ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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32話 ランスとの決戦!イーブイを守れ!

「……やっぱり、お前は俺の最高の相棒だよ」

 

「ブイ!」

 

マサヒロはイーブイの頭を撫でる。

 

しかし――。

 

「ならば、そのイーブイを私に渡せ」

 

「……え?」

 

ランスが静かに言った。

 

「何を言ってるんだよ」

 

「私は、そのイーブイのエボルブラストを解析したい」

 

ランスはイーブイを見る。

 

「お前のイーブイが使うエボルブラストには、通常のイーブイにはない特殊な性質がある」

 

「だからって……」

 

「私に渡せばいい」

 

ランスは続ける。

 

「そうすれば、お前の身の安全は保証しよう」

 

「……」

 

「お前自身には危害を加えない」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

イーブイは不安そうにマサヒロを見上げている。

 

「ふざけるな!」

 

マサヒロは叫んだ。

 

「絶対に渡さない!」

 

「マサヒロ……」

 

カツラがマサヒロを見る。

 

「こいつは俺の家族なんだ!」

 

マサヒロはイーブイを抱き寄せる。

 

「実験体だった過去なんて関係ない!」

 

「……」

 

「こいつはイーブイだ!」

 

「ブイ!」

 

イーブイも強く鳴く。

 

カツラは静かに頷いた。

 

「……そうか」

 

カツラが前へ出る。

 

「ならば、私もこの子を守ろう」

 

「カツラさん!」

 

「ロケット団の幹部が、私の前で子供のポケモンを奪おうとしている」

 

カツラはランスを睨む。

 

「見過ごすわけにはいかんな」

 

ランスは小さく笑った。

 

「ならば、力ずくで奪うまでだ」

 

ランスがモンスターボールを取り出す。

 

「行け!」

 

ボールから二匹のポケモンが飛び出す。

 

「ゴルバット!」

 

「マタドガス!」

 

「カツラさん!」

 

「分かっている」

 

カツラもボールを構える。

 

「キュウコン!」

 

「コン!」

 

マサヒロもイーブイを見る。

 

「イーブイ!」

 

「ブイ!」

 

「俺たちも行くぞ!」

 

* * *

 

「ゴルバット、つばさでうつ!」

 

「マタドガス、ヘドロばくだん!」

 

二匹が同時に攻撃する。

 

「キュウコン、かえんほうしゃ!」

 

キュウコンの炎が二つの攻撃を迎え撃つ。

 

ドォン!

 

爆発が起きる。

 

「イーブイ、でんこうせっか!」

 

「ブイ!」

 

イーブイが煙の中を駆け抜ける。

 

「ゴルバット、かわして!」

 

ゴルバットが空中へ逃げる。

 

「今だ!」

 

「アイアンテール!」

 

イーブイの尻尾がゴルバットを捉える。

 

「ゴルバット!」

 

「まだだ!」

 

ランスは冷静だった。

 

「マタドガス、ヘドロばくだん!」

 

「キュウコン、避けろ!」

 

「コン!」

 

キュウコンが横へ飛ぶ。

 

しかし――。

 

「ゴルバット、もう一度!」

 

ゴルバットが急降下する。

 

「キュウコン!」

 

「コンッ!」

 

キュウコンは攻撃を受け、地面へ落ちる。

 

「まだ立てるか!?」

 

「……コン」

 

キュウコンは立ち上がる。

 

だが、かなり苦しそうだ。

 

「カツラさん!」

 

「心配するな!」

 

カツラはキュウコンを見る。

 

「まだ戦える!」

 

「ならば……」

 

ランスが腕を上げる。

 

「一気に決めるぞ!」

 

ゴルバットとマタドガスが同時に動く。

 

「ゴルバット、つばさでうつ!」

 

「マタドガス、ヘドロばくだん!」

 

「キュウコン、かえんほうしゃ!」

 

三つの技がぶつかり合う。

 

ドォォン!

 

「キュウコン!」

 

爆風の中から、キュウコンが飛び出す。

 

しかし――。

 

「ゴルバット!」

 

ゴルバットの攻撃がキュウコンを直撃した。

 

「コン……」

 

キュウコンが倒れる。

 

「キュウコン!」

 

カツラが駆け寄る。

 

「よく頑張った」

 

「……コン」

 

カツラはキュウコンをボールへ戻す。

 

「ここからは君一人だ」

 

マサヒロは歯を食いしばる。

 

「……強い」

 

ロケット団幹部。

 

その肩書きは伊達ではなかった。

 

ジムリーダーのポケモンでさえ倒されてしまった。

 

マサヒロの手が、腰のモンスターボールへ伸びる。

 

そこに入っているのは――。

 

ギャラドス。

 

「ギャラドスを出せば……」

 

