ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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58話 準決勝!マサヒロvsリョウ!③

「俺だって、まだ負けない!」

 

マサヒロは次のモンスターボールを握る。

 

残り三匹。

 

フシギバナ。

 

プテラ。

 

そして――

 

イーブイ。

 

一方、リョウはまだ四匹を残している。

 

「次は――」

 

マサヒロはフィールドを見る。

 

そこには、ギャラドスを倒したハッサムが立っていた。

 

赤い身体。

 

鋭いハサミ。

 

背中の翼。

 

「……ハッサム」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ギャラドスを倒したこいつを、どうする……?」

 

ハッサムは静かにマサヒロを見つめている。

 

そのとき――

 

マサヒロの頭に一つの考えが浮かんだ。

 

「……そうだ!」

 

マサヒロはボールを取り出す。

 

「虫タイプが相手なら……!」

 

「飛行タイプだ!」

 

「行け、プテラ!」

 

「プテラァァ!」

 

巨大な翼竜がフィールドへ飛び出す。

 

「プテラ……!」

 

リョウは少しだけ笑った。

 

「やっぱり出してきたか」

 

「え?」

 

マサヒロが驚く。

 

「マサヒロなら、虫タイプのハッサムに有利な飛行タイプを出すだろうと思ってた」

 

「……!」

 

「だから――」

 

リョウがハッサムを見る。

 

「ハッサム!」

 

「ハッ!」

 

「とんぼがえり!」

 

「ハッサム!」

 

ハッサムが一気に飛び出す。

 

「プテラ、避けろ!」

 

「プテラ!」

 

プテラが翼を広げる。

 

しかし――

 

ドンッ!

 

ハッサムの身体がプテラへ激突する。

 

「プテラ!」

 

「プテラァ!」

 

プテラが大きく吹き飛ばされる。

 

「よし!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ハッサム!」

 

ハッサムはそのままフィールドから離れ――

 

リョウのもとへ戻ってくる。

 

「戻れ、ハッサム!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムがボールへ戻る。

 

「……!」

 

マサヒロは目を見開く。

 

「そうか……!」

 

「とんぼがえりは、攻撃したあとトレーナーのもとに戻っていく技……!」

 

リョウが頷く。

 

「その通り」

 

「だから、プテラを攻撃しながら、次のポケモンに交代できる」

 

「くそっ……!」

 

マサヒロは悔しそうに拳を握る。

 

「うまく利用された……!」

 

リョウは次のボールを取り出した。

 

「そして――」

 

「飛行タイプに強いポケモンを出す!」

 

「行け!」

 

「ルージュラ!」

 

「ルージュラ!」

 

長い髪。

 

赤い唇。

 

独特の姿をしたポケモンがフィールドへ現れる。

 

「ルージュラ……!」

 

マサヒロが驚く。

 

「こいつも初めて見る……!」

 

リョウは笑った。

 

「ルージュラは氷タイプだ」

 

「飛行タイプのプテラには相性がいい」

 

「なるほど……!」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「だったら、速さで勝負するぞ!」

 

「プテラ!」

 

「プテラァ!」

 

プテラが翼を広げる。

 

「プテラ、つばさでうつ!」

 

「プテラ!」

 

一気に距離を詰める。

 

「速い!」

 

リョウが叫ぶ。

 

プテラがルージュラの周囲を高速で飛び回る。

 

右。

 

左。

 

上。

 

そして背後。

 

「ここだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「つばさでうつ!」

 

「プテラ!」

 

プテラが急降下する。

 

しかし――

 

「ルージュラ、トリックルーム!」

 

「ルージュラ!」

 

その瞬間。

 

フィールドの空気が歪んだ。

 

「な、なんだ!?」

 

マサヒロが目を見開く。

 

空間そのものが、ぐにゃりと揺れる。

 

「これが……トリックルーム!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「この技が続いている間は、素早さの遅いポケモンほど先に動ける!」

 

「……!」

 

マサヒロはプテラを見る。

 

「つまり……」

 

「プテラの速さが、逆に不利になる!」

 

「その通り!」

 

リョウが頷く。

 

「ルージュラ!」

 

「ルー!」

 

ルージュラが動く。

 

さっきまでとは比べ物にならない。

 

「速い!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

プテラが方向を変える。

 

しかし――

 

「ルージュラ、追え!」

 

「ルー!」

 

ルージュラがプテラへ迫る。

 

「プテラ、逃げろ!」

 

「プテラ!」

 

