獅童正義は明智吾郎として生きることになった。 作:枝野トナナ
ずっと落ち着かない日が続いていたが、ようやく一息つけそうだ。
明智吾郎が絶対買わないであろう服に身を包んでやれば、鏡像も口をつぐむしかない。
チャコールのアンクル丈スラックスはまだしも、上がコバルトブルーのジャケットにマスタードイエローのロングカットソーという派手な組み合わせだが――
単独ではきつい色でも重ね着をすると不思議と馴染む。
あるいは髪色も影響しているのだろうか。黒髪だとまとまりが無くなりそうだ。
ともあれ、いつもの手袋に黒のブリムハットとゴールドフレームの伊達眼鏡も忘れない。
やはり持つべきものは
アレを2千円で繋ぎ止められるなら安いもの。多少懐事情が厳しかろうとも、出し惜しみはせずに払い続けるべきだろう。
「出かけてくる。掃除よろしくな」
さっそく渋谷に行きたいところだが、まずは
薄曇りの空の下、狭い歩道を歩いていると横をパトカーが通り過ぎていった。
巡回強化中なのだろう。税金分はしっかり働いてほしいものだ。
一通りの家事を終え、今度こそ目的地へ向かう。
正直、明智吾郎の家にもルンタを置いてもいいのかもしれない。
もっとまとまったカネが入ってきたら、という話になるが……1千万なんて1日3万使ったら1年も経たずに無くなるからな。
まあ本当に1日3万使うことは稀だし、高校生の身分でそんなカネの使い方をするのはよろしくないにも程があるだろうが。
でも例えば酒を飲んだら結構簡単に消える額でもあるんだよな……ううむ、やはり心もとない。
――などと益体もないことを考えている間に、何事もなく渋谷に着いた。
今日は私の方が先のようだ。
まあ、そういうこともあるだろう。ジュースでも飲んで待つか。
「すみません、バナナミル――いや、やっぱりいちごオレンジミックスください」
「はーい!」
……期間限定値引きという文字と、栄養価につられてつい買ってしまった。
まあビタミンCが豊富なのは間違いないだろう。
甘いいちごの後にオレンジの酸味とつぶつぶ感。特にひねりもなく、普通に美味い。
半分ほど飲んだところで周囲を見る。今のところ変な奴はいなさそう――…………
……いるな。ロクでもないデブ。
金城潤矢。渋谷を根城にしてるマフィアのボスだ。
わざわざ巣穴から出てくるとは珍しい。上納金でも納めに行くのだろうか。
いや、あるいは――考えたくないが、
どちらにしても気配を殺して目を合わせないようにしなければ。
獅童正義としてなら威圧して追い払うことも出来たが、今のこの身体で絡まれたら面倒だ。
「――待たせたな。明智」
タイミング悪いなオイ!
……いや、ここで下手に騒ぐと余計に目立つか。
「やあ喜多川。今日は珍しく遅かったね?
まあとりあえず場所替えようか」
「? あ、ああ」
違和感を持たれぬよう普通の速度、普通の態度を心がけながら、さっさと移動する。
幸い、金城はこちらに気づく素振りもない。
本当にたまたま通りがかっただけだったようだ。
金を漁るしか能のないドブネズミが。無駄に焦らせやがって。
「どうかしたのか?」
「ああ……いや、タチの悪い輩がいたからね。
金城っていう目つきの悪い太った男なんだけど、渋谷周辺で犯罪組織を率いてる奴だ。
見ればわかる程度にはカタギじゃないから、絶対に近づくなよ」
「――そんな奴が?」
「都内とはいえ、事件が多すぎて警察の巡回も追いつかないからね。
おまけに連中のターゲットは学生だ。
割の良いバイトだと騙して薬物の運び屋をさせて、それをネタに脅すのさ。
君も金欠だからって、上手い話に釣られないよう気をつけたほうがいい」
「それは大丈夫だ。洸星は基本的にアルバイトが禁止だからな。
許されている収入は展示会や大会での賞金ぐらいだ」
「……そ、そうか」
学生の本分は勉強とはいえ、一律禁止というのもなかなかストイックだな。
学業に支障が出るのは問題だろうが、成績次第で多少の便宜を図っても良いものを――と思うのは、今の私が別室登校という便宜を図られている側だからか。
「とりあえず、今日はどうしようか。
ヤバいから移動しただけで、特に目的があるわけじゃないんだよね」
「ふむ……そういうことなら、食事もできる喫茶店でゆっくりするか?
