Jukebox Driver   作:moti-

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 ギリ間に合って良かったー 見直せてないので修正あるかも

 あと総合評価1000ありがとうございます うれし~ サビザンボンプなのでわりとモチベになってます


Triggered

 意外と売れ行きが好調だ。

 

 ぶっちゃけ損しかねぇだろと思ってたんだがな。

 試聴後に買っていく客が意外と多い。

 

 おかげさまで懐の余裕がありすぎて困る。

 やろうと思えば廃材から十万クラスの商品作れるからな。

 

「店長さん、店長さん! あのね、アリアも羽ちゃんみたいなビブラート覚えたんです! あの『感じさせない』ビブラート!」

 

「おお、すごい。でも使いどころはよく考えて使いましょうね。あれはちょっと淡白な質感を出すための技術ですから」

 

「はい!」

 

「なぁ羽、なんかアリアちゃん、めちゃくちゃ店長さんに懐いとるんやけど」

 

「ボクもびっくりしたよん。逆にちなっちゃんはあんまり寄ってかないよね」

 

「人と話すん苦手なだけやし……」

 

 後ろで小声で話している声もちゃんと聞こえている。

 というか南宮さんは俺が聞いてるの気づいてるだろ。

 こっち見て舌出してやがるし。

 結構センシティブな話題にもからかいで突っ込むからたまに怖い。

 彼女、いつの日か誰かのどうしようもない地雷を踏みそうだ。

 注意するべきなんだろうか。でもそれで萎縮して良さがなくなってもな。

 

 まぁいいか。

 人間関係ってのはぶつかりあってナンボだろ。

 綺麗事だけの関係なんていつかは無理がくる。

 

 俺だってそうだろうが。

 

「ふぅ……」

 

 もはや録音室と貸した視聴室へと消える少女を見送って、俺は一息ついた。

 

 コーヒーを口の中に流し込む。

 流し入れんなら酒がいいが、こんな幼気な子供の前で飲むわけにもいかん。

 そもそも営業中だ。余計に飲めん。

 

 懐かれた理由──か。

 

 知能構造体だからだろ。

 言い方は悪いが、俺は基本的に機械に愛されている。

 そういう部分が影響してるんだろうな。

 ま、的外れかもしれないが。

 

「お二人とも、チョコでも食べます?」

 

「はーい! もらいます!」

 

「えっ、あっ、う、うちは別に、大丈夫です……」

 

「遠慮しないでいいのに。ほーらちなっちゃん、あーん」

 

「んむぐっ……」

 

 仲が良いもんだ、と思う。

 

 気の置けない友人関係というものは、意外と傍から見ていて気持ちがいい。

 それは微笑ましさによるものなんだろうか。

 

 視聴室から出てきたアリアさんに知能構造体用の情報記録を渡しつつ、少し考える。

 

 なら、俺にとって気の置けない仲の人間とは。

 

 真っ先にレミエールが思い浮かび、振り払った。

 母を名乗る痴女なんだからそりゃ雑になるだろ。

 あいつ別の服着てても露出多いのはなんなんだよ。

 母親と同じ顔をしてる自覚を持ってほしい。

 

 いや。

 本当は母親が同じ顔をしているわけで、それを言う権利は俺にないのだが。

 

 他の誰も思い浮かばないあたり、俺にはそういう相手がいないんだろう。

 

 だから、なんだろうな。

 わざわざこんなオーディオショップを遊び場の一つとして扱ってくれる子らは、つい甘やかしちまう。

 

 ガチャリ、と扉が空いた。

 

「よぉ請お──にいちゃーん」

 

 すげぇ。

 一瞬で仕事モードから素に戻った。

 我が弟ながら変わり身の早さは称賛モノである。

 

「よっ。なんか用か?」

 

「んー? お店できたって聞いたから見に来ただけだよー。そっちが例のバイトの子?」

 

 「はろーはろー」などと言いつつ、南宮さんに両手をひらひらと振りかざす弟。

 短い尻尾も同じように振られているあたり、外で素を出して許される空間に気ぃ抜けてやがるな。

 

「えっ、えっ……店長さん、弟さんがいたの!?」

 

「血は繋がってないですけどね」

 

 そう返すと、南宮さんの顔がなにかを考え込むように眉を寄せた。

 

「……複雑な家族関係!」

 

 たぶんレミエールの再婚だとか考えたんだろうな。

 現実はもっと複雑だが、離婚した初代虚狩りなんてのは字面だけで面白いから乗っておこう。

 

「てことは、店長さんってあの星見家と一応の繋がりがあったり?」

 

「いいえ全く。他人の空似ですよ」

 

「……そうなんですね、こんなに似てるのに」

 

「よく言われるよぉ」

 

 今の星見家とはなんの繋がりもない。

 ただ、その先祖のクローンから生まれたってだけだ。

 

 つーか現虚狩りはなんなんだ。

 先祖還りってやつだろうか。

 普通に顔とか似すぎなんだよな。

 弟の緩々な表情筋と髪がなけりゃ瓜二つだ。

 

 おかげで弟は外出を面倒くさがってネットに籠もるようになっちまった。

 いや別に本物が悪いって話じゃねぇが。

 よりによってここまで似るもんか、とも思う。

 

「他のふたりはあれだよね。アイドルやってるっていうお仲間さん」

 

「おう。俺説明したっけ?」

 

「チケットの話されたじゃん。だから調べたよ。こないだの黄金の日でセルシーが歌ってた曲作ってたんでしょー。すごいじゃんね」

 

 端末をふらふらと揺らしながら、そんなことを弟は言った。

 俺それ知らねぇんだけど。

 

「チケット?」

 

 だが南宮さんは俺と別の部分が引っかかったようで、ちらりとこちらを見た。

 

「チケットって、こないだ店長さんを招待したやつ?」

 

「それ以外に心当たりはないですね」

 

「このひとダイアリンさんより先に俺に声かけてきたんだよ。ありえないよねー」

 

「え……」

 

 青ざめられた。

 

「で、でもでもほら、店長さんだって最後にはダイアリンさん? を誘ったわけだし……!」

 

 アリアさんが無理筋の擁護をしてくれるが、まぁアレは実際俺が悪い。

 でもなぁ。

 

 俺とダイアリンって別にそういう関係じゃないんだって。

 

「じゃあおにーちゃん、ダイアリンさんのこと好きか嫌いかで言えば!?」

 

「そりゃまぁ好きだが」

 

「え……」

 

 ばたり、と何か落ちるような音のあとに、扉がばたりと閉まった。

 

 小さな呟きだが、その声を俺が聞き間違えるわけもない。

 とんでもなく間の悪いタイミングで、ダイアリンが扉を開けたのだ。

 

 したり顔で弟はへらへらと笑っている。

 なんか変なテンションの上げ方したな、と思ったらこれかよ。

 女の子三人がそそくさと壁のほうへと寄っていく。

 好奇を隠せていない、ほんのりと赤い頬が見えた。

 

「お久しぶりです」

 

 とりあえず、挨拶を一つ。

 

「……えっと、はい。お久しぶりです」

 

 気まずそうに、ダイアリンがそう言って俺に返した。

 それでも避けられはしていないようで、彼女はカウンターのほうへと歩み寄ってくる。

 

 笑ってんじゃねぇぞ弟(クソボケ)が。

 

 マジでどうすんだよこの空気。

 








 掲示板形式みたいなのやってみよかなって考えたけど苦手な人もいるんだよな~ってなかなか手を出せないでいる なかったものに急に足すのは話が違うってなりそうだから

 あとタグ増やさなきゃいけないのが難点 基本タグすっきりさせたいので
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