ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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14話 到着シオンタウン!大切な仲間達!

森を抜けたマサヒロたちは、ようやく次の町へとたどり着いた。

 

「やった! シオンタウンだ!」

 

マサヒロは嬉しそうに町へ入っていく。

 

「ここまで来るの、結構かかったな!」

 

隣を歩くイーブイが、

 

「イーブイ!」

 

と元気よく鳴く。

 

「そうだな!」

 

マサヒロは笑う。

 

後ろからはフシギソウ、スピアー、ハクリュー、バルキーもついてきている。

 

ハクリューは進化したばかりだ。

 

マサヒロは何度見ても嬉しくなる。

 

「それにしても……」

 

マサヒロはハクリューを見る。

 

「ミニリュウがハクリューになったんだよな」

 

「ハクリュー!」

 

「すごいよな!」

 

ハクリューが嬉しそうに鳴く。

 

「フシギソウもソーラービームを覚えたし、みんな強くなってきた!」

 

「フシギソウ!」

 

「スピアー!」

 

「バルキー!」

 

仲間たちがそれぞれ声を上げる。

 

「よし! この調子で次のジムも――」

 

マサヒロはそこで言葉を止めた。

 

「……」

 

ふと、イーブイを見る。

 

「イーブイ?」

 

イーブイが首をかしげる。

 

「……いや、なんでもない」

 

マサヒロは前を向いた。

 

しかし、頭の中には昨日の出来事が残っていた。

 

『そのイーブイは、普通のイーブイではない』

 

『ロケット団が作ろうとしていた実験体だ』

 

『その個体は失敗した』

 

ランスの言葉。

 

「……」

 

マサヒロは黙って歩き続ける。

 

* * *

 

シオンタウンの中を歩いていると、マサヒロは周囲の様子に気づいた。

 

「……なんか、静かな町だな」

 

これまで訪れた町とは違う。

 

人の数も少なく、町全体がどこか落ち着いている。

 

「ここには何があるんだろう?」

 

マサヒロが周囲を見回していると、一人の町の人が話しかけてきた。

 

「君、この町は初めてかい?」

 

「はい!」

 

「それなら、あまり驚かないでくれよ」

 

「え?」

 

町の人が町の奥を指差す。

 

「あそこにはポケモンタワーがあるんだ」

 

「ポケモンタワー?」

 

「亡くなったポケモンたちが眠る場所さ」

 

「……!」

 

マサヒロは驚いた。

 

「ポケモンのお墓……」

 

イーブイもポケモンタワーの方を見る。

 

「イーブイ?」

 

しかし、マサヒロはその変化に気づかなかった。

 

「そういう場所があるんだ……」

 

マサヒロはポケモンタワーを見つめる。

 

「……なんか、ちょっと怖そうだな」

 

「イーブイ……」

 

「ん?」

 

イーブイがマサヒロの服を引っ張る。

 

「どうした?」

 

イーブイは何も言わず、ポケモンタワーを見つめている。

 

「……あそこが気になるのか?」

 

「イーブイ……」

 

イーブイ自身にも理由が分からないようだった。

 

「まあ、今日は疲れたし、ポケモンセンターに行こうぜ」

 

「イーブイ!」

 

二人は歩き出す。

 

* * *

 

ポケモンセンター。

 

仲間たちを休ませた後、マサヒロはベンチに座っていた。

 

イーブイも隣にいる。

 

「……なあ、イーブイ」

 

「イーブイ?」

 

「昨日のことなんだけどさ」

 

イーブイがマサヒロを見る。

 

「俺……ずっと考えてたんだ」

 

マサヒロは少し俯く。

 

「お前がロケット団に作られたポケモンだったってこと」

 

「……」

 

「実験体って言われても、俺にはよく分からない」

 

マサヒロは自分の手を見る。

 

「俺が小さい頃にお前と出会った時、お前は普通にポケモンだった」

 

「一緒に遊んで、一緒に走って……」

 

「俺が落ち込んでる時には、いつもそばにいてくれた」

 

イーブイが静かにマサヒロを見つめる。

 

「だから……」

 

マサヒロはイーブイの頭に手を乗せる。

 

「お前が何者なのか、俺にはまだ分からない」

 

「……」

 

「でもさ」

 

マサヒロは笑う。

 

「俺が知ってるイーブイは、お前なんだ」

 

「イーブイ……」

 

「ロケット団に作られたとか」

 

「失敗作だとか」

 

「そんなの、俺には関係ない」

 

イーブイの目が少し大きくなる。

 

「お前は俺の仲間だ」

 

「イーブイ!」

 

イーブイがマサヒロへ飛びつく。

 

「うわっ!」

 

マサヒロは驚きながらも、イーブイを抱きしめる。

 

「ははは!」

 

「イーブイ!」

 

「それに、俺たちはまだまだこれからだろ?」

 

「イーブイ!」

 

「ロケット団が何度来たって、俺が守ってやる!」

 

イーブイが嬉しそうに鳴く。

 

「よし!」

 

その時だった。

 

「フシギソウ!」

 

「スピアー!」

 

「ハクリュー!」

 

「バルキー!」

 

仲間たちがこちらへやって来る。

 

「お前たちも来たのか!」

 

マサヒロが笑う。

 

「そうだよな」

 

マサヒロはみんなを見渡す。

 

「俺たちには、こんなに仲間がいるんだ」

 

フシギソウがマサヒロの隣に立つ。

 

スピアーがその肩の近くを飛ぶ。

 

ハクリューが長い体を揺らし、バルキーも元気よく拳を上げる。

 

「イーブイも!」

 

「フシギソウも!」

 

「スピアーも!」

 

「ハクリューも!」

 

「バルキーも!」

 

「みんな、俺の大切な仲間だ!」

 

「イーブイ!」

 

「フシギソウ!」

 

「スピアー!」

 

「ハクリュー!」

 

「バルキー!」

 

マサヒロは笑った。

 

* * *

 

その日の夕方。

 

マサヒロたちはポケモンセンターの外に出た。

 

夕日に照らされたシオンタウンは、昼間よりもさらに静かだった。

 

マサヒロは遠くに見えるポケモンタワーを見る。

 

「……ポケモンタワーか」

 

イーブイも同じ方向を見る。

 

「なあ、イーブイ」

 

「イーブイ?」

 

「さっき、あそこを見てたよな?」

 

「……」

 

イーブイはポケモンタワーを見つめる。

 

「何か気になるのか?」

 

「イーブイ……」

 

イーブイ自身にも理由は分からない。

 

ただ、なぜか目を離すことができなかった。

 

「……」

 

マサヒロは少し考える。

 

「じゃあ、明日行ってみるか?」

 

イーブイがマサヒロを見る。

 

「イーブイ!」

 

「よし、決まりだ!」

 

マサヒロが笑う。

 

「明日はポケモンタワーだ!」

 

その瞬間――

 

ポケモンタワーの一番上。

 

暗くなり始めた窓の向こうに、何かの影が映った。

 

「……?」

 

イーブイが振り返る。

 

「どうした、イーブイ?」

 

しかし、そこにはもう何もなかった。

 

「……気のせいか?」

 

マサヒロは首をかしげる。

 

イーブイはしばらくポケモンタワーを見つめていた。

 

そして――

 

静かなシオンタウンの夜が始まった。

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