今回は旅の仲間も登場!(前回存在を忘れていたなんて言えない…)
タマムシジムでエリカとのジム戦を終えたマサヒロは、イーブイと一緒にタマムシシティの街を歩いていた。
「タマムシシティって、本当に大きいな!」
大きな建物を見上げながら、マサヒロは楽しそうに歩く。
その隣にはイーブイがいる。
「ブイ!」
「今日はどこに行こうかな?」
マサヒロが辺りを見回す。
すると、ひときわ大きな建物が目に入った。
「……あれ、デパートじゃないか?」
「ブイ?」
「よし! 行ってみようぜ!」
マサヒロとイーブイは、タマムシデパートへ向かった。
* * *
「うわぁ……!」
デパートの中に入ったマサヒロは、思わず声を上げた。
広い店内には、たくさんの商品が並んでいる。
ポケモンの道具。
木の実。
お菓子。
服。
おもちゃ。
「すげえな、ここ!」
イーブイも目を輝かせている。
「ブイ!」
「お前も気になるのか?」
マサヒロはイーブイと一緒に商品を眺めていく。
「あとで何か買ってやるよ」
「ブイ!」
イーブイが嬉しそうに尻尾を振った。
その時だった。
「マサヒロ!」
聞き覚えのある声がした。
「……ん?」
振り返る。
そこにいたのは――。
「サトシ!」
「また会ったな!」
サトシが笑顔で手を振っている。
「こんなところで会うなんてな!」
「そうだな!」
二人は笑い合う。
「ところで……」
マサヒロはサトシの隣を見る。
そこには、オレンジ色の髪をした少女と、見覚えのある人物が立っていた。
「……タケシさん?」
「おう! 久しぶりだな、マサヒロ!」
タケシが笑う。
「やっぱりタケシさんだ!」
マサヒロは嬉しそうに近づく。
「そっちの人は?」
「私はカスミ。サトシと一緒に旅をしてるの」
「カスミさんか。俺はマサヒロ。よろしく!」
「よろしくね、マサヒロ」
マサヒロは改めて三人を見る。
そして、少し驚いた顔をした。
「サトシに旅の仲間がいるだけでも驚きなのに、まさかそれがタケシさんだなんてな」
「そうなんだ! あの時は2人と逸れちゃってて紹介できなかったもんな!」
サトシが答える。
「タケシとは一緒に旅してるんだ!」
「へえ……」
マサヒロはタケシを見る。
「なんか意外だな」
「そうか?」
タケシが首を傾げる。
その時――。
「おや?」
タケシが近くで買い物をしている女性に気づいた。
「これは美しいお姉さん……! 自分はタケシといいます!」
「え?」
「よかったら僕と――」
ガシッ!
「タケシ!」
カスミがタケシの耳を掴んだ。
「痛い痛い痛い!」
「また始まったわね!」
「ちょっと待ってくれ、カスミ!」
「何がちょっとよ!」
カスミがタケシの耳を引っ張る。
「痛たたたた!」
「……」
マサヒロは、その光景を呆然と見ていた。
ニビジムで戦った時のタケシは、クールで厳格だった。
ジムリーダーとして堂々としていて、隙のない人物だった。
それなのに――。
「……タケシさんって、こんな人だったんですか?」
「どういう意味だ、マサヒロ!」
「いや……ニビジムの時と全然違うので……」
「ジムリーダーとして戦う時は、当然そういう顔になるだろう!」
「そういうものなんですか……?」
サトシが笑う。
「いつもこんな感じだよ」
「……」
マサヒロはタケシを見る。
「やっぱり信じられないな……」
「おい!」
* * *
その時だった。
「きゃーっ!」
突然、デパート中に悲鳴が響いた。
「何!?」
カスミが振り返る。
店の奥から、何人もの客が逃げてくる。
「た、大変です!」
店員が叫んだ。
「商品が盗まれました!」
「盗まれた!?」
マサヒロが驚く。
すると、遠くの出口へ向かって走っていく三人組が見えた。
白い制服。
胸には赤いRのマーク。
「……ロケット団!」
マサヒロが叫ぶ。
「ロケット団!?」
カスミも驚く。
マサヒロはこれまでにもロケット団と何度も戦ってきた。
だが、目の前にいる三人組には見覚えがない。
「止まれ!」
サトシが叫ぶ。
三人組が足を止め、振り返った。
「……あいつら!」
サトシの顔が険しくなる。
「知ってるのか?」
「ああ。こいつら、何度も俺たちの邪魔をしてくるんだ!」
「なんなんだ、お前達は!」
マサヒロも声を飛ばす。
すると――。
「なんだかんだと聞かれたら!」
赤い髪の女性が胸を張った。
「答えてあげるが世の情け!」
青い髪の男が続ける。
「世界の破壊を防ぐため!」
「世界の平和を守るため!」
