「禽竜の祖たる角にして爪よ、四足二足、地に立ち駆けよ」
リザードマンが牙を模した媒体をばら撒き呪文を唱えると触媒がボコボコと骨になって行き竜頭蓋の骸骨が現れる。
「おお、骸骨だ」
「父祖より授かりし軌跡、【竜牙兵】である」
「手紙です。事情をしたためました」
竜牙兵は神官から手紙を受け取ると捕まっていたエルフを連れ近くのエルフの集落に走っていった。
「何なのよもぉ、こんなの、訳わかんない」
そう言って泣きじゃくるハイエルフの背中を神官がさする。
そんな中、ゴブリンスレイヤーがゴブリンの汚物溜めから出て来る、その手には助けたエルフの物と思われる背嚢が握られていた。
「中に地図があった、あのエルフが書いた物だろう、これによれば左の道は回廊に続いているらしい、左で確定だ」
「信じとらんかったんかい」
「いや、だが確証はあるだけ良い」
ドワーフの言葉にゴブリンスレイヤーはそれだけ言うとハイエルフに背嚢を投げる。
「お前が持て、行くぞ」
「ちょっと!!そんな言い方…………」
「良いの」
ゴブリンスレイヤーの冷たい言い方神官は流石に物申そうとするがハイエルフがそれを止め立ち上がり背嚢を掴む。
「行かないと、いけないものね」
それから地図に従い途中ゴブリンを倒しながら進んでいく。
「術は後いくつ残っている?」
休憩の合間にゴブリンスレイヤーが確認を取りそれぞれ自分の術の残りを挙げていく。
「私はまだ1度も使ってないので後3回です」
「拙僧は後3回、しかし【竜牙兵】の軌跡にはこの触媒が必要となるのでこれに限れば後1度と思ってもらいたい」
「儂は後4〜5回と言った所かの、まぁ4回と考えてくれりゃあ数えやすいじゃろ」
「そうか」
それから地図にある通り回廊に出るとその下では50匹ばかりのゴブリンが眠りこけていた。
「どうする?魔法で火攻めにでもするか?」
調教師が尋ねるとゴブリンスレイヤーは一党を見回し首を横に振る。
「いや、それよりも確実な策がある」
ゴブリンスレイヤーがそう言い作戦を説明すると同意した一党は動き始める。
最初にドワーフが回廊の縁に立つと全体に術をかける。
「呑めや歌えや酒の精、歌って踊って眠りこけ、酒呑む夢を見せてくれ【
これによりただでさえ眠っていたゴブリンが更に深い眠りへと誘われる。
「いと慈悲深き地母神よ、我らに遍くを受け入れられる静謐をお与え下さい【
次に神官が音が消える軌跡を使い残ったメンバーで1匹ずつゴブリンを殺していった。
それから回廊の向こうの道へ進もうとした時、突如ズシン!!と響き一党は警戒する。
「ゴブリン共がやけに静かだと思えば雑兵の役にも立たんか」
そう言って奥から現れたのはホブゴブリンよりも更に数倍大きな怪物が現れた。