ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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47話 決着!マサヒロVSシゲル!(中編)

岩場のフィールド。

 

プテラが戦闘不能となり、マサヒロは残った二つのモンスターボールを見つめていた。

 

フシギバナ。

 

ウインディ。

 

「……プテラ、よく頑張った」

 

マサヒロはプテラのボールを握る。

 

「お前が作ってくれたチャンス、無駄にはしない!」

 

そして、一つのボールを取り出した。

 

「次はお前だ!」

 

「頼む、フシギバナ!」

 

「フシギバナァ!」

 

フシギバナがフィールドへ現れる。

 

「絶対に勝とう!」

 

「フシギバナ!」

 

そのときだった。

 

シゲルがカメックスを見る。

 

「……カメックス」

 

「カメ?」

 

「戻れ!」

 

「カメェ!」

 

カメックスがボールへ戻っていく。

 

「……え?」

 

マサヒロが驚く。

 

「カメックスを戻すのか?」

 

シゲルはニヤリと笑った。

 

「当たり前だろ?」

 

「相性が悪い相手と、わざわざ戦わせるわけないだろ?」

 

「……!」

 

シゲルは新たなボールを取り出す。

 

「お前がフシギバナを出すことくらい、予想してたさ」

 

「行け、ギャロップ!」

 

「ヒヒーン!」

 

炎のたてがみを揺らし、ギャロップがフィールドへ現れた。

 

「ギャロップ……!」

 

「前のバトルでは使ってこなかったポケモンか!」

 

「そうだ」

 

シゲルが笑う。

 

「だけど、こっちも負けない!」

 

「フシギバナ!」

 

* * *

 

「バトル再開!」

 

「ギャロップ、こうそくいどう!」

 

「ヒヒーン!」

 

ギャロップが一瞬で走り出す。

 

「フシギバナ、パワーウィップ!」

 

「フシギバナ!」

 

太いツルが伸びる。

 

しかし、ギャロップは素早くかわした。

 

「みだれづき!」

 

「ヒヒーン!」

 

ギャロップが一気に距離を詰める。

 

ドドドドッ!

 

「フシギバナ!」

 

何度も角を突かれ、フシギバナが吹き飛ばされる。

 

「立て!」

 

「フシギ……!」

 

フシギバナは立ち上がる。

 

「ヘドロばくだん!」

 

「フシギバナ!」

 

紫色の弾が飛ぶ。

 

「ギャロップ、こうそくいどう!」

 

ギャロップは攻撃をかわし、そのまま地面へ潜った。

 

「ドリルライナー!」

 

ズドン!

 

ギャロップがフシギバナの足元から飛び出す。

 

「フシギバナ!」

 

ドンッ!

 

フシギバナが吹き飛ばされた。

 

マサヒロはギャロップの動きを見つめる。

 

「速い……」

 

ギャロップは高速で走りながら相手を翻弄し、隙を見つけて近距離から攻撃している。

 

「まるで俺のスピアーみたいだ……!」

 

シゲルが笑う。

 

「そうだろ?」

 

「……!」

 

「このギャロップを連れてきた理由さ」

 

シゲルはギャロップを見る。

 

「こいつは、お前のスピアー対策だよ」

 

「スピアー対策……」

 

「前のバトルでは一杯食わされたからね」

 

「だから、スピアーのように素早く動いて、近距離から攻撃できるポケモンを用意したのさ」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「やっぱり……!」

 

「ん?」

 

「俺、そうだと思ってたんだ!」

 

マサヒロはギャロップを見る。

 

「お前は前に負けたポケモンを研究して、次のバトルでは対策してくるんじゃないかって!」

 

「それが本当に当たってたんだってな!」

 

シゲルはニヤリと笑う。

 

「そこまで考えてたとはね」

 

「もちろん!」

 

マサヒロは胸を張る。

 

「シゲルは俺に勝つために、本気で考えてくるだろ?」

 

「ああ」

 

シゲルは即答する。

 

「リーグで勝ち上がるなら、相手を研究するのは当然だ」

 

「……だったら、俺だって負けない!」

 

「フシギバナ!」

 

* * *

 

「フシギバナ、ヘドロばくだん!」

 

「フシギバナ!」

 

紫色の弾が飛ぶ。

 

「ギャロップ、こうそくいどう!」

 

「ヒヒーン!」

 

ギャロップが攻撃をかわす。

 

「ドリルライナー!」

 

「ヒヒーン!」

 

ギャロップが地面へ潜る。

 

「フシギバナ、気をつけろ!」

 

ズドン!

 

ギャロップが飛び出し、フシギバナを吹き飛ばす。

 

「フシギバナ!」

 

「パワーウィップ!」

 

「フシギバナ!」

 

太いツルが伸びる。

 

だが――

 

「こうそくいどう!」

 

ギャロップがかわす。

 

「みだれづき!」

 

ドドドドッ!

