ポケットモンスターブラウン   作:光宙

28 / 61
28話 暴れるギャラドス!ポケモン保護区を守れ!

カイリューと別れたマサヒロとイーブイは、再び旅を続けていた。

 

「……」

 

マサヒロは少し寂しそうに歩いている。

 

「ブイ……」

 

イーブイも心配そうにマサヒロを見る。

 

「大丈夫だよ、イーブイ」

 

マサヒロは笑う。

 

「カイリューは自分で残ることを選んだんだ」

 

「ブイ」

 

「だから俺も、もっと強くならないとな」

 

マサヒロは前を向く。

 

しばらく歩いていると――。

 

「ん?」

 

森の奥に、大きな柵が見えてきた。

 

その入り口には看板が立っている。

 

『ポケモン保護区』

 

「ポケモン保護区?」

 

マサヒロは看板を見る。

 

「こんな場所があったんだ」

 

「ブイ!」

 

「ちょっと見てみようぜ」

 

マサヒロとイーブイは保護区へ入っていく。

 

すると――。

 

「うーん……」

 

一人の男性が頭を抱えていた。

 

「どうしたんですか?」

 

マサヒロが声をかける。

 

男性は振り返る。

 

「君は?」

 

「俺、マサヒロっていいます」

 

マサヒロは頭を下げる。

 

「何か困ってるみたいですけど、大丈夫ですか?」

 

「実はな……」

 

男性はため息をつく。

 

「この保護区に住み着いていたコイキングが、最近ギャラドスに進化したんだ」

 

「ギャラドスに!?」

 

マサヒロが驚く。

 

「それだけなら喜ばしいことなんだが……」

 

男性は頭を抱える。

 

「進化してからというもの、大暴れしていてな」

 

「大暴れ……?」

 

「ああ。池を荒らしたり、木をなぎ倒したり……」

 

「それは大変ですね」

 

「しかも、とても強くて手がつけられない」

 

男性は困った顔をする。

 

「このままでは保護区にいるポケモンたちまで危険なんだ」

 

「……」

 

マサヒロは保護区の奥を見る。

 

そこにはピジョンやモンジャラ、ニドリーナ、ニドリーノ、ポニータ、コダックなど、たくさんのポケモンが暮らしていた。

 

「こいつらを守らないといけないんですね」

 

「ああ」

 

男性は頷く。

 

「ところで……」

 

男性がマサヒロを見る。

 

「君はポケモントレーナーか?」

 

「はい!」

 

マサヒロは胸を張る。

 

「ジムバッジも六つ持ってます!」

 

「六つも!?」

 

男性の目が輝く。

 

「それなら……」

 

男性はマサヒロを見る。

 

「君ならギャラドスを捕まえられるんじゃないか?」

 

「俺が?」

 

「六つのバッジを持つ実力者なんだろう?」

 

「まあ……そうですけど」

 

「君しか頼れる人がいないんだ」

 

「……」

 

マサヒロは少し考える。

 

「分かりました!」

 

あっさり引き受けた。

 

「俺に任せてください!」

 

「ありがとう!」

 

男性は嬉しそうに笑う。

 

「よーし!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ギャラドスなんて、俺のポケモンたちなら簡単に――」

 

その時。

 

「ゴオオオオオオッ!」

 

遠くから凄まじい音が響いた。

 

「!?」

 

マサヒロとイーブイが振り返る。

 

森の木々が次々と倒れていく。

 

「来たぞ!」

 

男性が叫ぶ。

 

「ギャラドスだ!」

 

「よし!」

 

マサヒロはボールを取り出す。

 

「みんな、行くぞ!」

 

「行け、フシギソウ!」

 

「ソウ!」

 

「スピアー!」

 

「シュッ!」

 

「ウインディ!」

 

「ウォン!」

 

「イーブイも頼むぞ!」

 

「ブイ!」

 

マサヒロは四匹とともにギャラドスへ立ち向かう。

 

そこへ――。

 

巨大なギャラドスが姿を現した。

 

