嵐を呼ぶ問題児が異世界から来るそうですよ   作:塗る壁

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現在、とてもブルーな塗る壁です。

なぜブルーかというと設定とかアイディアとかいろいろまとめたノートをなくしてしまいました。といっても嵐を呼ぶ問題児は頭に入ってるから問題ないんですけどね。ハッハッは~…他の二つはどうしよ。

十六話が始まりますん。


北側に行くゾ

 五人を部屋に招き入れた白夜叉は五人に座るよう促す。

 

「本題の前に一つ問いたい。おんしらが魔王に関するトラブルを引き受けるとのことだが…真か?」

 

「ああ、その話? それなら本当よ」

 

 飛鳥は白夜叉の問いに頷く。白夜叉もそれを聞き、ジンに視線を移す。

 

「ジンよ。それはコミュニティのトップとしての方針か?」

 

「はい。名と旗印を奪われたコミュニティの存在を手早く広めるには、これが一番いい方法だと思いました」

 

 ジンの真剣な顔付きで返答する。

 

「リスクは承知の上なのだな?」

 

「覚悟の上です。今の組織力では上層には行けません。決闘に出向く事が出来ないなら、誘き出して迎え撃つしかありません」

 

 ジンは即答する。ジン達は既に覚悟を固めているのだ。

 

「ふむ。そこまで考えてのことならば良い。これ以上の世話は老婆心というものだろう」

 

「ま、そういうものだな。で? 本題はなんだ?」

 

 十六夜は先を促す。十六夜としてはさっさと祭典に向かいたいのだ。

 

「そう急かすな。実はその打倒魔王を掲げたコミュニティに、東のフロアマスターから正式に頼みたい事がある。よろしいかなジン殿?」

 

 白夜叉はジンをコミュニティの子供ではなく組織のリーダーとして言い改める。

 

「は、はい! 謹んで承ります!」

 

「さて、何処から話そうかの」

 

「どほはらへもいいんしゃん」

 

「いや、そう言うわけにも……おんし、何を食っておる?」

 

「せんべい」

 

 見ると信之助はせんべいを食べていた。

 

「どこにあった」

 

「そこの棚の引き出し」

 

 見ると確かに側にある棚の引き出しが開いていた。

 

「って、それは私のせんべいじゃろが! おんし、何を勝手に食っておる! というか前に薦めたときは断りおった癖に今度は勝手に食うってどういうつもりじゃ!」

 

「それはそれ、これはこれ」

 

「阿呆か!? 返せ! それは私のせんべいじゃ!」

 

 白夜叉は信之助からせんべいを奪い返す。

 

「えー。ケチー」

 

「うるさい! そもそもおんしは「いいからさっさと進めろよ」む~…」

 

 十六夜は呆れたように言う。他の三人も同意のようだ。

 

「わかっとる。はぁ、相変わらずそやつの相手は疲れる」

 

「いやー。それほどでも」

 

「褒めとらんわ! 阿呆!」

 

 白夜叉はもう一度溜め息を吐く。

 女性店員は毎度信之助の相手をしているのかと思うとその気持ちがわかった。休暇を多くやろうと決心し、話を進める。

 

「北のフロアマスターの一角が世代交代をしたのを知っておるかの?」

 

「え?」

 

 思いもよらないことにジンは変な声を上げる。

 

「北のフロアマスターの一角、五桁・五四五四五外門に本拠を構える“サラマンドラ”。その頭首が急病で引退。まあ高齢だったからのう。年には勝てなかったということだろう」

 

「そうですか。“サラマンドラ”とは親交があったのですけど。まさか頭首が替わっていたとは知りませんでした。それでどなたが頭首を? やっぱり長女のサラ様か、次男のマンドラ様ですか?」

 

「いや。頭首は末の娘、おんしと同い年のサンドラが火龍を襲名した」

 

「サ、サンドラ!?」

 

ジンは驚愕の表情を浮かべ、身を乗り出した。

 

「ちょっと待ってください! 彼女はまだ十一歳ですよ!?」

 

「ジン君だって十一歳で私達のリーダーじゃない」

 