俺も少し聞きたいことがあるしな」
……聞きたいこと? 何をだ?
思わず身構えそうになる――が、特別深刻な表情ではない。
さすがに私の考えすぎだ。おそらくは雑談の延長線程度のこと。
新島姉妹や南条圭ならともかく、喜多川祐介はそこまで深く立ち入ってくるタイプの人間ではない。
少なくとも、会話では。
「いいよ! どこか行きたい喫茶店ある?」
「いや、特には……」
「じゃあルノワール行く? 今ならまだモーニングサービスつけられるし」
「こんな遅い時間にか? 名前だけ聞いたことがあるが、変わった店だな」
「落ち着いた雰囲気のいい店だよ。案内するから行こう」
案内する――といいつつ、少し遠くの渋谷ハンディまで行く。
駅近くの店は笹木と行ったばかりだ。どうせなら別の場所がいい。
候補としては宮下公園店もあったが、ハンディ前店の方が比較的空いているからな。
「変わった店だな……飲み物は高いのに食べ物は安い。
普通、逆じゃないか?」
「ここの飲み物は半分席料みたいなものだろうからね。
軽くつまんでおかわりして、ゆっくり過ごすことが大前提の店なのさ」
「ふむ。そういうものなのか」
「牛丼屋やファーストフードは客単価が低いから回転率を上げて客数を増やす必要がある。
こういう店はその逆で、入ってきたお客さんを長居させることで客単価を上げて稼いでいるんだよ。
だから正々堂々のんびりしてオッケーというわけだ。中には仕事する人もいるしね」
「なるほどな……こういう店の中で絵を描くのもいいかもしれない」
「……さすがに画材広げるのはダメだと思うよ。
スケッチブックに鉛筆で何か描くぐらいなら、勉強の延長線みたいなものだからセーフかもだけど」
「む。……それもそうか」
などとまったり話していると、飲み物と食事が運ばれてきた。
カフェラテにハムたまごトーストと、ルノワールブレンドにスペシャルサンド。
ガキでブラックを頼む奴は珍しい。
私? 出されれば飲む程度だ。店――というか豆や淹れ方でいくらでも味が変わるから、安定性が無さすぎて自分から頼む気にはならない。
「……うむ。美味い」
「意外だね。この前はカフェラテ飲んでたから、いきなりブラックに行くとは思わなかったよ」
「空腹の時にブラックを飲むと、どうにも胃に来るからな。
その点、食事があると良い。コーヒーをコーヒーのまま味わえる」
「へぇ……素材の味がわかるほうが好きな感じ?」
「ああ。小さい頃、先生に連れて行ってもらった店で食べた精進料理に衝撃を受けてな。
素材の味を完全に引き出すとはこういうことなのかと、魂が震えた。
それ以来、自分でもあのような料理を作れるように多少は勉強しているが……ダメだな。もやしばかり食べてしまう」
……ふむ。この話の流れなら誘導できそうだ。
私はそっとポケットに忍ばせていたボイスレコーダーのスイッチを入れる。
「もやしばかりって……喜多川も一人暮らしなのか?」
「いいや。斑目先生の家に住まわせてもらっている。
……俺も両親がいなくてな。先生の温情でここまで育ててもらった」
「……そうか。だけどもやしばかりって良くないよ?