「ギャアアアアアス!」

 

「でかっ……!」

 

マサヒロは思わず後ずさる。

 

「でも、負けるわけにはいかない!」

 

「フシギソウ、つるのムチ!」

 

「ソウ!」

 

フシギソウがつるを伸ばす。

 

しかし――。

 

「ギャア!」

 

ギャラドスが身体を振る。

 

「うわっ!」

 

フシギソウのつるが弾き飛ばされた。

 

「そんな……!」

 

「ウインディ、かえんほうしゃ!」

 

「ウォォン!」

 

炎がギャラドスへ直撃する。

 

「よし!」

 

しかし――。

 

ギャラドスはびくともしない。

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスが突進する。

 

「ウインディ!」

 

ドォン!

 

「ウォン!」

 

ウインディが吹き飛ばされる。

 

「スピアー、ミサイルばり!」

 

「シュッ!」

 

無数の針が飛んでいく。

 

だが――。

 

ギャラドスは尻尾を振り、一気に弾き飛ばす。

 

「スピアー!」

 

「シュッ……!」

 

スピアーも地面に落ちる。

 

「そんな……!」

 

マサヒロは驚く。

 

「みんな、全然歯が立たない……!」

 

「ブイ!」

 

イーブイが前に出る。

 

「イーブイ、無理するな!」

 

しかしギャラドスが大きく口を開ける。

 

「ギャアアア!」

 

「危ない!」

 

マサヒロはイーブイを抱き上げて横へ飛ぶ。

 

ドォン!

 

地面が大きくえぐれる。

 

「こいつ……強すぎる!」

 

マサヒロは歯を食いしばる。

 

「六つのバッジを持ってるからって、簡単に捕まえられるわけじゃないんだ……!」

 

その時。

 

「ピジョー!」

 

空からピジョンが飛んできた。

 

「え?」

 

ピジョンはギャラドスの頭上を飛び回る。

 

「ピジョンが……?」

 

続いて――。

 

「モジャ!」

 

モンジャラがつるを伸ばす。

 

「ニドリーナ!」

 

「ニドリーノ!」

 

「ヒヒーン!」

 

ポニータも走ってくる。

 

「コダックまで!?」

 

保護区のポケモンたちが次々と集まってきた。

 

「みんな……!」

 

保護官が驚く。

 

「こいつらもギャラドスを止めようとしているんだ!」

 

「そうか……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「みんなで力を合わせれば……!」

 

「ブイ!」

 

「よし!」

 

マサヒロは立ち上がる。

 

「みんな、ギャラドスを止めるぞ!」

 

ピジョンが空からギャラドスを誘導する。

 

「ピジョー!」

 

「モンジャラ、つるで動きを止めて!」

 

「モジャ!」

 

モンジャラがつるを伸ばす。

 

ギャラドスの動きが一瞬止まる。

 

「今だ!」

 

「ニドリーナ、ニドリーノ!」

 

二匹がギャラドスへ攻撃する。

 

「ギャアアア!」

 

ギャラドスが暴れる。

 

「ポニータ、コダックも頼む!」

 

「ヒヒーン!」

 

「コダッ!」

 

保護区のポケモンたちが一斉に動く。

 

ギャラドスの動きが少しずつ鈍っていく。

 

「今ならいける!」

 

マサヒロはボールを取り出す。

 

「ウインディ、もう一度頼む!」

 

「ウォン!」

 

「かえんほうしゃ!」

 

「ウォォォン!」

 

炎がギャラドスへ直撃する。

 

「ギャアアア!」

 

ギャラドスが大きくのけぞる。

 

「イーブイ!」

 

「ブイ!」

 

「でんこうせっか!」

 

イーブイが一気に駆ける。

 

「そのまま!」

 

イーブイがギャラドスの身体をすり抜ける。

 

「よし!」

 

マサヒロはモンスターボールを構える。

 

「今だ!」

 

マサヒロはボールを投げた。

 

「ギャアアア!」

 

ボールがギャラドスに当たる。

 

ギャラドスが光となってボールに吸い込まれる。

 

ボールが地面に落ちる。

 

「……」

 

マサヒロも保護官も息をのむ。

 

カチッ。

 

ボールが一度揺れる。

 

カチッ。

 

もう一度。

 

そして――。

 

カチッ!

