ゴブリンスレイヤーの依頼に同行する神官と調教師、他にも依頼を持ってきたリザードマン・ドワーフ・ハイエルフの3人も同行するが到着よりも早く夜が来るという事で丁度良い場所で野営する事にした。
テントを立て火を起こし夕食の準備をする。
「そう言えば皆はどうして冒険者になったの?」
夕飯の為に火を囲っているとハイエルフが唐突にそう質問してくる。
「そりゃあお前、世界中の上手いもんを食うためじゃろ耳長はどうじゃ?」
「私は外の世界に憧れてって所ね」
「拙僧は異端を殺し位を高め竜になる為に」
「え?あ、宗教はわかります。私もそうですから」
「……………………ゴブリンを」
「あんたのは何と無く分かるから良いわ、そっちは?」
ハイエルフがそう尋ね調教師に目を向ける。
「俺は日銭を稼ぐ為だな」
「何じゃ、お前さん若いのにデカい目標一つ無いのか?」
ドワーフの言葉に調教師は暫く考えた後口を開く。
「……………………無いな、けどまぁ何時迄も旅が出来たら良いかな」
「ハッハッハッ!!違いないな、気に入った、折角じゃ、儂の秘蔵の酒を飲ませてやろう」
そう言ってドワーフは何処にしまっていたのか小さめの酒壺を取り出す。
「それは?」
「火酒じゃ、ほれ、かみきり丸も飲め」
そう言ってドワーフはそう言うと2人に酌を渡し2人は中身を煽る。
「火酒と言うだけはあるな、大分強いが美味いな」
「だ、大丈夫ですか?無理しないで下さいね」
「ああ、しかし今の俺には少々強過ぎるな、これ以上は止めておこう、休日なら兎も角仕事前夜に飲むものじゃない」
「そうか、まぁ引き際を見極めるのも戦士の領分じゃしな」
「所で調教師殿は変わったお力と聞き及んでおりますが具体的にどの様なお力をお持ちなのでしょう?」
酌をドワーフに返すとリザードマンが調教師の力について尋ねる。
「俺の力はシンプルだ、仲間にしたモンスターを使役できる。例えば」
調教師はそう言うと地面にスライムを呼び出す。
「ほぉ、コレが調教師殿のモンスター、見たことありませんな」
「まぁゴブリンよりも下位のモンスターだからな、他のモンスターにあっさり潰されるんだろ、野生のは」
「でも私達を助けてくれた時ゴブリンを炎の魔法で倒してましたよね?」
「いったろ、レベルが違うんだ、同じ力量なら1匹のゴブリンにも劣る、どんなに善戦しても相打ち位だろう」
「へぇ~、でも可愛いわね、他には居ないの?」
「機会があれば見せるよ」
そう言う調教師の視界が歪み異常な眠気に襲われる。
「火酒が効いてきたな、悪いが先に休ませてもらう」
調教師の言葉に皆同意し明日に備え調教師は眠りについた。