ゴウジとのバトルを終えたマサヒロは、控え室へ戻っていた。
「ふぅ……」
マサヒロは椅子に座り、モニターを見つめる。
そこには、ポケモンリーグの試合が次々と映し出されていた。
「みんな、強いな……」
どのトレーナーも、ここまで勝ち上がってきただけあって実力者ばかりだった。
その時。
「おっ!」
マサヒロが身を乗り出す。
モニターに、リョウの姿が映った。
「リョウだ!」
リョウはサンドと一緒に、相手トレーナーと戦っていた。
「サンド、あなをほる!」
「サンド!」
サンドが地面へ潜る。
相手のポケモンが周囲を警戒する。
「今だ!」
リョウが叫ぶ。
「ジャイロボール!」
「サンド!」
ズドン!
地面から飛び出したサンドが、バタフリーへ突撃し、吹き飛ばす。
そして――。
「バタフリー、戦闘不能!」
「よし!」
リョウが拳を握る。
「やったな、サンド!」
「サンド!」
マサヒロも笑った。
「リョウも勝った!」
これで――
リョウも準々決勝へ進出する。
「これで俺とリョウ、それに……」
マサヒロはモニターを見る。
次に映し出されたのは――
「サトシ!」
「ピカ!」
ピカチュウと一緒にフィールドへ立つサトシだった。
「次はサトシか!」
マサヒロはモニターへ釘付けになる。
相手は一人の少年だった。
「ヒロシ……」
フィールドの向こうで、ヒロシがモンスターボールを握っている。
「僕は絶対に勝つ」
ヒロシは静かに言った。
「この大会で、もっと上まで行くんだ」
「俺だって負けない!」
サトシが拳を握る。
「ピカチュウ!」
「ピカ!」
二人の視線がぶつかる。
* * *
「ピカチュウ!」
「ピカ!」
サトシのピカチュウがフィールドを駆ける。
だが――
「ヒトカゲ、ひのこ!」
「ヒトカゲ!」
炎が一気に飛んでくる。
「ピカチュウ!」
ドォン!
「ピカ……」
ピカチュウが地面へ倒れた。
「ピカチュウ、戦闘不能!」
「……!」
サトシが目を見開く。
「ピカチュウ!」
サトシが駆け寄る。
ピカチュウは悔しそうに立ち上がろうとする。
「大丈夫か、ピカチュウ?」
「ピカ……」
それでもピカチュウはサトシを見る。
「ごめんな……」
サトシは拳を握った。
「でも、まだ終わってない!」
ピカチュウはフィールドの外へ下がり、サトシを見つめる。
サトシは残りのモンスターボールを見る。
「……次はお前だ!」
サトシが一つのボールを取り出す。
「出てこい!」
「リザードン!」
「グオオオオッ!」
巨大なリザードンがフィールドへ現れる。
「リザードン……!」
ヒロシが驚く。
「すごい……!」
「頼むぞ、リザードン!」
「グオッ!」
サトシは拳を握る。
「ヒトカゲを倒すぞ!」
リザードンはヒロシのヒトカゲを見つめる。
そして――
「かえんほうしゃ!」
「グオオオオッ!」
巨大な炎が放たれる。
「ヒトカゲ!」
炎が直撃する。
「ヒトカゲ、戦闘不能!」
「よし!」
サトシが拳を突き上げる。
「リザードン、やったな!」
「グオオッ!」
しかし――
ヒロシはまだ慌てていなかった。
「まだ僕には、もう一匹いる」
ヒロシがモンスターボールを握る。
「行け!」
「ピカチュウ!」
「……!」
サトシが驚く。
「ピカチュウ……!」
相手の最後のポケモン。
それは、ヒロシのピカチュウだった。
名前は――レオン。
「レオン!」
「ピカ!」
レオンが力強く鳴く。
「負けるもんか…最後まで絶対に諦めないぞ!」
ヒロシはリザードンを見る。
サトシもリザードンを見る。
「こっちも負けないぞ!」
「グオオオッ!」
* * *
「リザードン、つばさでうつ!」
「グオオッ!」
リザードンが翼を大きく振る。
「レオン、かわして!」
「ピカ!」
レオンが素早く横へ飛ぶ。
「速い!」
サトシが驚く。
「だったら、かえんほうしゃ!」
「グオオオオッ!」
炎がフィールドを走る。
「レオン!」
ヒロシが叫ぶ。
「ジャンプ!」
「ピカ!」
レオンが炎を飛び越える。
「すごい……!」
サトシが息を呑む。
ヒロシは冷静だった。
「レオン、ちきゅうなげ!」
「ピカ!」
レオンが一気に接近する。
「なっ!?」
リザードンの懐へ入り込む。
「リザードン!」
レオンがリザードンの身体へ飛びつく。
そして――
「ピカァァァ!」
ドォン!
