ポケットモンスターブラウン   作:光宙

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9話 新たなライバル!砂のポケモン・サンド!

クチバシティを出発して、数日。

 

マサヒロたちは、ヤマブキシティへ向かって歩いていた。

 

「ヤマブキシティって、まだ先なんだなぁ……」

 

マサヒロが道の先を見る。

 

隣ではイーブイが元気よく歩いている。

 

「イーブイ!」

 

「お前は元気だな」

 

「イーブイ!」

 

「まあ、俺も負けてられないけどな!」

 

マサヒロは笑いながら歩く。

 

しばらく進んだところで、小さな町が見えてきた。

 

「今日はここで休もうぜ」

 

「イーブイ!」

 

マサヒロたちは町のポケモンセンターへ向かった。

 

* * *

 

「ふぅ……」

 

ポケモンセンターの休憩スペース。

 

マサヒロは椅子に座り、ジュースを飲んでいた。

 

「久しぶりにゆっくりできるな」

 

足元ではイーブイが丸くなっている。

 

フシギソウとスピアー、ミニリュウもポケモンセンターで休んでいた。

 

「みんな元気そうでよかった」

 

マサヒロは安心したように笑う。

 

そして、ふとミニリュウのことを考えた。

 

「そういえば……」

 

マサヒロはミニリュウの入ったボールを見る。

 

「ミニリュウって、まだ一回もバトルしてないんだよな」

 

シゲルとの釣り対決で仲間になってから、ミニリュウはまだ実戦を経験していない。

 

「今度、ちゃんとバトルさせてやらないとな」

 

そう思って周囲を見渡す。

 

その時だった。

 

少し離れた場所に、一人の少年が座っているのが見えた。

 

年齢はマサヒロと同じくらい。

 

その隣には、一匹のポケモンがいる。

 

「……サンド?」

 

黄色い体。

 

茶色い背中。

 

丸い体つきのポケモンだった。

 

少年がサンドの頭を撫でる。

 

「サンド、今日も頑張ったな」

 

「サンド!」

 

サンドが嬉しそうに鳴く。

 

マサヒロは思わず見つめていた。

 

すると――

 

「ん?」

 

少年がマサヒロに気づいた。

 

「どうしたの?」

 

「あ、いや……」

 

マサヒロは少し慌てる。

 

「そのサンド、いいなって思って」

 

「ありがとう!」

 

少年は笑顔になった。

 

「俺はリョウ。君は?」

 

「俺はマサヒロ」

 

「マサヒロか。よろしく!」

 

「ああ、よろしく!」

 

二人は握手を交わした。

 

「マサヒロもトレーナーなんだよね?」

 

「そうだよ」

 

マサヒロは腰のモンスターボールを見る。

 

「ジムバッジを集めてるんだ」

 

「えっ!」

 

リョウの目が輝いた。

 

「俺もだよ!」

 

「本当か!?」

 

「うん!」

 

二人は顔を見合わせる。

 

「どこまで行った?」

 

「俺はハナダとクチバのバッジを持ってる」

 

「俺もハナダは持ってる!」

 

「じゃあ、同じだな!」

 

一気に話が弾んだ。

 

「次はヤマブキジム?」

 

「そう!」

 

「俺もヤマブキを目指してる!」

 

「じゃあ、目的地まで同じじゃん!」

 

二人は笑う。

 

そこへサンドが近づいてきた。

 

「サンド!」

 

「こいつがパートナーなんだな」

 

「うん。俺と一緒に旅をしてるんだ」

 

「いいな」

 

マサヒロはイーブイを見る。

 

「俺もこいつが相棒だ」

 

「イーブイ!」

 

イーブイが元気よく鳴いた。

 

「へぇ……」

 

リョウがイーブイを見る。

 

「お互い、パートナーと一緒にバッジを集めてるんだな」

 

「ああ!」

 

マサヒロは笑った。

 

「……なあ、マサヒロ」

 

「ん?」

 

リョウが少し楽しそうな顔をする。

 

「せっかくだし、バトルしない?」

 

「!」

 

マサヒロの目が輝いた。

 

「いいな!」

 

イーブイが立ち上がる。

 

