかった。彼女達にくれぐれも迷惑はかけるなよ?」
「そうだね……」
「彼女……? 交際でもしてる相手がお前にいたのか?」
「対面する相手は女性だけど音楽関連の話だよ。母さんの知り合いじゃなかったら縁も結べなかったようなね」
「ママ!? 勇が誰と会ってるのか知ってるの!?」
「私達は知ってるわ。なにせ勇は未成年だもの。親の同意なく下手な事はさせる訳無いわよ?」
「実際に父さんと母さんの同意が合ったから助かってる」
ソネットの言葉にクリスは驚く。
「じゃあ聞いたら教えてくれるの?」
「それは瑠璃姉さんに聞かれても答えない。ちなみに姉貴なら論外」
「あぁ?」
「まぁまぁ落ち着きなさい」
勇とクリスの喧嘩を仲裁しつつソネットが提案する。
「じゃあ勇……
「えぇ〜……姉貴達は来月からフロンティアライブたろ? そんな時期の奴に知らせるのは……」
「なら何が言えるのよ……」
呆れつつ瑠璃が苦笑すると勇は渋々口を開く。
「人工音声……今やよくある技術になったし、そういうユニットの歌もあるだろ? 母さん譲りの声を人前で使うのはまだ躊躇いはあるけどそういう分野には興味があるんだよね……」
「人工音声……ケッ。作り物かよ。宝の持ち腐れってのはこのことかねぇ……」
「クリス! 勇だって悩んでいるんだよ!」
「わかってるよ姉ちゃん……それでも忘れたのか? 勇はママ譲りの美声を1番受け継いでる。なのに人工音声とはな」
「最後まで話を聞きなさいクリス。勇……続けなさい」
「…………わかったよ父さん。今やってるのは人工音声に僕の声を混ぜる技術の開発だよ。僕だって好きで母さんの美声を捨てるような事は嫌さ。でも合成ならある程度は混ぜつつ活動もできる。サンプルボイスは決めてあるしあとは技術が追いつくだけ……」
「もしかしてその為に部屋に籠もって作業を?」
「
「あたしにはわかんねぇ話だな」
「実際その分野に精通した人しか分からないよ。それと姉貴……フロンティアは音楽の聖地だ。今回は若手の為のステージだけど本当はアーティストの中でもトップ層すら使用もままならない聖地の中でも最高峰のステージ……そんな場所で歌うんだからヘマして仲間の足を引っ張るなよ?」
「っせぇ!」
「勇! クリス!」
「じゃあ僕は戻るよ」
そうして勇はクリスからの怒声を背に受けながら部屋を出る。その時TVからは特集のニュースが流れる。
『続いては今週のオリコンチャートです! 今週もチャート1位は【シェム・ハ】さんですが私が最も注目するアーティストを紹介します』
「凄いよねシェム・ハさん。今週も相変わらずの独走1位……プロどころか世界でも1位なのは凄いよね」
「あたしだって駆け上がるさ。なにせママの娘だぞ? やってやれねぇ事はねぇ!」
『他を捩じ伏せる火の如き力強さと繊細さを魅せる風のような声を使い分けるアーティスト【キャロル】……私が今最も注目するアーティストです!』
「そっか……キャロルさんもチャート入りしてたんだ。デビュー3年目だっけ? この人も凄いよね……」
「そうよ?