食費、ちゃんともらってるんだよね?」
「当たり前だ。……ただ、その……つい、画材を買ってしまって……」
「あー……いや、気持ちはわかるけどさ。
画材より先に食を満たしなよ……何だっけ? 豆苗だっけ? 何回か収穫できる野菜」
「ああ、あれには世話になっている。
もやしより少し高いが、それでも毎日水を入れ替えていれば2回は再収穫できるからな」
「あとタンパク質も大事だよ?」
「それは……だいたい豆腐と卵頼みだ。
正直、こうして奢ってもらえるのはとても助かっている」
「うん……ちょっと君の食生活が本当に心配になってきたよ」
「そういうお前はどうなんだ?
前にコンビニランチとか言っていたが、それとて不健康だろう?」
……言い返せん。面倒だから、以上の理由もない。
レコーダーを一度止める。
「一応栄養素はバランスよく取れるよう確認しながら買っているけどね。
安定している味の方が好きなんだ」
「安定……?」
「いつ食べても同じ味ってことさ。
僕はこれでも臆病でね。何かを食べる時、傷んでないかとか、変なものが入ってないかとか、ついつい考えちゃうんだ。
だから味の評価より前に、分析みたいなことをしちゃって――楽しんで味わえないことの方が多いんだよね。
どうせなら美味しいものを食べたい気持ち自体はあるんだけど、大量生産品の方が品質が安定してるから」
「……毒でも盛られたことがあるのか?」
「いや……もらったキノコに毒キノコが混ざってたとか、刺身や鳥刺しで当たったとか、それぐらい?
ああ、それとオランダで勧められたケーキが大麻入りのヤバいやつだったとかかな」
支援者が善意で振る舞ってくれたものとなれば口にしないわけにはいかないが、素人の目利きほど当てにならないものはない。
そもそも鶏肉に関しては素人だろうとプロだろうと火を通すべきだと思うのだが――なんなんだ? カンピロバクターが怖くないのか?
スペースケーキは論外だ。いくら現地で合法だからって、こっちは政治家として勉強に行ってるんだよ。
なんであんな国が日本に先駆けてスマート農業やワークシェアリング、社会保障の先進国になってるんだ。納得いかねえ。
「オランダか。アムステルダムは一度行ってみたいのだが……大麻とは物騒だな」
「場所自体はとてもいいところだよ。コーヒーショップが危険なだけ。
――まあ罠だよね。前調べしないと、コーヒーショップって聞いてもこういうカフェかコーヒー専門店しか思い浮かばないじゃないか」
「……コーヒーを売っているわけではないのか?」
「タバコ吸うノリで大麻が吸える場所だよ。
悪いこと言わないから、行くならきっちり日本人の観光ガイドつけて安全な場所だけ見て回るほうがいい」
「そ、そうか……いや、行きたくても行く金がないのだが。
ガイドか……できればじっくりと美術館を見て回りたかったのだがな」
「ああ――確かに、ゴッホ美術館やアムステルダム国立美術館は行く価値があるね」
……話が逸れた。そろそろ戻すか。レコーダーも入れ直して、と。
「斑目先生は美術館とかには連れて行ってくれてるの?」
「ああ。小さい頃は色々な場所に一緒に出かけていたな。
最近は先生が忙しいのと、俺も学校があるから……前のようには行かないが」
「……そんなに小さい頃から一緒に暮らしてたんだ?」
「母が亡くなったのが、俺が3歳の時だからな。
父親に至ってはどこの誰かもわからんし……母も先生の世話になっていたから、本当に感謝してもしきれない」
「大変だったんだね……斑目先生って、そんなに面倒見が良かったんだ。
ああいう繊細な芸術家肌の人は、子供を嫌いそうなイメージがあったから――少し意外だよ」
「フフッ……まあ、確かに先生は小さい子供が苦手みたいだな。
展示会で子供が走り回っていると、俺に叱るように言ってくるんだ」
「へぇ? ……なんで喜多川に叱らせるんだろう?」
「先生は見た目があの通り優しいから、俺の方が迫力が出るんだろう」
……いや大して変わらんだろう。
子供を叱る行為自体がイメージダウンになるから、こいつに押し付けている……そんなところか?