 

「……!」

 

ボールが動かなくなった。

 

「やった……!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「捕まえた!」

 

「やったな!」

 

保護官も喜ぶ。

 

「これで保護区は守られた!」

 

「みんなのおかげです!」

 

マサヒロは周りのポケモンたちを見る。

 

ピジョン。

 

モンジャラ。

 

ニドリーナ。

 

ニドリーノ。

 

ポニータ。

 

コダック。

 

みんな嬉しそうにマサヒロを見ている。

 

「ありがとう!」

 

マサヒロは笑う。

 

「俺一人じゃ絶対に無理だったよ」

 

「ブイ!」

 

イーブイも嬉しそうに鳴く。

 

「さて……」

 

マサヒロはギャラドスの入ったボールを見る。

 

「これからよろしくな、ギャラドス!」

 

「ブイ!」

 

「一回出てきてくれよ!」

 

マサヒロはボールのボタンを押す。

 

「出てこい、ギャラドス!」

 

ボールからギャラドスが飛び出した。

 

「ギャアアアアア!」

 

「うわっ!?」

 

ギャラドスはいきなり大きく吠える。

 

「えっと……」

 

マサヒロは少し引きつった笑顔になる。

 

「ギャラドス、俺の言うことを聞いてくれよ」

 

「ギャア!」

 

ギャラドスはマサヒロを睨みつける。

 

「……」

 

「……」

 

マサヒロとギャラドスが見つめ合う。

 

「ギャアアアアア!」

 

ギャラドスが突然、尻尾を振り回した。

 

ドォン!

 

近くの木が倒れる。

 

「うわぁぁぁ!」

 

「ギャラドス、やめろ!」

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスはさらに暴れ始める。

 

「止まってくれ!」

 

マサヒロが必死に呼びかける。

 

しかし、ギャラドスはまったく言うことを聞かない。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

「ダメだこりゃ!」

 

マサヒロは慌ててモンスターボールを構える。

 

「戻れ、ギャラドス!」

 

赤い光がギャラドスを包む。

 

「ギャアアア!」

 

ギャラドスはボールの中へ戻っていった。

 

「ふぅ……」

 

マサヒロは息を切らす。

 

「危なかった……」

 

保護官が苦笑する。

 

「どうやら、まだ君をトレーナーだとは認めていないようだな」

 

「そんなぁ……」

 

マサヒロは肩を落とす。

 

「せっかく捕まえたのに……」

 

「でも、君の手持ちになったことには変わりない」

 

「……そうですね」

 

マサヒロはボールを見る。

 

「言うことを聞かないからって、仲間じゃないわけじゃないもんな」

 

「ブイ!」

 

「強いポケモンだってことは分かったし!」

 

マサヒロは笑う。

 

「これから少しずつ仲良くなればいいんだ!」

 

「ブイ!」

 

保護官が笑う。

 

「大変そうだな」

 

「はい……」

 

マサヒロは苦笑する。

 

「でも、いつかちゃんと仲間になってくれると思います!」

 

マサヒロはギャラドスのボールを腰に付ける。

 

「よし!」

 

「ブイ!」

 

マサヒロとイーブイは歩き出す。

 

その後ろでは、ポケモン保護区の仲間たちが二人を見送っていた。

 

マサヒロは歩きながら、腰のボールを見る。

 

「ギャラドス!」

 

返事はない。

 

「……まあ、気長にいこうぜ!」

 

「ブイ!」

 

新しい仲間、ギャラドスを加えて。

 

マサヒロとイーブイは、再び旅を続けていった。




というわけで久しぶりの仲間加入回でした!
この問題児とマサヒロは打ち解ける事ができるのか、乞うご期待!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。