「何だよママ……この人の何かを知ってんのか?」
「それは内緒よ。乙女の秘密よ?」
「私達も乙女だよ?」
「じゃあ大人の秘密ね」
そう言ってソネットはクリスと瑠璃の質問をはぐらかす。
◆◆◆
リディアンの付近に構える『神風写真館』では今日も賑わっていた。
「優斗さん! 壮行式の映像編集終わりました」
「チェックお願いします」
「おぅ。というか鏡香お前はあの日歌ってた側だろ。それで良いのか?」
「というと?」
「歌の道を諦めたままで良いのかって事ですよ鏡香さん」
「あぁ……別に未練はありません。あの日私の……いえ、私達の忘れ物は回収できました。寧ろアレを超えれば名残惜しくなります。アレが引き時ですよ」
「実際響達2人にしっかりバトンは渡って見えましたよ?」
「そうか。ところで……」
優斗は話題を切り変える事にして……鏡香の持つロケットへと視線を移す。
「紫苑から連絡はあったか?」
「「無いですね」」
「やはり無いか。アイツでもフロンティアの事を話題にしたら反応すると思ったが音沙汰なしか……」
鏡香の手に持つロケットには1枚の写真が刻まれている。優斗がこの業界に入る決意をした日……その時の写真だ。
「お前達5人にとっての最初で最後の集合写真だろ? 悪いな……あの時の俺が未熟者で……」
「大丈夫です。紫苑お姉ちゃんは何処かで私達を見守っている……気がするので」
「っすね。んじゃあ作業再開しま「すみません……神風写真館はこちらでよろしいですか?」お客様みたいですね」
3人は入り口に視線を向ける。そこに立っていた女性は2人。どちらも自分達とそう変わらな年齢だ。
「すみません……ここってカメラの修理も可能ですか?」
「カメラ……ですか? 珍しいですねこの時代に貴女達みたいな……ッ!」
優斗は思わず驚きそうになったが女性は指を口に当てその先を禁じた。
「お互いの素性は知らない方がよろしいんじゃないかしら? まぁ私達は知っててここに来たのだけど……」
「流石にそれはフェアじゃないよ
「ふふっ……流石に意地悪だったかしら。でもね店主さん……私達がカメラの修理を頼みたい事も本当。敵城視察の一環としてあのPVを作ったこの場所に興味があったのも本当……そう言えば?」
「…………とりあえず品物をお預かりしても?」
「構わないわ。部品の取り寄せが必要ならそれでも結構よ。なにせ妹の……セレナの宝物のカメラなの」
「私達が……いえ、私が歌を聞いて欲しいと思った相手からの初めてのプレゼントがこのカメラなんです。写真を撮ってプリントして……それが私達の宝物なんです」
「写真家として中のデータを拝見しても?」
「はい」
「これほ……凄いな」
優斗はカメラのデータを見て驚愕した。その美しさに驚嘆したのだ。
「ぜひ俺達に預けてくれないか? 必ず直して見せる」
「わかりました。お願いします」
「ふふっ……良かったわねセレナ」
「この笑顔……ヤバいっすね。コレがF.I.S学園の2代女神の所以ですか?」
「あら? そんな事まで伝わってたのね」
「妹達が対決する相手を知りたいのは当然では?」
少しだけ鏡香が意地悪な笑みをしながらマリア達に微笑みかける。
「妹……という事は貴女はリディアン代表の誰かの家族なのかしら?」
「鏡香さんも意地悪っすね。まぁ俺も楽しみですよ」
「鏡香……確か立花鏡香さんてすか? 貴女とステージで語れないのは残念です。せっかくお会いしたのに……」
「私は引退した身です。今は家族を支えたいですし……私の手は既に血で汚れてますから……」
「そう……ですか。残念です。あの日の貴女は美しかったですよ?」
「…………鏡香さん。してやられましたね」
「ちぇ……」
セレナの言葉で鏡香が手玉に取られた事が確定した。しかし鏡香は尚も笑みを浮かべる。
「貴女達が強大な壁だとしても響達は乗り越えます。だって私の……いえ、私達の太陽なので」
「立花響……ね? 彼女達とステージで相まみえるのを楽しみにしておくわ」
そう告げて「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」と「セレナ・カデンツァヴナ・イヴ」は写真館をあとにした。運命の日に激闘のステージになると……この日集った彼女達は確信した。
次回の更新よりG編……です!
よろしければ感想・評価・お気に入り登録お待ちしています!