ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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55話 準決勝前夜!懐かしの再会!

ポケモンリーグ準々決勝。

 

すべての試合が終わった。

 

スタジアムでは、準決勝へ進む四人の名前が発表されようとしていた。

 

「これより、準決勝進出選手を発表します!」

 

会場が静まり返る。

 

「第一試合!」

 

スクリーンに名前が映し出される。

 

「マサヒロ選手!」

 

「……!」

 

マサヒロは自分の名前を見つめる。

 

そして――

 

「対戦相手は!」

 

次の名前が表示された。

 

「リョウ選手!」

 

「……!」

 

マサヒロの目が大きく開く。

 

「リョウ……!」

 

その瞬間。

 

反対側の観客席から、一人の少年が立ち上がった。

 

「マサヒロ!」

 

「リョウ!」

 

二人の視線がぶつかる。

 

リョウは笑った。

 

マサヒロも笑う。

 

「やっぱり……こうなったか」

 

「そうだな」

 

リョウが頷く。

 

「俺も、ずっとお前と戦いたかった」

 

「俺もだ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

そして、二人はスタジアムの通路で向かい合った。

 

「準決勝か……」

 

マサヒロが呟く。

 

「ここまで来たな」

 

「ああ」

 

リョウはサンドを見る。

 

サンドもマサヒロをじっと見つめていた。

 

「俺とサンドは、ここまで来るためにずっと頑張ってきた」

 

「俺たちもだ」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

「イーブイ!」

 

「それに……」

 

リョウは少しだけ真剣な表情になる。

 

「マサヒロ」

 

「ん?」

 

「俺、ずっと言おうと思ってたことがあるんだ」

 

「何だ?」

 

リョウはマサヒロの目を見る。

 

「お前は、俺にとって最大のライバルだ」

 

「……!」

 

マサヒロは驚いた。

 

「最大の……ライバル?」

 

「ああ」

 

リョウは頷く。

 

「俺が一番、決着をつけたいと思ってる相手だ」

 

「……」

 

マサヒロは黙ってリョウを見る。

 

「俺たちは最初に会った時から、同じようにバッジを集めてた」

 

「初めて戦った時も、本気だった」

 

「それから何度も会って、何度も戦った」

 

「そのたびに、お互い強くなってきた」

 

リョウは拳を握る。

 

「だから俺は、ずっと思ってた」

 

「いつか必ず、マサヒロに勝ちたいって」

 

「……リョウ」

 

マサヒロは少し笑った。

 

「実は俺もだ」

 

「え?」

 

「俺も、お前とは絶対に決着をつけたいと思ってた」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

「旅に出たばかりの頃はさ」

 

「俺にとって、サトシは眼中になかった」

 

「シゲルは、いつか超えなきゃいけない相手だった」

 

「……」

 

「もちろん、今は違う」

 

マサヒロは笑う。

 

「サトシもシゲルも、今の俺にとっては対等なライバルだ」

 

「そうだな」

 

リョウが頷く。

 

「でも――」

 

マサヒロはリョウを見る。

 

「お前は、最初に会った時からずっと違った」

 

「……」

 

「初めて会った時から、俺と同じ場所を目指してた」

 

「バッジを集めて」

 

「ポケモンと一緒に強くなって」

 

「何度だってバトルしてきた」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「俺にとって、お前はずっと対等なライバルだった」

 

「……マサヒロ」

 

「だからさ」

 

マサヒロは笑う。

 

「いつの間にか、お前は俺の中でも特別なライバルになってた」

 

リョウはしばらく黙っていた。

 

そして――

 

「……嬉しいよ」

 

「え?」

 

「俺も同じ気持ちだから」

 

リョウは笑った。

 

「だからこそ、次のバトルでは絶対に負けたくない」

 

「俺もだ!」

 

二人は拳を突き合わせる。

 

「準決勝では、全部出し切ろう」

 

「もちろん!」

 

「最後まで、悔いのないバトルをしよう」

 

「ああ!」

 

「サンド!」

 

「イーブイ!」

 

二匹も互いを見つめる。

 

「じゃあ、またな」

 

「うん」

 

「準決勝で会おう!」

 

「ああ!」

 

二人はそれぞれ反対方向へ歩き出す。

 

マサヒロは何度も振り返りそうになった。

 

だが――

 

前を向いた。

 

「……リョウか」

 

「ブイ?」

 

「絶対に負けられないな」

 

「ブイ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「俺たちも、全力でいこうぜ」

 

「ブイ!」

 

* * *

 

その日の夜。

 

宿泊している施設の外。

 

マサヒロとイーブイは、静かに夜空を見上げていた。

 

「今日は疲れたな」

 

「ブイ……」

 

「でも、明日はもっと大変だ」

 

「ブイ!」

 

「リョウとの準決勝……」

 

マサヒロは昼間の会話を思い出す。

 

「絶対に勝つ」

 

その時だった。

 

「マサヒロ!」

 

「……ん?」

 

聞き覚えのある声。

 

マサヒロが振り返る。

 

