目の前に現れたミュリオン……もといキュレネは、無理に笑顔を作っていた。傍から見てもわかる程に顔が青白く、いまにも倒れてしまいそうだ。
「お、おいミュリオン、大丈夫か!?」
「大丈夫、あたしのことは気にしないで……あたしの名前はキュレネ。結論から言って、ファイノンを外の宇宙に逃がしたのは、あたしなの」
「えっ!? ど、どういうことだ? ここにいたファイノンが記憶喪失だったのとも関係あるのか?」
それに頷いて、キュレネはこのオンパロスの真実を語り始めた。
「ファイノンは記憶喪失だったわけじゃないわ。あのファイノンは、あなたの知ってるファイノンとは違うの」
「別人だったってこと? じゃあ、ファイノンは列車にいるの!?」
「ううん、それも違う……彼はあなたとは別の場所にいるわ。あたしが、戻ってきたあの子に真実と過去を教えていたの。ルパートとの戦いに必要になるだろうと思って……」
ファイノンもここに来ている。こんがらがってきて、穹は困惑を隠せない。
「じゃあ、どこにいるんだ? 今すぐにでも相棒に会いたいよ……」
「もう記憶は戻ったと思うし、すぐ会えると思うけど……あと少しだけ、あたしの話を聞いていってくれる?」
「もちろん聞くよ、他にも聞きたいことがあるし……オクヘイマは? 黎明の崖は? 他のみんなはどうなったの?」
それに対して、キュレネは答えた。
「あれは……私がこの滅びた世界に『あなたがいた物語』を貼り付けただけなの。だから、みんなはもういない……過去の記憶の残滓でしかなかった。あたしが力尽きたから、物語が消えて……あなたも崩壊した世界に放り込まれた。この後、本当は……フレイムスティーラー……『前の輪廻』のファイノンと、戦うはずだったんだけど……」
「えっ、前の輪廻のファイノン……? いや、今はそれより……じゃあ、ヒアンシーは? サフェルは? モーディスは? トリビー先生は? アグライアの死は……何のために?」
「……納得してくれるかわからないけど、ちゃんと理由はあったの。丹恒が言ってた通り、あなたはルパートの攻撃で致命傷を負っていた。そのままこの、崩壊した世界に入ったら……きっと殺されてしまう。そう思ったから、物語を貼り付けて、あなたを歩く記憶にすることで延命したの。だからあの時の一瞥は、あたしがした物なのよ」
「えっ!? じゃあ、記憶の星神って……キュレネのことなのか!? だけど、星神に見つめられ続けるのって危険なんじゃ……」
キュレネは、ゆっくりと頷いた。さらに顔色が悪くなってきている。それでもキュレネは、語り続けた。
「大丈夫よ、あたしはもう……力が残ってないの。もう、こうして話す以外には、あなたに何もしてあげられない……本当にごめんなさい。許されないのはわかってるわ」
「そんな、怒ってなんかないよ……自分を責めないでくれ。助けてくれたんだから、むしろ感謝してるよ。そうだ、他にも聞きたいことがあるんだ。丹恒はどこに行ったの? いきなり消えちゃったんだ……」
「丹恒は……わからない。あたし以外の誰かが記憶の力を使って、どこかに連れ去ったみたい……もう追うだけの力も、残ってなくて……」
誰かに連れ去られた。そう聞いて焦る気持ちが溢れ出してきたが、かといってキュレネを置いていくわけにもいかない。
「とりあえず、一緒にファイノンを探してくれ!! どこにいるのか、知ってるか?」
「それは……あ……」
「キュレネ!? どうした、大丈夫……えっ!?」
穹は驚愕した。キュレネの体に、ヒビが入っていたのだ。ヒビが体中にどんどん広がっていく。明らかにただ事ではない。目からもどんどん光が消えていく。
「ごめんなさい……限界、みたいね……あなたに、こんな姿、見せたくなかった……でも、最後にどうしても、会いたくて……」
