ポケットモンスターブラウン   作:光宙

57 / 61
57話 準決勝!マサヒロvsリョウ!②

「ここからだ!」

 

ギャラドスが大きく吠える。

 

「ギャアアアアス!」

 

会場からも大きな歓声が巻き起こった。

 

準決勝。

 

ここまでの戦いで、マサヒロはウインディとスピアーを失った。

 

そしてリョウは――カビゴンを失った。

 

マサヒロの残りは四匹。

 

リョウの残りは五匹。

 

まだ、勝負の行方は分からない。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

「お前なら、まだいける!」

 

ギャラドスが力強く吠える。

 

だが――

 

マサヒロは気づいていた。

 

パルシェンとの激戦。

 

その直前までのカビゴンとの戦い。

 

ギャラドスの身体には、確実に疲労が溜まっている。

 

「……それでも!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ここまで来たんだ!」

 

その時。

 

リョウがカビゴンのボールを握った。

 

「よく頑張ったな、カビゴン」

 

そして――

 

次のボールを取り出す。

 

「次は、お前だ!」

 

「パルシェン!」

 

「パルシェン!」

 

巨大な二枚貝のポケモンがフィールドへ現れる。

 

「パルシェン……!」

 

マサヒロが目を見開く。

 

「すごい殻だ……!」

 

パルシェンの身体は、分厚い殻に覆われている。

 

「ギャラドスの攻撃を、あの殻で受けるつもりか!」

 

リョウが笑う。

 

「その通り!」

 

「パルシェンは防御力が自慢なんだ!」

 

「ギャラドスの力でも、そう簡単には突破できない!」

 

「だったら……!」

 

マサヒロはギャラドスを見る。

 

「俺たちの力が、どこまで通じるか試してやる!」

 

「ギャアアアアス!」

 

「バトル再開!」

 

「パルシェン、からにこもる!」

 

「パルシェン!」

 

パルシェンが殻を閉じる。

 

「ギャラドス、アクアテール!」

 

「ギャア!」

 

巨大な尾が振り抜かれる。

 

ドォン!!

 

パルシェンの殻に直撃する。

 

「パルシェン!」

 

パルシェンは大きく揺れる。

 

しかし――

 

倒れない。

 

「よし!」

 

リョウが拳を握る。

 

「やっぱり、この殻なら耐えられる!」

 

「ギャラドス、こおりのキバ!」

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスがパルシェンへ迫る。

 

ガキィン!

 

冷気をまとった牙が殻へ食い込む。

 

「パルシェン!」

 

殻が大きく揺れる。

 

それでも――

 

パルシェンは耐えていた。

 

「どうだ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「これがパルシェンの防御力だ!」

 

「……すごい」

 

マサヒロも驚く。

 

「でも!」

 

拳を握る。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

「まだまだいけるよな!」

 

「ギャアアアアス!」

 

ギャラドスが大きく吠える。

 

「ぼうふう!」

 

「ギャアアア!」

 

巨大な竜巻が発生する。

 

「パルシェン、耐えろ!」

 

「パルシェン!」

 

竜巻がパルシェンを包み込む。

 

「もっとだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ギャラドス、力を込めろ!」

 

「ギャアアアア!」

 

竜巻がさらに激しくなる。

 

パルシェンの身体が少しずつ押し飛ばされる。

 

「パルシェン!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「踏ん張れ!」

 

しかし――

 

ズズズッ!

 

パルシェンの身体が地面を滑る。

 

「まだだ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「その殻なら耐えられる!」

 

「ギャラドス!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「アクアテール!」

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスが竜巻の中を突き進む。

 

そして――

 

ドォォォン!!

