フリーゲーム「カルゥドの鳥」の副祭司さんについての妄想。

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第1話

 『やらない後悔よりもやる後悔』とはよく聞く言葉だけれど、『やらないこと』をやろうとして失敗した後悔はどちらに当てはまるのだろうか。

 下らない疑問だろう。だけど、そんなことを考える余裕がある程度には時間があった。

 

 ──なにせ、もう全て終わってしまうのだから。

 

 ただ儀式をせずに滅びゆくこの国を見届ける。思い出した指令を果たすのに必要なのは、そんな簡単な内容だった。

 ところが、何処からともなく現れた祭司見習いがあれよあれよという間に儀式を成し遂げようとしている。ここまで進んでしまった儀式は今更邪魔する事もできず、仮に出来たとしてもする気もなかった。

 結局のところ、この結末は私が何をしようと変わらなかったのだろうと思う。

 この結末に至った理由を考えてみたのだけれど、たしかについ先ほど、この家を後にした祭司見習いのお嬢ちゃんが常軌を逸した信念の持ち主だったというのもあるのだろう。

 だが、最大の理由はもっと根本的なところにある。

 ──エルトリトだ。

 祈りは鳥に姿を変えてしまっていたのかもしれない。

 自分たちが何のために何に祈っているのかも忘れてしまっているのかもしれない。

 私以外の誰かもこの国を終わらせようとしていたのかもしれない。

 それでも、言葉の意味を知らずとも、それに込められた呪い(祈り)は人々から消え去ってなどいなかった。これが私にとって、致命的な誤謬だったんだ。

 国中に満ち満ちた平和を願う呪い(祈り)の前には私の無気力な企みなんて、太刀打ちすらできなかった。あのお嬢ちゃんがこの国に現れたのもそんな呪い(祈り)がこの地に彼女を引き寄せたのでは、とすら思ってしまう。

 そんなこんなで結果として、恥ずかしいと思っていたこの国よりも恥ずかしい結末に私は落ち着いてしまった。

 ……私の残りの人生は全てが敗戦処理になってしまったのだから。

 結局、『やらない後悔』よりも、『やる後悔』よりも、そもそもその選択肢を見つけてしまったことが何よりの後悔となっていた。

 

 

*****

 

 

 指令を思い出す前のあの頃にはもう戻れず、あのお嬢ちゃんがいなければと思わずにはいられない。さりとて思い出す前の自分が消えてしまった訳でもなく、彼女を恨むような気にもなれない。こんな矛盾を抱えたまま放つ言葉に宿るフルムレトに大した力があるとは思えない。

 それでも私は彼女に別れ際、こう伝えた。

 ──エルトリト。

 何故だろうか。それはきっと、多分心のどこかでこう思っていたからだろう。

 私を打ち負かした平和への呪い(祈り)があっさり破れることがあれば、私はもっともっと恥ずかしい人になってしまう、と。

 

 そうならないように、呪い(祈り)続ける事こそがわたしの敗戦処理だった。




思いつきを書いただけだから解像度は低いかも!

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