ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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60話 ポケモンリーグ優勝!そしてワタルとの出会い!

セキエイスタジアム。

 

ポケモンリーグ決勝戦。

 

満員の観客席から、大きな歓声が響いていた。

 

「リョウー!」

 

「頑張れー!」

 

「優勝しろー!」

 

その中に、マサヒロの姿もあった。

 

「リョウ!」

 

マサヒロは立ち上がって叫ぶ。

 

「絶対に勝てよ!」

 

隣ではイーブイも応援している。

 

「ブイ!」

 

フィールドでは――

 

リョウと決勝戦の相手が向かい合っていた。

 

二人のポケモンは、すでに最後の一匹を残すのみとなっている。

 

「残り一匹同士!」

 

審判が叫ぶ。

 

「ここで相手のポケモンを倒した方が、ポケモンリーグ優勝者となります!」

 

観客席が大きく沸く。

 

「行くぞ、サンド!」

 

「サンド!」

 

リョウの最後の相棒。

 

サンドがフィールドへ駆け出す。

 

対する相手のポケモンは――

 

「ニドキング!」

 

「ニドキング!」

 

巨大な身体を持つニドキングが立ちはだかる。

 

「サンド!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ここまで来たんだ!」

 

「絶対に勝つぞ!」

 

「サンド!」

 

サンドが力強く頷く。

 

そして――

 

サンドが一気に攻撃を仕掛ける。

 

「ニドキング!」

 

ニドキングが大きくよろめく。

 

「今だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「サンド!」

 

サンドが最後の一撃を繰り出す。

 

ドォン!!

 

ニドキングが倒れる。

 

審判が確認する。

 

「ニドキング、戦闘不能!」

 

一瞬。

 

スタジアムが静まり返る。

 

そして――

 

「勝者、リョウ!」

 

「ポケモンリーグ優勝者は、リョウ選手!」

 

「うおおおおおお!!」

 

観客席から、凄まじい歓声が巻き起こった。

 

「やったぁぁぁ!」

 

マサヒロも拳を突き上げる。

 

「リョウ、やったな!」

 

「ブイ!」

 

イーブイも嬉しそうに跳ねる。

 

フィールドでは、リョウがサンドを抱き上げていた。

 

「サンド……!」

 

「サンド!」

 

「俺たち……優勝したんだ!」

 

「サンド!」

 

リョウの顔には、嬉しさと驚きが入り混じっていた。

 

「やったな……!」

 

サンドも嬉しそうに鳴いた。

 

* * *

 

それから――

 

ポケモンリーグ閉会式。

 

優勝者として壇上に立つリョウ。

 

その胸には、輝く優勝トロフィー。

 

マサヒロは客席から、その姿を見つめていた。

 

「すごいな……」

 

「ブイ」

 

マサヒロは笑う。

 

「本当に優勝したんだな」

 

やがて閉会式が終わる。

 

マサヒロは会場の外へ出た。

 

そこには、リョウが待っていた。

 

「マサヒロ!」

 

「リョウ!」

 

二人は近づく。

 

「優勝おめでとう!」

 

マサヒロが笑顔で言う。

 

「すごかったぞ!」

 

「ありがとう」

 

リョウは少し照れたように笑った。

 

「正直、まだ実感がないけどな」

 

「でも、本当に優勝したんだぜ!」

 

「そうだな」

 

リョウは手にしたトロフィーを見る。

 

「サンドと一緒に、ここまで来られた」

 

「……すごいな」

 

マサヒロは素直に感心する。

 

「俺もいつか、絶対に優勝してみせる」

 

「その時は、俺も応援するよ」

 

「ありがとう!」

 

マサヒロは笑った。

 

そして――

 

「そういえば、リョウはこれからどうするんだ?」

 

「俺?」

 

リョウは少し考える。

 

「まずは、故郷に帰るよ」

 

「故郷?」

 

「ああ」

 

リョウは頷く。

 

