ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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13話 ロケット団幹部!イーブイの真実!

「……あれは、何だ?」

 

森の奥から、巨大な影がゆっくりと姿を現す。

 

ズシン……!

 

木々が揺れ、地面まで震える。

 

「イーブイ!」

 

イーブイが怯えたようにマサヒロの足元へ駆け寄る。

 

「大丈夫だ、イーブイ!」

 

マサヒロはイーブイを抱き寄せた。

 

そして、巨大な影が木々の間から完全に姿を現す。

 

「な、なんだよ……これ……!」

 

そこにあったのは、巨大なロケット団のメカだった。

 

巨大な腕。

 

鋭い爪。

 

そして、胸の部分にはロケット団のマークが刻まれている。

 

「ロケット団……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「……またお前たちか!」

 

メカの上から、一人の男が姿を現した。

 

「その通りだ」

 

黒い服を身にまとった男。

 

冷たい目でマサヒロたちを見下ろしている。

 

「俺はロケット団幹部、ランス」

 

「幹部……?」

 

マサヒロが驚く。

 

ランスはイーブイへ視線を向けた。

 

「目的は一つだ」

 

「イーブイを渡してもらおう」

 

「……嫌だ!」

 

マサヒロは即答した。

 

「イーブイは俺の仲間だ!」

 

「そう言うと思ったよ」

 

ランスが手を上げる。

 

「なら、力ずくで奪うまでだ」

 

「みんな!」

 

マサヒロがモンスターボールを取り出す。

 

「イーブイを守るぞ!」

 

「フシギソウ!」

 

「スピアー!」

 

「ミニリュウ!」

 

「バルキー!」

 

仲間たちが一斉に飛び出した。

 

「行くぞ!」

 

* * *

 

「フシギソウ、つるのムチ!」

 

「スピアー、ダブルニードル!」

 

「ミニリュウ、りゅうのいかり!」

 

「バルキー、からてチョップ!」

 

四匹が一斉に攻撃する。

 

ドドドドッ!

 

しかし――

 

ガキンッ!

 

巨大メカの装甲には傷一つつかない。

 

「そんな……!」

 

マサヒロが驚く。

 

「この程度か?」

 

ランスが笑う。

 

「反撃しろ!」

 

巨大な腕が振り下ろされる。

 

ドゴォン!!

 

「みんな!」

 

フシギソウたちが吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

「バルキー!」

 

バルキーが立ち上がり、再びメカへ向かっていく。

 

「バルキー!」

 

拳を振るう。

 

しかし――

 

ガンッ!

 

「バルキー!」

 

弾き飛ばされる。

 

「バルキー!」

 

マサヒロが駆け寄る。

 

「大丈夫か!?」

 

バルキーはふらつきながら立ち上がった。

 

「……まだやるのか?」

 

ランスが呆れたように言う。

 

「しぶといな」

 

「当たり前だ!」

 

マサヒロは叫ぶ。

 

「俺たちはイーブイを守るんだ!」

 

「イーブイ……!」

 

イーブイもマサヒロの隣に立つ。

 

「イーブイ!」

 

「無理だ!」

 

ランスが叫ぶ。

 

「そのポケモンを渡せば、全員傷つかずに済む!」

 

「絶対に渡さない!」

 

マサヒロが叫び返す。

 

「イーブイは俺の仲間だ!」

 

「ならば終わりだ!」

 

巨大メカの腕が再び振り上げられる。

 

「危ない!」

 

ドゴォン!!

 

大地が大きく揺れる。

 

フシギソウたちは倒れ、スピアーも飛ぶ力を失っている。

 

「みんな……!」

 

マサヒロは悔しそうに拳を握る。

 

「このままじゃ……!」

 

その時だった。

 

フシギソウがゆっくりと立ち上がる。

 

「フシギ……」

 

「フシギソウ!?」

 

フシギソウの体から、強い光があふれ始める。

 

「なんだ……この光……!」

 

頭の上のつぼみへ、光がどんどん集まっていく。

 

「フシギソウ!」

 

マサヒロが目を見開く。

 

「まさか……新しい技か!?」

 

フシギソウが空を見上げる。

 

太陽の光が、その体へ集まっていく。

 

「フシギソウ……!」

 

「ソーラービームだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「フシギソウ、ソーラービーム!」

 

「フシギソォォォ!」

 

集めた光が一気に放たれる。

 

ズドォォォン!!

 

巨大メカに直撃する。

 

「なに!?」

 

ランスが驚く。

 

しかし――

 

「ぐっ……!」

 

メカは攻撃を受け止めていた。

 

「惜しいな!」

 

ランスが叫ぶ。

 

「だが、その程度ではこのメカは止められん!」

 

「くっ……!」

 

マサヒロが歯を食いしばる。

 

その時――

 

「ミニ……!」

 

ミニリュウが震え始める。

 

「ミニリュウ?」

 

ミニリュウの体が、まばゆい光に包まれる。

 

「まさか……!」

 

「ミニリュウ!」

 

光の中で、その姿が大きく変わっていく。

 

長い体。

 

大きくなった角。

 

そして、頭の左右に伸びる翼のような耳。

 

「ハクリュー!」

 

光が消える。

 

「ハクリュー……!」

 

マサヒロは目を輝かせた。

 

「ミニリュウが進化した!」

 

「ハクリュー!」

 

ハクリューが力強く鳴く。

 

その瞬間、ハクリューの口元に青いエネルギーが集まり始めた。

 

「これは……!」

 

「ハクリュー、りゅうのはどう!」

 

「ハクリュー!!」

 

青白い波動が巨大メカへ向かって放たれる。

 

ドォォン!!

