六話目です。
しんのすけ「みれば~」
~ 一年前 ~
とある一軒家の風呂場にて
「いい湯だな♪ あはは~♪ いい湯だな♪ あはは~♪」
信之助が風呂に入っていた。その時
「しんのすけ君! 大変だ!」
いきなり男がドアを勢いよく開け入ってきた。
「うおっ!? ゲッツさん!? どうしてここに!? てか、何いきなり入ってきてんの!」
いきなり入ってきた男 ゲッツに信之助は驚愕した。
「すまない、しんのすけ君。でも、時間が無いんだ!」
信之助に謝るゲッツだが焦りながら言った。
「地球が…いや、
「えっ?」
これが
◇◇◇
「挑戦であるならば、手慰み程度に遊んでやる。だがしかし決闘を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」
「「「…………っ」」」
白夜叉は圧倒的な覇気を持って問いかけるが、三人は返事を躊躇った。そして信之助は
「黒ウサギ。何怒ってんの?」
「貴方が空気を読まないからじゃないですか!!」
黒ウサギに説教を受けていた。しばらく沈黙した後、十六夜が諦めたように言った。
「参った。降参だ」
「それは決闘ではなく、試練を受けるという事かの?」
「ああ。今回は黙って試されてやるよ、魔王様」
「 くく。他の童達も同じか?」
「……私も、試されてあげてもいいわ」
「右に同じ」
「ねえ。トイレない?」
「また、おんしか!?」
今までの話の流れをまたもや見事にぶった斬った信之助に白夜叉は叫んだ。
「だってオラ、元々闘うつもりなんてなかったし。それに今日ずっとトイレに行ってなかったからそろそろきついゾ」
「はぁ。トイレはもう少し我慢してくれ…」
白夜叉はいろいろ諦めた。その時、黒ウサギは他の三人に叫んでいた。
「もう少し相手を選んでください! 階層支配者に喧嘩を売る新人なんて、冗談には寒すぎます! それに白夜叉様が魔王だったのは、何千年も前の話じゃないですか!」
「じゃあ元魔王ってことか?」
「はてさて、どうだったかな?」
その時、遠くある山脈から甲高い叫び声が聞こえた。
「今の鳴き声。初めて聞いた」
「あやつか。おんしら四人を試すには打って付けかもしれんの」
そして白夜叉が手招きすると鷲の翼と獅子の下半身を持つ巨大な獣が現れた。
「グリフォン!?」
「おー! かっこいいですな!」
「如何にも。あやつこそ鳥の王にして獣の王。力・知恵・勇気の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ」
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ギフトゲーム“鷲獅子の手綱”
・プレイヤー
[逆廻 十六夜]
[久遠 飛鳥]
[春日部 耀]
[野原 信之助]
・クリア条件 グリフォンの背に跨がり、湖畔を舞う。
・クリア方法 力・知恵・勇気の何れかでグリフォンに認められる。
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印
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その後、信之助と耀がやりたいと言ったが、耀がどうしてもやりたいと言ったため信之助が耀に譲り、耀によってギフトゲームはクリアされた。
◇◇◇
「ふむ、四人とも素養が高いのは分かる。おんしらは自分のギフトの力をどの程度に把握している?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「まったく」
「うおおおおい!? いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを「オラ、腹へったから帰っていい?」今、私が話しとるじゃろうが! これでも食って大人しくしとれ…」
「いや、見知らぬ人から食べ物はもらってはいけませんって言われてるから」
「おんしにとって私は見知らぬ人か!?」
白夜叉は、腹がへったと言う信之助にせんべえを渡すが信之助はそれを断った。
「たく。何にせよ主催者として、試練をクリアしたおんしらには褒美を与えんとな。ちょいと贅沢な代物だが、丁度良かろう」
白夜叉が手を叩くと、四人の目の前に4枚のカードが現れる。
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コバルトブルーのカード