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが再び吹き飛ばされる。

 

「立て!」

 

「フシギ……!」

 

フシギバナは立ち上がるが、足元はふらついている。

 

ギャロップはまだ余裕がある。

 

「……このままじゃ、負ける」

 

マサヒロはフシギバナを見る。

 

「フシギバナ、戻れ!」

 

「フシギ……!」

 

フシギバナがボールへ戻っていく。

 

「よく頑張った」

 

マサヒロはボールを握る。

 

「ここは交代だ!」

 

* * *

 

「次は誰だ?」

 

シゲルが構える。

 

マサヒロは最後のモンスターボールを取り出した。

 

「行け、ウインディ!」

 

「ウオォォン!」

 

巨大なウインディがフィールドへ現れる。

 

「ウインディ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ここから逆転するぞ!」

 

「ウオォン!」

 

マサヒロはギャロップを見る。

 

そして、ウインディを見る。

 

「よし……!」

 

「かえんほうしゃ!」

 

「ウオォン!」

 

ウインディの口から巨大な炎が放たれる。

 

「ギャロップ!」

 

炎がギャロップを包み込む。

 

しかし――

 

「……え?」

 

炎が消える。

 

ギャロップは傷一つ負っていない。

 

それどころか、身体からさらに強い炎が噴き上がっていた。

 

「な、なんだよ、それ!?」

 

シゲルがニヤリと笑う。

 

「知らなかったのか?」

 

「……何を?」

 

「こいつの特性は、もらいびだ」

 

「もらいび……?」

 

「ほのおタイプの技を受けると、炎を吸収して自分の力にする」

 

「……!」

 

マサヒロは言葉を失う。

 

シゲルが笑う。

 

「同じほのおタイプなら相性は互角――」

 

「そう考えたんだろ?」

 

「……!」

 

「残念だったね、マサヒロ」

 

「くっ……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「……だったら!」

 

マサヒロはウインディを見る。

 

「炎が効かないなら、別の技で戦えばいい!」

 

「ウインディ!」

 

* * *

 

「ウインディ、しんそく!」

 

「ウインディ!」

 

一瞬でウインディが駆け出す。

 

ドンッ!

 

ギャロップへ突撃する。

 

「ギャロップ!」

 

ギャロップが吹き飛ばされる。

 

「もう一度、しんそく!」

 

「ウインディ!」

 

ギャロップもこうそくいどうで応戦する。

 

二匹がフィールドを駆け回る。

 

「みだれづき!」

 

「ヒヒーン!」

 

「ウインディ、避けろ!」

 

ウインディが身体をひねり、攻撃をかわす。

 

「今だ!」

 

「かみくだく!」

 

「ウインディ!」

 

ガブッ!

 

ギャロップが大きくよろめく。

 

「まだだ!」

 

シゲルが叫ぶ。

 

「だいもんじ!」

 

「ヒヒーン!」

 

巨大な炎が放たれる。

 

「ウインディ、しんそく!」

 

「ウオォォン!」

 

ウインディが炎を紙一重でかわす。

 

そして――

 

「かみくだく!」

 

ドォン!

 

ウインディの攻撃がギャロップへ直撃する。

 

「ギャロップ……!」

 

ギャロップがよろめく。

 

だが、倒れない。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ウインディ、もう一度しんそく!」

 

「ウオォォン!」

 

ウインディが一直線に駆け出す。

 

ギャロップも同時に走り出す。

 

「ギャロップ、みだれづき!」

 

「ヒヒーン!」

 

「ウインディ、かみくだく!」

 

「ウオォォン!」

 

二匹が正面から激突する。

 

ドォォン!!

 

「ウインディ!」

 

「ギャロップ!」

 

二匹とも吹き飛ばされる。

 

「立て、ウインディ!」

 

「ウオォ……!」

 

ウインディが立ち上がろうとする。

 

しかし、足に力が入らない。

 

同じように、ギャロップも身体を起こそうとしていた。

 

「ギャロップ……!」

 

シゲルが叫ぶ。

 

二匹は互いに立ち上がろうとする。

 

だが――

 

ドサッ。

 

ウインディが倒れた。

 

その直後。

 

ドサッ。

 

ギャロップも倒れた。

 

「……!」

 

フィールドが静まり返る。

 

審判が二匹を確認する。

 

そして――

 

「ウインディ、戦闘不能!」

 

「ギャロップ、戦闘不能!」

 

「両者、戦闘不能!」

 

「……相打ちか!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「ウインディ……!」

 

マサヒロはウインディのもとへ駆け寄る。

 

「よくやった!」

 

「ウオォ……」

 

ウインディは力なく鳴く。

 

シゲルもギャロップのもとへ歩いていく。

 

「よく頑張ったな」

 

「ヒヒ……」

 

ギャロップも小さく鳴いた。

 

シゲルはギャロップをボールへ戻す。

 

「これで、互いに残り一匹だな」

 

マサヒロもウインディをボールへ戻す。

 

そして、二つのモンスターボールを見る。

 

一つはフシギバナ。

 

もう一つは――。

 

シゲルが最後のモンスターボールを取り出した。

 

「……これで最後だ」

 

マサヒロもフシギバナのボールを握る。

 

「俺も、最後の一匹だ」

 

二人の視線がぶつかる。

 

「ここまで来たな、シゲル」

 

「ああ」

 

シゲルが笑う。

 

「次で決めよう」

 

マサヒロも拳を握る。

 

「絶対に勝つ!」

 

岩場のフィールドに、再び大きな歓声が響き渡った。

 

いよいよ、最後の一匹同士の戦いが始まろうとしていた。




ウインディの特性はいかくの為、ほのお技を無効にはできません。
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