違うカルデアに転移したぐだ男の話   作:かちいろ

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謎丸とかの食堂の風景が好きです。みんないっぱい食べて〜

前回の投稿に3人の立ち絵を追加しました。ぜひご覧ください。



2 いっぱい食べる君が好き

 

 

 

 

この子は運動部だったのだろうか。見た目よりも意外と体力があって、カルデアの廊下を走るのも容易いようだ。

 

 

 

 

「あの、藤丸さん」

 

「ん?」

 

軽々しく横を走っているアギスが尋ねる。

 

「そちらでも、僕のようなデミ・サーヴァントはいますか」

 

「うん、いるよ。とっても頼りになる、オレの後輩なんだ」

 

横目で千鶴がこちらを見た気がした。いつかマシュのことを2人にも話したいな、オレたちの旅路を。

 

 

「よし、食堂とうちゃ〜く!」

 

そう千鶴が手を上げた直後

 

「ますた〜ぁ!」

 

大型犬が千鶴を飲み込んだ

 訂正する、大型犬のような男が飛び込んだ。

 

 

「ち、千鶴さん!?」

 

「わっ、大丈夫だよ!ペーター、どけて私が死ぬ」

 

ぎゅうぎゅうと千鶴に抱きつくペーターと呼ばれたその男は、大人しく千鶴から離れた。本人らには慣れたもののようだが…

 

「わぁ!君が別世界のマスターさんだよね!ドクターから話は聞いてるよ!」

 

ぐりんっとこちらに顔を向ける。爽やかな好青年、と言ったところか…?来ている服が農民っぽくて、穏やかな印象を受ける。

 

「藤丸くん、この子はペーター・シュトゥンプ。バーサーカーの子だよ。今みたいに抱きついてきたりするけど…大体好意を持ってだから、殺したりはしないよ」

 

バーサーカーなんだ…いや、オレのカルデアでも大人しいけどバーサーカー、みたいな子はいたけど…ちょっと意外だな。

 

「ペーターだよ!よろしくね〜!!可愛いー!」

 

「かわいい…?」

 

「褒め言葉です」

 

オレたちが話している間にアギスはもう昼食を受け取っていたようだ。近くの席についている。律儀にオレたちを待っている。

 

「おーい、そこのお3人ー」

 

厨房の方から声がした。振り向くと、シェフのような格好をした男性が皿を拭いている。

 

「カレーム!ご飯食べにきたよー」

 

「ええ、そろそろと思って準備していましたよ、マドモアゼル」

 

さすが!と千鶴がグッドマークを見せる。おそらくこの人が厨房担当だろう。第一印象は、紳士的な料理人、だろうか。

 

「はじめまして、藤丸立香。ぼくはアントナン・カレーム。クラスはランサーです。以後お見知り置きを」

 

「カレームはよく厨房でこうやってご飯作ってくれるシェフなんだよ。食べてみて、本当に美味しいから!」

 

カレームはカウンターに定食を3つ置いた。二つはオレと千鶴の。もう一つは多分ペーターのだが…

 

「…多くない?」

 

「ペーターは食べないとダメなんだよー」

 

食べないといけない理由でもあるのだろうか。まぁ本人がいいならいいか、と納得する。

 

「マドモアゼルと同じ日本の方と聞いたので、できるだけ日本食に寄せました。お口に合えば嬉しいです」

 

「ありがとうございます」

 

名前的に日本人でもないのに、オレに合わせようとしてくれるなんて嬉しく思う。メニューは味噌汁に鯖の味噌煮、オレも腹が鳴きそうだ。

 

 

 

「遅いです先輩」

 

席に戻ると、無表情のアギスが拗ねているように見えた。あれだ、動物の感情はわからないけどなんとなく伝わってくるやつ。

 

「待たせてごめん!早く食べよっか」

 

気を遣ってか、千鶴はアギスと隣の席についた。元々ペーターにも劣らないほどのアギスの量に、千鶴が見かねて自分の唐揚げを分けている。

こう並ぶと

 

「2人って姉弟みたいだね」

 

気づけば口に出ていた。

すると、時が止まったように2人が固まる。まずいことを言っただろうか。もしかして、地雷踏んだか…?

 

 

「おいおいそりゃないぜ」

 

頭上から声がして、見上げると一面の赤。に星のように光るシアンの瞳。

 

「こいつらは、姉弟っていうよりけ」

「うるさいですよ」

「イデデデデデ」

 

すかさず、アギスが席を立ち彼の頬をつねる。

 

「ごめんね藤丸くん、この子はアーチャーの大泊瀬。わかりやすく言えば雄略天皇だよ」

 

「雄略天皇…

って、いつの時代だっけ…」

 

「えーと、今風に言えば5世紀くらいだよ。倭の生まれなのに、俺のことも知らねぇのか?可哀想なやつ」

 

ふっ、と鼻で笑ったその天皇は、オレの横にどっかりと座った。並ぶと意外と小さいな…

 

「ま、こいつらが本当に姉弟かどうか、一回戦ってみりゃわかるだろ。なぁマスター、シュミレーターで模擬戦しろよ。こいつもマスターなんだったら、戦うことできるだろ?」

 

「ちょ、ちょっとまって」

 

アギスとオレの1vs1とは限らないけど、だとしてもオレは魔術も一部しか使えないし、何よりサーヴァントの召喚ができない。つまりほとんど丸腰だ。戦えなどしない。

 

「心配すんな。一時的に俺がお前のサーヴァントになってやる。光栄に思えよ?」

 

肩を組まれて顔が寄せられる。カツアゲみたいで怖い…

 

「まぁ、雄略が相手してくれるなら良いかな。アギスのメンテナンスも終わったし、模擬戦しよっか!アギスも藤丸くんもそれでいい?」

 

「う、うん。いいよ」

 

「先輩が良いなら」

 

じゃあ決まりだね!と拳を挙げる。不安は多いが、なぜか横にいる天皇は頼もしく思える。日本人だからか?

 

 

皆で談笑しながら食事をとっていると、またわかってきたことがある。

 

一つは、雄略は悪い人じゃないってこと。確かにちょっと怖いところはあるけど、根は優しいというか、自分を貫いてる。尊敬できる性格だ。

 

二つは、千鶴はサーヴァントたちと距離を置いているところ。受け入れることはあっても、自分からは行くことはない。マスターだから感じ取れるのかわからないが、なんとなくサーヴァントたちと距離を感じるのだ。

 

三つは、やはりこのカルデアの戦力不足。サーヴァントたちが少ない。第二特異点…セプテムの直後なら、それはそうなのだが…マスターとして、なにかアドバイスできることはあるだろうか。

 

 

「雄略ー、藤丸くんのご飯横取りしないのー」

 

「横取りじゃねぇ」

 

「もー!はい藤丸くん、私のあげる」

 

オレの皿に鮭が追加された。しかし、先ほどアギスにわけていたのもあって、千鶴の皿の上は寂しいことになっている。

 

「いいよ、千鶴さんの分なくなっちゃう」

 

マスターなんだから、体力をつけないといけない。自分を大事にしないと、何も成り立たないからね。

 

「なんか…藤丸くんからはイケメンオーラを感じる…」

 

千鶴は箸にさはんだ鮭を口に含んだ。

面倒見がいいし、やっぱり千鶴は姉気質なのでは…?




なんともう第3話、勢いに任せて書いています。やっとこのサイトの使い方がわかってきた気がする。
次回はアギスくんメインかな?って感じです。戦闘シーン、上手く書けるか不安だ〜

ひと段落ついたら本編ストーリーに入りたいなーという気持ちです。
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