「リーグで優勝したことを、家族や故郷のみんなに報告したいんだ」

 

「そっか」

 

マサヒロは頷く。

 

「じゃあ、しばらく旅は休むのか?」

 

「少しだけな」

 

リョウが笑う。

 

「その後は、また旅をするつもりだ」

 

「なるほどな!」

 

そしてリョウがマサヒロを見る。

 

「じゃあ、マサヒロは?」

 

「俺?」

 

マサヒロは目を丸くする。

 

「……そういえば、考えてなかったな」

 

「ははっ!」

 

リョウが笑う。

 

「マサヒロらしいな」

 

「だって、リーグのことでいっぱいいっぱいだったんだよ!」

 

マサヒロも笑う。

 

「まあ、俺も少し考えてみるよ」

 

「そうだな」

 

二人はしばらく顔を見合わせる。

 

「でも――」

 

リョウが拳を突き出す。

 

「次に会った時は、またバトルしよう」

 

「ああ!」

 

マサヒロも拳を突き出す。

 

「今度は俺が勝つからな!」

 

「俺だって負けない!」

 

二人の拳がぶつかる。

 

「それじゃあな、マサヒロ」

 

「またな、リョウ!」

 

「絶対に、また戦おう!」

 

「約束だ!」

 

リョウはサンドと一緒に歩き出す。

 

マサヒロは、その背中を見送った。

 

「……リョウ」

 

「サンド!」

 

二人の姿が少しずつ遠くなっていく。

 

「俺も……もっと強くならないとな」

 

「ブイ!」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

「さて、これからどうするかな?」

 

イーブイは首を傾げる。

 

「ブイ?」

 

「……まあ、歩きながら考えるか!」

 

「ブイ!」

 

マサヒロとイーブイは、セキエイ高原を後にすることにした。

 

* * *

 

セキエイ高原。

 

リーグ会場から続く長い道を、マサヒロとイーブイが歩いている。

 

「……」

 

マサヒロは何度も後ろを振り返る。

 

「終わったんだな」

 

「ブイ」

 

「ポケモンリーグ……」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ベスト4か」

 

悔しさは、まだ残っていた。

 

でも――

 

「楽しかったな」

 

「ブイ!」

 

「リョウとも、本気で戦えた」

 

「シゲルやサトシとも、いつかまた戦いたい」

 

マサヒロは前を向く。

 

「俺、もっと強くなるよ」

 

「ブイ!」

 

その時だった。

 

「……ん?」

 

前方から、一人の男性が歩いてくる。

 

赤い髪。

 

鋭い目。

 

そして――

 

背中には、特徴的な赤いマントを身につけている。

 

「……あの人」

 

マサヒロは足を止めた。

 

男性もマサヒロを見る。

 

「君は……」

 

その声を聞いた瞬間。

 

マサヒロの目が大きく見開かれた。

 

「まさか……!」

 

「ワタルさん!?」

 

「……!」

 

男性が少し驚いた顔をする。

 

「私を知っているのか?」

 

「もちろん知ってます!」

 

マサヒロは一気に駆け寄る。

 

「カントーとジョウトのチャンピオン!」

 

「そして――」

 

マサヒロの目が輝く。

 

「世界最強の八人のトレーナー、マスターズエイトの一人!」

 

ワタルは少し笑った。

 

「よく知っているな」

 

「当たり前です!」

 

マサヒロは興奮している。

 

「俺、ワタルさんにずっと憧れてたんです!」

 

「そうか」

 

「握手してください!」

 

マサヒロが手を差し出す。

 

ワタルは快く手を握った。

 

「もちろん」

 

「うわぁ……!」

 

マサヒロは目を輝かせる。

 

「本物だ……!」

 

「ははっ」

 

ワタルが笑う。

 

「そこまで喜ばれると、少し照れるな」

 

「それと……!」

 

マサヒロはバッグから紙を取り出す。

 

「サインもお願いします!」

 

「サイン?」

 

「はい!」

 

