セキチクジム。
マサヒロは入り口の前に立っていた。
隣にはイーブイ。
そして、ボールの中にはスピアーとウインディがいる。
「……よし」
マサヒロは拳を握る。
「今度こそ勝つぞ!」
「ブイ!」
マサヒロはジムの扉を開けた。
「来たか」
ジムの奥から声が聞こえる。
「キョウさん!」
そこに立っていたのは、セキチクジムのジムリーダー、キョウだった。
「また挑戦しに来たようだな」
「ああ!」
マサヒロはまっすぐキョウを見る。
「この前は負けたけど、今日は絶対に勝つ!」
「ふっ……」
キョウは笑う。
「その目……前とは違うようだな」
「今回は俺も本気だ!」
「ならば、こちらも全力で迎え撃とう」
二人はバトルフィールドへ向かった。
「今回も二対二だ!」
マサヒロが構える。
「分かった」
キョウもボールを取り出す。
「では、始めよう」
「行くぞ、スピアー!」
「スピアー!」
スピアーが戦場へ飛び出す。
「前回は最初から高速戦闘を仕掛けて、モルフォンの動きに翻弄された」
マサヒロはスピアーを見る。
「だから今回は……」
「モルフォン!」
「モルフォン!」
モルフォンが姿を現す。
「同じことはしない!」
キョウが叫ぶ。
「モルフォン、サイケこうせん!」
「モルフォン!」
光線がスピアーへ飛んでくる。
「スピアー、避けろ!」
「スピアー!」
スピアーが横へ飛ぶ。
「まだだ!」
キョウが指示する。
「モルフォン、もう一度!」
「モルフォン!」
再び光線が放たれる。
「スピアー!」
スピアーは動かない。
「え?」
マサヒロは攻撃をじっと見る。
「ギリギリまで引きつけろ!」
スピアーは直前で身体をひねる。
「スピア!」
光線をかわした。
「今だ!」
マサヒロが叫ぶ。
「こうそくいどう!」
「スピアー!」
スピアーが一瞬でモルフォンの横へ回り込む。
「どくづき!」
「スピアァ!」
鋭い針がモルフォンを突く。
「モルフォン!」
「よし!」
マサヒロが拳を握る。
「前回とは違うぞ!」
キョウはスピアーを見る。
「なるほど……」
「モルフォン、サイケこうせん!」
「モルフォン!」
光線が放たれる。
「スピアー、待て!」
スピアーはすぐには動かない。
光線が迫る。
そして――。
「今!」
スピアーが横へ飛ぶ。
「そのまま、かわらわり!」
「スピア!」
スピアーがモルフォンへ突っ込む。
「モルフォン、ねんりき!」
「モルフォ!」
念力がスピアーを止めようとする。
「スピアー、耐えろ!」
「スピア……!」
スピアーは力を振り絞る。
そして――。
「かわらわり!」
ドォン!
モルフォンに攻撃が直撃する。
「モルフォン!」
モルフォンが大きく吹き飛ばされる。
「まだだ!」
キョウが叫ぶ。
「モルフォン、サイケこうせん!」
「モルフォン!」
「スピアー、避けろ!」
スピアーが攻撃をかわす。
「今度はこっちからいくぞ!」
マサヒロが叫ぶ。
「ミサイルばり!」
「スピアァ!」
無数の針がモルフォンへ飛んでいく。
「モルフォン!」
針が次々と命中する。
モルフォンはふらつき――。
そのまま地面へ落ちた。
「モルフォン、戦闘不能!」
「やったぁ!」
マサヒロが拳を突き上げる。
「スピアー、勝ったぞ!」
「スピア!」
スピアーが嬉しそうに鳴く。
キョウはモルフォンをボールへ戻した。
「見事だ」
「へへっ!」
「前回とは戦い方がまるで違う」
「うん!」
マサヒロはスピアーを見る。
「前はスピアーの速さだけで勝とうとした」
「……」
「でも、それじゃダメだった」
マサヒロは笑う。
「相手の攻撃をちゃんと見て、合わせて攻撃するんだ!」
「その判断力……成長したな」
キョウは最後のボールを取り出す。
「では、こちらも最後の一匹だ」
「……!」
「行け、ゴルバット!」
「ゴルバット!」
大きな翼を持ったゴルバットが姿を現す。
「スピアー、まだいけるな!」
「スピア!」
「なら、勝負だ!」
「ゴルバット、いけ!」
「ゴル!」
「こうそくいどう!」
「スピア!」
スピアーが一瞬で駆ける。
「ゴルバットも負けるな!」
「ゴルバット!」
ゴルバットも高速で飛び回る。
「速い!」
マサヒロが驚く。
「スピアー、ミサイルばり!」
「スピア!」
針が飛んでいく。
「ゴルバット、避けろ!」
「ゴル!」
ゴルバットが空中で身体をひねる。
「そのまま、つばさでうつ!」
「ゴルバット!」
鋭い翼がスピアーへ迫る。
「スピアー、かわらわり!」
「スピア!」
スピアーが正面から突っ込む。
ドォン!