「キュレネ!? キュレネ、嫌だっ!! 死なないで!! キュレネまでいなくなったら、俺は……!!」
「わかってる、ごめん、ごめんね……でももう、あなたがどんな顔をしてるのかも、見えないの……」
穹は……泣いていた。当然だ、オンパロスでの旅全てが物語の中で、本当はみんないなくて……本当にそこにいる丹恒はいなくなり、ファイノンにも会えず、そんな中で会えたキュレネは目の前で死にかけている。限界になって当然だ。
「あぁ……寒い……まるで、あなたの言ってたベロブルグの、吹雪の中にいる、みたい……あたしも、行ってみたかった、な……」
「一緒に行こうよ、オンパロスを救って……列車に乗って……だから死なないでくれ、お願いだ!!」
「うふふっ……そう、言ってくれて、嬉しいわ……あなたって、本当に、優しいのね……」
もう座ってもいられないのか、キュレネの体が前のめりに倒れ込む。穹がそれを受け止める。どんどん体が崩れ落ちて、消えていく。
「穹の体……あったかい……まるで、エリュシオンの木漏れ日を浴びながら、お昼寝をしてるみたいね……」
「キュレネ……嫌だよ……俺、お別れしたくない……ファイノンも丹恒もいなくなって……一人ぼっちは嫌だよ……」
「……ごめんなさい、穹……でも、たとえ、ここで消滅してしまっても……穹のことは……」
そう言ったキュレネは、最後に残った腕で穹を抱きしめて、精一杯の笑顔を作る。それを最後に、キュレネは粉々になってしまった。
「ずっと、忘れない……」
「キュレネ!? キュレネ、キュレネっ!!」
「キュレネぇぇぇぇぇ!!!」
穹はキュレネを抱きしめようとしたが、もうそこにはなにも残っていない。オンパロスの最後の住人……美しい水晶の花は、こうして砕け散った。
「……丹恒、なの、ファイノン……助けて……俺は、一人じゃ、開拓できない……なんにも、できないよ……みんながいないと、俺は……」
「■■・ルパートは永久■■」
「ミス・■■■は■■無双」
「あ、暗黒の潮の造物……戦わ、ないと……」
存護の槍を握りしめる手が、震えている。周囲には数え切れない暗黒の潮の造物達がいる。ハンマーを持った個体、杖を持った個体など……多勢に無勢だった。
「ミス・ルパートは■■■■」
「くっ……」
「……上空に熱源反応?」
暗黒の潮の造物達が、そう言って突然上を向いた。何事かと上を見上げた、その時……聞き覚えのある声が聞こえた。
「新たな烈日を以って、天を引き裂く!!!」
「なっ、隕石……!?」
「ミス・■■■は……」
敵が攻撃する前に、大量の隕石に押し潰されて消滅していく。穹は聞き覚えのある声に、まさかとは思ったが……金色の炎とともに降りてきた姿を見て、確信する。
「……ファイノン、なの?」
「あぁ……随分待たせてしまったね、相棒。辛かっただろう、本当にすまない……」
「俺の知ってる、ファイノンなの? それとも、エリュシオンのファイノン?」
どちらのファイノンかと穹は問う。ファイノンはそれに、すぐに答えた。
「決まってる。正真正銘、星穹列車のナナシビトのファイノンさ。これがその証拠だ」
「あ、星軌チケット……!!」
「信じてくれたかな? 随分辛い思いをしたようだね、目の下が赤いよ。ここは危ないし、安全な場所で話そう。さぁ、僕の手を取って」
穹は頷いて、ファイノンの手を取る。ファイノンは開拓者の手を取って、安全な場所まで飛んでいった。
「ここなら、しばらくは安全だろう……ふぅ……」
「あ、元に戻った……さっきの姿、なんなの?」
「それは……話すと少し長くなる。まずは君の話を聞こうか」
穹は出来事を聞かれて、少しずつ話し始めた。ファイノンがいなくなってから起きたこと、オンパロスでの旅のこと、出会ったみんなのことも。
