ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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15話 ポケモンタワー!謎のゴースト!

翌朝。

 

マサヒロたちは、ポケモンタワーの前に立っていた。

 

「ここが……ポケモンタワーか」

 

昨日より近くで見ると、その大きさに圧倒される。

 

「結構、高いな……」

 

イーブイはマサヒロの隣で、じっと建物を見上げている。

 

「イーブイ?」

 

「……イーブイ」

 

「昨日もここを気にしてたよな」

 

マサヒロはイーブイの頭を撫でる。

 

「何かあるのかもしれないな」

 

「イーブイ!」

 

「よし。行ってみよう!」

 

マサヒロたちはポケモンタワーの中へ入っていった。

 

* * *

 

中は静かだった。

 

たくさんの墓が並び、そこには亡くなったポケモンたちの名前が刻まれている。

 

「……」

 

マサヒロは自然と声を小さくした。

 

「ここで、たくさんのポケモンが眠ってるんだな」

 

フシギソウたちも静かに周囲を見回している。

 

バルキーも、いつものように騒ぐことはなかった。

 

「……なんだか、変な感じだな」

 

マサヒロが呟く。

 

その時。

 

「イーブイ……」

 

イーブイが立ち止まった。

 

「どうした?」

 

イーブイは、誰もいない通路の先を見つめている。

 

「何かいるのか?」

 

マサヒロもそちらを見る。

 

しかし、何もない。

 

「……気のせいか?」

 

イーブイはまだ動かない。

 

「イーブイ?」

 

マサヒロが近づくと、イーブイはゆっくり歩き始めた。

 

「おい、待てよ!」

 

マサヒロたちはその後を追う。

 

すると――

 

カタッ。

 

どこかで物音がした。

 

「……!」

 

マサヒロが立ち止まる。

 

「今の、聞こえたよな?」

 

スピアーが羽音を止める。

 

フシギソウも周囲を見回す。

 

「誰かいるのか?」

 

マサヒロが声をかける。

 

返事はない。

 

「……」

 

静寂だけが続く。

 

その瞬間。

 

ヒュッ!

 

目の前を黒い影が横切った。

 

「うわっ!」

 

マサヒロが驚く。

 

「な、なんだ!?」

 

イーブイが前へ出る。

 

「イーブイ!」

 

影はマサヒロたちの前で止まった。

 

そして――

 

「ゴースト……」

 

そこに浮かんでいたのは、一匹のゴーストだった。

 

「ポケモン……!」

 

マサヒロはポケモン図鑑を取り出す。

 

『ゴースト。ガス状の体を持つ、ゴースト・どくタイプのポケモン』

 

「ゴーストタイプか……」

 

ゴーストはニヤリと笑う。

 

そして――

 

スッ。

 

姿を消した。

 

「消えた!?」

 

マサヒロが驚く。

 

「どこだ!?」

 

「イーブイ!」

 

イーブイが後ろを振り向く。

 

そこにはゴーストがいた。

 

「うわっ!」

 

ゴーストは舌を出して、また消える。

 

「……からかわれてるのか?」

 

マサヒロは少し困った顔をする。

 

バルキーが拳を構える。

 

「バルキー!」

 

「待て、バルキー!」

 

マサヒロが止める。

 

「ここはポケモンのお墓なんだ。むやみに戦うのはやめよう」

 

バルキーは拳を下ろす。

 

「でも……」

 

マサヒロはゴーストが消えた場所を見る。

 

「なんで俺たちの前に現れたんだ?」

 

その時。

 

「ゴースト……」

 

遠くから声が聞こえた。

 

「……あっちか!」

 

ゴーストが廊下の奥へ飛んでいく。

 

「待て!」

 

マサヒロが走り出す。

 

「イーブイ!」

 

イーブイも後を追う。

 

「みんな、行くぞ!」

 

フシギソウたちも続く。

 

* * *

 

階段を駆け上がる。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

マサヒロは息を切らしながら走る。

 

「イーブイ、待てよ!」

 

しかしイーブイは止まらない。

 

まるで何かに導かれているようだった。

 

「一体、何を感じてるんだ……?」

 

やがて、イーブイが一つの部屋の前で止まった。

 

「ここか?」

 

マサヒロが扉を見る。

 

ゆっくりと扉を開ける。

 

ギィィィ……。

 

部屋の中は薄暗い。

 

その中央に――

 

先ほどのゴーストが浮かんでいた。

 

