ポケットモンスターブラウン   作:光宙

10 / 61
今回短めです


10話 ヤマブキシティ!格闘道場の悲劇!

「見えてきた!」

 

長い道のりを越え、マサヒロとイーブイの目の前に、大きな街が姿を現した。

 

「ヤマブキシティだ!」

 

高い建物が並び、たくさんの人やポケモンが行き交っている。

 

「すっげぇ……!」

 

マサヒロは目を輝かせながら街へ入っていく。

 

「ここなら、次のジムもすぐ見つかりそうだな!」

 

「イーブイ!」

 

イーブイも嬉しそうに鳴いた。

 

マサヒロは街を歩きながら、ジムを探していく。

 

そして――

 

「あっ! あれだ!」

 

大きな建物を見つけたマサヒロは、迷わず中へ入っていった。

 

「ここがヤマブキジムか!」

 

「……?」

 

イーブイが不思議そうに周りを見渡す。

 

建物の中には、たくさんの格闘家たちがいた。

 

「……あれ?」

 

マサヒロが首をかしげる。

 

すると、一人の門下生が近づいてきた。

 

「君、どうしたんだ?」

 

「俺、ジム戦に来たんだけど!」

 

「ジム戦?」

 

門下生は驚いた顔をする。

 

「ここはヤマブキジムじゃない。格闘道場だ」

 

「えっ!?」

 

マサヒロは固まった。

 

「じゃ、じゃあ俺……ジムと間違えたのか!?」

 

「そういうことだな」

 

「うわぁぁ……!」

 

マサヒロは頭を抱えた。

 

イーブイも呆れたような顔をする。

 

「イーブイ……」

 

「仕方ないだろ! 似たような建物だったんだから!」

 

* * *

 

その時だった。

 

道場の奥から、すすり泣く声が聞こえてきた。

 

「……うっ……うぅ……」

 

マサヒロが振り返る。

 

「どうしたんだ?」

 

一人の門下生が、涙を拭いながら話し始めた。

 

「実は……俺たちの師範代が……」

 

「師範代が?」

 

「ナツメに負けたんだ……」

 

「ナツメ?」

 

マサヒロの表情が変わる。

 

「それって……ヤマブキジムのジムリーダー?」

 

門下生はうなずいた。

 

「そうだ……」

 

「師範代は、ナツメに勝負を挑んだんだ。でも……」

 

門下生は拳を握りしめる。

 

「まったく歯が立たなかった」

 

「そんなに強いのか……」

 

「ナツメはエスパータイプの使い手だ。そして……」

 

門下生の声が震える。

 

「負けた師範代を……人形にしてしまった」

 

「人形!?」

 

マサヒロは驚いて目を見開く。

 

「そして、そのまま連れていかれたんだ……!」

 

「……!」

 

イーブイも驚いたように耳を立てる。

 

「師範代は今もナツメのところにいるのか?」

 

「ああ……」

 

門下生は涙を流した。

 

「誰も助けに行けないんだ……」

 

「……」

 

マサヒロはしばらく黙っていた。

 

そして――

 

「俺が助ける」

 

「え?」

 

門下生が顔を上げる。

 

「俺がナツメと戦って、師範代を助ける!」

 

「君が……?」

 

「それに、俺はジムバッジも集めてるんだ!」

 

マサヒロは胸を張った。

 

「ナツメを倒して、師範代を助けて、ジムバッジももらう!」

 

「イーブイ!」

 

イーブイもやる気満々に鳴く。

 

「よし!」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「次の相手はナツメだ!」

 

* * *

 

「だったら、俺のスピアーで戦う!」

 

マサヒロはモンスターボールを取り出した。

 

「ナツメはエスパータイプなんだろ?」

 

「ああ」

 

「だったら、虫タイプのスピアーなら有利じゃないか!」

 

マサヒロがボールを投げる。

 

「出てこい、スピアー!」

 

「スピアー!」

 

スピアーが姿を現した。

 

「これなら勝てる!」

 

しかし――

 

「待ってくれ!」

 

門下生が慌てて止めた。

 

「え?」

 

「今のスピアーでは、ナツメには勝てない!」

 

「なんでだよ?」

 

「確かに虫タイプはエスパータイプに有利だ。だが、それだけではナツメには勝てない」

 

「……」

 

マサヒロはスピアーを見る。

 

スピアーも門下生をじっと見つめている。

 

「ナツメは、ただタイプ相性が有利だからといって勝てるような相手じゃない」

 

「じゃあ……どうすればいいんだ?」

 

門下生は少し考えた後、スピアーを見る。

 

「……一つだけ方法がある」

 

「本当か!?」

 

「ああ」

 

門下生は道場の奥を指差した。

 

「格闘道場に伝わる奥義を、スピアーに教える」

 

「奥義!?」

 

マサヒロの目が輝く。

 

「それを覚えれば、ナツメに勝てるのか?」

 

「必ず勝てるとは言えない」

 

門下生は真剣な表情で答えた。

 

「だが、今のまま挑むよりは可能性がある」

 

マサヒロはスピアーの前にしゃがみ込む。

 

「どうする、スピアー?」

 

「スピアー!」

 

スピアーは迷うことなく頷いた。

 

「よし!」

 

マサヒロは立ち上がる。

 

「教えてくれ!」

 

門下生も頷いた。

 

「分かった。今日から特訓だ」

 

こうして――

 

ナツメとのジム戦を前に、マサヒロとスピアーの新たな修行が始まる。

 

その奥義とは、一体何なのか。

 

そして、スピアーはナツメに勝つことができるのか――。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。