「……そうだったのか。本当に辛い思いをさせたね、相棒として情けないよ」
「いいよ、気にしないで。こうして会えたんだから」
「ありがとう、相棒……さて、それじゃ今度は僕の話をしようか……」
ファイノンは語り始めた。自分に何があったのかを。時間は遡り、ファイノンが部屋に戻って、休もうとしていた時だった。目の前が凍りつくような、あの感覚に襲われたのだ。
「なっ……!?」
『戻ってきたのね、ファイノン。きっとルパートを倒しに来てくれたのよね? そんなあなたに、贈り物があるの。受け取ってちょうだい♪』
「何のことだ? 君は一体誰なんだ!?」
「大丈夫、すぐに思い出せるから……」
そこから、記憶がゆっくりと流れ込んできた。オンパロスで自分が、何をしていたのかの記憶が。最初の始まりの輪廻の記憶。無駄だと言ってくるリュクルゴスを斬り捨てて、永劫回帰を始めた時の記録。
『再創生が行われれば、鉄墓は誕生するのです。あなた達が拒もうと、意味はありません』
『いいえ、方法はあるわ。でも、あなたには教えてあげない♪』
『それでキュレネ……方法というのは?』
そこからキュレネが語ったのは、これから始まる永劫回帰の仕組みだった。火種がひとつ欠けた状態でファイノンが過去に行き、先に火種を集めることで……絶滅大君『鉄墓』の誕生、つまり宇宙の滅亡を防ぐことができる。ファイノン……いや、カスライナはキュレネを殺して過去に戻り、永劫回帰を始めた。最初のうちは穏便に済んでいた。しかし、繰り返す度に人間性と体は摩耗していき、仲間を殺すことにも躊躇がなくなっていった。
『メデイモス……紛争で、決着をつけよう』
『なら、この追憶を以って、君の何百万もの抗争に敬意を表そう』
『さようなら、ヒアシンシア』
そして、体と心に限界が来た。なので、自分を次の輪廻のファイノンに殺させることで、記憶と力を渡して、永劫回帰を続けることにしたのだ。それは成功し、そこからも永劫回帰は続いた。だが……来たる3355338回目。また体に限界が来たカスライナは、いつも通り自分を殺させて火種と記憶を渡し、カスライナは次の輪廻へ向かうはずだった。だが……
「あ、がっ……体が……焼けて……!?」
そう、もうファイノンの体は火種に耐えきれなくなっていた。体内から溢れ出した炎が、エリュシオンの景色とカスライナ自身を燃やしていく。もう、どうやっても止められない。
「ここで、終わるわけには……永劫回帰を、続けて……救世主を、待たなければ……宇宙は……」
だが、燃え尽きていくのは止められない。もう腕が灰になってしまい、剣を持つことも出来なくなった。片足もすぐに灰になり、その場に倒れ込む。絶望しながら、カスライナは呟く。
「ああ……全ては……徒労、だったのか……」
全ては徒労だと、リュクルゴスは言っていた。それが、現実になってしまった。認めたくない、到底認められない。だが、現実とはいつでも残酷だ。自分がしてきた行為と同じで、残酷で冷酷な現実は、どうやっても迫ってくる。
「キュレネ……すまない……」
「謝らなくていいわ、カスライナ」
「っ……キュレネ!? どうして!?」
何故か立てるようになっている。カスライナはそれを不思議に思っていた。足も腕も無くなったはずなのに。
「大事なことを伝えに来たの。このオンパロスはもうすぐ消滅する。ここはもう持たない……砂が手から零れ落ちてしまうように、全てには終わりがある。オンパロスにとってはそれが今なの」
「それじゃ、宇宙は……」
「それは心配いらないわ。銀河の大天才が自分を犠牲にすることで、鉄墓を大幅に弱体化させようとしてる。リュクルゴスの計画は失敗したの」
