シェルズタウンを離れ、次なる島——オルガン諸島へと辿り着いたロダスト(17)。
砂浜に小舟を寄せ、周囲を見渡す。
「んー、上陸したけど……なんて町だ?」
町の中へと足を一歩踏み入れた瞬間——
「貴様! 海賊か!?」
物陰から勢いよく飛び出してきた男が、竹槍を構えて鋭い眼光を向けてきた。
ロダストは「うおっ」と軽く体を引くと、屈託のない笑顔で首をかしげる。
「お前は?」
「わ、わたしはブードルだ!」
「プードル?」
「違う! さながらブードルだ!」
「ん?さな……。まあ、なんだ、海賊じゃ無いんだな? 俺はロダスト! 旅をしてるんだ!」
ロダストが警戒を解いて笑うと、ブードルもゆっくりと竹槍を下ろした。
見渡せば、人々が汗を流して生活を営んでおり、通りかかる人々がブードルに親しげに声をかけていく。
「へぇ〜。慕われてるんだなお前」
「……ふ、ふん」
照れくさそうに顔を背けるブードルに、ロダストは素直な感想を口にした。
「さながら何も観光地などは無い町だが、人が懸命に生きてる……それだけで、私からしたらいい町なんだ」
「いい町だと思うよ!」
ふと、ブードルが思い出しかのようにロダストの顔を見つめた。
「そういえばロダスト……さながら『幻の大猿』っていう絵本を知っているか?最近、家の中で昔の絵本を見つけてな」
「おおざるー?」
ロダストが首をかしげると、ブードルは静かに語り始めた。
「ああ。根も葉もない所から突如、満月の時だけ出て来るんだ、大猿が。暴虐の限りを尽くし、一日が終わると幻のように消えてしまうっていう……さながら絵本の話だ」
「へぇ〜! 満月だけ暴れる大猿かぁ。へんてこな絵本もあるもんだな!」
ロダストは他人事のように「ガハハ!」と無邪気に笑い飛ばした。
「ロダストはどんな物語が好きだ?私は
海の戦士ソラ!海の戦士ソラはイイぞー!そりゃ、
もうさながら正義の味方!」
「俺は、マンキーボール!」
その後、ブードルの案内で買い物を済ませ、食料をたっぷりと買い込んだロダスト。
出発の準備は万全だ。
港に浮かべた小舟に乗り込み、ロダストは一人で見送りに来てくれたブードルに大きく手を振った。
「じゃあなプードル!」
「だからブードルだと言っておろうが! ……気をつけて行くんだぞ、ロダスト!」
「ニシシッ! 食料も買い込んだし、小舟を購入! 出発するぞー!またいつか会おうーーー!」
力強くオールを漕ぎ出し、17歳の少年は賑やかにオルガン諸島を後にするのだった——。
文字数が足りなかった。
さながらで生きながらえた…。