ポケットモンスターブラウン   作:光宙

49 / 61
49話 決勝リーグ!因縁の相手登場!

ポケモンリーグ。

 

予選を終えたマサヒロたちは、会場の大きなモニターの前に集まっていた。

 

「それでは、予選を勝ち抜いたトレーナーを発表します!」

 

会場にアナウンスが響く。

 

モニターに、次々と名前が表示されていく。

 

「……」

 

マサヒロは自分の名前を探す。

 

そして――

 

「……あった!」

 

そこには、はっきりと表示されていた。

 

『マサヒロ』

 

「よし!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「これで決勝リーグに出られる!」

 

イーブイも嬉しそうに跳ねる。

 

「イーブイ!」

 

「ここまで来たんだ。絶対に優勝してやるぞ!」

 

「イーブイ!」

 

その時。

 

「……あっ!」

 

マサヒロの目が別の名前を捉えた。

 

『サトシ』

 

「サトシも勝ち上がってる!」

 

マサヒロは思わず笑顔になる。

 

「よかった……!」

 

イーブイもモニターを見る。

 

「イーブイ!」

 

「これで、リーグでも戦えるな!」

 

マサヒロはホッと息を吐いた。

 

そして、もう一つの名前を探す。

 

「……リョウは……」

 

しばらくして。

 

「あった!」

 

『リョウ』

 

「リョウも勝ち上がってる!」

 

「イーブイ!」

 

マサヒロは嬉しそうに笑う。

 

「よかったな……」

 

予選を突破できるか。

 

そんな心配は、もう必要なかった。

 

マサヒロ自身は決勝リーグへの進出を決めている。

 

だからこそ――

 

「サトシも、リョウも一緒に進めたんだ」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「これで、決勝リーグでまた戦える!」

 

「イーブイ!」

 

その頃。

 

少し離れた場所では、サトシとピカチュウもモニターを見上げていた。

 

「よっしゃあ!」

 

サトシが拳を突き上げる。

 

「決勝リーグ進出だ!」

 

「ピカ!」

 

そして、その近くにはリョウとサンドの姿もあった。

 

「俺も進めたな」

 

「サンド!」

 

リョウはサンドの頭を撫でる。

 

「マサヒロとまた戦える」

 

「サンド!」

 

三人の目標は、同じだった。

 

――ポケモンリーグ優勝。

 

* * *

 

その後。

 

決勝リーグの組み合わせが発表された。

 

「決勝リーグ第一回戦の組み合わせを発表します!」

 

会場が静まり返る。

 

モニターに、対戦表が映し出されていく。

 

「第一試合!」

 

『マサヒロ VS ゴウジ』

 

「……ゴウジ?」

 

マサヒロは知らない名前だった。

 

「俺の最初の相手か……」

 

イーブイが隣で鳴く。

 

「イーブイ!」

 

「よし!」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「絶対に勝つぞ!」

 

「イーブイ!」

 

* * *

 

その日の夜。

 

宿泊施設へ戻る道を、マサヒロとイーブイは歩いていた。

 

「明日は決勝リーグ第一回戦か……」

 

マサヒロは空を見上げる。

 

「相手がどんな奴でも、俺たちは負けないぞ」

 

「イーブイ!」

 

その時だった。

 

「おい」

 

後ろから声が聞こえた。

 

「……ん?」

 

マサヒロが振り返る。

 

そこには、一人の少年が立っていた。

 

腕を組み、こちらを見下ろしている。

 

「お前がマサヒロか?」

 

「そうだけど……」

 

「俺はゴウジ」

 

少年はニヤリと笑った。

 

「明日の対戦相手だ」

 

「……!」

 

マサヒロは身構える。

 

ゴウジはイーブイを見る。

 

「お前、そのポケモンで出るつもりか?」

 

「もちろん」

 

「やめておけ」

 

ゴウジは鼻で笑った。

 

「お前じゃ俺には勝てない」

 

「……なんだと?」

 

ゴウジは冷たい目で言った。

 

「今のうちに棄権した方がいい」

 