逆廻 十六夜
ギフトネーム
【
──────────────────────
ワインレッドのカード
久遠 飛鳥
ギフトネーム
【
──────────────────────
パールエメラルドのカード
春日部 耀
ギフトネーム
【
【ノーフォーマー】
──────────────────────
サンライトイエローのカード
野原 信之助
ギフトネーム
【
【
【
──────────────────────
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「アクションカード?」
「違います! と言うかなんで皆さんそんなに息が合ってるのです!? 「いやー、それほどでも」褒めてません! お馬鹿様!! それはとても貴重なカードで、耀さんの生命の目録や信之助さんの刀を収納可能で、それも好きな時に顕現出来るのですよ!」
黒ウサギに息が合ってると言われ、照れる信之助にツッコミを入れる黒ウサギだった。そして、そんな黒ウサギを無視して白夜叉が言った。
「そこに刻まれるギフトネームはおんしらの魂と繋がった恩恵の名称。見れば大抵のギフトの正体が分かるというものだ」
「じゃあ俺のはレアケースなわけだ?」
「あっ、オラも」
「何?」
白夜叉が十六夜と信之助のギフトカードを覗きこむと十六夜のギフトカードには正体不明、信之助のギフトカードには理解不能と刻まれていた。
「馬鹿な。正体不明に理解不能じゃと? ありえん、全知であるラプラスの紙片がエラーを起こすなど。…ん? これは…妖刀・曇天丸じゃと!? おんし、何故これを持っておる!?」
白夜叉は信之助のギフトカードに刻まれていた妖刀・曇天丸の名を見て、信之助に詰め寄った。
「ん? 野原の刀がどうかしたのか?」
「この刀は、かつて箱庭を荒らし回った魔王が使っていたものにして、
「どうしたも何もヤクモのおじさんにもらったんだゾ」
信之助は白夜叉にギフトゲームをしたこと、そしてヤクモに託されたことを話した。
「何!? ならばおんしはあのヤクモに勝ったと言うのか!?」
白夜叉は信之助に勝ったことを知り驚愕した。
「そのヤクモって奴は強いのか?」
十六夜は白夜叉の驚きぶりを見て聞いた。
「強いぞ。私も直接戦ったわけでは無いが、奴は五桁のコミュニティに所属していながら
「四桁!? えっ、それではその方に勝った信之助さんは四桁クラスの実力を持っていると言う事ですか!?」
四桁と五桁では四桁が段違いに強い、箱庭に来たばかりの四人にはピンと来ていないが箱庭で育った黒ウサギにはそれがどれ程のことなのか理解できた。
「そんなに凄い奴なら俺が闘いたかったぜ。それとそいつに勝った野原にもな」
十六夜はニヤリと笑い信之助を見る。もしかしたら信之助の実力は自分に並ぶかもしれない。そう期待しているのだ。
「三天剣って?」
信之助は先ほどから気になっていたことを聞く。
「三天剣とは、とある鍛冶師が最期に打った剣。それぞれが天候を象徴とした力と名を持つ」
時として命を脅かし、命を癒す雨を象徴とした
闇を払い、世界を照らす晴れを象徴とした
そして、空を隠し、大地を覆う曇りを象徴とした
「私も名は聞いておるが雨天丸以外は見たことがなかったがの」
「他の剣はどうなっているのかしら?」
白夜叉達の話を聞いていた飛鳥が白夜叉に聞いた。
「曇天丸がここにある今現在、雨天丸は私の知り合いが持っておるが、晴天丸は行方不明だ」
◇◇◇
その後、サウザンドアイズを後にした信之助達はノーネームの居住区画に着き、廃墟と化した建物を目撃した。
それに問題児達はそれぞれ感想を言い、信之助がつまずいたひょうしに十六夜を水路に突き落とし周りを巻き込む追いかけっこが始まったりと騒動があったのは別のお話。そしてその夜…
「……………」
信之助は夢を見た。その夢では人気の無い公園で幼い自分と白いワンピースを着た女性が楽しそうに会話していた。
「…………」
「…………」
しかし、その会話を聞くことは出来なかった。そして、その女性が立ち上がり信之助に手を振る、信之助も女性に手を振り返し言った。
「バイバーイ、おねえさん。オラ、おねえさんのことはわすれないゾ」
そう、幼い自分が女性に言った。だが女性は悲しそうな顔で言った。
「すまない。
どうも塗る壁です。
ついに信之助のギフトが明らかになりましたね。