「ゴースト……」

 

イーブイが一歩前へ出る。

 

「イーブイ?」

 

ゴーストはイーブイを見つめている。

 

そして、ゆっくりと近づいてくる。

 

「……?」

 

イーブイは逃げない。

 

ゴーストも攻撃してこない。

 

ただ、お互いに見つめ合っている。

 

「……お前、イーブイに何か用があるのか?」

 

マサヒロが尋ねる。

 

「ゴースト……」

 

ゴーストは答えるように鳴く。

 

「やっぱり、何か知ってるのか?」

 

その瞬間――

 

ゴーストの表情が変わった。

 

「ゴースト!」

 

「イーブイ!」

 

突然、ゴーストがイーブイへ向かって突っ込んでくる。

 

「危ない!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「イーブイ、避けろ!」

 

イーブイが横へ飛ぶ。

 

ゴーストはそのまま壁をすり抜ける。

 

「なんだよ……!」

 

「イーブイ、気をつけろ!」

 

ゴーストが再び姿を現す。

 

「戦うしかないのか!」

 

マサヒロはモンスターボールを取り出す。

 

「イーブイ!」

 

「イーブイ!」

 

「でんこうせっか!」

 

イーブイが一気に駆け出す。

 

「ゴースト!」

 

ゴーストも素早く動く。

 

イーブイの攻撃が空を切った。

 

「もう一度!」

 

「かみつく!」

 

イーブイがゴーストへ飛びかかる。

 

しかし――

 

スッ。

 

ゴーストが姿を消した。

 

「また消えた!」

 

「イーブイ、後ろ!」

 

ゴーストが背後に現れる。

 

「かげぶんしん!」

 

イーブイの姿がいくつにも分かれる。

 

ゴーストの攻撃が空振りする。

 

「今だ!」

 

イーブイが一斉に飛びかかる。

 

しかし、ゴーストは次々と攻撃をかわしていく。

 

「くそっ……!」

 

マサヒロは歯を食いしばる。

 

「動きが読めない……!」

 

イーブイも少しずつ息を切らしている。

 

「イーブイ!」

 

マサヒロは次の技を考える。

 

「……エボルブラストなら!」

 

イーブイがマサヒロを見る。

 

しかし――

 

「いや……」

 

マサヒロは首を振る。

 

「まだ使うな」

 

エボルブラストは強力な技だ。

 

だけど、イーブイの体への負担も大きい。

 

「相手が何をしようとしてるのか、まだ分からない」

 

「まずは様子を見るぞ!」

 

「イーブイ!」

 

ゴーストが再び近づいてくる。

 

しかし――

 

攻撃はしてこない。

 

「……?」

 

マサヒロが気づく。

 

「待て」

 

ゴーストはイーブイを見ている。

 

そして、少し離れた場所へ移動する。

 

「……もしかして」

 

マサヒロはゴーストを見る。

 

「最初から俺たちを攻撃するつもりじゃなかったのか?」

 

「ゴースト……」

 

ゴーストはゆっくりと頷くように動いた。

 

「じゃあ……何を伝えたいんだ?」

 

ゴーストはイーブイを見る。

 

「イーブイ……」

 

イーブイもゴーストを見る。

 

二匹はしばらく見つめ合っていた。

 

マサヒロには、その意味が分からない。

 

けれど――

 

イーブイには、何かが伝わっているように見えた。

 

「イーブイ……お前、何か感じてるのか?」

 

「……イーブイ」

 

イーブイは少し不安そうに鳴く。

 

その時だった。

 

ドン……。

 

「……?」

 

建物全体が揺れた。

 

「今の音……?」

 

ドン……。

 

もう一度、大きな音が響く。

 

「上からだ……」

 

マサヒロが顔を上げる。

 

ゴーストも上を見る。

 

「何だ?」

 

イーブイが階段の方へ向かって歩き出す。

 

「おい、イーブイ!」

 

マサヒロも後を追う。

 

「みんな、行くぞ!」

 

フシギソウ、スピアー、ハクリュー、バルキーも続く。

 

階段の先。

 

暗闇の中に――

 

何か大きな影が浮かんでいた。

 

「……!」

 

マサヒロが立ち止まる。

 

「何だ……あれ……?」

 

影がゆっくり動く。

 

イーブイは、その影をじっと見つめていた。

 

そして――

 

「イーブイ……」

 

静かなポケモンタワーに、不気味な声が響いた。

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