嵐を呼ぶ問題児が異世界から来るそうですよ   作:塗る壁

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塗る壁です。
黒ウサギは苦労人ですよね(棒読み)

五話目です。


白夜叉に出会うゾ

 ギフトゲームを終えた信之助は、刀を近くにあった木のツルで背中に背負い黒ウサギ達を捜して街を歩いていた。

 

「もう。みんな何処に行ったの?」

 

 捜しても見つからない黒ウサギ達に腹をたてるが、もとはといえば信之助と十六夜のせいである。

 

「お? あれは…」

 

 歩いていた信之助はあるカフェテラスに耀と飛鳥、そして見知らぬ少年とタキシードを着た男が座っているのを見つけ近づいていく。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「この小娘がァァァァ!!」

 

 飛鳥によって悪事を洗いざらい吐かされたタキシードの男、ガルドは立ち上がりながら虎のような姿に変わり叫んだ。

 

「てめえ、どういうつもりか知らねえが俺の上に誰がいるかわかってん「とォ!!」ギャアァァァァ!!!?」

 

 ガルドの言葉は最後まで紡がれる事はなく、何者かによって数メートルぶっ飛び地面に落下した。

 

「「信之助」君」

 

 そこには両手で銃のような形をとる信之助の姿があった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 それは正義の一撃。幾度も戦場で振るわれ、幾人もの悪を打ち砕いてきた一撃。そう…

 

「とォ!!」

 

 カンチョウである。そして、腕を伸ばしきった彼の姿は、まるで荒野のガンマンのようだったと言う。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「なんであの短時間でフォレス・ガロのリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省も後悔もしていません」」」

 

「そこのお姉さ~ん。オラとお茶しな~い」

 

「黙らっしゃい!!! 後、信之助さんもナンパしないでください!」

 

 反省も後悔もしていないと言う三人と昼間からナンパしている信之助に黒ウサギは激怒し、四人をハリセンで叩くが信之助だけ避けられてしまう。

 

「避けないでください!」

 

「えー。当たったら痛いゾ」

 

 黒ウサギは何度もハリセンを振るうが、信之助はヒョイヒョイと避けてしまう。

 

「ハァ、まあいいです。フォレス・ガロ程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」

 

 黒ウサギは信之助を叩くのは諦めて話を続ける事にした。

 

「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」

 

「当たり前よ。貴方にも信之助君にも参加させないわ」

 

「えっ!オラも?」

 

 十六夜は参加しないと言い、飛鳥も十六夜と信之助には参加させないと言った。

 

「当然でしょ。貴方は私たちより先にギフトゲームをしたらしいじゃない」

 

そう。信之助は飛鳥達に背にある刀のことを聞かれ、自分がギフトゲームに参加した事を話していた。

 

「駄目ですよ! コミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「そういう事じゃねえよ黒ウサギ。この喧嘩は、コイツらが売って奴らが買った。俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」

 

「あら、分かってるじゃない」

 

「ああもう、好きにしてください」

 

 疲れきった黒ウサギは言い返す気力も残っていない。

 

「お疲れですな」

 

「誰のせいですかっ! 誰の!」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「サウザンドアイズ?」

 

「YES。サウザンドアイズは特殊な瞳を持つ者達の群体コミュニティ。皆さんのギフトも鑑定することが出来るのです。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

 三人は複雑な表情をし、信之助は…

 

「そこのお姉さーん!」

 

「いい加減にして下さい! お馬鹿様!」

 

 まったく聞いていなかった。そして四人がそれぞれ違う世界から召喚されたことが分かり店に着くが割烹着の女性が看板を下げていた。

 

「まっ」

 

「待った無しで「割烹着のお姉さーん! オラの愛の看板を上げてくれませんか!」な、何ですか!? 貴方!?」

 

 黒ウサギの待ったを拒む女性は最後まで言うことは出来なかった。

 

「いろいろ台無しです! お馬鹿様!」

 

 信之助に黒ウサギは叫び、三人は呆れ、女性は狼狽えている。そんな混沌とした状況が発生した。そして…

 

「久し振りだな! 黒ウサギィィィ!」

 

 黒ウサギは店内から走ってきた着物を着た真っ白い髪の少女に抱きつかれ、街道の向こうの水路まで吹き飛んだ。

 

