ゴブリンロードの死後、その他の有象無象のゴブリンも冒険者達に倒され牧場は守られた。
戦に勝利となれば跡に待つのは宴と古来より決まっている。
「私達の勝利と牧場と街といっつもゴブリンゴブリン言ってるあの変なのに乾杯!!」
ハイエルフが音頭を取り冒険者達が杯を打ち鳴らす。
それからは飲めや食えや騒げやの大宴会になり皆が思い思いに宴を楽しむ。
そんな中、調教師はと言うと
「なぁなぁ!!ウチの一党魔術師が不足しててさ、魔法使える奴が欲しいんだ!!」
「ああ、良い奴を送る」
「ウチは神官だった奴が引退しちまってよ、新しい神官を寄越してくれるらしいんだがそれまでの繋ぎが欲しいんだ」
「なら補助と回復が得意な奴を寄越そう」
「ウチは戦士系の奴が欲しいんだが、行けるか?」
「俺の手持ちは魔法が主体の奴ばかりなんだがな、取り敢えず物理攻撃を強化した奴を寄越そう」
ゴブリン退治の報酬である【調教師のモンスターを冒険に連れていける権利】の精算をしていた。
一通りの精算を終え一息付き漸く食事にありついていると今度はゴブリンスレイヤーが近付いてくる。
「どうした?」
「いや、お前に礼を言っておこうと思ってな」
「ん?」
「お前が手を貸してくれなければ皆を説得出来なかったと思う、ありがとう」
「気にするな、俺もそこそこ金を稼げたし、それに俺もアンタに色々教わった、その恩をこうして返せるなら安いもんだ」
「そうか」
「そうとも」
そうして夜も深けまた新たな一日が始まる。それを何度か繰り返していると何処かで変わった1日と言うのがやって来る。
例えば明日とか
「【収穫祭】秋の実りを祝う祭りだっけ?」
「はい、後は天灯も名物ですね、調教師さんの居た所ではやってなかったんですか?」
そんな話をしながらハイエルフ・リザードマン・ドワーフ、そして仕事を終えたばかりの受付嬢と共に食事をしていると受付嬢に近日に【収穫祭】があると言う事を教えられる。
「全く無かったと言えば嘘になるかな、俺の国は地域ごとに祭りが違っててな、最もその意味は大体【先祖を黄泉へ送り返す】と言う共通認識があるがその方法が細分化してた、川に灯籠を流したり踊ったり、後は山に松明を置いてその松明を燃やすとデカい文字が現れたり色々だな」
「へぇ~本当に色々な方法がありますね」
「しかし大事なのは死者を悼む気持ちでしょうや」
「そうだな、死者に関する記憶は忘れてしまう、だから死者を悼む気持ちだけは忘れちゃいけない」
調教師はそう言うとゴブリンスレイヤーが帰還し受付嬢が祭りに誘うと言う珍事が発生したがそれは些細な問題だろう。
翌日、受付嬢と牧場の娘と仲良く歩くゴブリンスレイヤーが目撃された。