ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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34話 蘇った古代ポケモン!プテラとの出会い!

グレンジムでの戦いを終えたマサヒロは、グレンタウンを歩いていた。

 

腰には、七つ目のバッジ。

 

「あと一つ……!」

 

マサヒロはクリムゾンバッジを眺める。

 

「あと一つで、カントーリーグだ!」

 

「ブイ!」

 

隣を歩くイーブイも嬉しそうに鳴く。

 

その時――。

 

「そういえば、マサヒロ」

 

後ろからカツラが声をかけた。

 

「はい?」

 

「君はポケモンの研究に興味はあるか?」

 

「ポケモンの研究?」

 

マサヒロの目が輝く。

 

「あります!」

 

「なら、少し見学していかないか?」

 

「どこですか?」

 

「グレンタウンのポケモン研究所だ」

 

「研究所!?」

 

マサヒロは食いつく。

 

「行きたいです!」

 

「そう言うと思ったよ」

 

カツラは笑った。

 

* * *

 

グレンタウンのポケモン研究所。

 

「すげぇ……!」

 

研究所の中には、たくさんの機械が並んでいた。

 

大きな水槽。

 

ポケモンのデータを調べる機械。

 

珍しい化石。

 

マサヒロは目を輝かせながら、あちこちを見て回る。

 

「これは何ですか?」

 

「ポケモンの細胞を調べる装置です」

 

「へぇ!」

 

「こっちは化石の研究に使う機械です」

 

「化石!」

 

マサヒロは机の上に置かれた化石を見る。

 

「これもポケモンなんですか?」

 

「そうです。大昔に生きていたポケモンの化石ですよ」

 

「すげぇ……!」

 

イーブイも興味深そうに化石を眺める。

 

すると――。

 

「……あれ?」

 

マサヒロが足を止めた。

 

研究所の奥。

 

大きなガラス越しに、何かが動いている。

 

「なんだ、あれ?」

 

「……!」

 

研究員の表情が変わった。

 

「マサヒロ君、そこから離れてください!」

 

「え?」

 

次の瞬間。

 

ドンッ!

 

ガラスの向こうから、大きな翼が叩きつけられた。

 

「うわっ!」

 

マサヒロが驚いて後ろへ下がる。

 

ガラスの向こうにいたのは――。

 

「プテラ……」

 

研究員が呟いた。

 

「プテラ?」

 

マサヒロは目を見開く。

 

「これがプテラか!」

 

翼を広げた大きなポケモン。

 

鋭い牙。

 

鋭い爪。

 

そして、見るからに獰猛な顔。

 

「すげぇ……!」

 

マサヒロは興奮する。

 

「本物のプテラだ!」

 

「驚くのも無理はありません」

 

研究員が説明する。

 

「プテラは古代に生息していたポケモンです」

 

「古代……?」

 

「はい。長い間、絶滅したと考えられていました」

 

研究員は化石を手に取る。

 

「しかし最近になって、この化石からプテラを復元することに成功したんです」

 

「復元……」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「じゃあ、このプテラは……」

 

「ええ」

 

研究員は頷く。

 

「現代に蘇った、最初期の復元個体です」

 

「すげぇ!」

 

マサヒロはさらに近づこうとする。

 

「もっと近くで見たい!」

 

「待ってください!」

 

研究員が慌てて止める。

 

「それは危険です!」

 

「危険?」

 

「このプテラは非常に気性が荒いんです」

 

「グルル……!」

 

プテラがガラス越しに唸る。

 

「これまで何度も研究員に襲いかかっています」

 

「……」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

プテラは牙を剥き出しにしている。

 

確かに、近づくのは危険そうだった。

 

「だから、今はこの部屋から出さないようにしています」

 

「そうなんですか……」

 

マサヒロは少し残念そうにする。

 

その時だった。

 

「ブイ……」

 

イーブイがプテラを見つめていた。

 

「イーブイ?」

 

イーブイはじっとプテラを見る。

 

そして――。

 

「ブイ……」

 

どこか悲しそうな声を出した。

 

「どうしたんだ?」

 

マサヒロが尋ねる。

 

イーブイは答えない。

 

ただ、プテラを見つめている。

 

