最初の冒険から数日、結局最初の一党とは別れた調教師と神官はゴブリンスレイヤーに付いていく事にした。
「えっと、ゴブリンは夜行性で数が多くて変異種は魔法が使えるシャーマンと体のデカいホブが良くいる、後は子供位の知能と力はある、と」
「そうだ」
ゴブリンスレイヤーは短くそう言うと足をとめる。
辿り着いたのは依頼されたゴブリンの住み着いた破棄されたエルフの巨木を利用した砦の少し手前。
「ここから火矢で砦を焼く、捕虜も助けに向かったと言う冒険者ももう生きては居ないだろうからな」
「はい」
「了解」
神官と調教師で火矢を作りゴブリンスレイヤーが黙々とその火矢を放つ、全ての火矢を放ち終えた所で砦に近付くと炎の魔の手から逃れたゴブリン共がワラワラと砦から出て来る。
「いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守り下さい【
神官が軌跡を唱えると同時に砦の出入り口に透明な壁が表れ2〜3匹の取り逃しこそあったもののそれ以外の出て来ようとするゴブリン達を閉じ込める。
そこにゴブリンスレイヤーと調教師が召喚したオークが呆気にとられるゴブリンの頭をかち割り命を絶つ。
「……………………使えるな」
ゴブリンスレイヤーは煙に飲み込まれ絶命していくゴブリン達を見ながらそう呟き神官が祈りを捧げる。
「祈りが済んだら言え、見逃した脱出路が無いか探す。気を抜くな、上手く逃げ出した奴がいるかも知れん」
「そんな事まで考えるんですか?」
「想像力は武器だ、それがない奴から死んでいく」
(確かに、俺もDQMJ3のボスを倒すのに何度も頭を使った、リトライが出来ない今なら尚更だ)
結果としてゴブリンスレイヤーの想像通り、砦から命からがら逃げ出したゴブリンが数匹おりそれらも倒す。
「やはり、銀等級らしく振る舞うと言うのは難しいな」
全てのゴブリンを倒し終わった帰り際、独り言の様にそう呟いた。
所代わりとある街の路地で一人の吟遊詩人が詩を歌っていた。
「かくして辺境勇士小鬼殺し山砦炎上の段、まずはこれまで」
詩の最後に吟遊詩人がそう言い客に礼をすると詩を聞き拍手を送っていた観客達が銅貨や銀貨を渡す。
「ねぇ、今歌っていた冒険者だけど、本当にいるの?」
詩を歌い終わりもらった金額を確かめる吟遊詩人に1人の怪しげな人物が声をかける。
「ああ、ここから西に2〜3日行った所にある街にいるって話だ、大きいギルドもあるらしいからそこで聞くと良い」
「ふぅ~ん、まぁ都合が良いわ、小鬼殺し、待ってなさい」
そう言うフードを深く被る頭の中には尖った長い耳が見え隠れしていた。