ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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56話 準決勝!マサヒロvsリョウ!①

ポケモンリーグ準決勝。

 

ついに、その日が来た。

 

スタジアムは大勢の観客で埋め尽くされている。

 

「準決勝、第一試合!」

 

審判の声が響く。

 

「マサヒロ選手対リョウ選手!」

 

「……」

 

マサヒロはフィールドの向こうを見る。

 

そこには、リョウが立っていた。

 

「リョウ……」

 

「マサヒロ」

 

二人の視線がぶつかる。

 

リョウが拳を握る。

 

「昨日、約束したよな、全部出し切るって」

 

「ああ!」

 

マサヒロも拳を握る。

 

「絶対に悔いのないバトルにしよう!」

 

「勿論だ!」

 

二人が構える。

 

審判が声を上げた。

 

「それでは――」

 

「準決勝、開始!」

 

「行くぞ!」

 

マサヒロがモンスターボールを取り出す。

 

「最初はお前だ!」

 

「ウインディ!」

 

「ワオォォン!」

 

ウインディがフィールドへ飛び出した。

 

その巨体が地面を踏みしめる。

 

「ウインディ!」

 

「最初から全力でいくぞ!」

 

「ワオォォン!」

 

リョウもモンスターボールを取り出す。

 

「だったら、俺も最初からいく!」

 

「出ろ!」

 

「カビゴン!」

 

「カビィィ!」

 

巨大なカビゴンがフィールドへ現れる。

 

観客席から大きな歓声が上がった。

 

「カビゴン……!」

 

マサヒロは目を見開く。

 

その姿を見た瞬間。

 

以前の戦いが頭をよぎった。

 

ギャラドスが、かつて敗れた相手。

 

あのカビゴンに。

 

「……」

 

マサヒロはウインディを見る。

 

「ウインディ!」

 

「ワオ!」

 

「まずは俺たちでいくぞ!」

 

「ワオォン!」

 

リョウもカビゴンを見る。

 

「カビゴン!」

 

「カビィ!」

 

「相手は速いぞ!」

 

「でも、焦るな!」

 

カビゴンがゆっくりと構える。

 

「俺たちの力を見せるんだ!」

 

「カビィ!」

 

「バトル、スタート!」

 

「ウインディ、しんそく!」

 

「ワオォォン!」

 

ウインディが一瞬で駆け出す。

 

「速い!」

 

リョウが驚く。

 

ウインディがカビゴンの横を駆け抜ける。

 

「かみくだく!」

 

「ワオ!」

 

ガブッ!

 

カビゴンの腕へ噛みつく。

 

「カビゴン!」

 

「まだだ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「のしかかり!」

 

「カビィ!」

 

カビゴンが身体を倒す。

 

「ウインディ、避けろ!」

 

「ワオ!」

 

ウインディが横へ飛ぶ。

 

ドォン!

 

カビゴンの巨体が地面へ叩きつけられる。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「そのまま走り回れ!」

 

「ワオォン!」

 

ウインディがフィールドを駆け回る。

 

右。

 

左。

 

後ろ。

 

カビゴンの周囲を高速で動き続ける。

 

「カビゴン、落ち着け!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「相手の動きをよく見るんだ!」

 

「カビィ……!」

 

カビゴンが目を凝らす。

 

「今だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「しんそく!」

 

「ワオォォン!」

 

ウインディが一気に加速する。

 

「かみくだく!」

 

ガブッ!

 

再びカビゴンへ攻撃。

 

「カビゴン!」

 

カビゴンがよろめく。

 

「まだだ!」

 

リョウは冷静だった。

 

「そのまま受けろ!」

 

「カビィ!」

 

カビゴンが踏ん張る。

 

「ウインディ、もう一度!」

 

「ワオ!」

 

ウインディが走り出す。

 

その瞬間――

 

「カビゴン!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ギガインパクト!」

 

「カビィィィィィ!」

 

カビゴンの身体から凄まじい力があふれ出す。

 

「なっ!?」

 

マサヒロが目を見開く。

 

カビゴンがウインディへ向かって突進する。

 

「ウインディ、避けろ!」

 

「ワオォン!」

 

ウインディが横へ飛ぶ。

 

しかし――

 

「追え!」

 

「カビィィ!」

 

カビゴンが方向を変える。

 

「ウインディ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かえんぐるま!」

 

「ワオォォォン!」

 

ウインディが炎をまとい、正面から突っ込む。

 

「今だ!」

 

マサヒロが拳を突き出す。

 

「そのまま押し切れ!」

 

「ワオォォン!」

 

炎をまとったウインディがカビゴンへ迫る。

 

「カビゴン!」

 

リョウも叫ぶ。

 

「ギガインパクトだ!」

 

「カビィィィィ!」

 

ドォォォォン!!