 

「なに!?」

 

ランスが再び驚く。

 

「進化したばかりだというのに……!」

 

メカが大きく揺れる。

 

「今だ!」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

「イーブイ!」

 

「イーブイ!」

 

イーブイが前へ出る。

 

「お前の力も貸してくれ!」

 

「イーブイ!」

 

イーブイの尻尾に、強烈なエネルギーが集まっていく。

 

マサヒロは三匹を見る。

 

「フシギソウ!」

 

「ハクリュー!」

 

「イーブイ!」

 

三匹が並ぶ。

 

「一緒に決めるぞ!」

 

「ソーラービーム!」

 

「りゅうのはどう!」

 

「エボルブラスト!」

 

「フシギソォォォ!」

 

「ハクリュー!!」

 

「イーブイィィィ!!」

 

三つの技が同時に放たれる。

 

緑色の光。

 

青白い波動。

 

そして、イーブイから放たれる強烈な衝撃波。

 

三つの技が一つになり、巨大メカへ直撃する。

 

ドォォォォォン!!

 

「ぐあああああっ!!」

 

巨大メカの装甲が大きくひしゃげる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

三匹も力を振り絞る。

 

「いっけぇぇぇ!!」

 

ドガァァァァン!!

 

巨大メカが大爆発する。

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

ランスは操縦席から飛び出し、地面へ転がる。

 

「くっ……!」

 

ランスは立ち上がると、マサヒロたちを睨みつけた。

 

「覚えていろ!」

 

「ロケット団は、必ずそのイーブイを手に入れる!」

 

「待て!」

 

マサヒロが追いかけようとする。

 

しかし、ランスは振り返った。

 

「……最後に教えておいてやる」

 

「何を……?」

 

ランスはイーブイを指差す。

 

「そのイーブイは、普通のイーブイではない」

 

「……!」

 

マサヒロの表情が変わる。

 

「そいつは、かつてロケット団が作ろうとしていた実験体だ」

 

「実験……?」

 

「自在に進化と退化を繰り返すイーブイ」

 

ランスは淡々と話す。

 

「我々は、あらゆる進化の可能性を持つイーブイを作ろうとしていた」

 

「でも……」

 

ランスはイーブイを見る。

 

「その個体は失敗した」

 

「……!」

 

マサヒロは言葉を失う。

 

「進化することができなくなったんだ」

 

「そんな……」

 

イーブイが不安そうにマサヒロを見る。

 

「研究所から逃げ出した後も、失敗作だったそいつをロケット団は放置していた」

 

ランスは口元を上げる。

 

「だが……」

 

「エボルブラスト」

 

「その未知の技を習得したと知って、話が変わった」

 

「……!」

 

マサヒロはイーブイを抱きしめる。

 

「だから、ずっとイーブイを狙ってたのか……」

 

「そういうことだ」

 

ランスは背を向ける。

 

「その力が偶然なのか、それとも我々が求めていたものなのか……」

 

「いずれ確かめさせてもらう」

 

「待て!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「イーブイは渡さない!」

 

ランスは振り返らない。

 

「好きにしろ」

 

「だが、我々は諦めない」

 

そう言い残し、ランスは森の奥へと消えていった。

 

* * *

 

静かになった森。

 

マサヒロはイーブイを見つめていた。

 

「……イーブイ」

 

「イーブイ……」

 

イーブイは少し不安そうにマサヒロを見る。

 

「お前が……ロケット団に作られたポケモンだったなんて……」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「でも……」

 

イーブイの頭を優しく撫でる。

 

「そんなこと、関係ないよな」

 

「イーブイ……」

 

「お前は俺の仲間だ」

 

「イーブイ!」

 

イーブイが嬉しそうに鳴く。

 

「それに……」

 

マサヒロはフシギソウとハクリューを見る。

 

「みんなも、また強くなったな!」

 

「フシギソウ!」

 

「ハクリュー!」

 

「スピアー!」

 

「バルキー!」

 

仲間たちが声を上げる。

 

マサヒロは笑った。

 

「よし!」

 

「シオンタウンへ行こう!」

 

「イーブイ!」

 

マサヒロたちは再び歩き始める。

 

しかし――

 

マサヒロの頭から、ランスの言葉が離れることはなかった。

 

イーブイはなぜ作られたのか。

 

なぜ進化できなくなったのか。

 

そして――

 

エボルブラストとは、一体何なのか。

 

まだ、その答えは分からない。

 

マサヒロたちは、シオンタウンへ向かって歩き続けた。

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