ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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21話 シゲルとの激突!6vs6フルバトル!

タマムシシティを出たマサヒロとイーブイは、次のジムがあるセキチクシティを目指して歩いていた。

 

「セキチクシティか……」

 

マサヒロは前を見ながら呟く。

 

「次のジム戦も絶対に勝つぞ!」

 

「ブイ!」

 

「そのためにも、もっと強くならないとな!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

その時だった。

 

「……ん?」

 

前方から、一人の少年が歩いてくる。

 

茶色の髪。

 

自信に満ちた表情。

 

そして、その後ろには何匹ものポケモンを連れた姿があった。

 

「……あれは」

 

マサヒロの足が止まる。

 

「シゲル!」

 

「……マサヒロ?」

 

シゲルも立ち止まった。

 

そして、口元に笑みを浮かべる。

 

「久しぶりだな」

 

「シゲル、お前もセキチクシティに行くのか?」

 

「ああ。もちろんジム戦さ」

 

シゲルはマサヒロを見る。

 

「君も同じ目的みたいだね」

 

「ああ!」

 

マサヒロが笑う。

 

「次のジムでも勝って、カントーリーグ制覇に近づくんだ!」

 

「ふっ……相変わらずだな」

 

シゲルが笑う。

 

マサヒロはそんなシゲルを見て、ふと思い出した。

 

「そうだ!」

 

「ん?」

 

「この間、サトシとも再会したんだぜ」

 

「サトシ?」

 

シゲルの表情が変わる。

 

「君が?」

 

「ああ。タマムシシティのデパートで偶然会ったんだ」

 

「へえ……」

 

シゲルは少しだけ驚いたような顔をした。

 

「まだあいつ、旅を続けてるのか」

 

「もちろんだよ」

 

マサヒロは笑う。

 

「ピカチュウと一緒に頑張ってたぞ」

 

「そうか」

 

シゲルは鼻で笑った。

 

「相変わらず、あいつは身の程知らずだな」

 

「……何?」

 

「君も知ってるだろ?」

 

シゲルがマサヒロを見る。

 

「サトシなんかが僕たちと同じ場所を目指しているんだ。少し無理があるんじゃないか?」

 

マサヒロの表情が変わる。

 

以前なら――。

 

マサヒロ自身も、サトシのことを小馬鹿にしていた。

 

だが、今は違う。

 

「……シゲル」

 

「なんだ?」

 

「サトシを馬鹿にするのはやめろよ」

 

「……え?」

 

シゲルが目を丸くする。

 

「どうしたんだ、急に?」

 

「俺は前まで、サトシのことを馬鹿にしてた」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「でも、旅をして、何度もあいつと会って、バトルもして……考えが変わったんだ」

 

「……」

 

「サトシは強い」

 

マサヒロは真っ直ぐシゲルを見る。

 

「それに、俺にとってサトシは本気で負けたくないライバルだ」

 

シゲルの表情から笑みが消える。

 

「……君が、あのサトシをライバルだと?」

 

「ああ!」

 

マサヒロは迷わず答える。

 

「サトシは俺と対等なライバルだ!」

 

「ふっ……」

 

シゲルが再び笑う。

 

「面白いことを言うようになったじゃないか」

 

「何だよ」

 

「そこまで言うなら――」

 

シゲルがモンスターボールを取り出す。

 

「君がどれだけ強くなったのか、僕にも見せてもらおうじゃないか」

 

「……!」

 

マサヒロの目が輝く。

 

「バトルするのか?」

 

「もちろん」

 

シゲルが笑う。

 

「6対6のフルバトルだ」

 

「望むところだ!」

 

二人は少し離れた場所へ移動する。

 

そして、向かい合った。

 

「マサヒロ!」

 

「シゲル!」

 

「6対6フルバトル!」

 

「行くぞ!」

 

シゲルがボールを投げる。

 

「カメックス!」

 

「カメェ!」

 

巨大なカメックスが姿を現した。

 

マサヒロは一瞬、驚く。

 

「カメックス……!」

 

「どうだ?」

 

シゲルが笑う。

 

「僕のカメックスは最終進化までしている」

 

シゲルはマサヒロを見る。

 

「それに対して君は……」

 

マサヒロもボールを投げる。

 

「フシギソウ!」

 

「ソウ!」

 