「喜多川が子供相手に怒る姿ってあまり想像できないなぁ。
スランプでキレる姿なら想像できるんだけど」
「む……いやまあ、確かに。
絵に集中しすぎて、上手く行かない時に取り乱してしまうことはあるな」
「芸術家あるあるだよね。
斑目先生にもそういうところあるのかなぁ」
「まぁ……先生も人間だからな。
思うようにいかないことなど誰にでもあるさ」
……ふむ。淡々と落ち着いて語っているように見える、がな。
他の角度から切り込んでみるか――と思った矢先、唐突に喜多川が「あ」と声を上げた。
「そうだ。明智に聞きたいことがあったんだ」
「――僕に?」
怪訝に思う暇もなく、喜多川は自分のスマホを取り出し画面を操作する。
差し出されたのは絵の写真。
――見たことがある。斑目の傑作とされている美女画、『サユリ』だ。
「これは俺が一番好きな絵なんだが……
お前から見たらどう見えるのか、と思ってな」
「……なるほど?」
これは――素直に答えてやるか。
「僕は絵に関しては
基本的にはどうもこうもなく、美しいか否かを感じて、技術として優れているか否かを見るに留めるよ。
しかしまあ、君が僕に聞く以上は――
「……ああ。もしお前の美学や基準に反するなら、断ってくれても構わないが」
「いいや、大丈夫だよ。むしろ久々に探偵らしい依頼を引き受けると思えばね。
特別に今日はタダでやってあげるよ」
そもそも探偵なぞやったこともないが、推理ぐらいは出来なくもない。
高校生探偵という胡乱な肩書に対して説得力を増やし、信用を高めるためにも、ここは承諾するのが得策だ。
――さて。
この写真、少し画質が荒いな。古い機種やガラケーで撮った写真をスマホに写したのだろうか。
まあいい。絵の要素を観察するだけなら問題ない。
「まず気になるのは全体の構図だよね。
微笑む女性と装飾のない赤い服、頭に掛かる大きな光輪。
これは東洋の菩薩や天女というより、西洋の聖母画に近しい構図だ。
だが、聖母画だとしたら欠けている要素が2つある――喜多川ならすぐにわかるよね?」
「えっ? ……聖母画、だとしたら……青いマントと、……祈る手か?」
「そのとおり。青いマントは天の意思や純潔を示し、祈りで神への信仰や献身などを表す。
この2つが欠けてるということは、まずこの女性は普通の人間として描かれている可能性が高い。
しかし聖母でない女性を聖母画に寄せる意味はない――ならばこの絵は聖母ではないが聖母画に寄せたい意味がある。
その答えは女性の視線と見えざる手が示している。愛情深い視線で斜めを見下ろし、紫のモヤの奥にある手」
「……聖母画ではなく
「正確には、普通の人間の母子画ってところかな。
そうなるとただの人間が光輪を背負うわけないから、光ってる丸は別のもの。
向かって左上以外の絵の隅が暗いから、太陽ではなく夜空に浮かぶ満月。
永遠、円満、絶頂、みたいなポジティブな意図なら、青空と太陽でもいいはずだ。なら、なぜ夜なのか――というのは一旦後回しにしようか」
ちらりと目線だけで喜多川の様子を伺う。かなり食いついて聞いている。
一応真面目に推理してやってはいるが、美術に関しては話題作りのための付け焼き刃の知識が多い。
文学や心理学と共通する知識で補っているようなものだ。
それに結構な確率で、現代の画家はそこまで考えて描いておらん。
決まりごとの多い宗教画や暗喩が前提のヴァニタス画などは話が異なるが――日本画は美学をぶつけたらそうなっただけという可能性の方が高い。
「次に気になるのは女性の背後の梅。根本が太く、曲がりくねっているから老梅だ。
そして枝の根元側には満月とは別の光源が存在している。そこだけ明るいからね。