「愛と真実の悪を貫く!」
「ラブリーチャーミーな敵役!」
「ムサシ!」
「コジロウ!」
二人がポーズを決める。
「銀河を駆けるロケット団の二人には!」
「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」
「ニャーんてニャ!」
ニャースが胸を張る。
「……」
マサヒロは呆然と三人を見つめた。
「なんなんだ、こいつら……」
「だからロケット団だって!」
サトシが叫ぶ。
「いや、そういう意味じゃないんだけど……」
マサヒロは頭を抱えた。
すると、ムサシが辺りを見回す。
「それにしても、せっかくの強盗なのに邪魔が入ったわね」
コジロウがマサヒロたちを見る。
「だったら、あいつらのポケモンも奪っていきましょう!」
「いい考えだニャ!」
ムサシがイーブイを見る。
「まずは、あのイーブイね!」
「ブイ!」
イーブイが身構える。
マサヒロはすぐにイーブイの前へ立った。
「イーブイには手を出させない!」
「行くぞ、ピカチュウ!」
「ピカ!」
サトシも前へ出る。
「私も!」
カスミがボールを構える。
「ヒトデマン!」
「ヘア!」
タケシもボールを取り出す。
「ロコン!」
「コン!」
* * *
「出てきなさい、アーボ!」
「アーボ!」
ムサシがアーボを繰り出す。
「行け、ドガース!」
「ドガァース!」
コジロウもドガースを繰り出した。
「アーボ、ようかいえき!」
「ドガース、たいあたり!」
アーボとドガースが一斉に攻撃する。
「イーブイ、かげぶんしん!」
「ブイ!」
イーブイの姿がいくつにも分かれる。
「なっ!?」
「どれが本物だ!」
攻撃がすべて空を切る。
「今だ!」
マサヒロが叫ぶ。
「イーブイ、でんこうせっか!」
「ブイ!」
イーブイが一気に駆け抜ける。
「アーボ!」
「ドガース!」
二匹が吹き飛ばされた。
「ピカチュウ、10まんボルト!」
「ピカァァァ!」
強烈な電撃がアーボとドガースを包み込む。
「アーボ!」
「ドガース!」
二匹が地面に倒れる。
「そんな……!」
ムサシが驚く。
「俺たちのポケモンが……!」
コジロウも慌てる。
「まだだ!」
ムサシが叫ぶ。
「アーボ、もう一度ようかいえき!」
「ドガース、たいあたり!」
「ヒトデマン、みずでっぽう!」
カスミが叫ぶ。
「ヘア!」
水流がドガースを吹き飛ばす。
「ロコン、ひのこ!」
「コン!」
ロコンの口から炎が飛び、アーボを押し返す。
「よし!」
マサヒロが叫ぶ。
「イーブイ、でんこうせっか!」
「ブイ!」
イーブイがアーボへ飛びかかる。
「アーボ!」
アーボが吹き飛んだ。
「今度こそ終わりだ!」
マサヒロとサトシが叫ぶ。
「イーブイ、エボルブラスト!」「ピカチュウ、10まんボルト!」
「ブイイイッ!」「ピカァァ!」
イーブイとピカチュウから同時に強力な攻撃が放たれる。
「ニャーーーーッ!」
「「いやぁぁぁぁぁっ!」」
ロケット団三人組は、空高く吹き飛んでいった。
「「「やなカンジー!」」」
* * *
デパートに、ようやく平穏が戻った。
「本当にありがとうございました!」
店員たちがマサヒロたちへ頭を下げる。
「いや、俺たちだけじゃないですよ」
マサヒロはサトシたちを見る。
「みんなで戦ったんだからな」
「そうだな!」
サトシが笑う。
カスミも頷いた。
「それにしても、あのロケット団……」
「いつもあんな感じなんだよ」
サトシが苦笑する。
「……大変だな」
マサヒロはサトシに同情した。
やがて、サトシたちも次の旅へ向かうことになった。
「じゃあな、マサヒロ!」
「ああ! また会おうな!」
「今度はバトルしようぜ!」
「もちろん!」
カスミも手を振る。
「またね、マサヒロ!」
「カスミさんも元気で!」
「うん!」
そして――。
「マサヒロ!」
タケシが声をかける。
「またいつか、ポケモンバトルをしよう」
「うん!」
マサヒロは笑う。
「タケシさんも、旅を頑張ってください!」
「ああ!」
「じゃあな、マサヒロ!」
「おう!」
サトシたちは歩いていく。
マサヒロはその背中を見送った。
「サトシにも、いい仲間ができたんだな」
「ブイ」
マサヒロはイーブイの頭を撫でる。
「俺たちも負けてられないぞ!」
「ブイ!」
「よし!」
マサヒロは前を向いた。
「俺たちも行こう!」
タマムシシティの街を、マサヒロとイーブイは歩き出した。
その先に待つ、新たな冒険へ向かって。