プテラが飛び回る。

 

だが、トリックルームの影響で、思うように動けない。

 

「くっ……!」

 

マサヒロが歯を食いしばる。

 

「プテラ!」

 

「プテラ……!」

 

「まだだ!」

 

マサヒロは叫ぶ。

 

「お前の速さなら、絶対に勝てる!」

 

「プテラ!」

 

プテラが翼を広げる。

 

「もう一度、つばさでうつ!」

 

「プテラァ!」

 

プテラがルージュラへ突っ込む。

 

しかし――

 

「ルージュラ、かわして!」

 

「ルー!」

 

ルージュラが横へ動く。

 

プテラの攻撃が空を切った。

 

「今だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ふぶき!」

 

「ルージュラ!」

 

冷気が一気に広がる。

 

「プテラ!」

 

「プテラァァ!」

 

吹雪がプテラを包み込む。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「プテラ、飛べ!」

 

しかし――

 

「プテラ……!」

 

プテラの翼が凍りついていく。

 

「そんな……!」

 

マサヒロが息を呑む。

 

「トリックルームで動きが鈍くなったところに、吹雪……」

 

リョウは静かに言った。

 

「これが俺の対策だ」

 

「プテラ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「もう一度、飛ぶんだ!」

 

プテラは必死に翼を動かす。

 

しかし――

 

動けない。

 

「プテラ……」

 

そして。

 

ドサッ。

 

プテラが地面へ落ちる。

 

審判が確認する。

 

「プテラ、戦闘不能!」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「プテラ……!」

 

プテラは静かに目を閉じている。

 

「よく頑張った」

 

マサヒロはプテラのボールを握る。

 

「ハッサムを相手に出したのは間違ってなかった」

 

「でも……」

 

「リョウは、そこまで読んでたんだな」

 

リョウは頷く。

 

「マサヒロの考え方は、もう分かってきたからな」

 

「……!」

 

マサヒロはリョウを見る。

 

「だけど――」

 

次のボールを取り出す。

 

「俺たちだって、ここから逆転する!」

 

「出てこい!」

 

「フシギバナ!」

 

「フシギバナァ!」

 

巨大な花を背負ったフシギバナがフィールドへ現れる。

 

「フシギバナ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「頼むぞ!」

 

「フシギバナ!」

 

ルージュラはまだトリックルームの影響で素早さを上げている。

 

「ルージュラ!」

 

「ルー!」

 

「先に動くぞ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ルージュラ、あくまのキッス!」

 

「ルージュラ!」

 

ルージュラがフシギバナへ近づく。

 

「フシギバナ、かわして!」

 

「フシギ……!」

 

しかし――

 

トリックルームの影響で、ルージュラの動きは速い。

 

フシギバナは反応しきれない。

 

「フシギバナ!」

 

「チュッ!」

 

あくまのキッスがフシギバナへ届く。

 

「しまった!」

 

フシギバナの身体から力が抜けていく。

 

「フシギバナ……」

 

そのまま、ゆっくりと目を閉じる。

 

「眠った……!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「フシギバナ!」

 

「……」

 

返事がない。

 

「今だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ルージュラ、サイコキネシス!」

 

「ルージュラ!」

 

念力がフシギバナを包み込む。

 

ドォン!

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナの身体が地面を転がる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「フシギバナ、起きろ!」

 

「……」

 

動かない。

 

「フシギバナ!」

 

「……フシギ……」

 

ようやく、少しだけ身体が動く。

 

「そうだ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「俺たちは、ここまで来たんだ!」

 

「絶対に諦めるな!」

 

「フシギバナ……!」

 

「もう一度だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ルージュラ、ふぶき!」

 

「ルージュラ!」

 

猛烈な吹雪が放たれる。

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナは眠ったまま。

 

吹雪が身体を包む。

 

「フシギバナァ……!」

 

「フシギバナ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「起きろ!」

 

「俺たちはまだ負けてない!」

 

「一緒にここまで来ただろ!」

 

「だから――!」

 

「最後まで、諦めるなぁぁぁ!」

 

「フシギ……」

 

その声が届いたのか。

 

フシギバナの身体が動く。

 

「フシギバナ!」

 

目が開いた。

 

「起きた!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが力強く立ち上がる。

 

「すごい……!」

 

リョウも驚く。

 

「眠りから、自力で……!」

 

「そうだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ここから逆転だ!」

 

「フシギバナ!」

 

「ハードプラント!」

 

「フシギバナァァァァァ!」

 

地面から巨大な植物が一気に伸びる。

 

「ルージュラ!」

 

巨大な植物がルージュラを包み込む。

 

ドォォォォン!!