二匹がぶつかる。
「スピアー!」
「ゴルバット!」
両者が離れる。
「まだだ!」
マサヒロが叫ぶ。
「どくづき!」
「スピアァ!」
スピアーがゴルバットへ迫る。
「ゴルバット、つばさでうつ!」
「ゴル!」
再び激突する。
スピアーとゴルバット。
互いの速さをぶつけ合う、激しいスピードバトルだった。
「スピアー、こうそくいどう!」
「スピア!」
「ゴルバットもいけ!」
「ゴルバット!」
二匹がフィールドを縦横無尽に飛び回る。
「今だ!」
マサヒロが叫ぶ。
「ミサイルばり!」
「スピア!」
無数の針が飛んでいく。
「ゴルバット、避けろ!」
ゴルバットは素早く上昇する。
「そのまま、つばさでうつ!」
「ゴルバット!」
ゴルバットが急降下する。
「スピアー!」
ドォン!
スピアーが地面へ叩きつけられる。
「スピアー、大丈夫か!?」
「スピア……!」
スピアーは立ち上がろうとする。
しかし――。
「ゴルバット、もう一度!」
「ゴルバット!」
鋭い翼がスピアーを捉える。
「スピアー!」
スピアーが吹き飛ばされる。
「スピアー、戦闘不能!」
「……!」
マサヒロは拳を握る。
「スピアー……!」
スピアーは悔しそうにマサヒロを見る。
「よく頑張った」
マサヒロはボールを取り出す。
「ありがとう、スピアー」
スピアーがボールへ戻る。
キョウは静かにマサヒロを見る。
「高速戦闘では互角だった」
「……」
「だが、タイプの相性までは覆せなかったようだな」
「ああ……」
マサヒロは頷く。
「でも、まだ終わってない!」
最後のボールを取り出す。
「行くぞ、ウインディ!」
「ウォォン!」
ウインディが戦場へ飛び出す。
「……ウインディ?」
キョウが目を見開く。
「前回のガーディか」
「そうだ!」
マサヒロが笑う。
「こいつはウインディに進化したんだ!」
「なるほど……」
キョウはゴルバットを見る。
「では、最後の勝負だ」
「ゴルバット、いけ!」
「ゴル!」
ゴルバットが高速で飛び込む。
「ウインディ、かみくだく!」
「ウォン!」
ウインディが大きく口を開く。
「ゴルバット!」
ガブッ!
ウインディの牙がゴルバットを捉える。
「ゴルッ!」
ゴルバットが吹き飛ばされる。
「すごい……!」
マサヒロが驚く。
「ガーディの時とは、全然違う!」
「ウインディ、しんそく!」
「ウォォン!」
ウインディの身体が一瞬で消える。
「ゴルバット!?」
次の瞬間――。
ドォン!
ウインディがゴルバットを吹き飛ばした。
「ゴルバット!」
「まだだ!」
キョウが叫ぶ。
「つばさでうつ!」
「ゴル!」
ゴルバットが反撃する。
「ウインディ、受け止めろ!」
「ウォン!」
ウインディは攻撃を正面から受ける。
「ウインディ!」
「ウォォン!」
ウインディはびくともしない。
「すごい……!」
マサヒロの目が輝く。
「進化しただけじゃない!」
「ウォン!」
「力も速さも、全部上がってる!」
「ゴルバット、もう一度!」
「ゴル!」
ゴルバットが飛び込む。
「ウインディ、しんそく!」
「ウォォォン!」
ウインディが一気に加速する。
ゴルバットの横をすり抜け――。
「かみくだく!」
「ウォォン!」
ガブッ!
「ゴルバット!」
ゴルバットが大きく吹き飛ぶ。
そして――。
「ゴルバット、戦闘不能!」
「やったぁぁぁ!」
マサヒロが拳を突き上げる。
「ウインディ、勝ったぞ!」
「ウォォン!」
ウインディが嬉しそうに吠える。
キョウはゴルバットをボールへ戻した。
そして、マサヒロを見る。
「見違えるほど強くなったな」
「……!」
「前回の君とは、まるで別人だ」
キョウはピンクバッジを取り出す。
「これを受け取るがいい」
マサヒロは両手で受け取る。
「ピンクバッジ……!」
「君が自らの敗北を受け入れ、努力した証だ」
「……ありがとう、キョウさん!」
マサヒロは嬉しそうにバッジを見つめる。
「やったぞ!」
イーブイがマサヒロの足元へ駆け寄る。
「ブイ!」
「イーブイ!」
マサヒロはイーブイを抱き上げる。
「スピアーも!」
「スピア!」
ボールから出てきたスピアーもマサヒロのもとへ飛んでくる。
「よく頑張ったな!」
マサヒロはスピアーを撫でる。
「今回は負けたけど、お前がモルフォンに勝ってくれたからここまで来られたんだ」
「スピア!」
ウインディも近づいてくる。
「もちろんウインディも最高だったぞ!」
「ウォン!」
マサヒロはウインディの首に抱きつく。
「本当にありがとう!」
イーブイもウインディへ飛びつく。
「ブイ!」
「ウォン!」
スピアーも嬉しそうに飛び回る。
マサヒロは三匹を見ながら笑った。
「みんなで勝ち取ったピンクバッジだ!」
「ブイ!」
「スピア!」
「ウォォン!」
マサヒロはピンクバッジを高く掲げる。
「よし!」
「次のジムも絶対に勝つぞ!」
仲間たちの声が、セキチクジムに響いた。