登録を終え説明を受けた2人は白磁の認識票をぶら下げ受付を離れる。
「折角だから何か依頼受けたいな、一緒にどうだ?」
「は、はい!!ご迷惑でなければ」
「だったら俺達と一緒に行かないか?急ぎの依頼があるんだ」
背後から声を掛けられ振り返るとそこには男の戦士が1人、魔法使いと格闘家の少女2人が立っていた。
「アンタ達は?」
「俺達も駆け出しの冒険者さ、コブリン退治の依頼を受けたんだ、村の食料と女の子を攫ったんだ、早く助けないと」
「…………………………俺は良いと思うが?」
「そうですね、私も良いと思います」
そうして5人で向かう事になった一行はゴブリンの巣穴に着く。
「あの、本当にこのまま入っても大丈夫でしょうか?もう少し準備してからの方が……」
入り口の手前で神官が不安そうにそう言う。
「は?ここまで来て何言ってんのよ」
「と言われても俺達金無いから神官である君に声掛けたんだ、万が一の時は頼むよ」
(何と言うか楽観的過ぎる気がするけど)
考えに耽っていると一行は戦士と格闘家を先頭に洞窟内部に進入しており調教師は慌てて一行の後を追う。
(こりゃあついて来る相手を間違えたか?敵地のど真ん中で前衛2人は警戒もせずくっちゃべって後ろも見ずに前進一辺倒、そのせいで神官が余計に警戒して進軍が遅れて距離が出来てる。魔法使いも色々考えが足りてない、本当に魔法使いか?魔法使いって聡明なイメージだったんだが、コイツは何と言うか色々考えが足りてない)
その時、背後から鳴き声の様な物が聞こえ調教師と神官が振り返る。
「何よ、早く進んでよ」
「あの、今後ろから声の様な物が……」
「はぁ?あのね、私達は入口から真っ直ぐ一本道を歩いてきたのよ?後ろに誰が来てるって言うのよ!?」
2人と同じ様に魔法使いも振り返るとそこには数匹ばかりのゴブリンが向かって来ていた
「ゴブリン!?」
「下がってろ。スライム共、出番だ」
調教師が【リアクター】を操作し4体のスライムを召喚する。
4体とも青空よりも真っ青な体に口とクリクリの目がついておりとても強そうには見えなかった。
「燃やせ」
調教師がスライムに命令するとスライム達が跳ねると突如ゴブリン達は炎に包まれ藻掻き苦しむ。
「な、何が?」
「まさか、モンスターが魔法を?」
「【メラ】って魔法だ、最下級モンスターの最下級魔法だから威力は微々たるものだがレベルをMAXまで上げてあるからゴブリン程度は余裕で燃やせる」
「ちょっと!!大丈夫!?」
スライム達がゴブリンを燃やす間に流石に異変を察知した前衛2人が戻ってくる。
「皆大丈夫か!?」
「今の所怪我人は居ない」
同時に今度は前衛2人が戻って来た道の方から声が聞こえる。
「向こうも気付いたらしい」
ゲタゲタと下衆な笑いを浮かべ闇の向こうからやって来るゴブリン達、その中でも目を引くのは普通のゴブリンの2〜3倍の体格はあるゴブリン。
「数は7匹、燃やせスライム達!!」
調教師が再びスライムに命令を出すとスライム達は【メラ】を唱え巨大なゴブリン以外を焼き尽くす。
手下を焼かれた事に苛立ったのか巨大なゴブリンは手に持っていた棍棒でスライムを狙うがもうポヨンと言う衝撃だけで倒すには至らなかった。
「今度はこっちの番だ、行けスライム達!!」
4体による連続【メラ】を食らい巨大なゴブリンは藻掻き苦しみながら倒れた。