サイバーパンクを知らない方に説明いたしますと、特定の任務、ストーリーや敵を倒すことでしかできない武器がサイバーパンクには存在し、それらの総称をアイコニック武器と呼びます。どれも元来の武器を強化したような性能をしているわけです。して、前回登場したズオのアイコニックは個人的にもトップクラスに思い出深い武器になります。なぜかと言いますとこの武器、ストーリーにおける作中最強キャラを倒しストーリーをクリアすることで入手できるわけですが、初めてストーリーをクリアした後、隠し部屋に行ってそのアイコニックを回収した後、使ってみようとインベントリを開いたら、ないんですよ、ズオ。まさかのバグで消失するという…そんなわけで非常に思い出深い武器になりますね。個人的に一番好きな武器はアイコニックのネコマタ。理由はつおいから。
アビドスに帰還したVは数日いなかったことでユメにひどく心配されていた。ホシノは相変わらずのぶっきらぼうだったが一応は心配していたのか「あまりユメ先輩を不安にさせないでください」と目をそらしながらVに言った。
「まあおかげで何とか連絡手段と仕事を手に入れられそうだ。しばらくはそっちの仕事はできるわけじゃないが」
口座ができるまで時間がかかる以上、仕事は手渡しのものに限られる。つまりは非合法、密輸や取引の代役なんかに限られるわけだ。手段がないわけではないがその案をユメとホシノに提案したらユメから速攻でダメと言われたので取り消しになった。
「と、なると…消去法で賞金稼ぎになるわけだが」
「え…?Vさん危険だよ!指名手配の子はとっても強いんだよ!?」
「ユメ先輩。心配のし過ぎです。Vの実力は知っているでしょう」
「そうかもしれないけど…でもやっぱり心配だよ~」
「とはいえ…貴方は私達とは違って銃弾を耐えるほどの耐久力がないのですから気を付けてくださいよ?」
「安心しろ。今までも指名手配のやつらと何回も戦ったことがある。心配するようなことじゃない」
Vは初めて会った時と変わらず、腰の武器に手を置くとそう語る。
そもそも耐久力はあるとはいえ、この世界の住人はクロームで強化すらしていない。だからこそゲヘナで一戦交えた時も無傷で帰還したわけであるし。
どういうわけか、この世界に来てから体の調子がすこぶるいい。Relicで損傷を受けた体の不調が一つも感じない。かつての相棒と仕事をしていた時のような快調さだ。
(ジャッキー…)
相棒、ジャッキー・ウェルズ。メジャーで会おうと誓いを交わしたものの、アラサカの一件で死に分かれてしまった友人。ナイトシティーの伝説となり、ジャッキーの遺言を果たしたVは今更ながら彼のことを思い出す。
Vは完璧な人間ではない。伝説となるまででもしくじりはいくつかあったし知り合いを何人も死なせてしまった。だからこそ、Vは心に秘めたる思いがある。
(今回は、誰も死なせない)
ハッピーエンドを望むだなんてナイトシティーという泥水がお似合いな俺達には無理なことだとジョニーはいった。夢で、理想で、到底理性的とは思えない願い。それでも、多少なりとてナイトシティーでのあれこれに未練と後悔を持っていたVにとって一つの明確な目標であった。
加えて、ここは学園都市。子供が多い街だ。Vは子供が嫌いではない。純粋であるし、強さと勇気を持っている。だからこそ、子供がひどい目に合うというのは耐えられないし、見過ごせない。
「今からゲヘナに行ってくるわけだがついでにお前らが働ける割のいい仕事もいくつか見繕ってきてやるよ」
「助かります。ユメ先輩が持ってくる仕事は詐欺まがいのが多いので」
「ひぃん…ホシノちゃんが厳しい…」
目に見えて落ち込むユメを他所にホシノとVは話を続ける。
「あとは弾薬だな。ゲヘナでデモ隊と対峙した際に銃弾とグレネードをいくつかもらってきた。
調達してきたのは主にショットガンとハンドガンの弾だ。ユメが拳銃、ホシノがショットガンを使っており、見る限りほかの銃を扱っていなかったので持っていったら腐ると思いその二種に絞ってもってきたものだった。
「わあ…!ありがとうVさん!」
「すごい量ですね…どうやって手に入れたのかは気になりますが」
デモ隊の中にいたショットガンとハンドガンを使っている子たちから根こそぎ奪っていったなんて言ったら2人はどんな反応をするのだろうかとぼんやり思いながらも賞金狩りを実行するため、Vは再びゲヘナへと向かった。
ゲヘナは相変わらず治安が悪い。そこかしこから聞こえる銃撃と悲鳴、罵声や怒号を耳にしたVがゲヘナに抱いた印象はきれいなナイトシティーである。何というか空気が似ているのだ。汚染度で言えばナイトシティーの圧勝だが。そんなわけでどことなく懐かしさを覚えながらもVはゲヘナの中を進んでいく。キロシを介してVの視界の端にはゲヘナの指名手配がすべてリストアップされている。そのため見つけることも困難ではない。