「……」

 

マサヒロもプテラを見る。

 

プテラは暴れている。

 

しかし――。

 

「……怖いのかな」

 

「え?」

 

研究員が振り向く。

 

「何がです?」

 

「いや……」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「こいつ、怒ってるっていうより……」

 

プテラがガラスに爪を当てる。

 

「……不安なんじゃないかな」

 

「不安?」

 

「だって、こいつにとっては全部知らないものなんだろ?」

 

マサヒロは続ける。

 

「生まれた時から知ってる場所も、仲間もいない」

 

「……」

 

「いきなり知らない世界に連れてこられたんだ」

 

イーブイがマサヒロを見る。

 

マサヒロはイーブイの頭を撫でる。

 

「イーブイも……昔はそうだったんだよな」

 

「ブイ……」

 

研究員たちは黙ってプテラを見る。

 

「……確かに」

 

一人の研究員が呟く。

 

「復元された直後から、ずっと暴れていました」

 

「外の世界を知らないんだ」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「だったら……」

 

マサヒロの顔が明るくなる。

 

「俺が今の世界を見せてやればいい!」

 

「ええ!?」

 

研究員が驚く。

 

「何を言っているんですか!」

 

「この研究所だけじゃなくてさ」

 

マサヒロは笑う。

 

「町とか、海とか、空とか!」

 

「危険です!」

 

「でも……」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「こいつには、知らない世界を知る時間が必要なんじゃないかな」

 

研究員は首を横に振る。

 

「駄目です。プテラの力は強すぎます」

 

「私も同意見だ」

 

カツラが口を開いた。

 

「しかし――」

 

カツラはプテラを見る。

 

「マサヒロの考えにも一理ある」

 

「カツラさん?」

 

「このまま閉じ込めておくだけでは、プテラが現代の世界に慣れることはないだろう」

 

研究員は困った顔をする。

 

「ですが……」

 

「私が責任を持つ」

 

カツラは言った。

 

「プテラと触れ合わせてみよう」

 

「カツラさん……!」

 

「ただし、無理はするな」

 

カツラはマサヒロを見る。

 

「危険を感じたら、すぐに離れるんだ」

 

「はい!」

 

マサヒロは頷く。

 

「分かりました!」

 

* * *

 

研究員が慎重に扉を開ける。

 

「……」

 

プテラが低く唸る。

 

マサヒロはゆっくりと近づく。

 

「大丈夫だよ」

 

「グルル……」

 

プテラは牙を見せる。

 

研究員たちが緊張する。

 

「マサヒロ君!」

 

「大丈夫です」

 

マサヒロは手を広げる。

 

「俺はお前を傷つけない」

 

プテラは警戒している。

 

その時――。

 

「ブイ」

 

イーブイがマサヒロの隣に立った。

 

そしてプテラを見る。

 

「ブイ……」

 

プテラが少しだけ動きを止める。

 

「……」

 

イーブイは静かにプテラを見つめる。

 

まるで――。

 

大丈夫だ。

 

怖がらなくていい。

 

そう伝えているようだった。

 

プテラはイーブイを見る。

 

そしてマサヒロを見る。

 

「……」

 

マサヒロは笑った。

 

「俺も、お前のことを知らない」

 

「……」

 

「でも、お前も俺のことを知らないだろ?」

 

マサヒロは一歩だけ近づく。

 

「だから、少しずつ知っていこうぜ」

 

プテラが唸る。

 

しかし――。

 

さっきまでの敵意は、少し弱くなっていた。

 

「……」

 

マサヒロはさらに一歩近づく。

 

「俺はマサヒロ」

 

胸に手を当てる。

 

「こいつはイーブイ」

 

「ブイ!」

 

イーブイが元気に鳴く。

 

「よろしくな」

 

プテラはマサヒロを見る。

 

しばらく沈黙が続いた。

 

そして――。

 

プテラがゆっくりと頭を近づける。

 

「……!」

 

マサヒロは驚く。

 

「触ってもいいのか?」

 

プテラは逃げなかった。

 

マサヒロは恐る恐る手を伸ばす。

 

そして――。

 

プテラの頭に手を置いた。

 

