LINKVRAINSからログアウトしたPlaymakerはすぐに草薙と共にゼロと名乗る人物の調査を開始した。
ゼロのデュエルを横目に見ながら作業していたため、途中でゼロが召喚したミスマッチなモンスターに目眩を覚えた草薙が仮眠を取りに行こうとする一幕はあったが、概ね順調に進んでいた。
しかし、
「駄目だ、プロテクトが強固過ぎて身元が探れない。
どうやらあいつの後ろにも優秀なハッカーがいるようだな」
「だが10年前の事件を知っている以上、関係者であることは間違いないだろう。
どちらの関係者であるかの確証はないが」
深刻な顔をする2人に茶化すような声がかけられる。
「なーに難しい顔しちゃってんの?
協力するって言って実際にハノイの騎士とデュエルしたんだから味方でいーじゃん」
「お前の意見など聞いていない」
まあまあ、と苦笑しながら草薙がたしなめる。
「とはいえあれだけのインパクトなら、あいつの言う通りネット上のPlaymakerの噂と関心はあいつのデュエルで上書きされただろう」
確かにそれはそうだが、と浮かない顔をする遊作に対し軽く笑みを浮かべた草薙が問いかける。
「……やっぱり、ゼロ君のことが思い浮かぶのか?」
「……いや、それは無いだろう。
もしそうだとすれば、奴は俺達でも突破出来ないプロテクトをかけながら本名でハノイの騎士と戦ったことになる。
さすがに考えられないだろう。
……あいつの本名は
「あれ?遊作ちゃんの
黙れとAiに対して冷たく当たる遊作を横目に草薙は今後の計画を立てる。
ゼロの件は気にかかるが、本命であるハノイの騎士との戦いに集中出来るのは正直に言ってありがたい。
真実を掴むため、そして過去を取り戻すため。
ハノイの騎士との戦いは加速していく。
それから数日後、PlaymakerはLINKVRAINSでハノイの騎士と戦っていた。
ハノイの騎士に化けたGo鬼塚とのデュエルが行われ、再び世間の関心がPlaymakerに寄せられるようになったある日、
「おい藤木!
これ知ってるか?」
1日の授業が終わり、教室を出ようというタイミングでクラスメイトの島直樹に声をかけられた。
Playmakerのファンだと言う彼は以前のゼロとハノイの騎士のデュエル後、ゼロの情報でPlaymakerの情報が埋もれてしまったと嘆いていた。
そのゼロの情報も背後にいるらしきハッカーの手により順次消されていたそうだが、
「この前、PlaymakerがGo鬼塚とデュエルしただろ。
だからPlaymakerの情報を漁ってたんだけどよ……」
見ろよこれ!?と端末を突きつけてくる。
目を向けるとハノイの騎士とのデュエル勝利後にしていたゼロの高笑いが自然な編集で延々と流れていた。
「…………なんだこれは」
「唯一の消されないゼロの映像だって今話題になってんだよ!
この『ゼロの高笑い1時間耐久動画』!!」
またPlaymakerの動画が埋もれるー!と騒いでいるとその背後から見慣れた姿が覗き込んできた
「なーに見てるのー?」
「ククク、我が魂の共鳴者の動画ではないか」
「うお!
「やっほー島くん」
「俺のことはゼロと呼べ」
背後から現れた
「……なあ、まさかとは思うけどよ。
お前がゼロの正体だったりしないよな?」
「ククク、彼奴とこの俺様が魂の共鳴者であることに気づいたか。
異なる根源を有する者とはいえ、同志は惹かれ合うというものだな」
「あーはいはい、違うってことだな」
だよなーと愚痴りながら端末を操作する島の姿に帰ろうとしていると
「あぁ!?」
「…………今度はどうした」
「またゼロの動画がアップされてる!
今度は3時間耐久動画だ!?」
何だよもー!と地団駄を踏む島を横目に今度こそ遊作は教室を後にした。