四方世界のモンスターマスター   作:寝心地

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小鬼英雄

戦闘の準備を終えるとほぼ同時に扉の前に気配が集まってくる。

 

「周りが静かになったわね」

 

「穴を塞いで毒気が逆流した、何匹かは死んだだろう」

 

やがて扉を叩く音が響き無数に集まった小鬼の圧力に耐えられなくなった扉が壊れていく。

 

最初に入って来たゴブリンにハイエルフの弓が炸裂し小鬼は倒れる。

 

「気を付けて!!足音が幾つも聞こえるけど、その中に変なのが混じってる!!」

 

ハイエルフの警告と同時に扉が吹き飛び巨大なゴブリンが現れる。

 

「ホブ、いや、小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)か」

 

小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)が吹き飛ばした扉からゾロゾロとゴブリン達が入ってくるが神官の【聖壁(プロテクション)】に防がれリザードマン・竜牙兵そしてゴブリンスレイヤーの手で次々倒されていく。

 

「数が多いな」

 

「【メラガイアー】で焼き尽くすか?」

 

「アホな事抜かすな!!こんな密室であんな魔法ぶっ放したら儂らが酸欠でおっ死んじまうぞ!!それに鱗のとかみきり丸にも被害が出る!!広範囲の魔法は今は撃つな!!」

 

「ならバフだな、シドー、前衛に【スクルト】を二重で貼れ、スライムマデュラは物理で潰せ」

 

派手に動き回る前衛に小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)は目を奪われその隙にゴブリンスレイヤーは物陰からこっそり近付き小鬼英雄の首を狙う。

 

しかし野生の勘でも働いたのか小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)は近くにいた手下のゴブリンを引っ掴みゴブリンスレイヤーの奇襲を受け手下のゴブリンごと棍棒で薙ぎ払いゴブリンスレイヤーは石棺に衝突する。

 

「ゴブリンスレイヤーさん!!」

 

神官の集中が切れた事で【聖壁(プロテクション)】が消えゴブリンが雪崩込んでくる。

 

リザードマンは迫り来るゴブリンに手一杯になりハイエルフは群がって来るゴブリンに良い様にされドワーフはそんなハイエルフを助ける為に斧を振るう。

 

そして神官は小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)に捕まりその肩を食い千切られた。

 

そんな光景をゴブリンを殺しながら見ていた調教師の中で何かが切れた。

 

「爺さん…………もう良いよな?」

 

「炎以外にするんじゃ!!」

 

「来い、ワイトキング」

 

呼び出されたのは手に杖を持ったいかにも【呪詛師】と言わんばかりのモンスター。

 

(ワイトキング、スライムマデュラが最強の盾であるならコイツの役割は杖、これで俺の手持ちの最強のモンスターが全員揃った、スライムマデュラを盾にシドーが回復と補助を、そしてワイトキングがあらゆる魔法で攻め滅ぼす、最も今はそこまではする必要は無さそうだがな)

 

「行けお前ら、真のモンスターと言うものを教えてやれ」

 

調教師の言葉に従い3体のモンスターは思い思いにゴブリン共を抹殺していく。

 

シドーは6つある腕にゴブリンを持ち握り潰し、スライムマデュラはその体で押し潰しワイトキングは持っていた杖で的確に喉や心臓、眼球から脳を突き刺し、その度にケタケタと笑い声を上げる。

 

ゴブリン共は面白い様にその数を減らしていき小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)に助けを求める。

 

しかしそんな小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)はゴブリンスレイヤーに背中を取られ冒険者用の罠に用意した髪の毛で首を絞め上げられていた。

 

「おい、良く見ろよ、ゴブリン!!」

 

小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)はゴブリンスレイヤーに右目を抉られその痛みに途絶えながら退散する。

 

三匹のモンスターとゴブリンスレイヤーに完全に恐れを成したゴブリン共は逃げ出して行った。

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