フシギソウが戦場へ飛び出した。

 

シゲルが笑う。

 

「まだ一回しか進化していないフシギソウか」

 

「それがどうした!」

 

「いや……」

 

シゲルは肩をすくめる。

 

「最終進化したカメックスとフシギソウじゃ、ずいぶん差があると思ってね」

 

「そんなの関係ない!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「フシギソウは俺の仲間だ!」

 

「なら、見せてもらおうか」

 

シゲルが腕を組む。

 

「その仲間が、僕のカメックスにどこまで通用するのかをね」

 

「いくぞ、フシギソウ!」

 

「ソウ!」

 

「カメックス、こうそくスピン!」

 

「カメェ!」

 

カメックスが高速で回転しながら突っ込んでくる。

 

「フシギソウ、つるのムチ!」

 

「ソウ!」

 

伸びたつるがカメックスへ向かう。

 

しかし――。

 

「からにこもる!」

 

「カメ!」

 

カメックスが甲羅へ身を隠す。

 

つるが甲羅を叩く。

 

「効いてない!」

 

「そのまま、かみつく!」

 

「カメェ!」

 

カメックスが甲羅から飛び出し、フシギソウへ食らいつく。

 

「フシギソウ!」

 

「ソウッ!」

 

フシギソウが吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「はっぱカッター!」

 

「ソウ!」

 

鋭い葉が大量に飛んでいく。

 

「カメックス、こうそくスピン!」

 

カメックスが回転する。

 

飛んできた葉を弾き飛ばしながら、フシギソウへ迫る。

 

「たいあたり!」

 

「ソウ!」

 

フシギソウも正面からぶつかっていく。

 

「カメェ!」

 

「ソウッ!」

 

二匹が激突する。

 

「フシギソウ、まだいける!」

 

「ソウ……!」

 

フシギソウは踏ん張る。

 

「なかなかやるじゃないか」

 

シゲルが言う。

 

「でも、これで終わりだ」

 

シゲルが指を向ける。

 

「カメックス、ハイドロポンプ!」

 

「カメェェェ!」

 

強烈な水流が放たれる。

 

「フシギソウ、ソーラービーム!」

 

「ソウッ!」

 

フシギソウの頭上に光が集まる。

 

「いけぇぇぇ!」

 

「ソウウウウ!」

 

「カメェェェ!」

 

ソーラービームとハイドロポンプが正面からぶつかる。

 

激しい衝撃が戦場を包む。

 

「負けるな、フシギソウ!」

 

「ソウウウッ!」

 

だが――。

 

「カメックス!」

 

シゲルの声に応えるように、カメックスがさらに力を込める。

 

「カメェェェッ!」

 

ハイドロポンプがソーラービームを押し返す。

 

「なっ……!」

 

水流がフシギソウを直撃した。

 

「フシギソウ!」

 

「ソウ……」

 

フシギソウが倒れる。

 

「フシギソウ、戦闘不能!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「くそっ……!」

 

シゲルはカメックスを見ながら言う。

 

「これが僕と君の差だよ」

 

「……!」

 

マサヒロは悔しそうに歯を食いしばる。

 

「まだ終わってない!」

 

マサヒロはボールを取り出す。

 

「次はこいつだ!」

 

「バルキー!」

 

「バル!」

 

バルキーが戦場へ飛び出した。

 

シゲルも次のボールを取り出す。

 

「行け、キングラー!」

 

「キングラー!」

 

巨大なハサミを持ったキングラーが姿を現す。

 

「よし!」

 

マサヒロが構える。

 

「バルキー、素早さで翻弄するぞ!」

 

「バル!」

 

「キングラー、バブルこうせん!」

 

「キン!」

 

大量の泡が飛んでくる。

 

「バルキー、避けろ!」

 

「バル!」

 

バルキーが素早く横へ跳ぶ。

 

泡をかわしながら走り回る。

 

「そのまま、かわらわり!」

 

「バル!」

 

バルキーがキングラーへ迫る。

 

「キングラー、メタルクロー!」

 

「キン!」

 

鋭い爪が振り下ろされる。

 

「バルキー、避けろ!」

 

「バル!」

 

バルキーは素早くかわす。

 

「今だ! からてチョップ!」

 

「バル!」

 

攻撃がキングラーへ命中する。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「このまま押し切るぞ!」

 

「……」

 

シゲルは冷静にバルキーを見る。

 

「確かに素早いな」

 

そして――。

 

「でも、動き続ければ隙も生まれる」

 

「え?」

 

「キングラー、クラブハンマー!」

 

「キングラァァァ!」

 

キングラーが巨大なハサミを振り上げる。

 

「バルキー、避けろ!」

 

「バル!」

 

バルキーが動こうとした、その瞬間。

 

キングラーのハサミが振り下ろされた。

 

ドォン!