その上でわずかに咲いた花――というのは、そのまま『老いてなお花を咲かす』という意味だろう。
だから多分、この枝は斑目先生を指しているんじゃないかな?」
「……!」
「だけど謙遜にしても花の数が少なすぎる。はっきり咲いているのが2輪か3輪しかないだろう。
なぜそうしたか――多分、この絵を描く時に参考にしたものがそうだったからだ。
じゃあ何を参考にしたのか。
この絵が母子画だとしたら、考えられるのは記念写真。例えば――子供の誕生日とかね」
「……」
どんどん表情が固くなっていくな。
まあ、
「ではなぜ、子供を紫のもやで塗りつぶしたか。そしてなぜ、この絵は夜なのか。
太陽ではなく月であることに意味があるとしたら、それは
そして紫は神秘や高貴、霊性の色だが、聖母でない女性には神秘と高貴は似つかわしくない。
残るは霊性。――つまり、この女性は赤子を生んだ時が最も幸せで、その後何らかの理由で亡くなった」
「……幽霊を、表す絵、だと?」
「その言い方は語弊があるんじゃないかな。
だったら斑目先生を示す梅の枝がそのまま残されていることに説明がつかないだろう?」
「……なら、どういうことなんだ?」
「子供は成長する。生きているならね。でも女性はもう年を取らない。死んでいるからね。
女性が亡くなったことで2人の時間は分かたれた。だから同じ画面にはいられない。
それでも女性はかつて抱いていた我が子を見守っている。――そして斑目先生は、そうであれと2人を見守っている。
要するに、このサユリは
さて。これでどう反応するか。
本当に虐待されているのなら、こんな綺麗事なぞ否定や拒絶といったネガティブな反応を見せそうなものだが――
「……そう、か……だから、この絵に……」
……思っていた反応と違うな。
普通に感極まって、そのうえで喜んでいいのかどうか迷っているような表情だ。
これは……少なくとも喜多川祐介自身は、虐待の対象ではない可能性が高い……か?
金銭的に困窮している理由も本人の無駄遣いが原因であるなら、斑目の責任とは言えんし……
あとは虐待を虐待と感じないほどマインドコントロールされている可能性を検討するかどうかだが……
だがあのタヌキジジイがそんな技術を持っているのなら、もっと多くの弟子を同時に抱え込むはずだ。
搾取対象は多ければ多いほどいい。喜多川祐介の才能は確かに抜きん出ているが、1人に絞る必要はない。
……どうにも、疑う根拠が足りんな。
他の弟子にも話を聞ければ分析もできようが、さすがにそこまでやるのは私の仕事ではあるまい。
とりあえず今日の録音データを……いかん、レコーダーを止めるのを忘れていた。切ろう。
ともあれこの音声を大宅一子に渡してやって、あとは向こうで取材させればいい。
念のため、本当に斑目が喜多川を虐待して使い物にならなくする危険性があるのなら、私にも連絡するよう言っておくか。
「……すまん。少し取り乱した。
ありがとう。おかげで、新しい絵を描く意欲が湧いてきた」
「あはは。あんまり本気にしないでほしいけどね。
単に斑目先生の考える綺麗なものを取り合わせたら、サユリの絵になっただけかもしれないし。
満月、女性、老梅の枝、儚げな印象の紫のもやって、どれも美の象徴たり得るものだろう?」
「フフ……確かにな。俺もずっとそう思っていた。
だが、お前の推理で新しい見解を得られたことは確かだ。
絵そのものが伝える美と、絵に宿る感情の美……外と内、2つが揃うからこそ真実の美足り得る。
いつか俺も、この絵のように、真に心を震わせる作品を描きたいものだ」
ずいぶんと勝手に意気込んでいるが……
だがまあ、芸術家は調子に乗らせた方がいい絵を描くことも確かだ。
是非とも頑張ってくれ。
――私のためにもな。