「ガキ一人に場合によっちゃ数十万…どんだけ治安が悪いんだここ…」
ナイトシティーほど治安が悪いといったがもしかしたらそれ以上かもしれないとVは思う。銃器で人が死なないからこそ銃を撃つ手が緩い。ナイトシティーでも街中でこんな大胆に銃撃を繰り広げることなんてめったに…いやそこそこしかなかった。
だからこそだろう、指名手配の広告を見たとき目を疑った。とはいえ、前述したようにここの人間は硬いだけの生身の人間なので簡単に対処できる。
「身柄は…ヴァルキューレってとこか」
この世界における警察、つまりはNCPDのような仕事をしているのも学生だと知ったときはさすがにVも驚いた。それで何とかなっているのかと思ったが何とかなっていないから今のゲヘナの現状なのだろう。そもそもナイトシティーでもNCPDは無能と汚職でまみれていたが。
気絶させた指名手配の人物を担ぎ上げ、ヴァルキューレに引き渡す。
「う゛っ わ、いやありがたいんですけどこれどうやって捕まえたんですか」
死屍累々となっている数十人をヴァルキューレに引き渡すと引いたような目でそう問いかける。
「ちょうどいいところに戦車がいたからハッキングして奴らの後ろから突撃させた」
「えぇ…」
Vが指をさす先には戦車が壁に激突し、煙とともに大破して炎上している惨状が広がっていた。
まさに地獄絵図。とはいえVとしてはナイトシティーで幾度となく見てきた景色だったわけだが。
「これ報告書かくのめんどくさ…いいや、後輩に丸投げするか…」
「せめて民間人の前で堂々とそういうことを言うべきじゃないんじゃないか?」
「黙っててくださいよ…ただでさえ今のゲヘナはピリピリしてるっていうのに」
ぐでっとカウンターに顔を横にし、Vにそう言うヴァルキューレ生徒。
「だろうな。あんな量のデモ隊を見たら」
殲滅した中にはデモを行おうとしていた学生も数人いた。過激すぎるがあまり指名手配されていたものだ。ナイトシティーでのアラサカやNCPDに対する抗議活動に近いものを感じていた。
「原因はなんだ?」
「そんなの言うまでもないでしょ。雷帝ですよ、ら、い、て、い」
Vの頭の中に軍服を着て自語りをする
「雷帝ってどんな奴なんだ?」
「強欲、貪欲、ゴミでカスで人でなし。到底人間とは思えない怪物ですよ」
よりVの頭の中から雷帝と名乗っていた彼女と言われた情報との違いに困惑が生まれる。
とはいえ雷帝と関係があることがばれると厄介と踏んだVは知らないていで話を進めることにした。
「そんなに不満を募らせているのに雷帝は倒せないのか」
「倒せるんだったらゲヘナの8割が彼女の顔面をグーで殴ってますよ。奴を落とせないのは技術、策略、強さに至るまですべてが化け物じみてるからです」
再び警察がそんなこと民間人に言っていいのかと聞くがどこの誰しもそんな愚痴を吐いているらしく一人を気にしている暇はないのだといった。
「少数の支持者を活用し、己の作った兵器で一度ゲヘナを半壊に追い込み実権を握った後、わずか数日で半壊した場所を修復したのち兵力を誇示して恐怖政治を実行している人ですよ」
「…なんというか、大変なんだな」
目の前の彼女が目が死んでいることを確認し、ねぎらいとして自販機でコーラを差し入れると彼女は素早い手つきでコーラを奪い去り、懐に隠した。
「賄賂は世間体的にまずいので」
「なるほど」
まあ雷帝側に染まってないだけナイトシティーと比べてもましな部類なのだろうと納得しVはヴァルキューレの施設を後にする。
「しかしあのガキがそんなことを…いや、ガキだからって油断するのは良くないか」
ナイトシティーには子供ながらに伝説を残したものもいる。なんならV自身も25という若さでナイトシティーの伝説となった男だ。子供=弱いという認識は不適切であることをVはよく知っている。
そして、この類はすでに絡んでしまった時点で碌なことにはならないということも。
「
協力関係といっても所詮は口約束。裏切られる可能性だってなくはないし、そういう経験はVも多い。加えて一流の技術者となれば何か仕掛けられててもおかしくない。
賞金首を探しながら、リオに何か仕掛けられてないかの検査を頼むことを考えながら歩を進める。
賞金首は未だ尽きるところを知らない。
「アラサカと敵対したときみたいだな」
アラサカにぬれぎぬを着せられ追われる身となったあの日。状況は多少違えどアラサカ側とギャング側、どちらかに協力するかの板挟みにあっていたあの日の感覚と近いものを感じていた。まあ現時点で雷帝側につくという考えはVにはかけらもない。単純に敵を多く作るからだ。知り合ったばかりの仕事仲間に協力して敵を数百人と作るくらいならVは行政につく気はない。
「さて、どうしようか」
道中で出会う賞金首と対峙しながらVは思案する。思った以上にあいつが嫌われていた。それはいい。
