VRアクションMMOにおける勘違いもの。

幕末の影響を受けています(小声)

1 / 1
第1話

VRアクションMMO、ロゼッタストーン。

私はつい最近このゲームを始めた。

 

そして、poyopoyoさんという方と知り合いになった。

ログインが月一程度だというpoyopoyoさんは、しかし豊富な知識量で私にロゼッタストーンの楽しみ方を教えてくれた。

 

翌月。

 

じわじわと人が集まってきて、私とpoyopoyoさんを取り囲み始めた。え、なになに。

様子をよく見てみると、「おいお前行けよ」

「いやお前が行けよ」なんてささやきあってる。

 

「みなさん、なにか話しかけたそうですけど……?」

「ああ、僕目当てのPvPプレイヤーだと思う。ちょっと行ってくる 」

 

いってくるってどこに。

と思うと、「部屋作るからおいでよ」と言ったpoyopoyoさんと、まわりのみなさんが消えた。

 

そういえば聞いたことがある。この「ロゼッタストーン」ってゲーム、インスタンス制PvPを実装してるって。

上級者さんの世界は大変だなあ。

 

私のメニューでは灰色になっているが、PvPエリアに転送、というボタンがある。きっとこれだ。

 

五分ほど待っていると、キラキラしたエフェクトとともにpoyopoyoさんが現れた。

 

「ただいま」

「おかえりなさい」

「ぼくも月一プレイヤーなのにPvPの誘いが多くてねえ」

「たいへんですね……!」

 

poyopoyoさんがははは、と朗らかに笑う。

あ、キャラは無表情なんだけど、ボイスチャットが標準装備されているので、その声が聞こえる。

 

うーん、poyopoyoさん、声だけだとイケメンっぽい。まあ実際あったらちょっと恰幅が良すぎるタイプの人だったりしたこともあるので、油断は禁物だけど。油断って何だ。

 

poyopoyoさんは比較的高身長の、クール系な女性をアバターにしている。声からすると推定男性だが、そこは別に珍しいことでもない。

「最初は自キャラを自分に寄せたりしたけど、なんか嫌になっちゃって」とはpoyopoyoさんの弁だ。

まあ実際、私も現実とは似ても似つかない姿をしている。アバター選択は自由だと思う。

 

----

 

poyopoyoさんの誘いで狩場に来た。

なんでも攻撃を全回避できればおいしい、初心者向けの敵がいる、ということだ。

 

ここだよ。と示されたのは、死霊の谷、というエリア。

空が不穏な紫色で、明らかに初心者お断り感がある。

 

ここではディレイ攻撃の対処の練習ができるそうだ。ディレイ攻撃?

そしてpoyopoyoさんの説明中、とてとてと近寄ってきた骸骨の敵。

ぐっ、と溜めの後、ぶおん、と剣が振り回され、私は死んだ。

 

初心者向けか……これが……?

 

「死んだまま聞いてねー」

「……ゲームだからって自由すぎませんか?」

「ゲームだからねー」

 

のほほんと言うpoyopoyoさんは、本気で私が死んだことを気にしていないようだ。

poyopoyoさんに向かってぶおんと振られた剣を回避し、反撃一発で骸骨の敵を倒している。

 

「一撃で倒せる敵なんですか?」

「えっとね、弱点があるんだ。腰の骨を砕くと一撃で倒せるよ」

「腰の骨」

 

妙にリアルだ。

 

「じゃあ初心者でも使える強めのハンマーをトレードするから、それで回避しながら狙ってみて」

「あ、はい」

 

トレードで手渡された武器は。

 

【ハンマー:星砕き・レプリカ】

 

たしかになんか強そうだった。

 

「レプリカってありますけど、星砕きという名前は?」

「【オリジン】があるんだよ。それは毎日プレイしてる廃プレイヤーのPvPランカーがもってる」

 

またPvPだ。

 

「あとこれ」

 

【装飾品:名前隠しの仮面】

 

「これは?」

「んーとねー。ぼく有名人だから。一緒にいるところ見られるとharukaさんに迷惑がかかるかもしれないからね。つけてるといいかも。安い装備だから、気にしないで」

 

ちょっとかわいい仮面だ。気に入ったのでつけさせてもらう。

 

「かわいいですか?」

「うん、似合ってるよ」

「えへへ」

 

----

 

ログイン前に確認できる、運営からのお知らせ。

新しいのが出ている。

「【重要】『仮面の人物』につきまして」だって。

 

えーと、なになに?