「……シバさん!」

 

そこには、四天王のシバが立っていた。

 

そして、その隣には――

 

「バルキー!」

 

「バルキー!」

 

バルキーがマサヒロを見るなり、嬉しそうに駆け出した。

 

「バルキー!」

 

マサヒロも駆け寄る。

 

「久しぶりだな!」

 

「バルキー!」

 

バルキーがマサヒロの足元へ飛びつく。

 

「元気だったか?」

 

「バルキー!」

 

「そうか、そうか!」

 

マサヒロは嬉しそうにバルキーの頭を撫でる。

 

その隣では、イーブイも嬉しそうに鳴いていた。

 

「イーブイ!」

 

「バルキー!」

 

二匹も久しぶりの再会を喜んでいる。

 

「シバさん、どうしてここに?」

 

マサヒロが尋ねる。

 

シバは腕を組み、笑った。

 

「お前の試合を見ていた」

 

「え?」

 

「予選リーグ突破だけでも大したものだ」

 

シバは真剣な表情になる。

 

「だが、そこからさらに勝ち上がり、ついに準決勝まで来た」

 

「……」

 

「よくここまで成長したな、マサヒロ」

 

「ありがとうございます!」

 

マサヒロは嬉しそうに笑う。

 

シバは頷いた。

 

「だが、ここから先は今まで以上に厳しい戦いになる」

 

「分かってます」

 

「ならば――」

 

シバは拳を握る。

 

「最後まで悔いを残すな!」

 

「自分の力を、すべて出し切れ!」

 

「はい!」

 

マサヒロも拳を握る。

 

「絶対に、最後まで全力で戦います!」

 

「それでこそ、ポケモントレーナーだ!」

 

シバが豪快に笑う。

 

「バルキーも、そう思うだろう?」

 

「バルキー!」

 

バルキーが力強く拳を突き上げる。

 

「バルキー?」

 

マサヒロがバルキーを見る。

 

バルキーは自分の拳を見つめた。

 

そして――

 

マサヒロへ向かって拳を突き出す。

 

「バルキー!」

 

「……」

 

マサヒロは笑った。

 

「もっと強くなるってことか?」

 

「バルキー!」

 

「シバさんのところで?」

 

「バルキー!」

 

シバが頷く。

 

「こいつは、まだまだ強くなれる」

 

「だから、俺のもとで更なる修行を続けるつもりだ」

 

「そっか……」

 

マサヒロは少し寂しそうに笑う。

 

「でも、お前ならもっと強くなれるよな」

 

「バルキー!」

 

「俺も負けないぞ」

 

「バルキー!」

 

イーブイも前へ出る。

 

「イーブイ!」

 

「バルキー!」

 

二匹が拳を合わせる。

 

「次に会う時は――」

 

マサヒロが言う。

 

「誰にも負けないくらい強くなってろよ!」

 

「バルキー!」

 

「俺たちも、もっと強くなってるからな!」

 

「イーブイ!」

 

バルキーが大きく頷く。

 

「バルキー!」

 

そして、マサヒロへ拳を向ける。

 

「その時はまた一緒に戦おうって?」

 

「バルキー!」

 

マサヒロはその拳に、自分の拳を合わせた。

 

「約束だ!」

 

「バルキー!」

 

イーブイも二人の間に入る。

 

「ブイ!」

 

「ははっ!」

 

マサヒロは笑った。

 

「じゃあ、それまでお互い頑張ろうな!」

 

「バルキー!」

 

シバが満足そうに頷く。

 

「いい顔になったな、マサヒロ」

 

「え?」

 

「出会った頃のお前とは、目が違う」

 

「……」

 

「強くなったのは、ポケモンだけではないようだな」

 

マサヒロは少し照れながら笑う。

 

「俺も、まだまだですよ」

 

「そうだ」

 

シバは頷く。

 

「だからこそ、最後まで戦え」

 

「はい!」

 

「準決勝も、その先もな」

 

「……はい!」

 

マサヒロは夜空を見上げる。

 

明日は――

 

リョウとの準決勝。

 

そして、その先には決勝戦が待っている。

 

「イーブイ」

 

「ブイ?」

 

「明日は、全部出し切ろうな」

 

「ブイ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「俺たちの旅は、まだ終わってない!」

 

「ブイ!」

 

その隣で、バルキーも拳を突き上げる。

 

「バルキー!」

 

シバが笑う。

 

「それでいい!」

 

三人と二匹の声が、静かな夜に響いた。

 

やがてシバとバルキーは、マサヒロのもとを離れていった。

 

「またな、バルキー!」

 

「バルキー!」

 

「次に会う時は、もっと強くなってろよ!」

 

「バルキー!」

 

バルキーは振り返りながら、何度も拳を突き上げた。

 

マサヒロも拳を握る。

 

「俺たちも負けないぞ!」

 

「イーブイ!」

 

明日は、宿命のライバルとの決戦。

 

マサヒロとリョウ。

 

二人の旅人が、ついに準決勝の舞台で激突する。

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