ポケットモンスターブラウン   作:光宙

25 / 61
25話 リョウとの再戦!そして進化!

「久しぶりだな、マサヒロ」

 

「……リョウ?」

 

マサヒロは驚いて振り返った。

 

そこに立っていたのは、かつてマサヒロと戦った少年――リョウだった。

 

「どうしてここに?」

 

「俺もジム戦をしに来たんだよ」

 

リョウはそう言って、マサヒロの隣にいるイーブイを見る。

 

「でも、お前……なんか元気ねぇな」

 

「……」

 

マサヒロは俯いた。

 

「俺……初めてジム戦で負けたんだ」

 

「初めて?」

 

リョウが驚く。

 

「うん」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「今までジム戦では一度も負けたことがなかった」

 

「……」

 

「でも、キョウさんには負けた」

 

イーブイも心配そうにマサヒロを見る。

 

「それだけじゃない」

 

マサヒロは続ける。

 

「この前、バルキーをシバさんに預けたんだ」

 

「バルキーを?」

 

「ああ」

 

マサヒロはバルキーと別れた時のことを思い出す。

 

「バルキーはもっと強くなりたいって、シバさんのところで修行することを選んだんだ」

 

「……そうか」

 

「だから俺も、もっと強くなるってバルキーに約束した」

 

マサヒロは悔しそうに唇を噛む。

 

「なのに……その直後に初めてジム戦で負けた」

 

「……」

 

「俺、何やってるんだろうな」

 

リョウはしばらく黙っていた。

 

そして――。

 

「俺だって負けてるぞ」

 

「え?」

 

マサヒロが顔を上げる。

 

「最初のニビジム戦で負けた」

 

「リョウが?」

 

「ああ」

 

リョウは笑う。

 

「それだけじゃねぇ」

 

「え?」

 

「タマムシジムでも負けた」

 

「……!」

 

マサヒロは目を見開く。

 

「じゃあ、リョウも……」

 

「何度も負けてるってことだ」

 

リョウは肩をすくめる。

 

「でも、そのまま終わったわけじゃねぇ」

 

「……」

 

「負けたから特訓した」

 

リョウは自分のポケットからバッジケースを取り出す。

 

そして、その中から一つのバッジを取り出した。

 

「これを見ろ」

 

「……!」

 

マサヒロの目が輝く。

 

そこにあったのは、キョウに勝利した証――ピンクバッジだった。

 

「ピンクバッジ……!」

 

「そうだ」

 

リョウはバッジを握る。

 

「俺は一度負けたけど、特訓してもう一度キョウさんに挑んだ」

 

「そして……勝った」

 

「ああ」

 

リョウはマサヒロを見る。

 

「俺はお前と違って、ジム戦で何度も負けてる」

 

「……」

 

「でも、努力してきた」

 

リョウは拳を握る。

 

「だから今は、お前より先に進んでる」

 

「……!」

 

「落ち込んでる暇なんてねぇぞ」

 

リョウはニヤッと笑う。

 

「お前が本当に強くなりたいなら、特訓してもう一度キョウさんに挑め」

 

「……」

 

「負けたままで終わるのか?」

 

マサヒロは黙っていた。

 

そして――。

 

「……ありがとう、リョウ」

 

顔を上げる。

 

「そうだよな」

 

マサヒロの目に、再び力が戻っていく。

 

「俺はまだ負けたままなんだ」

 

「そういうことだ」

 

「だったら!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「俺も特訓して、絶対にキョウさんにリベンジする!」

 

「その意気だ」

 

リョウが笑う。

 

「……それと」

 

マサヒロはリョウを見る。

 

「キョウさんに勝ったリョウの実力も見てみたい!」

 

「何?」

 

「俺と勝負してくれ!」

 

リョウは一瞬驚いた。

 

そして、楽しそうに笑う。

 

「いいぜ」

 

二人はセキチクシティの外れにある空き地へ移動した。

 

「一対一でいこう!」

 

「分かった」

 

マサヒロとリョウが向かい合う。

 

「行くぞ、ガーディ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが飛び出す。

 

「こいつでいくか」

 

リョウもボールを投げる。

 

「出てこい、サワムラー!」

 

「サワムラー!」

 

細長い足を持つサワムラーが姿を現した。

 

「ガーディ、負けるなよ!」

 

「ワン!」

 

「いくぜ、サワムラー!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「とびげり!」

 

「サワァ!」

 

サワムラーが一気に飛び上がる。

 

「速い!」

 

マサヒロが驚く。

 

「ガーディ、避けろ!」

 

「ワン!」

 

ガーディが横へ飛ぶ。

 

しかし――。

 

「そのまま回り込め!」

 

サワムラーが空中で身体をひねる。

 

「サワッ!」

 

「ガーディ!」

 

ドォン!

