ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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24話 セキチクジム!初めての敗北!

バルキーと別れてから、数日。

 

マサヒロとイーブイたちは、ついにセキチクシティへ到着した。

 

「着いたぞ、セキチクシティ!」

 

「ブイ!」

 

大きな街を見渡しながら、マサヒロは笑う。

 

「ここが次のジムか……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「バルキーに負けないくらい、俺たちも強くなってるって見せてやる!」

 

「ブイ!」

 

マサヒロはセキチクジムへ向かった。

 

そして――。

 

「ここがセキチクジム……」

 

マサヒロが扉を開ける。

 

「誰かいませんかー!」

 

「……来客とは珍しいな」

 

奥から声が聞こえる。

 

「!」

 

現れたのは、忍者のような格好をした男だった。

 

「俺はセキチクジムのジムリーダー、キョウ」

 

「俺はマサヒロ!」

 

マサヒロは元気よく名乗る。

 

「カントー地方のジムバッジを集めてるんだ!」

 

「ほう」

 

キョウはマサヒロを見る。

 

「では、ジム戦を希望するということだな」

 

「ああ!」

 

「よかろう」

 

キョウが頷く。

 

「今回は2対2のバトルとしよう」

 

「2対2……!」

 

マサヒロがボールを握る。

 

「絶対勝つぞ!」

 

「ブイ!」

 

キョウとマサヒロは向かい合う。

 

「それでは――」

 

キョウがボールを投げる。

 

「行け、モルフォン!」

 

「モルフォォン!」

 

大きな羽を持ったモルフォンが姿を現す。

 

「よし!」

 

マサヒロもボールを投げる。

 

「行け、スピアー!」

 

「シュア!」

 

スピアーが戦場へ飛び出す。

 

「スピアーか」

 

キョウが静かに言う。

 

「高速で動き回る、素早いポケモンだな」

 

「そうだ!」

 

マサヒロが構える。

 

「スピアー、こうそくいどう!」

 

「シュア!」

 

スピアーが一瞬で走り出す。

 

「速い!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「そのまま、どくづき!」

 

「シュアアッ!」

 

スピアーがモルフォンへ突っ込む。

 

しかし――。

 

「モルフォン、右へ!」

 

「モル!」

 

モルフォンが急に横へ動く。

 

「何!?」

 

スピアーが空振りする。

 

「スピアー、戻れ!」

 

「シュア!」

 

スピアーが方向を変える。

 

「もう一度、こうそくいどう!」

 

「シュア!」

 

スピアーがモルフォンの周囲を高速で飛び回る。

 

「どくづき!」

 

「シュアッ!」

 

しかし――。

 

モルフォンは上下左右に不規則に動く。

 

「なっ……!」

 

マサヒロが目を見開く。

 

「スピアーの動きを読んでる!?」

 

「違う」

 

キョウが答える。

 

「モルフォンには、決まった動きなどない」

 

「……!」

 

「予測できない動きこそ、忍の戦いだ」

 

「スピアー、もう一度!」

 

「シュア!」

 

スピアーが突っ込む。

 

モルフォンは突然上へ跳ねる。

 

「なに!?」

 

スピアーが通り過ぎる。

 

「モルフォン!」

 

「モル!」

 

モルフォンがスピアーの背後へ回り込む。

 

「スピアー、後ろだ!」

 

「シュア!?」

 

「サイケこうせん!」

 

「モルフォォン!」

 

光線がスピアーを直撃する。

 

「スピアー!」

 

「シュアア!」

 

スピアーが吹き飛ばされる。

 

「立て、スピアー!」

 

「シュア……!」

 

スピアーが立ち上がる。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「こうそくいどう!」

 

「シュア!」

 

再びスピアーが加速する。

 

「今度こそ、ミサイルばり!」

 

「シュアアアッ!」

 

無数の針がモルフォンへ飛んでいく。

 

しかし――。

 

「モルフォン、避けろ」

 

「モル!」

 

モルフォンが不規則に動き回る。

 

針が次々と地面へ突き刺さっていく。

 

「そんな……!」

 

マサヒロが驚く。

 

「スピアーの攻撃が当たらない!」

 

「そして――」

 

キョウが指を向ける。

 

「サイケこうせん!」

 

「モルフォォン!」

 

再び光線が放たれる。

 

「スピアー、避けろ!」

 

「シュア!」

 

スピアーが横へ飛ぶ。

 

だが――。

 

「そこだ」

 

「モル!」

 

モルフォンが進路を変える。

 

光線がスピアーを追いかける。

 

「スピアー!」

 

ドォン!