 

かえんぐるまとギガインパクトが正面から激突する。

 

凄まじい衝撃がフィールドを揺らす。

 

「ウインディ!」

 

「カビゴン!」

 

二匹が押し合う。

 

炎がカビゴンを包む。

 

だが――

 

カビゴンが一歩。

 

さらに一歩。

 

前へ出る。

 

「そんな……!」

 

マサヒロが驚く。

 

「押し切られる……!?」

 

「カビィィィィ!」

 

ドォォン!!

 

ギガインパクトが、かえんぐるまを押し切った。

 

「ウインディ!」

 

ウインディが大きく吹き飛ばされる。

 

地面を転がり――

 

そのまま動かなくなった。

 

「ウインディ、戦闘不能!」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「ウインディ……!」

 

「ワオ……」

 

ウインディがゆっくりと目を開ける。

 

「よく頑張った」

 

マサヒロは優しく声をかける。

 

「ありがとうな」

 

ウインディは小さく鳴いた。

 

「ゆっくり休んでくれ」

 

マサヒロはウインディをボールへ戻した。

 

そして――

 

「次は……」

 

マサヒロは別のボールを取り出す。

 

「スピアー!」

 

「スピアー!」

 

スピアーがフィールドへ飛び出した。

 

「スピアー!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ここからだ!」

 

「スピアー!」

 

リョウはカビゴンを見る。

 

「カビゴン!」

 

「カビィ……」

 

ギガインパクトを使った直後。

 

カビゴンもかなり消耗している。

 

「まだ戦えるか?」

 

「カビィ!」

 

「分かった!」

 

リョウも構える。

 

「俺たちも負けない!」

 

「バトル、再開!」

 

「スピアー、こうそくいどう!」

 

「スピアー!」

 

スピアーの姿が一瞬で消える。

 

「速い!」

 

リョウが驚く。

 

「カビゴン、見失うな!」

 

「カビィ!」

 

スピアーがカビゴンの周囲を高速で駆け回る。

 

「スピアー、かわらわり!」

 

「スピアー!」

 

一気に距離を詰める。

 

「カビゴン!」

 

「カビィ!」

 

ドンッ!

 

かわらわりがカビゴンへ直撃する。

 

「効いてる!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「格闘タイプの技だ!」

 

カビゴンが大きくよろめく。

 

「もう一度!」

 

「スピアー!」

 

スピアーが再び高速で接近する。

 

「かわらわり!」

 

「スピアー!」

 

ドォン!

 

「カビゴン!」

 

カビゴンが後ろへ下がる。

 

「いいぞ!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「そのまま攻め続けろ!」

 

「スピアー!」

 

「カビゴン!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「耐えるんだ!」

 

「カビィ……!」

 

カビゴンが踏ん張る。

 

「スピアー、こうそくいどう!」

 

「スピアー!」

 

さらに速度を上げる。

 

「かわらわり!」

 

「スピアー!」

 

「カビゴン、見ろ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「スピアーの動きを!」

 

「カビィ!」

 

カビゴンが目を凝らす。

 

スピアーが右。

 

左。

 

背後。

 

そして――

 

「今だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「かわらわり!」

 

スピアーがカビゴンの懐へ飛び込む。

 

「カビゴン!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「のしかかり!」

 

「カビィィ!」

 

「スピアー、避けろ!」

 

「スピアー!」

 

しかし――

 

間に合わない。

 

ドォォン!!

 

「スピアー!」

 

巨大なカビゴンの身体がスピアーへ直撃する。

 

「スピアー!」

 

スピアーが地面へ叩きつけられる。

 

「立て!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

スピアーもそれに応えようと何とか立ち上がろうとする。

 

しかし――

 

身体が動かない。

 

「スピアー、戦闘不能!」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「スピアー……!」

 

スピアーは悔しそうにマサヒロを見る。

 

「よく頑張った」

 

マサヒロはスピアーのボールを握る。

 

「お前の攻撃、すごかったぞ」

 

スピアーは静かに頷いた。

 

そして――

 

マサヒロは次のボールへ手を伸ばす。

 

「……」

 

その瞬間。

 

マサヒロの脳裏に、以前の戦いが蘇った。

 

カビゴン。

 

そして――

 

かつて、そのカビゴンに敗れたギャラドス。

 

「……ギャラドス」

 

マサヒロはボールを握る。

 

「お前に決めた」

 

「行くぞ!」

 

ボールが開く。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャアアアアス!」

 

巨大なギャラドスがフィールドへ現れた。

 

会場から大きな歓声が上がる。

 

「ギャラドス……!」

 

リョウが目を見開く。

 

ギャラドスもカビゴンを見る。

 

「ギャア……!」

 

その目には、明らかな闘志が宿っていた。

 

マサヒロはギャラドスの横へ視線を向ける。

 

「覚えてるよな」

 

「ギャア!」

 

「前に、お前はカビゴンに負けた」

 

「ギャアアア!」

 

ギャラドスが大きく吠える。

 

「あの時のままじゃないって、見せてやろう!」

 

「ギャアアアアス!」

 

リョウはカビゴンを見る。

 

「カビゴン!」

 

「カビィ!」

 

「ここで決着をつけるぞ!」

 

「カビィ!」

 

二匹が睨み合う。

 

そして――

 

「バトル、再開!」

 

「ギャラドス、ぼうふう!」

 

「ギャアアアアス!」

 

巨大な竜巻が巻き起こる。

 

「カビゴン、耐えろ!」

 

「カビィィ!」

 

カビゴンが地面に踏ん張る。

 

竜巻がカビゴンを包み込む。

 

「ギャラドス、まだだ!」

 

「ギャア!」

 

「アクアテール!」

 

「ギャアア!」

 

巨大な尾が振り抜かれる。

 

ドォン!!

