「依頼の詳細を聞きたい」
剣の乙女にゴブリンスレイヤーはそう切り出し剣の乙女が詳細を話し始める。
「1カ月程前の事ですわ、夜遅くに遣いに出した侍祭の娘が帰って来ず、翌朝遺体で発見されました、その様子は生きたまま切り裂かれた様だと……」
「生きたまま、食われていたのか?殺されただけか?他には……」
「オルクボルグ、無神経過ぎ」
あれこれと質問するゴブリンスレイヤーに流石にハイエルフが物申す。
「……………続けてくれ」
「本当に酷い事件でした、その後もこの街での犯罪が急増し犯人の足取りも無く、それなら現場を押さえようと女を襲っていた所を斬り伏せたのですが、その姿が」
「ゴブリンだったわけか」
ゴブリンスレイヤーの言葉に剣の乙女は何も言わず頷いた。
「どう見る?」
「小鬼は地下に住まう者、この街は出来て古い、地下は遺跡も同じでありましょうや」
「ならば間違いあるまい、俺ならそのまま地下水道をねぐらにする」
「お願いします、どうかこの街を救って下さい」
「救えるかどうかは分からん、だがゴブリンは殺そう、それで、俺達は何処から潜れば良い?」
ゴブリンスレイヤーが尋ねると剣の乙女は地図を取り出しゴブリンスレイヤーに渡す。
「街の地下の見取り図です」
「正確なのか?この地図は?」
「街に水は巡っていますので壊れているにしても酷くはないかと」
「ならば行くぞ、時間が惜しい」
ゴブリンスレイヤーがそう言いその後を一党が追う。
「どうかご武運を」
その背中に剣の乙女が武運を祈り分かれた。
地下水道の攻略に乗り出し3日、ゴブリン達の襲撃は後を絶たず親玉らしい存在も見つかっていなかった。
「普段にも増して手強いな」
「この入り組んだ水路のせいじゃろうな」
その時、天井から水が滴りそれが勢いを増して雨となって降ってくる。
1度休憩を取ろうと比較的雨の少ない通路で身を寄せ暖を取る。
「何で地下なのに雨が降るの?」
「地上で降っとる雨が排水口だの運河だのから此方に回ってくんだろうな」
その時、雨の音に紛れ何かが近付いてくる音を聞きゴブリンスレイヤーとハイエルフが警戒する。
「用心しろ」
ゴブリンスレイヤーの言葉に全員で大きな水路を見る。そこに現れたのは雑な作りながら大きな船に乗ったゴブリン達だった。
「ゴブリンの船!?」
ゴブリン達は此方に矢を射り攻撃してくる。
「いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守り下さい【聖壁】!!」
神官の軌跡により矢を防ぐ。
「炎だ、船ごと燃やせ」
「了解、スライムマデュラ、【メラガイアー】だ」
調教師に呼び出されたスライムマデュラが魔法を唱え船が炎の柱に飲み込まれ一帯にあった水ごと全てが灰へと変わる。
「メラガイアーはやり過ぎだったかな?」
「兎に角離れた方が良い、今の音でゴブリン共が集まって来るかも知れん」
ゴブリンスレイヤーの言葉に従いその場を急いで離れる事になった。