それを聞いて少しだけ安堵する。だが、だからといって……このまま消滅するのを見届けるわけにはいかない。
「とにかく、治ったのなら次の永劫回帰に向かわないと……」
「ごめんね、もうオンパロスは消えてしまうの。でも……こんなに頑張ったあなたに、報酬のひとつもないだなんて、ちっともロマンチックじゃないわよね。だから……これはあたしからのプレゼントよ、ファイノン♪」
「シャボン玉……? うわっ!? 何をするんだ!!」
キュレネが出した大きなシャボン玉。ヘリオスとファイノンは、その中に吸い込まれてしまった。いくら叩いても出られない。
「あなたの夢は救世主に会うこと、そうよね? だから、それを叶えてあげたい。あなたはこれから、広い宇宙の旅に出るの。素敵な救世主さんを探す旅にね♪とってもロマンチックでしょ?」
「そんなのダメだ、君はどうなる!? 未来のために死んでいった仲間たちはどうなるんだ!? 頼むから出してくれ!!」
「オンパロスが消えてしまっても……あなたという物語の一部は、宇宙に残る。あなたがその救世主さんと一緒に頑張れば、永遠に記憶として残るわ。まるで強い力で書き込まれた文字が、消しゴムで擦っても消えなくなるみたいにね。これは、あたし達のためでもあるのよ」
それを聞いて、ファイノンは叩くのを止める。それでも、悲しまずにはいられない。
「だけど……エリュシオンに、暖かい麦畑の中に、いつか帰れると思って、僕は戦ってきたんだよ……なのに……」
「そうね。だから、思い出をたくさん作ったら、いつかここに帰ってきて? これから産まれる、絶滅大君……いや、ルパート3世を倒すために」
「わかった、約束する……必ずそいつを倒してみせる!! だからどうか、待っていてくれ!!」
ファイノンは、新たな決意を固める。みんなの死を必ず無駄にはしない。そのためにも、いつかここに戻ってくると。
「うん。その時は救世主さんとの思い出を、たくさん持って帰ってきてね? あたし達は会えないけど……あ、でももしかしたら、あの子なら会えるかも」
「あの子? あの子って……」
「ううん、なんでもないわ。さぁ、行って♪あたし達の代わりに、広くて自由なあの宇宙へ……!!」
「っ……!!」
目の前が光って、ファイノンの意識が途切れる。それは風船のように空へ浮かんでいき……やがて見えなくなった。
「あの子はあそこにいるはず。救世主さんが来るまで、あの子が持つといいのだけれど……ううん、きっと持つわ。希望を捨てるなんて、あたしらしくないわね」
エリュシオンの美しい大地が、禍々しい紫色の水晶に貫かれて、滅ぼされていく。オンパロスが滅んでゆく。
「そういえば、キュレネ……『過去の漣』は、ペンネームだったわね。あの子にも言ったことない……あたしの名前は……エ、リ……」
そしてキュレネの体は、無数の禍々しい水晶に貫かれた。その頃、ファイノンは……
「なんだ、あれは? 宇宙船の救難信号か?」
「えっ、大変じゃん!! 助けてあげないと!!」
「車掌さん、回収アンカーをお願い」
アンカーを伸ばして、ファイノンが回収された。そこにいたのは……一人の銀髪の少年だった。上半身裸で、剣を一本持っている。とりあえず、医務室のベッドに寝かせているが……
「人間か? 気絶しているようだな……呼吸はしているようだが……それにしても宇宙にいたのに、何故窒息しなかったんだろう」
「早く起きてほしいね……あれ、ヨウおじちゃん? なんでそんな顔してるの? 暑いの、汗かいてるよ?」
「い、いや、大丈夫だ……」
ヴェルトは悪い意味で見覚えのある顔を見て、戦慄していた。もしも姫子と同じように、自分の知っている人間と同じ性格だったら。今の自分は全員を守りながら、『あれ』と戦えるのか。