「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? 俺も別バージョンで是非」

 

「オラも是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

「それじゃあオラが」

 

「いりません」

 

 三人は割とマジだった。

 

「白夜叉様! いい加減に離れてください!」

 

 黒ウサギは少女を無理矢理引き剥がし、店に向かって投げると十六夜の方へ飛んできた。

 

「てい」

 

「ゴハァ!」

 

 十六夜が飛んできた少女を軽く蹴り飛ばし…

 

「ほい」

 

 信之助は飛んできた少女を避けた。

 

「ガフ! おんしら、飛んできた少女を蹴り飛ばし、受け止めもせず避けるとは何様だ!」

 

「逆廻 十六夜様だぜ。和装ロリ」

 

「割烹着のお姉さん、お名前なんて言うの?」

 

「そこの小僧は人の話を聞かんか!」

 

 割烹着の女性に名前を聞く信之助に白夜叉は本気で叫んだ。

 

「貴女はこの店の人?」

 

「おお、そうだとも。このサウザンドアイズの幹部で名を白夜叉と言う」

 

 これが問題児達と白夜叉の出逢いであった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えているサウザンドアイズ幹部の白夜叉だ」

 

 白夜叉の自己紹介を聞き、次に耀が聞いた。

 

「外門って何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強大な力を持つ者達が住んでいるのです」

 

 黒ウサギが耀の質問に答え上から見た箱庭の図を描く。

 

「超巨大タマネギ?」

 

「超巨大バームクーヘンではないかしら?」

 

「どちらかと言えばバームクーヘンだな」

 

「甘いバームクーヘンは熱くて渋いお茶がよく合うゾ」

 

 黒ウサギは身も蓋もない感想に肩を落とす。それからも話は続き、十六夜が神格を持つ者を倒した事がどんなにすごい事なのかや白夜叉が東側では最強の主催者である事などが分かった。

 

「つまり貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」

 

「そりゃ景気のいい話だ」

 

「勝負…」

 

「ほうほう。皆さんお元気ですな」

 

 三人が闘争心を込めて白夜叉を見て、信之助は呑気に言った。

 

「ちょ、ちょっと皆さん!?」

 

 黒ウサギは慌てるが信之助を除いた三人は既に戦闘モードだ。

 

「よい。私も遊び相手に飢えておる」

 

「フフ、ノリがいいわね」

 

 白夜叉と三人は不敵な笑みを浮かべ、空気が緊迫する。

しかし…

 

「それじゃあ、みんなでトランプでもやりますか!」

 

「やらんわ!」「やらねえよ!」「やらないわよ!」「やらない」

 

「台無しですよ!お馬鹿様!」

 

 信之助が空気を読む訳がない。

 

「おんし、状況がわかっておるのか?」

 

「何で?」

 

「おいおい。今は最強の主催者に喧嘩を吹っ掛けてるんだぜ」

 

「それをトランプでって…」

 

「空気が読めてない」

 

 白夜叉と三人は最強の主催者とのゲームをトランプでやろうと言う信之助にツッコミを入れた。

 

「そんなことはないと思うゾ。オラ、昔に世界の命運をババ抜きで戦った事があるし」

 

「少し待て。何故ババ抜きなどで世界の命運を争った!?」

 

「いやー、昔はいろいろありましたから」

 

 信之助のとんでも発言に白夜叉はツッコミを入れるが、信之助はヘラヘラ笑うだけで答えになっていない。

 

「ハァ、もうよいわ。して、おんしらが望むのは挑戦か?それとも決闘か?」

 

 その時、世界が白い雪原と凍る湖畔そして水平に太陽が廻る世界に変わった。

 

「私は()()()()()()()()()()()()()()()()() 白夜叉。おんしらが望むのは()()()()()()か?それとも()()()()()か?」

 

 白夜叉の放つ圧倒的な威圧感に三人は息を飲む。そして信之助も

 

「オラ、トイレに行きたいんだけど」

 

「空気を読んでください!!」

 

 やはり空気を読まない信之助だった。




疲れた~。文字数が五千とか一万とかいってる人って凄い。

次話で信之助のギフトが明らかになるかもしれないです。
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