 

 ※一部SNSおよび掲示板等で噂されております『仮面の人物』につきまして、こちらは特定のプレイヤー専用NPCではありません。※

 ※また、期間限定の特別なイベントキャラクターでもございません。お問い合わせはお控えいただけますようよろしくお願いいたします。※

 

ふうん。そういうNPCがいるんだ。会ってみたいなあ……。

 

Tips:【装飾品:名前隠しの仮面】

 

運営から特別措置(レイドボス呼ばわりはかわいそう)としてpoyopoyoにプレゼントされた特別(ユニーク)アイテム。

名前を隠すだけだが、NPCに名前が表示されず、装備非表示機能があり、アバターを自由に変更できるこのゲームではNPCに成りすますことができる。

 

……が、のちに一般配布する予定だったのか、トレード制限がされておらず、harukaの手に渡ったので「レイドボスがNPCと仲良くしてる」と誤解を招く模様。

 

 

----

 

ロゼッタストーン レイドボスさんスレ123

 

223.名無しさん@VRMMO

今回出たお知らせ、どう思う?

「【重要】『仮面の人物』につきまして」。

 

227.名無しさん@VRMMO

>特定プレイヤー専用NPCではありません

……なるほど? 全プレイヤーが解放可能な『隠し全体イベントのキーパーソン』ってことだな!?

 

228.名無しさん@VRMMO

→期間限定の特別なイベントキャラクターでもございません

期間限定イベントじゃなくて『月一で条件を満たした時だけ出現する常設の超激レアユニークNPC』確定じゃねーか!

 

229.名無しさん@VRMMO

ついに運営がレイドボスさんをロゼ石のコンテンツと認めたか……

 

231.名無しさん@VRMMO

「お問い合わせはお控えいただけますよう…」

うわ焦ってる焦ってるwww 隠し要素を突かれすぎて運営が問い合わせ対応パンクしたんだろwww

 

235.名無しさん@VRMMO

この書き方、ワンチャンプレイヤーじゃないか?

 

236.名無しさん@VRMMO

>>235

ねえよ。プレイヤーは名前表示されるだろ

 

237.名無しさん@VRMMO

>>235

運営の回し者

 

238.名無しさん@VRMMO

>>235

それだけは絶対にない


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

非課税少女ミミカ(作者:税の作文)(オリジナル:現代/コメディ)

35歳の元工場勤務、14歳の魔法少女に転生。▼しかも固有能力は――▼【非課税】▼……それ、魔法少女の能力か?


総合評価:1996/評価:8.25/完結:14話/更新日時:2026年08月31日(月) 18:30 小説情報

意味深に助言を送る見た目だけミステリアス女、弟子が大成して大汗をかく(作者:ミスジョ)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

ミルシアは見た目だけミステリアスなうすほそ銀髪TS転生者である。▼如何にも神秘的な見た目から繰り出されるのは、酒とギャンブルが大好きなだらしない姿。▼しかも、初めて出会った若人を勝手に弟子と呼び、意味深な助言を送るのが趣味だった。▼周囲からは見た目だけ残念女と呼ばれ、本人もそれを自認していたが――ある時、彼女の弟子が世界を救って英雄になってしまう。▼そして堂…


総合評価:1318/評価:8.08/連載:5話/更新日時:2026年09月10日(木) 17:03 小説情報

無名のお喋りロリババァ大魔族(作者:あみたいと)(原作:葬送のフリーレン)

▼フリーレンの魔族に対するときの顔が好き▼なんでタイトル通りの魔族がフリーレン達に絡んだりする話です▼※原作最新話までのネタバレ・アニメ化されていない黄金郷編のネタバレの可能性があります


総合評価:5689/評価:8.53/短編:3話/更新日時:2026年09月19日(土) 06:55 小説情報

【どうしたら】魔法少女に変身させられたけど放置された【いいと思う?】(作者:名無しの魔法少女)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

転生者たちが脳内掲示板でわちゃわちゃするn番煎じのよくあるやつ。▼日夜、悪の組織と魔法少女たちが戦うある意味平和なニチアサ的世界に転生したイッチ。▼マスコット的サムシングの押し売りに負けて変身するも、いろいろな要素が悪い方向に作用して、マスコットは絶叫して逃走。▼おいてけぼりを喰らったイッチはしゃあなしに、転生者たちが集う脳内掲示板に助けを求めるのだった。▼…


総合評価:3192/評価:8.56/連載:5話/更新日時:2026年09月13日(日) 12:00 小説情報

聖女様の『悪魔の経典 』~元おっさんが遺したクソ料理撲滅レシピ、数百年後に大バズりする~(作者:宙うし)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

気がつけば、元おっさんは金髪碧眼の可憐な美少女――「光の聖女」セシリアに転生していた。▼内面は枯れたおじさんのままだが、プロとして隙のない「聖女スマイル」を振りまき、今日も各地で魔物退治や浄化の仕事を鮮やかに完遂していく。▼……しかし、仕事の後に待っているのは、感謝感激した住民たちが用意する「最高級の伝統郷土料理」。▼緑色のゲロにしか見えない温かい雑草スープ…


総合評価:4243/評価:8.69/連載:10話/更新日時:2026年10月05日(月) 23:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>