 

巨大な尾がパルシェンへ直撃する。

 

「パルシェン!」

 

パルシェンが大きく吹き飛ばされる。

 

「まだ立てる!」

 

リョウが叫ぶ。

 

パルシェンは何とか身体を起こす。

 

「パル……」

 

「すごい……!」

 

マサヒロが呟く。

 

「これでも倒れないのか!」

 

「だから言っただろ!」

 

リョウが笑う。

 

「パルシェンの殻は――」

 

「ギャラドス!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「こおりのキバ!」

 

「ギャアアア!」

 

ギャラドスが一気に距離を詰める。

 

「パルシェン、からにこもる!」

 

「パルシェン!」

 

再び殻を閉じる。

 

しかし――

 

ギャラドスは止まらない。

 

「そのまま押し切れ!」

 

「ギャアアアアス!」

 

ガキィィィン!!

 

強烈なこおりのキバが、パルシェンの殻へ叩き込まれる。

 

「パルシェン!」

 

殻に大きな亀裂が走った。

 

「なっ……!」

 

リョウが目を見開く。

 

「殻が……!」

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「アクアテール!」

 

「ギャアア!」

 

ドォォォン!!

 

巨大な尾がパルシェンへ直撃する。

 

「パルシェン!!」

 

パルシェンが大きく吹き飛ぶ。

 

そして――

 

ドサッ。

 

動かなくなった。

 

審判が確認する。

 

「パルシェン、戦闘不能!」

 

「……!」

 

リョウは拳を握る。

 

「パルシェン……」

 

マサヒロはギャラドスを見る。

 

「やったな!」

 

「ギャアアアアス!」

 

「お前のパワーが、あの殻を上回ったぞ!」

 

ギャラドスが誇らしげに吠える。

 

「ギャア!」

 

リョウはパルシェンをボールへ戻す。

 

「よく頑張った」

 

そして――

 

次のボールを取り出す。

 

「まだ終わってない」

 

「出ろ!」

 

「ハッサム!」

 

「ハッサム!」

 

赤い身体。

 

大きなハサミ。

 

背中には翼。

 

鋭い目でギャラドスを見つめている。

 

「……!」

 

マサヒロは言葉を失った。

 

「な、なんだ……あのポケモン!?」

 

「初めて見る……!」

 

リョウが笑う。

 

「そうだろうな」

 

「こいつはハッサム」

 

「ストライクが進化したポケモンだ!」

 

「ストライクの……進化系!?」

 

マサヒロは驚く。

 

「こんなポケモンに進化するのか……!」

 

「ああ!」

 

リョウはハッサムを見る。

 

「攻撃も速さも、かなり高い」

 

「そして――」

 

リョウの表情が変わる。

 

「今のギャラドスなら、十分に倒せる」

 

「……!」

 

マサヒロはギャラドスを見る。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

「まだいけるよな!」

 

「ギャアア!」

 

「よし!」

 

「ハッサム、バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが一瞬で距離を詰める。

 

「速い!」

 

マサヒロが驚く。

 

「ギャラドス、かわして!」

 

「ギャア!」

 

ギャラドスが身体をひねる。

 

しかし――

 

ドンッ!

 

ハッサムの拳がギャラドスの身体へ叩き込まれる。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャア!」

 

ギャラドスが後ろへ下がる。

 

「もう一度、バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

再びハッサムが突っ込む。

 

「ギャラドス、ぼうふう!」

 

「ギャアアア!」

 

巨大な竜巻が巻き起こる。

 

「ハッサム、かわして!」

 

ハッサムが低く飛び、竜巻の中心から外れる。

 

「ギャラドス、追え!」

 

「ギャア!」

 

ギャラドスがハッサムへ迫る。

 

「アクアテール!」

 

「ギャアア!」

 

巨大な尾が振り抜かれる。

 

「ハッサム!」

 

ハッサムが横へ飛ぶ。

 

しかし、完全には避けきれない。

 

ドンッ!

 

「ハッ!」

 

ハッサムが吹き飛ばされる。

 

「よし!」

 

マサヒロが拳を握る。

 

「まだいける!」

 

リョウは冷静にハッサムを見る。

 

「ハッサム、エアスラッシュ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが翼を大きく振る。

 

鋭い風の刃が飛んでいく。

 

「ギャラドス、ぼうふう!」

 

「ギャアアア!」

 

竜巻が風の刃を押し返す。

 

「そのまま突っ込め!」

 

ギャラドスが竜巻をまといながら前へ進む。

 

「ハッサム、バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが竜巻の中へ飛び込む。

 

「ギャラドス!」

 

ドンッ!