 

「シュアア……!」

 

スピアーが地面へ落ちる。

 

「スピアー、戦闘不能!」

 

「そんな……!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「スピアー!」

 

スピアーは悔しそうにマサヒロを見る。

 

「よく頑張った」

 

マサヒロはボールを取り出す。

 

「戻って休んでくれ」

 

スピアーがボールへ戻る。

 

マサヒロは次のボールを握った。

 

「……よし」

 

「次はお前だ!」

 

ボールを投げる。

 

「行け、ガーディ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが戦場へ飛び出す。

 

「ガーディか」

 

キョウが見る。

 

「相性はこちらが有利だと思うか?」

 

「もちろん!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ガーディ、かえんぐるま!」

 

「ワン!」

 

ガーディが炎をまとって突っ込む。

 

「モルフォン、避けろ!」

 

「モル!」

 

モルフォンが横へ逃げる。

 

「ガーディ、追いかけろ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが追いかける。

 

「かえんぐるま!」

 

「ワン!」

 

再び炎をまとって突撃する。

 

「モル!」

 

モルフォンは空中へ逃げる。

 

「ガーディ、上だ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが上を向く。

 

「かみつく!」

 

「ワン!」

 

ガーディが飛び上がる。

 

「モルフォン、サイケこうせん!」

 

「モルフォォン!」

 

光線がガーディへ迫る。

 

「ガーディ、避けろ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが空中で身体をひねる。

 

光線をかわす。

 

「今だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かみつく!」

 

「ワン!」

 

ガーディがモルフォンへ食らいつく。

 

「モルフォン!」

 

「モルッ!」

 

モルフォンが地面へ叩き落とされる。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「ガーディ、もう一度かえんぐるま!」

 

「ワン!」

 

炎をまとったガーディが突っ込む。

 

「モルフォン、避けろ!」

 

「モル!」

 

モルフォンが不規則に動く。

 

しかし――。

 

「そこだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ガーディ、とっしん!」

 

「ワン!」

 

ガーディが進路を変える。

 

ドォン!

 

「モル!」

 

モルフォンに直撃する。

 

モルフォンが大きく吹き飛ぶ。

 

「今だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かえんぐるま!」

 

「ワンンン!」

 

炎がモルフォンを包み込む。

 

「モルフォォン!」

 

モルフォンが地面へ落ちる。

 

「モルフォン、戦闘不能!」

 

「やったぁ!」

 

マサヒロが拳を突き上げる。

 

「ガーディ、よくやった!」

 

「ワン!」

 

ガーディが嬉しそうに吠える。

 

「これであと一匹だ!」

 

マサヒロが笑う。

 

しかし――。

 

キョウは静かに最後のボールを取り出していた。

 

「よくやったな」

 

「……!」

 

「だが、ここからが本番だ」

 

キョウがボールを投げる。

 

「行け、ゴルバット!」

 

「ゴルバット!」

 

大きな翼を持ったゴルバットが姿を現す。

 

「ゴルバット……!」

 

マサヒロが息を呑む。

 

「ガーディ、いくぞ!」

 

「ワン!」

 

「ゴルバット、超音波!」

 

「ゴルバット!」

 

大きな音波が飛んでくる。

 

「ガーディ、避けろ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが横へ飛ぶ。

 

「かえんほうしゃ!」

 

「ワンンン!」

 

巨大な炎がゴルバットへ飛んでいく。

 

「ゴルバット、避けろ!」

 

「ゴル!」

 

ゴルバットが空中で身体をひねる。

 

炎をかわす。

 

「速い……!」

 

マサヒロが驚く。

 

「ゴルバット、つばさでうつ!」

 

「ゴルバット!」

 

ゴルバットが一気に下降する。

 

「ガーディ、かみつく!」

 

「ワン!」

 

ガーディが飛びかかる。

 

だが――。

 

ゴルバットが上へ逃げる。

 

「ガーディ!」

 

「ワン!?」

 