問題は既にデモ隊と対峙したことでV自身が雷帝側についていると相手が思ってしまっている点だ。人間の大人という存在が今のところ確認できない世界、加えてこの都市じゃ珍しい人体改造を施しているともなればわかりやすく噂は広まるのは速い。故に雷帝もたった数日でうわさからVにまでたどり着いたわけであるし。
「あ、あの!」
「あ?だれだ…?」
声をかけられたVは振り向く。小柄な眼鏡をかけた赤毛の少女がこちらを向いて立っていた。ボブカットで角が生えている。
(前から思っていたが動物の耳や角が生えている奴もいるよな…)
ファッションだととらえていたがどうにもそうでない、あって当たり前のようなものらしい。
「私…中等部3年の陸八魔アルっていいます!あの、私、恥ずかしいんですが貴方みたいなアウトローな人物にあこがれてて…」
「それで、話しかけに来た、と」
「…はい。貴方の戦いを陰からじっと観察してました!」
(真面目というか何というか…根がいいやつすぎるだろう…)
「私もあなたみたいな、かっこよく素早い動きで敵を始末してみたいです!」
(クロームとかそういうのなしでも見える奴は見えるのか)
その事実に納得とともにVは気を引き締める。
ホシノやミレニアムでぶつかった小さいメイドもそうだが実力者となれば多少、サンデヴィスタンの動きを見抜けるというのはVの今後の活動方針において重要になってくるだろう。
「だが、やめとけ。アウトローはあこがれてなるようなもんじゃないぞ」
それでもというなら無理強いはしないがと付け加えるが、それ以前にアルと名乗った少女の目がキラキラと光らせながらこちらを見ていることに気が付きああ、これは何言っても無駄なんだなとVはそう感じた。
「はあ、じゃあ未来のアウトローさんにアドバイスをしてやろう」
「え!?本当ですか!?」
「ああ、それはな」
「それは…?」
「火力だ。火力はすべてを解決する」
あまりに脳筋すぎる回答にアルはずっこけるがVはいたってまじめだ。
「敵のギャングなんかに囲まれたとしても、どこか一点を狙って火力を叩き出せば隙を作れる。無論、仲間も大事だがな」
実際、ギャングに囲まれた中でボスにケンカを売って全員を始末してその場の危機から脱した事例というのがVにあるからこそのアドバイスであった。
「なるほど…ありがとうございます!」
「…ああ、礼はいい」
(つくづく、憧れの存在に向いてないような性格をしてるな)
そんなことをVは思ったが夢を害するのが良くないので心中に秘めることにした。
アルが、礼を言ってその場から立ち去るとVは賞金狩りを再開する。
相変わらずほとんど一方的な蹂躙で、なおかつ子供を相手にしているので我ながら印象が最悪だとVは思う。だが、ヴァルキューレに引き渡した懸賞金の額はまさかの百数万を超えたため、しばらくはこれで続けようとVは心の中で思った。一日で百万はさすがに傭兵の時代でもなかなかなかったくらいだ。初日で指名手配の連中がうじゃうじゃいたからこれだけの額を稼げたというのはあるがそれだとしても効率がいい。
「何か、手土産でも買って帰ろうか」
半ば、ユメとホシノを喜ばすための手土産、もう半分はまともでうまい味であるこの都市の甘味をV自身が食べてみたいという心境で近くの菓子屋へと歩を進める。気のせいか、少しばかり浮足立ち、速度が速かったことをここに記載しておこう。
なお後日、蹂躙しすぎてV自身も危険人物として掲示板に張り出されるのは別の話…
すっごい作業が滞ってるよぉ~~~~
気づいたら一週間も過ぎてました。なんでなんでしょうね(セキロー、ニーア、まのさば、OW、サブノーティカのプレイ時間を見ながら)
いや本当にごめんなさい。敗因、別げーのやりすぎ
本編開始後一番気になるのはどの章?
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対策委員会編
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時計仕掛けの花のパヴァーヌ編
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エデン条約編
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カルバノグの兎編
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百花繚乱編
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過ぎ去りし刻のオラトリオ編
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Ex.デカグラマトン編
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Final.あまねく奇跡の始発点編