「イーブイ!」

 

「でも……」

 

マサヒロは少し考える。

 

そして、ミニリュウのボールを手に取った。

 

「俺はミニリュウでいく!」

 

「ミニリュウ?」

 

リョウが驚く。

 

「珍しいポケモンだな!」

 

「この前、仲間になったばかりなんだ」

 

「じゃあ、もしかして……」

 

「ああ」

 

マサヒロはミニリュウのボールを見る。

 

「これが初バトルだ」

 

「それなら、俺も本気でいくよ!」

 

リョウが立ち上がった。

 

「望むところだ!」

 

* * *

 

町の外れにある広場。

 

二人は向かい合っていた。

 

「ルールは一対一!」

 

「分かった!」

 

リョウがモンスターボールを構える。

 

「行くぞ、サンド!」

 

「サンド!」

 

サンドがフィールドに飛び出した。

 

マサヒロもボールを投げる。

 

「頼むぞ、ミニリュウ!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウが姿を現す。

 

「ミニリュウ、初めてのバトルだ!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウがマサヒロを見る。

 

「大丈夫だ。俺たちならやれる!」

 

「ミニ!」

 

「それじゃあ……」

 

リョウが構える。

 

「バトル開始!」

 

「サンド、みだれひっかき!」

 

「サンド!」

 

サンドが一気に走り出す。

 

「ミニリュウ、避けろ!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウが横へ跳ぶ。

 

サンドの爪が空を切った。

 

「よし!」

 

「ミニリュウ、たつまき!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウが口から竜巻を放つ。

 

「サンド、あなをほる!」

 

「サンド!」

 

サンドが地面へ潜り込む。

 

「避けられた!」

 

竜巻が地面を通り過ぎる。

 

「どこだ……?」

 

マサヒロが辺りを見回す。

 

その瞬間――

 

「今だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「サンド、地面から出ろ!」

 

「サンド!」

 

ズドン!

 

サンドが地面から飛び出した。

 

「ミニリュウ!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウが吹き飛ばされる。

 

「大丈夫か!?」

 

「ミニ……!」

 

ミニリュウは何とか立ち上がった。

 

「まだいける!」

 

「ミニ!」

 

「よし!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「ミニリュウ、まきつく!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウがサンドへ飛びかかる。

 

「サンド!」

 

ミニリュウの体がサンドへ巻きつく。

 

「そのまま締めつけろ!」

 

「ミニ!」

 

「サンド、ころがる!」

 

「サンド!」

 

サンドが体を丸める。

 

そして――

 

「行け!」

 

ゴロゴロゴロッ!

 

サンドが勢いよく転がり始める。

 

「ミニリュウ、離れろ!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウが慌てて離れる。

 

しかし、サンドは止まらない。

 

「そのまま突っ込め!」

 

「サンド!」

 

サンドがミニリュウへ向かっていく。

 

「ミニリュウ、たつまき!」

 

「ミニ!」

 

竜巻がサンドへ直撃する。

 

「サンド!」

 

サンドの動きが少し鈍る。

 

「今だ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「りゅうのいかり!」

 

「ミニリュウ!」

 

ミニリュウの口からエネルギーが放たれる。

 

「サンド!」

 

サンドが攻撃を受け、後ろへ吹き飛ばされた。

 

「やった!」

 

マサヒロが喜ぶ。

 

「いい攻撃だ!」

 

リョウも笑っている。

 

「でも、ここからだ!」

 

「サンド、ずつき!」

 

「サンド!」

 

サンドが地面を蹴る。

 

ミニリュウへ一直線に突っ込んでくる。

 

「ミニリュウ、もう一度たつまき!」

 

「ミニ!」

 

竜巻が放たれる。

 

だが――

 

「サンド、そのまま突っ込め!」

 

「サンド!」

 

サンドは竜巻の中へ飛び込んだ。

 

「なっ!?」

 

「サンド!」

 

ドン!