 

「ルー……!」

 

ルージュラが吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「もっとだ!」

 

「フシギバナ!」

 

さらに植物が伸びる。

 

「ルージュラ!」

 

ルージュラが耐えようとする。

 

しかし――

 

力が尽きる。

 

ドサッ。

 

「ルージュラ、戦闘不能!」

 

「……!」

 

リョウが目を見開く。

 

「やった!」

 

マサヒロが拳を突き上げる。

 

「フシギバナ!」

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが嬉しそうに吠える。

 

「よくやった!」

 

マサヒロはフシギバナのもとへ駆け寄る。

 

「まだ戦えるな!」

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナは力強く返事をする。

 

「よし!」

 

マサヒロは立ち上がる。

 

「次も――」

 

その時だった。

 

「次は俺の番だ」

 

リョウが静かにボールを取り出す。

 

「……!」

 

マサヒロの表情が変わる。

 

「まさか……」

 

リョウがボールを投げる。

 

「もう一度、頼む!」

 

「ハッサム!」

 

「ハッサム!」

 

赤い身体のハッサムが再びフィールドへ現れる。

 

「ハッサム……!」

 

マサヒロが息を呑む。

 

「さっきのハッサムが、もう一度……!」

 

リョウは頷く。

 

「ルージュラが倒れることも、想定していた」

 

「だから、次はハッサムだ」

 

「……!」

 

マサヒロはフシギバナを見る。

 

フシギバナの身体は、さっきの戦いですでに大きく消耗している。

 

眠り。

 

サイコキネシス。

 

吹雪。

 

そしてハードプラント。

 

それでも――

 

「フシギバナ!」

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナはまだ立っている。

 

「よし……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ここでも勝つぞ!」

 

「ハッサム!」

 

リョウも構える。

 

「ハッサム、シザークロス!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが一気に距離を詰める。

 

「フシギバナ、パワーウィップ!」

 

「フシギバナ!」

 

太いツルが伸びる。

 

しかし――

 

「ハッサム、かわして!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが身体をひねる。

 

パワーウィップが空を切る。

 

「フシギバナ、ソーラービーム!」

 

「フシギ……!」

 

フシギバナが光を集める。

 

しかし――

 

「ハッサム、バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

一瞬で距離を詰める。

 

ドンッ!

 

「フシギバナ!」

 

バレットパンチが直撃する。

 

「しまった!」

 

フシギバナがよろめく。

 

「今だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「シザークロス!」

 

「ハッ!」

 

ガキィン!

 

鋭いハサミがフシギバナへ叩き込まれる。

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが大きく吹き飛ばされる。

 

「くっ……!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「フシギバナ、立て!」

 

「フシギ……!」

 

フシギバナがゆっくりと立ち上がる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「ソーラービーム!」

 

「フシギバナ!」

 

光が集まり始める。

 

しかし――

 

「ハッサム、エアスラッシュ!」

 

「ハッ!」

 

鋭い風の刃が飛んでくる。

 

「フシギバナ!」

 

風の刃がフシギバナへ直撃する。

 

「フシギバナ!」

 

ソーラービームの光が消える。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「パワーウィップ!」

 

「フシギバナ!」

 

ツルが伸びる。

 

「ハッサム、バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムがツルをかいくぐる。

 

ドンッ!

 

「フシギバナ!」

 

再び拳が直撃する。

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが後ろへ下がる。

 

「ハッサム!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「一気に決めるぞ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが突進する。

 

「シザークロス!」

 

「ハッ!」

 

「フシギバナ、ヘドロばくだん!」

 

「フシギ!」

 

紫色の弾が飛ぶ。

 

しかし――

 

ハッサムが横へかわす。

 

「そのまま突っ込め!」

 

「ハッサム!」

 

ドンッ!