リザードンが地面へ叩きつけられる。
「リザードン!」
サトシが叫ぶ。
しかし、リザードンは立ち上がった。
「まだだ!」
サトシは拳を握る。
「俺たちは、あの時とは違う!」
リザードンがサトシを見る。
「そうだろ?」
「グオオッ!」
リザードンが力強く鳴く。
その姿を見て、マサヒロはモニター越しに目を見開いた。
「……すごい」
以前のリザードンなら――
サトシの言葉を無視していた。
自分勝手な戦いをしていた。
でも今は違う。
「ちゃんとサトシの言うことを聞いてる……」
マサヒロは拳を握る。
「サトシもリザードンも、変わったんだ」
* * *
「リザードン、かえんほうしゃ!」
「グオオオオッ!」
炎が放たれる。
「レオン、避けろ!」
レオンが横へ飛ぶ。
「今だ!」
サトシが叫ぶ。
「つばさでうつ!」
「グオオッ!」
リザードンが一気に接近する。
「レオン、迎え撃て!」
「ピカ!」
二匹が正面からぶつかる。
ドンッ!
互いに弾き飛ばされる。
「まだだ!」
サトシが叫ぶ。
「リザードン、ちきゅうなげ!」
「グオオオッ!」
リザードンがレオンを捕まえる。
「ピカ!?」
そのまま大きく飛び上がる。
「いけええええ!」
ドォォォン!!
大きな衝撃音が響き渡り、レオンが地面へ叩きつけられる。
「レオン!」
ヒロシが叫ぶ。
土煙がフィールドを包む。
しばらくして――
土煙の中から、リザードンが姿を現した。
「グオ……」
そして、その後ろには――
倒れているレオン。
「レオン、戦闘不能!」
「勝者、サトシ!」
「……」
サトシは一瞬、動かなかった。
そして――
「勝った……!」
「グオオッ!」
サトシがリザードンへ駆け寄る。
「やったな、リザードン!」
リザードンも嬉しそうに鳴いた。
フィールドの外では、ピカチュウが二人を見つめている。
「ピカ!」
サトシが振り返る。
「ピカチュウ!」
ピカチュウが嬉しそうに笑った。
* * *
控え室。
マサヒロはモニターを見つめていた。
「サトシ、勝ったな……!」
マサヒロは拳を握る。
「これで俺とリョウとサトシ、三人とも準々決勝だ!」
イーブイも嬉しそうに鳴く。
「イーブイ!」
「俺も負けてられないな」
マサヒロは立ち上がる。
「次の試合も絶対勝つ!」
「イーブイ!」
そして――
マサヒロはモニターに映るサトシを見る。
「待ってろよ、サトシ!」
「お前ともリーグで決着をつけてやる!」
マサヒロの言葉に、イーブイが元気よく鳴いた。
「イーブイ!」
こうして――
マサヒロ、リョウ、サトシ。
三人の少年たちは、準々決勝へと駒を進めた。
というわけでアニポケ改変でした、ヒロシを勝たせてしまうと新たにマサヒロとの関わりを持たせないと準々決勝が薄味となってしまうのでサトシを勝たせたってのは内緒