「……!」

 

マサヒロの顔が明るくなる。

 

「すげぇ……!」

 

プテラは静かに目を閉じる。

 

研究員たちは驚いていた。

 

「こんなこと……」

 

「今まで一度も……」

 

カツラは微笑む。

 

「どうやら、プテラは人間を嫌っているのではないらしい」

 

「え?」

 

「知らない人間を、恐れていただけなのかもしれんな」

 

マサヒロはプテラの頭を撫でる。

 

「なぁ、プテラ」

 

プテラがマサヒロを見る。

 

「外に行ってみないか?」

 

「……」

 

「今の世界を、一緒に見ようぜ」

 

プテラは少しだけ翼を動かした。

 

「ブイ!」

 

イーブイも嬉しそうに鳴く。

 

* * *

 

その後。

 

研究所の中庭。

 

プテラは大きな翼を広げた。

 

「すげぇ……!」

 

マサヒロが見上げる。

 

「これが今の空だぞ!」

 

プテラは空を見上げる。

 

青い空。

 

白い雲。

 

そして――。

 

遠くにはグレンタウンの街並みが広がっている。

 

プテラは静かに周囲を見回す。

 

マサヒロは笑う。

 

「どうだ?」

 

プテラが翼を広げる。

 

「飛びたいのか?」

 

「グルル!」

 

「よし!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「行ってこい!」

 

プテラが地面を蹴る。

 

バサッ!

 

大きな翼が風を起こす。

 

「うわっ!」

 

マサヒロの髪が風で揺れる。

 

プテラは空高く舞い上がった。

 

「すげぇぇぇ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

イーブイも空を見上げる。

 

「ブイ!」

 

プテラは何度も空を旋回する。

 

初めて見る現代の空。

 

初めて感じる自由。

 

そして――。

 

プテラは研究所へ戻ってきた。

 

マサヒロの前に降り立つ。

 

「おかえり!」

 

マサヒロが笑う。

 

プテラはマサヒロを見つめる。

 

「……」

 

その目に、もう敵意はなかった。

 

* * *

 

「マサヒロ君」

 

研究員が声をかける。

 

「はい?」

 

「相談があるんですが……」

 

研究員はプテラを見る。

 

「このプテラを、君に預けたい」

 

「え?」

 

マサヒロは驚く。

 

「俺に?」

 

「はい」

 

研究員は頷く。

 

「プテラはまだ現代の世界に慣れていません」

 

「……」

 

「ですが、君とイーブイと一緒にいる時だけは、とても落ち着いている」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ」

 

研究員は笑う。

 

「君なら、このプテラに新しい世界を教えてあげられると思います」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「……本当にいいんですか?」

 

「もちろんです」

 

「やった!」

 

マサヒロは喜ぶ。

 

「プテラ!」

 

プテラがマサヒロを見る。

 

「これから一緒に旅をしよう!」

 

「グルル!」

 

プテラが力強く鳴く。

 

「よろしくな!」

 

マサヒロはプテラに手を差し出す。

 

プテラはその手に頭を近づけた。

 

「ブイ!」

 

イーブイも嬉しそうに鳴く。

 

「これで……」

 

マサヒロは腰のモンスターボールを見る。

 

「俺の仲間は六匹だ!」

 

イーブイ。

 

フシギバナ。

 

スピアー。

 

ウインディ。

 

ギャラドス。

 

そして――。

 

「プテラ!」

 

プテラが翼を広げる。

 

「これからよろしくな!」

 

* * *

 

「それじゃあ、行ってきます!」

 

「気をつけてな」

 

カツラと研究員たちに見送られながら、マサヒロとイーブイはグレンタウンを出る。

 

少し離れた場所では、プテラが空を飛んでいる。

 

「プテラ!」

 

「グルル!」

 

「こっちだ!」

 

プテラがマサヒロたちのところへ降りてくる。

 

「よし!」

 

マサヒロは前を向く。

 

「次は最後のバッジだ!」

 

「ブイ!」

 

マサヒロとイーブイ。

 

そして、新たな仲間となったプテラ。

 

七つのバッジを手にした少年の旅は――。

 

最後のジムを目指して、再び始まった。

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