「そのまま、エアカッター!」

 

「ゴルバット!」

 

鋭い風の刃が飛んでくる。

 

「ガーディ!」

 

「ワンッ!」

 

ガーディが吹き飛ばされる。

 

「立て!」

 

「ワン……!」

 

ガーディが立ち上がる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かえんほうしゃ!」

 

「ワンンン!」

 

巨大な炎が放たれる。

 

ゴルバットは素早く上昇する。

 

炎が空を通り過ぎる。

 

「また避けられた!」

 

マサヒロが歯を食いしばる。

 

「ゴルバット、つばさでうつ!」

 

「ゴルバット!」

 

ゴルバットが高速で突っ込む。

 

「ガーディ、かえんぐるま!」

 

「ワン!」

 

ガーディが炎をまとって迎え撃つ。

 

ドォン!

 

二匹が激突する。

 

「ガーディ!」

 

「ワンッ!」

 

ガーディが踏ん張る。

 

しかし――。

 

ゴルバットが力で押し切る。

 

「ガーディ!」

 

ドォン!

 

ガーディが地面を転がる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「立ってくれ!」

 

「ワン……」

 

ガーディが震えながら立ち上がる。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「もう一度、かえんほうしゃ!」

 

「ワンンン!」

 

炎がゴルバットへ向かう。

 

「ゴルバット、避けろ!」

 

「ゴル!」

 

ゴルバットが急上昇する。

 

そして――。

 

「エアカッター!」

 

「ゴルバット!」

 

無数の風の刃が飛んでくる。

 

「ガーディ!」

 

「ワンッ!」

 

ガーディが必死に耐える。

 

「もう一度だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かえんほうしゃ!」

 

「ワンンン!」

 

炎が再び放たれる。

 

しかし、ゴルバットは炎の上を飛び越える。

 

「なっ……!」

 

「ゴルバット、つばさでうつ!」

 

「ゴルバット!」

 

ゴルバットが急降下する。

 

「ガーディ、避けろ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが動こうとする。

 

だが、間に合わない。

 

ドォン!

 

「ガーディ!」

 

「ワン……!」

 

ガーディが倒れる。

 

「ガーディ、戦闘不能!」

 

「……」

 

マサヒロは言葉を失った。

 

これまで――。

 

ジム戦で負けたことは一度もなかった。

 

「……俺が……負けた?」

 

マサヒロは俯く。

 

キョウはゴルバットを戻す。

 

「今回の勝負、俺の勝ちだ」

 

「……」

 

マサヒロは返事ができない。

 

「ポケモンセンターで、ポケモンたちを休ませるといい」

 

キョウはそう言い残し、ジムの奥へ戻っていった。

 

マサヒロはスピアーとガーディのボールを握る。

 

「……ごめんな」

 

声が震える。

 

「俺がもっと上手く指示できてたら……」

 

「ブイ……」

 

イーブイが心配そうにマサヒロを見る。

 

「……」

 

マサヒロは何も言わず、ジムを出た。

 

* * *

 

セキチクシティの外れ。

 

マサヒロはベンチに座っていた。

 

「……」

 

隣にはイーブイがいる。

 

「今まで、ジム戦は全部勝ってきた」

 

マサヒロは俯く。

 

「どんな相手でも、最後には勝てた」

 

「ブイ……」

 

「なのに……」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「今日は、全然ダメだった」

 

初めてだった。

 

自分の力が通じないと思ったのは。

 

「俺……もっと強くならなきゃ」

 

マサヒロは呟く。

 

「でも、どうすればいいんだ……?」

 

イーブイは何も言わず、マサヒロの隣に座っている。

 

「……」

 

その時だった。

 

「ずいぶん落ち込んでるじゃないか」

 

「……え?」

 

後ろから声がした。

 

マサヒロが振り返る。

 

そこに立っていたのは――。

 

「……お前は!」

 

かつてバトルしたことのあるライバル。

 

「リョウ……!」

 

リョウはマサヒロを見て、静かに笑った。

 

「久しぶりだな、マサヒロ」

 

「……」

 

マサヒロは驚いたまま、リョウを見つめる。

 

初めてのジム戦敗北。

 

そして――。

 

思いがけないライバルとの再会。

 

マサヒロの新たな戦いが、始まろうとしていた。

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