「報酬は1人金貨1袋、来るのか来ないのか好きにしろ」
ある日、何時ものメンバーで食事を取っているとゴブリンスレイヤーが新たな依頼を持ち込んできた。
「ですから、2択を迫るのは相談とは言いませんよ!!」
その物言いに神官がゴブリンスレイヤーにそう語気を強める。
「そうなのか」
しかし当のゴブリンスレイヤーはそんなものか程度にしか捉えず後は各自の判断に任せると言ったスタンスのままだった。
結局全員で行く事になりそれぞれ準備を進める。
「この距離なら馬と馬車を用意せにゃならんな、人数分の馬となると高くなるから馬車が妥当だの」
「馬なら居るぞ」
「何?」
「来い、れんごく天馬」
現れたのは名前の通り天馬の如くふさふさの鬣を持つ目つきの鋭い馬、しかしその四本脚は地面に着いておらず若干浮いていた。そんな馬が6体
「れんごく天馬達、悪いけど皆を乗せてここまで行ってくれ」
「ブルルルル!!」
れんごく天馬は短く鳴くとそれぞれを背中に乗せる。
「わっ!!凄い」
「本当、暖かくてフカフカで気持ち良いわね」
「よっこいしょ!!ホッホホ、こりゃあ良いわい」
「拙僧は他の者より重いと思いまするがどうか宜しくお願い致します」
ハイエルフと神官はその乗り心地を堪能しリザードマンは種族的に体格が大きい事をれんごく天馬に詫びながら跨りドワーフは逆に体格上調教師の手を借りながられんごく天馬に跨る。
「……………行くぞ」
ゴブリンスレイヤーもれんごく天馬に跨り目的の街へ向かった。
数時間後
門を潜り街の中に入ると当然と言うべきかれんごく天馬達が町の住民の目を引きかなり奇異な目で見られる。
「やっぱり目立つわね」
「まぁ、空飛ぶ馬に乗ってる訳だからな」
「なんぞ居心地が悪いの、かみきり丸、さっさと依頼人の元へ行かんか?」
「ああ」
「確か至高神の神殿にいらっしゃるんですよね?という事は至高神の神官さんなんですか?」
「いや、至高神の大司教だ」
「え?」
ゴブリンスレイヤーの言葉に神官は思わず足を止めるが調教師は何のことか分からず首を傾げる。
「至高神の大司教ってそんな凄い人なのか?」
「知らないんですか!?至高神の大司教様と言えば剣の乙女と呼ばれる金等級の冒険者でもある方です!!」
「そ、そうか」
神官の凄まじい勢いに思わずゴブリンスレイヤーの様な返事を返した。
それから大聖堂の様な場所に入るとそこには目隠しをしたいかにもな女性が立っていた。
「あら、どなた?」
「ゴブリン退治に来た」
「す、すいません宜しくお願いします!!その、お会い出来て光栄です!!」
「戦士様に可愛らしい神官様、それに……」
「我々は一党の同胞でありまする。恐るべき竜を祀る身なれど力及ばすながら手助け致しましょう」
リザードマンが大司教にそう返し大司教はクスリと笑みを見せる。
「ようこそ皆様、私は至高神の大司教、巷では剣の乙女等と呼ばれております。どうかこの街をお救い下さい」
剣の乙女はそう言って綺麗なお辞儀を見せた。