「そうそう。オラは五歳でいろんな冒険をしたしねー。それぐらい普通普通」

 

「普通ではありませんよ! 信之助さんと一緒にしないで下さい!」

 

「なんだ? 御チビの恋人か?」

 

「ジン君やるー」

 

「ち、違います!」

 

 ジンは真っ赤になって否定するがそれがまた怪しい。このままでは話が進まないので耀が促す。

 

「それで? 私達に何をしてほしいの?」

 

「実は今回の誕生祭だが、北の次代マスターであるサンドラのお披露目も兼ねておる。しかしその幼さ故、東のマスターである私に共同の主催者を依頼してきたのだ」

 

「あら、それはおかしな話ね。北には他のマスター達が居るのでしょう? ならそのコミュニティにお願いして共同主催すればいいじゃない?」

 

「それはそうなのだがの…」

 

 急に歯切れが悪くなる。白夜叉も言いにくいことなのだろう。

 

「幼い権力者を良く思わない組織があるとか、そんなところだろ」

 

「全く、めんどくさい世の中ですな~」

 

 十六夜はつまらなそうに言い、信之助はヤレヤレと首を振りながら言う。

 

「まー、そんなところだ」

 

「神仏の集う箱庭の長達でも、思考回路は人間並みなのね」

 

 飛鳥は表情には怒りと落胆の色が見える。白夜叉は申し訳なさそうに項垂れる。

 

「うう、手厳しい。これには様々な事情があってのことなのだ」

 

 白夜叉は重々しく口を開こうとするが耀が何かに気付いたようにハッとする。

 

「ちょっと待って。その話はまだ長くなる?」

 

「ん~、そうだな。短くするとあと一時間程度かの?」

 

「それはまずいかも。黒ウサギ達に追い付かれる」

 

 十六夜や飛鳥、それにジンも気が付き信之助だけ平然としている。

 

「白夜叉様! どうかこのま「ジン君、“黙りなさい”!」…!?」

 

「白夜叉! 今すぐ北側に向かってくれ!」

 

「別に構わんが、何か急用か?」

 

「構わねえから早く! 事情は後で話すし、その方が面白い!」

 

 白夜叉は十六夜の言い分に愉快そうに笑う。

 

「そうか、面白いか。面白いなら仕方ないのう」

 

「レッツゴー!」

 

 信之助のその言葉を合図に白夜叉はパンと手を打つ。

 

「これでよし。望み通り、北側に着いたぞ」

 

「「「……は?」」」

 

「おー!」

 

 三人は呆然とし、信之助は歓喜の声を上げる。しかし、それは一瞬だけ。

 四人は先に走り出した信之助を筆頭に店の外へと走り出す。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 展望台へと出た六人。先に声を出したのは飛鳥だった。

 

「赤壁と炎と…ガラスの街!?」

 

 遠目からでも分かるほどに色彩鮮やかなカットガラスで飾られた歩廊。昼間にも拘わらず街全体が黄昏時を思わせる色味を放っている。

 四人は感嘆の声を上げる。

 

「今すぐ降りましょう! あのガラスの歩廊に行ってみたいわ!いいでしょう白夜叉?」

 

「ああ、構わんよ。続きは夜にでもしよう。ところで、信之助のやつはどうした?」

 

 白夜叉は辺りを見回すが先程までいた信之助がいないことに気付く。

 

「さあ? 知らないわ」

 

「あいつはマイペースだからな」

 

「一言ぐらい言ってくれてもいいのに…」

 

 三人も信之助が居ないことに気付いたようだが、耀以外は気にした様子はない。三人は街に行こうとすると

 

「見ぃつけたのですよおおおおおおおおおおお!」

 

 その絶叫と共に何かがズドォンと降ってきた。絶叫の主は激怒のオーラを放っている黒ウサギだった。

 それを見た三人は察する。

 ああ、そうか…

 

 あの信之助(バカ)、先に逃げやがった!!!?