 

サンドのずつきがミニリュウに命中した。

 

「ミニリュウ!」

 

ミニリュウが大きく吹き飛ばされる。

 

「まだだ!」

 

マサヒロが叫ぶ。

 

「立て、ミニリュウ!」

 

「ミニ……!」

 

ミニリュウはゆっくりと立ち上がる。

 

「そうだ!」

 

マサヒロは拳を握る。

 

「最後まで諦めるな!」

 

「ミニ!」

 

「サンド、もう一度ころがる!」

 

「サンド!」

 

サンドが丸くなり、勢いをつける。

 

「ミニリュウ、まきつく!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウがサンドへ飛びかかる。

 

だが――

 

「サンド、あなをほる!」

 

「サンド!」

 

サンドが地面へ潜る。

 

「またか!」

 

マサヒロが驚く。

 

次の瞬間。

 

「サンド!」

 

地面からサンドが飛び出した。

 

「ミニリュウ!」

 

ミニリュウが空中へ打ち上げられる。

 

「今だ!」

 

リョウが叫ぶ。

 

「ずつき!」

 

「サンド!」

 

サンドがジャンプする。

 

そして――

 

ドンッ!

 

「ミニリュウ!」

 

ミニリュウが地面へ落ちる。

 

「ミニ……」

 

ミニリュウは立ち上がろうとする。

 

しかし、足に力が入らない。

 

「ミニ……」

 

そのまま倒れてしまった。

 

「ミニリュウ!」

 

マサヒロが駆け寄る。

 

「……」

 

ミニリュウは目を閉じていた。

 

「ミニリュウ、戦闘不能!」

 

リョウが宣言する。

 

「勝者、サンド!」

 

「サンド!」

 

サンドが嬉しそうに鳴いた。

 

「やったな、サンド!」

 

リョウがサンドを抱き上げる。

 

マサヒロはミニリュウを抱き上げた。

 

「……負けちゃったな」

 

「ミニ……」

 

「でも……」

 

マサヒロはミニリュウの頭を撫でる。

 

「初めてなのに、よく頑張ったぞ」

 

「ミニ……」

 

「たつまきも、まきつくも、りゅうのいかりもちゃんと使えた」

 

マサヒロは笑う。

 

「次は絶対勝とうな!」

 

「ミニ!」

 

ミニリュウが力強く鳴いた。

 

その様子を見て、リョウも笑った。

 

「いいポケモンだな、ミニリュウ」

 

「だろ?」

 

マサヒロは少し嬉しそうに答える。

 

「俺も、もっと強くならないとな」

 

「俺だって負けないよ」

 

リョウがサンドを見る。

 

「次に会った時も、俺たちが勝つ!」

 

「いや!」

 

マサヒロが立ち上がる。

 

「次は俺たちが勝つ!」

 

「言ったな!」

 

「ああ!」

 

二人は笑い合った。

 

* * *

 

ポケモンセンターへ戻る道。

 

「マサヒロ」

 

「ん?」

 

「俺、絶対にジムバッジを全部集めるから」

 

「俺もだ」

 

「そして、いつかポケモンリーグで会おう!」

 

マサヒロは少し驚いた。

 

そして――

 

「……いいな、それ!」

 

マサヒロは笑った。

 

「その時は絶対に負けないからな!」

 

「こっちも!」

 

二人は拳をぶつけ合う。

 

「じゃあ、またな!」

 

「おう!」

 

リョウとサンドは町の反対側へ歩いていった。

 

マサヒロはその背中を見送る。

 

「……リョウか」

 

足元ではイーブイがリョウたちを見ている。

 

「イーブイ?」

 

「サトシやシゲル以外にも、俺と同じような奴がいるんだな」

 

マサヒロはミニリュウのボールを見る。

 

「しかも……負けた」

 

「イーブイ……」

 

「悔しいな」

 

マサヒロは拳を握った。

 

「でも、次は勝つ!」

 

「イーブイ!」

 

「ミニ!」

 

二匹の声が響く。

 

マサヒロはヤマブキシティの方向を向いた。

 

「よし!」

 

「イーブイ!」

 

「ミニ!」

 

「もっと強くなるぞ!」

 

新しい町。

 

新しい出会い。

 

そして――

 

新しいライバル。

 

マサヒロの旅に、新たな競争相手が加わった。




やっとミニリュウの戦闘描けた…イーブイ以外を活躍させるの難しい…
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