『絶対に無理だ……どうする!? 考えろ、俺……!!』
「大丈夫? ウチの声は聞こえる? 自分の名前は覚えてる?」
「え? 僕の名前はファイノン、出身は……あれ? どこだっけ……さっきまで何をしていたんだっけ? そもそも、ここはどこなんだろう」
ファイノンはデータ体の状態から、記憶体として顕現させ、無理やり肉体を作成した状態なので記憶を失っていた。肉体に縛られている以上、脳にショックを受ければそうなるのも当然だ。
「君、記憶がないのか? その剣に心当たりは?」
「これは、ヘリオス……どこから持ってきたかは、わからない」
「他にはなんにも覚えてないの?」
「あぁ、すまない……ところで、ここはどこなんだい? あなた達は?」
ヴェルトはすぐ戦闘にならなくて安心しつつ、列車と仲間達について説明した。ファイノンが剣とともに宇宙に漂っていたことも。
「僕はそんな状況だったのか……助けてもらったのに、無礼だったね。すまない、非礼を詫びさせてくれ」
「別にいいよ、人助けは開拓の使命だし!!」
「行くあてがないなら、しばらくはここにいてもいい。その代わり、列車に協力してほしい」
「いいのかい? ありがとう、喜んで協力させてもらうよ」
それからファイノンは、列車に乗ることになった。次の星の開拓の時、戦うことになった時も……
「すごい、ファイノン強いじゃん!! 一人でみんな倒しちゃった!!」
「いや、手が勝手に動いてね……とにかく、上手くいってよかったよ」
「少なくとも、素人の動きではなかった。頼りにしているぞ」
「任せてくれ!!」
それから、正式に列車のナナシビトとなって……みんなと共に開拓を続けた。ヴェルトは相変わらず、ファイノンの記憶が戻ることを心配していたが……記憶が戻ることはなく、旅は続いた。そして来たる宇宙ステーションヘルタにて。
「この者の座標は、この宇宙ステーションから発信されたものじゃない……何者だ?」
「もう、こんな時に何言ってるの? ウチらの目の前で生きた人間が倒れてるんだから、放っておけるわけないでしょ? ね、ファイノン?」
「あぁ、僕もそう思う。早く介抱してあげよう」
それから穹を介抱して、穹が起きて目が合う。その瞬間、ファイノンは思った。何の根拠もないが、彼は自分の相棒であると。だから……思わず、叫んでしまった。
「穹……いい名前だね!! 僕の名前はファイノン、ナナシビトの一人さ。よろしくね、相棒」
「初対面でいきなり相棒って……ファイノン、距離近すぎない?」
「そ、そうかな? すまない、君の気分を害してしまったなら、謝罪しよう」
しかし穹は、その呼び方を快く受け入れてくれた。更に、自分から相棒と呼んでくれて……ファイノンはとても嬉しかった。一緒に開拓をしていくのが、本当に……楽しかった。
『相棒といると、不可能なんてないな!!』
『あぁ、僕もそう思う!! 僕達に不可能はない!!』
「相棒……そうだ、相棒は!?」
そう叫ぶと、目の前の景色が晴れた。そこは、オンパロスが滅んだあとの世界だった。禍々しい紫の水晶に満ちた、恐ろしい世界。
「早く行ってあげないと……さっき見えた『僕』はなんなんだろう? 相棒なら、なにか知っているかな……」
ファイノンはすぐに穹を探し始めた。幸いすぐ見つかったが……状況がまずかった。敵に囲まれていたのだ、しかも敵が多い。
「相棒っ!! ぬぅあぁぁぁっ!!!」
雄叫びを上げて、ファイノンが自分の胸を引き裂く。黄金の血と炎に包まれて、二色の羽が背中から生えてくる。ヘリオスには儀礼剣が融合し、髪と目の色も金髪に変わる。そのまま天高くまで飛んで、手の中に光を灯す。そして……今度は殺すためではなく、守るために……カスライナが叫ぶ。
「新たな烈日を以って、天を引き裂く!!!」