 

「逃げるぞ!!」

 

「逃がすか!!」

 

「え、ちょっと」

 

 十六夜は隣に居た飛鳥を抱きかかえ、展望台から飛び降りる。耀は空に逃げようとするが、

 

「耀さん、捕まえたのです!」

 

 大ジャンプした黒ウサギに捕まった。

 

「後デタップリ御説教タイムナノデスヨ」

 

「りょ、了解…」

 

 フフフ、と壊れたように笑う黒ウサギに耀はただ頷くしかなかった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「~♪~~♪」

 

 いち早く街に来ていた信之助は鼻歌を歌いながら歩いていた。

 

「あ、そうだ」

 

 何かを思い出したように信之助はポケットを探る。

 

「あちゃー。お土産どうしよ…」

 

 ノーネームの皆にお土産を買うつもりだったが、ポケットに入っていたのは硬貨数枚だけだった。これではお菓子一つぐらいしか買えない。

 

「んー。ん? あれって…」

 

 どうするか考えていると人があつまっているのに気付く。

 

「さあ! さあ!! 勝てば大金持ち! 負ければ一文無し! 誰かやるやつはいないのか? さあ! さあ!!」

 

 男の人が大勢の人に向け、大声で叫んでいる。何人もの人が次々と参加していく。

 

「ギフトゲームね~。うーん、よし!」

 

 信之助は参加することにした。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「~♪~~♪」

 

 ゲームで大勝ちした信之助はほっこりとしながら機嫌よく歩く。

 

「さーて、皆に何買おっかな~♪」

 

 ノーネームを面々を思い浮かべ、お土産に何を買うか考えていると

 

「きゃ!?」

 

「お?」

 

 突然、前の少女が転けた。信之助は少女に駆け寄る。

 その少女は暗めな銀色の髪にポニーテールで年は向日葵やジンと同じくらいな美少女だ。

 

「お嬢さん、大丈夫?」

 

「うぅ。はい、大丈夫です。ありがとうございます」

 

 少女は大丈夫と言うが、涙目になり膝から血が出ている。

 

「ちょっと待ってね」

 

 信之助は消毒液と絆創膏を取り出した。

 

「さっき買っといたんだ~」

 

「ええ!? いいです! 大丈夫です!」

 

「遠慮しない遠慮しない」

 

 信之助は少女の治療を始める。

 

「あ、ありがとう…ございます」

 

 少女は照れているのか恥ずかしいのか顔を赤くしている。

 

「これでよし! どう? 動ける?」

 

 少女はゆっくりと立ち上がる。

 

「大丈夫です。痛くありません」

 

「それは良かった」

 

 信之助がうんうんと頷いていると少女が勢いよく頭を下げる。

 

「この度は本当にありがとうございました!」

 

「別にいいって。困ったときはお互い様だゾ」

 

「いえ、何かお礼を…」

 

 少女は信之助にお返しをしたいようだ。

 信之助としては見返りを求めた訳ではないのだが。しかし、少女は引きそうにない。

 

「うーん。そういえばお嬢さんはこの辺りに住んでるの?」

 

「え? あ、はい。一年ほど前から」

 

「それじゃあ、道案内をお願いできる? オラ来たばっかでよく分からないんだよね。ほら、旅は()()()と言いますし」

 

「それを言うなら旅は()()()と思いますが…分かりました。それくらいでしたらいくらでも…」

 

 少女は微笑みながら了承する。

 

「あ、オラは野原 信之助。しんちゃんって呼んでね」

 

 信之助は少女に愛称で呼ぶように言う。実は前にも十六夜達やジン達にも呼ぶように言ったのだが誰も呼んでくれなかったというどうでもいい過去がある。

 

「え? …野原……信之助?」

 

 少女は驚いたように目を見開く。

 

「え? オラの事、知ってるの?」

 

 予想外な反応に信之助も少し驚く。

 

「え!? い、いえ、知り合いの名前に似ていたものですから。つい…」

 

「ふ~ん? ま、いっか」

 

 少女から悪い感じがしないので気になりつつも少女にも事情があるのだろうと放っておくことにした。

 

「お嬢さんの名前は?」

 

「私の名前は……ナナリーです」




出しちゃったよ。最後のオリキャラ。誤字脱字のご報告とご感想待ってます。
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