「ふざけるな!」

 

マサヒロが怒る。

 

「俺は絶対に棄権なんかしない!」

 

イーブイもゴウジを睨む。

 

「イーブイ!」

 

その時だった。

 

「……グルルル……」

 

マサヒロの後ろから、低い唸り声が聞こえた。

 

「ん?」

 

マサヒロが振り返る。

 

モンスターボールから、ウインディが出てきていた。

 

「ウインディ?」

 

ウインディはゴウジを睨みつけている。

 

「グルルル……」

 

ゴウジの顔が変わった。

 

「……そのウインディ」

 

「え?」

 

ゴウジはウインディをじっと見つめる。

 

「お前……もしかして、あの時のガーディか?」

 

「……!」

 

マサヒロは驚く。

 

「知ってるのか?」

 

ゴウジは少し黙った。

 

そして――

 

「……ああ」

 

「昔、俺が持っていたガーディだ」

 

「!」

 

マサヒロはウインディを見る。

 

ウインディもゴウジを睨んでいた。

 

「じゃあ……」

 

マサヒロの頭に、あの時の光景が浮かぶ。

 

傷だらけの身体。

 

怯えた目。

 

人間に近づかれることを恐れていたガーディ。

 

それでも、少しずつ心を開いてくれた。

 

「……お前だったのか」

 

マサヒロはゴウジを見る。

 

「こいつを傷つけたのは……」

 

「俺は知らない」

 

ゴウジは冷たく答えた。

 

「弱かったから捨てただけだ」

 

「……!」

 

マサヒロの拳が震える。

 

「弱かった?」

 

「ああ」

 

ゴウジはウインディを見る。

 

「言うことも聞かないし、バトルでも勝てなかった」

 

「だからいらなくなった」

 

「……ふざけるな」

 

マサヒロが低い声で言う。

 

「何だと?」

 

「こいつは弱くなんかない!」

 

マサヒロはウインディの前に立った。

 

「こいつと初めて会った時、傷だらけだった」

 

「人間のことも怖がってた」

 

「それでも、少しずつ俺たちを信じてくれたんだ!」

 

ウインディがマサヒロを見る。

 

「お前は、こいつを信じなかったんだろ?」

 

「……」

 

「自分がうまく戦えなかったからって、ウインディのせいにしただけだ!」

 

ゴウジの表情が険しくなる。

 

「何を……!」

 

「こいつの力を引き出せなかったのは、お前の方だ!」

 

マサヒロは叫ぶ。

 

「ウインディは、俺たちの大切な仲間だ!」

 

「ウインディ!」

 

ウインディが力強く吠える。

 

「お前みたいな奴に、ウインディを馬鹿にする資格なんてない!」

 

「……!」

 

ゴウジは拳を握る。

 

「そこまで言うなら……」

 

ゴウジはマサヒロを睨む。

 

「明日のバトルで思い知らせてやる」

 

「望むところだ!」

 

マサヒロも睨み返す。

 

「俺は絶対に負けない!」

 

「覚えておけ」

 

ゴウジは背を向ける。

 

「明日、泣くことになるぞ」

 

そう言い残して、ゴウジは去っていった。

 

「……」

 

マサヒロはその背中を見つめる。

 

そして、ウインディを見る。

 

「ウインディ……」

 

「ウインディ」

 

マサヒロはウインディの頭を撫でた。

 

「もう大丈夫だ」

 

「……」

 

「お前には俺がいる」

 

ウインディが顔を上げる。

 

「それに、イーブイも、フシギバナも、スピアーも、ギャラドスも、プテラもいる」

 

「ウインディ!」

 

「みんな、お前の仲間だ」

 

ウインディは力強く吠えた。

 

「明日は一緒に戦おう」

 

「ウインディ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「絶対に勝つぞ!」

 

「イーブイ!」

 

「ウインディ!」

 

夜の街に、二匹の声が響いた。

 

明日は――

 

ポケモンリーグ決勝リーグ、第一回戦。

 

マサヒロとウインディにとって、因縁の相手との戦いが始まる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。