 

「バルキー!」

 

「バル……」

 

バルキーがその場に倒れる。

 

「バルキー、戦闘不能!」

 

「そんな……!」

 

マサヒロが驚く。

 

「一撃で……」

 

シゲルが静かに言う。

 

「これが力の差だよ」

 

「……」

 

マサヒロは悔しそうに拳を握った。

 

「まだだ……!」

 

マサヒロは次のボールを握る。

 

「次はお前だ!」

 

ボールを投げる。

 

「スピアー!」

 

「シュア!」

 

スピアーが戦場へ飛び出した。

 

シゲルはユンゲラーのボールを取り出す。

 

「行け、ユンゲラー!」

 

「ユンゲラー!」

 

三戦目が始まった。

 

「スピアー、こうそくいどう!」

 

「シュア!」

 

スピアーが一気に加速する。

 

「ユンゲラー、サイコキネシス!」

 

「ユン!」

 

見えない力がスピアーを捉える。

 

「スピアー!」

 

スピアーの動きが止まる。

 

「どくづき!」

 

「シュアッ!」

 

無理やり身体を動かし、ユンゲラーへ突っ込む。

 

「サイケこうせん!」

 

「ユン!」

 

光線がスピアーを直撃する。

 

「シュアァ!」

 

スピアーが吹き飛ぶ。

 

「スピアー!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かわらわり!」

 

「シュア!」

 

スピアーが再び突っ込む。

 

しかし――。

 

「サイコキネシス!」

 

「シュアッ!」

 

またしても見えない力に捕らえられる。

 

スピアーの身体が宙へ浮く。

 

「くっ……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「スピアー、負けるな!」

 

「シュア……!」

 

「これで終わりだ」

 

シゲルが言う。

 

「ユンゲラー、サイケこうせん!」

 

「ユン!」

 

光線がスピアーへ迫る。

 

その瞬間だった。

 

スピアーの身体から、何かが飛び出した。

 

「……え?」

 

マサヒロが目を見開く。

 

「今のは……?」

 

スピアーの周囲に無数の針が浮かぶ。

 

「まさか……!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ミサイルばり!」

 

「シュアアアアッ!」

 

無数の針が一斉にユンゲラーへ飛んでいく。

 

「ユンゲラー!?」

 

「ユンッ!」

 

針が次々と命中する。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「スピアー、こうそくいどう!」

 

「シュア!」

 

スピアーが一瞬でユンゲラーへ接近する。

 

「ミサイルばり!」

 

「シュアアッ!」

 

至近距離から大量の針が放たれる。

 

「ユンゲラー!」

 

ユンゲラーが大きく吹き飛ばされる。

 

そして――。

 

「ユンゲラー、戦闘不能!」

 

「やったぁ!」

 

マサヒロが拳を突き上げる。

 

「スピアー、よくやった!」

 

「シュア!」

 

スピアーも嬉しそうに羽を大きく動かす。

 

「新しい技を覚えたんだな!」

 

「シュア!」

 

スピアーが力強く鳴く。

 

スピアーは嬉しそうにマサヒロを見る。

 

マサヒロも笑う。

 

「いいぞ!新しい技で勝ったんだ!」

 

「シュア!」

 

スピアーが胸を張る。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「シゲル!」

 

「なんだ?」

 

「ここからだ!」

 

マサヒロは残りのボールを握りしめる。

 

「俺たちは、ここから巻き返す!」

 

「ブイ!」

 

イーブイも声を上げる。

 

シゲルは黙ってマサヒロを見つめる。

 

6対6のフルバトル。

 

まだ勝負は終わっていない。

 

マサヒロたちの反撃が、ここから始まる。




なんかシゲルがめっちゃ嫌な奴になってない?
ここから巻き返せるかしら()
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