 

バレットパンチがギャラドスへ直撃する。

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスがよろめく。

 

「こおりのキバ!」

 

「ギャアア!」

 

ギャラドスが反撃する。

 

「ハッサム、シザークロス!」

 

「ハッ!」

 

ガキィン!

 

牙とハサミが正面から激突する。

 

「ギャラドス!」

 

「ハッサム!」

 

二匹が押し合う。

 

「ギャラドス、押し切れ!」

 

「ギャアアアア!」

 

ギャラドスが力を込める。

 

ハッサムの身体が少しずつ押されていく。

 

「ハッサム!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「無理に力で対抗するな!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが素早く身を引く。

 

「エアスラッシュ!」

 

「ハッ!」

 

至近距離から風の刃が放たれる。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャアア!」

 

風の刃がギャラドスの身体を切り裂く。

 

「くっ……!」

 

マサヒロが歯を食いしばる。

 

「ギャラドス!」

 

ギャラドスが何とか立っている。

 

だが――

 

呼吸が荒い。

 

先の2連戦戦で受けたダメージ。

 

そして、ここまでのハッサムとの攻防。

 

確実に体力を削られていた。

 

リョウはその様子を見逃さない。

 

「ハッサム」

 

「ハッ!」

 

「相手はもう限界に近い」

 

「一気に決めるぞ!」

 

「ハッサム!」

 

「バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが一直線に突っ込む。

 

「ギャラドス、ぼうふう!」

 

「ギャアアア!」

 

巨大な竜巻が発生する。

 

「ハッサム、シザークロス!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが竜巻へ突っ込む。

 

「ギャラドス!」

 

ドォォン!!

 

ハッサムのシザークロスがギャラドスへ直撃する。

 

「ギャアアア!」

 

ギャラドスが大きく吹き飛ばされる。

 

「ギャラドス!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

ギャラドスは何とか身体を起こそうとする。

 

「立て!」

 

「ギャ……」

 

「お前なら、まだやれる!」

 

「ギャア……!」

 

ギャラドスが身体を起こす。

 

だが――

 

足に力が入らない。

 

「……!」

 

マサヒロが息を呑む。

 

「ギャラドス……」

 

ハッサムがゆっくりと近づく。

 

「ハッサム!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「エアスラッシュ!」

 

「ハッ!」

 

鋭い風の刃が飛ぶ。

 

「ギャラドス!」

 

「ギャ……!」

 

風の刃が直撃する。

 

ドォン!

 

ギャラドスが地面へ叩きつけられる。

 

「ギャラドス!」

 

マサヒロが駆け寄ろうとする。

 

しかし、審判が手を上げる。

 

「ギャラドス、戦闘不能!」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「ギャラドス……!」

 

ギャラドスは目を閉じた。

 

マサヒロは静かに近づく。

 

「よく頑張った」

 

「最後まで戦ってくれて、ありがとうな」

 

ギャラドスは小さく鳴いた。

 

「ギャ……」

 

マサヒロはギャラドスをボールへ戻す。

 

そして――

 

残りのボールを見つめる。

 

「……」

 

残り三匹。

 

一方、リョウはまだ四匹残している。

 

「……強い」

 

マサヒロはハッサムを見る。

 

「ギャラドスでも、負けた……」

 

リョウは静かに頷いた。

 

「ギャラドスは本当に強かった」

 

「パルシェンを倒した直後なのに、あそこまで戦ったんだからな」

 

「でも――」

 

リョウはハッサムを見る。

 

「俺も、ここまで勝ち上がってきたんだ」

 

「まだ、負けるわけにはいかない」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「俺だって、まだ負けない!」

 

「次は――」

 

マサヒロは次のボールを取り出す。

 

「俺の番だ!」

 

「マサヒロ!」

 

「リョウ!」

 

二人の視線がぶつかる。

 

準決勝の戦いは――

 

さらに激しさを増していく。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。