 

サワムラーの蹴りがガーディを吹き飛ばす。

 

「ガーディ、大丈夫か!?」

 

「ワン……!」

 

ガーディはすぐに立ち上がる。

 

「よし!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かみつく!」

 

「ワン!」

 

ガーディがサワムラーへ飛びかかる。

 

「サワムラー、かわらわり!」

 

「サワァ!」

 

サワムラーが足を振り下ろす。

 

ガキィン!

 

ガーディの攻撃とぶつかり合う。

 

「ガーディ!」

 

「ワンッ!」

 

ガーディが押し返される。

 

「すげぇ足技だ……!」

 

マサヒロは驚く。

 

「まだまだいくぜ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「サワムラー、もう一度とびげり!」

 

「サワァ!」

 

サワムラーが高速で飛び込んでくる。

 

「ガーディ、かえんぐるま!」

 

「ワン!」

 

ガーディが炎をまとって突っ込む。

 

「正面から受けるのか!?」

 

リョウが驚く。

 

ドォン!

 

炎をまとったガーディと、サワムラーの蹴りが激突する。

 

「ガーディ!」

 

「ワンッ!」

 

両者が吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「立て、ガーディ!」

 

「ワン……!」

 

ガーディが立ち上がる。

 

サワムラーも立ち上がる。

 

「へぇ……」

 

リョウが笑う。

 

「根性あるな、お前のガーディ」

 

「当たり前だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「こいつは絶対に諦めない!」

 

「なら、最後の一撃だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「サワムラー、かわらわり!」

 

「サワァァ!」

 

「ガーディ!」

 

マサヒロも叫ぶ。

 

「かえんぐるま!」

 

「ワンンン!」

 

ガーディが全身に炎をまとって突っ込む。

 

サワムラーの蹴りと、ガーディの炎がぶつかる。

 

ドォォン!

 

大きな衝撃が空き地を包む。

 

砂煙が晴れていく。

 

「……」

 

マサヒロとリョウは戦場を見る。

 

そこには――。

 

倒れたガーディと、倒れたサワムラーがいた。

 

「ガーディ、戦闘不能!」

 

「サワムラー、戦闘不能!」

 

「相打ちか……」

 

リョウが呟く。

 

マサヒロはガーディのもとへ駆け寄った。

 

「ガーディ!」

 

「ワン……」

 

ガーディは疲れながらも、嬉しそうに尻尾を振った。

 

「よく頑張ったな!」

 

マサヒロが頭を撫でる。

 

「……すげぇな」

 

リョウがガーディを見る。

 

「何が?」

 

「こいつの潜在能力だよ」

 

「ガーディの?」

 

「ああ」

 

リョウは真剣な表情になる。

 

「今のこいつなら……」

 

リョウはポケットから何かを取り出した。

 

「進化しても、自分の力をコントロールできるんじゃねぇか?」

 

「……!」

 

マサヒロが目を見開く。

 

リョウの手にあったのは――。

 

「ほのおのいし……?」

 

「ああ」

 

リョウはそれをマサヒロへ差し出す。

 

「これを使え」

 

「いいのか?」

 

「俺には必要ねぇからな」

 

リョウは笑う。

 

「それに、こいつなら大丈夫だ」

 

マサヒロはガーディを見る。

 

ガーディもマサヒロを見つめている。

 

「……ガーディ」

 

「ワン!」

 

マサヒロはほのおのいしを受け取る。

 

「ありがとう、リョウ!」

 

「礼なんていい」

 

リョウは背を向ける。

 

「その代わり――」

 

振り返る。

 

「キョウさんにリベンジするんだろ?」

 

「ああ!」

 

マサヒロは力強く頷く。

 

「絶対に勝つ!」

 

そして、マサヒロはほのおのいしをガーディへ向ける。

 

「ガーディ!」

 

「ワン!」

 

ほのおのいしが輝く。

 

ガーディの身体が光に包まれていく。

 

「うおっ……!」

 

マサヒロが目を見開く。

 

身体が大きくなっていく。

 

足が伸び、たてがみが広がる。

 

そして――。

 

強い光が弾けた。

 

「……!」

 

そこに立っていたのは、ガーディではなかった。

 

大きな身体。

 

立派なたてがみ。

 

力強い四本の足。

 

「ウインディ……!」

 

マサヒロは驚きながら名前を呼ぶ。

 

「ウインディ!」

 

「ワォォン!」

 

ウインディが力強く吠える。

 

「すげぇ……!」

 

マサヒロはウインディに駆け寄る。

 

「強そうだ!」

 

ウインディは嬉しそうにマサヒロへ顔を近づける。

 

「これからもよろしくな、ウインディ!」

 

「ワォン!」

 

リョウはその様子を見て笑った。

 

「これなら、キョウさんとの再戦も楽しみだな」

 

マサヒロはウインディを見る。

 

そして、拳を握る。

 

「待ってろよ、キョウさん!」

 

初めて味わった敗北。

 

そこから始まった新たな特訓。

 

そして――。

 

マサヒロは新しい仲間と共に、再びセキチクジムへ挑む決意を固めた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。