 

「カビゴン!」

 

カビゴンが吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「カビゴン、ギガインパクト!」

 

「カビィィィィ!」

 

カビゴンが一気に突進する。

 

「ギャラドス、避けろ!」

 

「ギャア!」

 

ギャラドスが身体をひねる。

 

ギリギリでかわす。

 

「今だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「こおりのキバ!」

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスの牙が冷気をまとい、カビゴンへ迫る。

 

「カビゴン!」

 

「カビィ!」

 

ガキィン!

 

冷気がカビゴンの身体を包む。

 

「よし!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「そのまま攻めるぞ!」

 

「ギャア!」

 

「カビゴン、動け!」

 

リョウが叫ぶ。

 

カビゴンが身体を震わせる。

 

「まだだ!」

 

「カビィィ!」

 

凍りついた身体を無理やり動かす。

 

「すごい……!」

 

マサヒロが目を見開く。

 

「まだ動くのか!」

 

「カビゴンは、こんなことで止まらない!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「カビゴン、のしかかり!」

 

「カビィィ!」

 

巨大な身体が迫る。

 

「ギャラドス、アクアテール!」

 

「ギャアア!」

 

尾が振り抜かれる。

 

ドォォン!!

 

二匹が正面から激突する。

 

「ギャラドス!」

 

「カビゴン!」

 

互いに弾き飛ばされる。

 

しかし――

 

二匹とも立ち上がった。

 

「……」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「やっぱり、強いな」

 

リョウも笑う。

 

「お互い様だ!」

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

「カビゴン!」

 

「カビィ!」

 

二匹が同時に走り出す。

 

「ぼうふう!」

 

「ギャアアア!」

 

「カビゴン、ギガインパクト!」

 

「カビィィィィ!」

 

竜巻と巨大な突進が正面からぶつかる。

 

ドォォォォン!!

 

「ギャラドス!」

 

「カビゴン!」

 

凄まじい衝撃。

 

二匹が大きく吹き飛ばされる。

 

「立て!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア……!」

 

ギャラドスが立ち上がる。

 

「カビゴン!」

 

リョウも叫ぶ。

 

「カビィ……!」

 

カビゴンも立ち上がった。

 

両者とも、限界に近い。

 

「……まだだ」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「ここで終わらせるぞ!」

 

「ギャアアアアス!」

 

「カビゴン、最後までいくぞ!」

 

「カビィィ!」

 

「ギャラドス!」

 

「アクアテール!」

 

「ギャアアア!」

 

「カビゴン!」

 

「ギガインパクト!」

 

「カビィィィィィ!」

 

二匹が正面から激突する。

 

ドォォォォォン!!

 

巨大な衝撃がフィールドを包み込む。

 

「ギャラドス!」

 

「カビゴン!」

 

土煙が舞い上がる。

 

会場が静まり返る。

 

やがて――

 

煙の中から、ギャラドスが姿を現した。

 

「ギャ……」

 

身体は傷だらけ。

 

それでも――

 

立っている。

 

一方のカビゴンは。

 

「カビィ……」

 

膝をついていた。

 

そして――

 

ゆっくりと、その巨体が倒れる。

 

ドサッ。

 

審判が確認する。

 

「カビゴン、戦闘不能!」

 

「……!」

 

リョウは目を見開く。

 

「カビゴン……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「……勝った」

 

ギャラドスが大きく吠える。

 

「ギャアアアアス!」

 

会場から大歓声が巻き起こる。

 

「やったな、ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

マサヒロはギャラドスを見る。

 

「今度は……勝ったな」

 

ギャラドスは誇らしげに吠えた。

 

リョウはカビゴンのもとへ駆け寄る。

 

「よくやった、カビゴン」

 

カビゴンは悔しそうに目を開ける。

 

「最後まで、本当に頑張ったな」

 

リョウはカビゴンをボールへ戻す。

 

そして――

 

マサヒロを見る。

 

「……やっぱり、お前は強いな」

 

「ああ」

 

マサヒロは頷く。

 

「でも、まだ終わってない」

 

リョウが笑う。

 

「そうだな」

 

マサヒロは残りのボールを見る。

 

「ここからだ!」

 

ギャラドスが吠える。

 

「ギャアアアアス!」

 

準決勝。

 

立て続けに2匹を失ったマサヒロだったが――

 

宿敵カビゴンを倒し、ついに反撃を開始した。

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