一瞬、考える。

 

ギャラドスは強い。

 

だが、今のギャラドスは言うことを聞かない。

 

もし暴れ始めたら――。

 

味方も敵も関係なく攻撃するかもしれない。

 

「どうする……」

 

その時だった。

 

「ブイ……」

 

イーブイがマサヒロを見る。

 

「……イーブイ?」

 

イーブイはじっとマサヒロを見つめている。

 

まるで――。

 

自分を信じてくれと言っているようだった。

 

「……そうだな」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「お前を信じる」

 

「ブイ!」

 

「ギャラドスは出さない!」

 

マサヒロはイーブイと向き合う。

 

「俺たち二人で勝つぞ!」

 

「ブイ!」

 

* * *

 

「イーブイ、かげぶんしん!」

 

「ブイ!」

 

イーブイの姿が一気に増える。

 

「マタドガス、たいあたり!」

 

マタドガスが突っ込む。

 

しかし――。

 

「右!」

 

マサヒロの指示で、イーブイが攻撃をかわす。

 

「今だ! アイアンテール!」

 

「ブイ!」

 

ドンッ!

 

マタドガスが吹き飛ぶ。

 

「マタドガス!」

 

「まだだ!」

 

ランスは冷静に指示を出す。

 

「ゴルバット、つばさでうつ!」

 

「イーブイ、でんこうせっか!」

 

二匹が高速でぶつかり合う。

 

「そこだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「エボルブラスト!」

 

「ブイィィィ!」

 

イーブイの身体から、強烈な光が放たれる。

 

ゴォォォン!

 

「ゴルバット!」

 

ゴルバットが吹き飛ばされる。

 

「まだ終わっていない!」

 

ランスが叫ぶ。

 

「マタドガス、もう一度攻撃だ!」

 

「イーブイ、アイアンテール!」

 

ドンッ!

 

マタドガスが弾き飛ばされる。

 

「ブイ!」

 

「エボルブラスト!」

 

「ブイィィィィ!」

 

再び強烈な光が放たれる。

 

ゴォォォン!

 

ゴルバットとマタドガスが同時に吹き飛ばされた。

 

二匹とも地面に落ちる。

 

「ゴルバット……」

 

「マタドガス……」

 

ランスは二匹を見る。

 

戦える状態ではない。

 

「……見事だ」

 

ランスはマサヒロを見る。

 

「まさか、ここまでとはな」

 

「俺とイーブイは、ずっと一緒に戦ってきたんだ!」

 

「ブイ!」

 

ランスはモンスターボールを握る。

 

「だが、私もここで捕まるわけにはいかない」

 

ランスは背を向ける。

 

「逃げる気か!」

 

マサヒロが追おうとする。

 

その時――。

 

「待ちなさい!」

 

外から声が響いた。

 

「!」

 

グレンジムの入口から、ジュンサーが駆け込んでくる。

 

「ランス! あなたをロケット団の幹部として逮捕します!」

 

「……!」

 

ランスが立ち止まる。

 

「くっ……」

 

逃げ道はなかった。

 

ジュンサーがランスを取り押さえる。

 

「離せ!」

 

「大人しくしてください!」

 

ランスは抵抗するが、ついに動きを止める。

 

こうして――。

 

マサヒロとランスの戦いは終わった。

 

「イーブイ!」

 

「ブイ!」

 

マサヒロはイーブイを抱きしめる。

 

「ありがとう!」

 

「ブイ!」

 

カツラも二人を見て微笑んだ。

 

「見事だったぞ、マサヒロ」

 

「カツラさん……」

 

「そして、そのイーブイもな」

 

「ブイ!」

 

マサヒロは笑う。

 

「こいつは俺の最高の相棒ですから!」

 

* * *

 

――その頃。

 

ロケット団本部。

 

「ランスが……逮捕されただと?」

 

巨大な机の前で、一人の男が報告を聞いていた。

 

ロケット団ボス――サカキ。

 

「はい」

 

部下が答える。

 

「E-01の確保にも失敗しました」

 

「……」

 

サカキはしばらく黙っていた。

 

「ランスほどの男が失敗したか」

 

「はい」

 

「それほどまでに、あのイーブイを守る者がいるということか」

 

サカキは椅子に深く座る。

 

「……E-01から手を引く」

 

「よろしいのですか?」

 

「構わん」

 

サカキは冷静に答える。

 

「ランスを失った以上、これ以上追う価値はない」

 

「承知しました」

 

部下が頭を下げる。

 

サカキは目を閉じる。

 

「E-01……」

 

そして――。

 

「好きに生きるがいい」

 

ロケット団によるE-01の追跡は、ここで終わった。




ランス戦決着!イーブイもロケット団に狙われる事が無くなって一件落着ですね(^ω^)
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