 

シザークロスがフシギバナへ直撃する。

 

「フシギバナ!」

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

フシギバナは何とか立っている。

 

しかし――

 

その身体は、もう限界に近かった。

 

「フシギ……」

 

呼吸が荒い。

 

足も震えている。

 

「フシギバナ……」

 

マサヒロは心配そうに見る。

 

「まだ戦えるか?」

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナは力強く頷いた。

 

「……分かった」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「だったら、最後まで一緒に戦おう!」

 

「フシギバナ!」

 

「ハッサム、バレットパンチ!」

 

「ハッ!」

 

ハッサムが突っ込む。

 

「フシギバナ、避けろ!」

 

「フシギ……!」

 

フシギバナが身体を動かす。

 

しかし――

 

「速い!」

 

ハッサムの拳が迫る。

 

「フシギバナ!」

 

その瞬間だった。

 

フィールドに差し込んでいた光が、フシギバナの身体を包み込む。

 

「……え?」

 

マサヒロが目を見開く。

 

フシギバナの葉が、大きく揺れる。

 

「これは……!」

 

リョウも驚く。

 

「まさか……!」

 

フシギバナの身体から、今までとは違う力があふれ出す。

 

「フシギバナ!」

 

「ようりょくそ……!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「そうか!」

 

「この光……!」

 

「フシギバナの特性が発動したんだ!」

 

フシギバナの動きが変わる。

 

さっきまで重かった身体が――

 

一気に軽くなる。

 

「速い!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

フシギバナがハッサムの横をすり抜ける。

 

「ハッサム!?」

 

リョウが驚く。

 

「フシギバナ、今だ!」

 

「フシギバナ!」

 

マサヒロが拳を突き出す。

 

「ハードプラント!」

 

「フシギバナァァァァァ!!」

 

地面から巨大な植物が一気に伸びる。

 

「ハッサム!」

 

ハッサムが逃げようとする。

 

しかし――

 

フシギバナの動きが速い。

 

植物がハッサムを追い詰める。

 

「ハッサム!」

 

「もっとだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「全部の力を出せ!」

 

「フシギバナァァァ!」

 

巨大な植物がハッサムを包み込む。

 

ドォォォォォン!!

 

「ハッサム!」

 

ハッサムが大きく吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「もう一度!」

 

「フシギバナ!」

 

さらに植物が地面から伸びる。

 

「ハッサム!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「耐えろ!」

 

ハッサムは必死に立ち上がろうとする。

 

しかし――

 

その身体から力が抜ける。

 

ドサッ。

 

「ハッサム、戦闘不能!」

 

「……!」

 

リョウが目を見開く。

 

「ハッサム……!」

 

「やった!」

 

マサヒロが拳を突き上げる。

 

「勝ったぞ、フシギバナ!」

 

「フシギバナ!」

 

フシギバナが嬉しそうに吠える。

 

しかし――

 

その直後。

 

「……フシギバナ?」

 

フシギバナの身体が大きく揺れた。

 

「どうした!?」

 

マサヒロが駆け寄る。

 

「フシギ……」

 

フシギバナの足が震える。

 

「まさか……」

 

マサヒロは気づいた。

 

ルージュラとの戦いで受けたダメージ。

 

そして――

 

ハッサムとの激戦。

 

何度も攻撃を受けながら、それでも戦い続けた。

 

最後には、ようりょくその力まで使った。

 

「フシギバナ……!」

 

マサヒロが手を伸ばす。

 

「もう限界だったんだな……」

 

フシギバナはマサヒロを見つめる。

 

そして――

 

「フシギ……」

 

ゆっくりと身体を倒した。

 

ドサッ。

 

「フシギバナ、戦闘不能!」

 

「……!」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「フシギバナ……!」

 

マサヒロはフシギバナのもとへ駆け寄る。

 

「よく頑張った」

 

「本当に……よく頑張ったぞ」

 

フシギバナは目を閉じている。

 

それでも、その表情はどこか満足そうだった。

 

「ハッサムを倒してくれて、ありがとう」

 

マサヒロはフシギバナの頭を優しく撫でる。

 

「ゆっくり休んでくれ」

 

フシギバナは静かに目を閉じた。

 

「……」

 

マサヒロは立ち上がる。

 

残りは――

 

「イーブイ……」

 

最後のモンスターボールを握る。

 

マサヒロの残りは一匹。

 

そして、リョウの残りは二匹。

 

「……」

 

リョウも残り二つのボールを見る。

 

その表情は真剣だった。

 

「ここまで来たな」

 

「ああ」

 

マサヒロも頷く。

 

「あと少しだ」

 

「でも、ここからが一番厳しい」

 

リョウが構える。

 

マサヒロも最後のボールを握り直す。

 

「絶対に負けない」

 

「俺もだ」

 

二人の視線がぶつかる。

 

準決勝。

 

ついに――

 

戦いは最終局面へ突入した。

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