ワタルは少し驚いた。

 

だが――

 

「分かった」

 

ペンを受け取り、紙にサインを書く。

 

「はい」

 

「ありがとうございます!」

 

マサヒロはサインを大切そうに受け取る。

 

「宝物にします!」

 

「それは嬉しいな」

 

ワタルは笑った。

 

その時――

 

ワタルの視線が、マサヒロの隣へ向く。

 

「……イーブイ」

 

「ブイ?」

 

イーブイがワタルを見る。

 

「この子が、君の相棒か」

 

「はい!」

 

マサヒロが答える。

 

「ずっと一緒に旅してきたんです」

 

ワタルはイーブイをじっと見つめる。

 

そして――

 

「なるほど」

 

「……?」

 

「君たちは、互いに深く信頼し合っているんだな」

 

マサヒロが驚く。

 

「分かるんですか?」

 

「ああ」

 

ワタルは頷く。

 

「ポケモンとトレーナーを見れば、なんとなく分かる」

 

「君がイーブイを見る目」

 

「そして、イーブイが君を見る目」

 

「二人の間には、強い絆がある」

 

「……」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

「そっか……」

 

「俺たち、ずっと一緒だったからな」

 

「ブイ!」

 

ワタルは優しく笑った。

 

「よければ――」

 

「君たち二人の旅の話を、聞かせてくれないか?」

 

「俺たちの旅?」

 

「ああ」

 

ワタルは笑う。

 

「君とイーブイが、どんな旅をしてきたのか興味がある」

 

「……」

 

マサヒロは嬉しそうに頷いた。

 

「もちろんです!」

 

そして――

 

マサヒロはワタルに、これまでの旅の様子を赤裸々に語った。

 

ジム戦での勝負。

 

仲間たちとの出会い。

 

ライバルたちとの戦い。

 

ロケット団との騒動。

 

そして、今回のポケモンリーグ。

 

話はなかなか終わらなかった。

 

ワタルは時折頷きながら、最後までマサヒロの話を聞いていた。

 

やがて――

 

「……いい旅をしてきたんだな」

 

ワタルが微笑む。

 

「そして、君はその旅の中で大きく成長した」

 

「……!」

 

マサヒロは嬉しそうに笑った。

 

「ありがとうございます!」

 

ワタルはマサヒロを見つめる。

 

そして――

 

「……いい目をしている」

 

「え?」

 

マサヒロが顔を上げる。

 

ワタルは笑った。

 

「君は、まだまだ強くなれる」

 

「本当に!?」

 

「ああ」

 

ワタルはマサヒロを見る。

 

「君とイーブイの旅は、まだ終わっていない」

 

「……!」

 

マサヒロの目が輝く。

 

そして――

 

ワタルは、ゆっくりと拳を握った。

 

「マサヒロ」

 

「はい!」

 

「私と――」

 

ワタルが笑う。

 

「勝負してみないか?」

 

「……!」

 

マサヒロは一瞬、言葉を失った。

 

そして――

 

「……やります!」

 

「え?」

 

ワタルが少し驚く。

 

マサヒロは満面の笑みを浮かべる。

 

「もちろんです!」

 

拳を握る。

 

「ワタルさんと戦えるなんて、最高じゃないですか!」

 

「俺、絶対に全力で戦います!」

 

「ブイ!」

 

イーブイも嬉しそうに鳴く。

 

ワタルはそんな二人を見て、笑った。

 

「いい返事だ」

 

「それでは――」

 

ワタルは前を向く。

 

「少しだけ、君たちの力を見せてもらおうか」

 

マサヒロも構える。

 

「はい!」

 

「イーブイ!」

 

「ブイ!」

 

セキエイ高原を吹き抜ける風。

 

ポケモンリーグを終えたばかりの少年の前に――

 

新たな強敵が現れた。

 

マサヒロの旅は、まだ終わらない。

 

むしろ――

 

ここから、新しいステージが始まろうとしていた。

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