やはり俺の青春ラブコメは正しくは無いが間違ってもいなかった 作:Krito
八幡の話を今まで黙って聞いていた川崎姉弟は静かに口を開いた
大「……じゃあ姉ちゃんが明け方に帰って来るのは俺のせいで……」
沙「だからアンタには関係ないって……」
悲しそうに顔を伏せる大志とそれを見て気まずそうにする沙希
大「言ってくれれば!」
沙「言ってなんとかなった?」
大「俺が塾を辞めれば!」
沙「馬鹿じゃないの!アンタに頭良くないんだから塾行かなかったらまともな高校に進学出来ないかもしれないんだよ!」
大「だからって姉ちゃんが辛い思いしなくても!」
沙「コレは私の問題!アンタが出しゃ張る必要なんて無かったんだよ!こんなにも沢山の人に心配かけて!」
徐々にヒートアップしていく川崎姉弟
小「あの〜」
沙「なに?」
小「小町的には下の子の事も考えて欲しいなと……大志君もお姉さんの気持ちを考えて欲しいな……」
沙「……どういう事?」
大「どういうことっすか?」
すると小町は懐かしそうなそれでいて嬉しそうな、恥ずかしそうな表情をしながら思い出を語るように話し始めた
小「実はですね…小町は小さな頃に家出したことがあったんですよ。理由は今思うと凄くくだらないことなんです。家に帰っても誰もいなくて寂しいから。ただそれだけだったんです」
沙「……今の話となんの関係があんの?」
小「まぁまぁ……それで家出したはいいものの行く場所も無いので公園の遊具の中に隠れてたんです。そのまま夜になって今度は暗いのが怖くて動けなくて……そんな時です。少し離れた所で小町を呼ぶ声が聞こえて、勇気をだして遊具から顔を出したら、そこには汗びっしょりで身体のあちこちに擦り傷をつけたお兄ちゃんが居たんです。」
そう言って小町は優しい顔で八幡の顔を見た
茜「ハチ……」
八「……」プイッ
照れくさそうに顔を背ける八幡をそのままに小町は話を続けた
小「その後家に帰ったら理由を聞かれて。「寂しかった」と答えたらその日以降、お兄ちゃんは友達とも遊ばず真っ直ぐに…小町よりも早く帰って来て小町に「おかえり」って言ってくれるようになったんです」
沙「……いい話だとは思うけど…なんで今その話をしたの?」
小「つまりですね……大志君はお姉さんの気持ちを……大切だからこそ話せなかったって事を…お姉さんは大志くんがお姉さんの事を大切に思っているだからこそ自分に出来ることをしたいって気持ちを理解して欲しいんです。」
沙「……」
大「……」
茜「……」
沈黙が降りる
八「……まぁ今回、俺も人の事言えたことじゃないが……大切だからこそ、大事に思っているからこそきちんと話し合わなきゃダメだったって事だ」
沙「そう……だね……悪かったよ大志……」
大志「姉ちゃん……俺こそごめん…姉ちゃんの気持ちも考えずに……比企谷さん達もすみませんでした。ご迷惑をお掛けしました……」
沙「私からもごめん……ウチの事で巻き込んじゃって……」
川崎姉弟は三人に対してしっかりと頭を下げて謝罪する
茜「気にしないで!それよりもしっかりと家族で話し合ってね!」
八「俺は妹のお願いを聞いただけだ」
小「まったくもー、お兄ちゃんは素直じゃないんだから!良かったね大志くん!」
すると大志は顔を上げてとてもいい笑顔で返事をした
大「はいっす!」
その後、5人は解散し帰路へつく
茜「ところで小町ちゃん」
小「?」
茜「ハチが友達とも遊ばずにって言ってたけど……ハチって当時は友達いなかったんじゃなかった?」
小「そんこと知ってるよ〜。でもああ言った方が小町的にもポイント高いでしょ!」
茜「たしかに!」
八「お前らな……まぁ確かに友達なんていなかったが……」
帰路に二人の女性の笑い声と1人の男性のため息が聞こえた
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