100均ホウキに百合が咲く~限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
目の前に
「
だが
植物のモンスター、ヴォブローノに寄生され、その生命力を吸い取られたのである。
まだ死んではいない。
ミエスタの言によれば、意識もあるはずだ。
傍らにいるヴォブローノが、二枚貝のような器官をパクパクさせて、
「ギチ……ギチチ……」
とおかしな音を立てた。
そして二枚貝が
――こいつのせいで!
ブジュッ! と液体を撒き散らして二枚貝は床に叩きつけられた。
「この! この! この! 枯れちゃえ!」
そのヴォブローノに
毒々しい緑色をしていたヴォブローノの茎はあっというまに茶色く変色し、枯れ落ちていく。
それを見届けると、
かすかに呼吸はしているが、その顔色は真っ青だ。
チェックのブラウスは腹部のあたりでやぶけており、大量の固まった血液でどす黒くなっている。
傷口は修復されているが、ケロイドのように引きつっていて痛々しい。
「
そもそもダンジョンに入ったのだって小梅の部屋を除けば今日が初めてだ。
でも、とっておきのアイテムがある。
そこにあるのは栄養ドリンクくらいの大きさのビン。
というか、キャップにはふつうに『ルポビタンP』と書いてあった。
ラベルには『妖命酒』と手書きの文字。
キャップをひねって開けようとするが、気持ちが急いていてうまく手が動かない。
あやうく取り落としそうになった。
落ち着け、落ち着け。
深呼吸しながら金属製のキャップを回す。
フタが外れると、とんでもなく独特な臭いが漂った。
小梅の言葉を信じるのなら、これを飲ませれば
温かい。
明るい髪色をしたサイドテールの毛先が腕をくすぐる。
なんだろう、すっきりとしたとてもいい匂いがする。
でも、それと同時に生臭い血の匂いが混じっていた。
こんなにかわいい女の子を!
死なせてたまるか!
「
妖命酒のビンを
だけど、身体を動かせない
妖命酒がだらりと
その液体は毒々しい青紫色をしていて、ミエスタに塗りたくられた
なんなの、いったいなんなの!
小梅ちゃん、飲ませれば治るとかいってたけど、そもそも飲ませらんないじゃん!
バカご先祖様!
イモスミ 〈それ飲ませれば助かるんですか?〉
タブレットからコメントが聞こえてくる。
ほかのコメントは聞こえない。
おそらく、モデレーターでもあるイモスミが自分以外のコメントの読み上げを切っているのだろう。
数万人の同時接続者がいる中で、自分のコメントが他のコメントに埋もれないようにそうしたのだ。
「だと思う! ご先祖様がそう言ってた!」
イモスミ 〈それなら早くお願いします!〉
「でも飲んでくれないんだもん!」
半分涙声で
イモスミ 〈口移しでもいけませんか?〉
口移し!?
この汚らしい無職ニート酒飲み女の私が、神々しく清らかで美しい
「そんなことしたら……」
イモスミ 〈お願いだから! お姉ちゃんを助けてあげて!〉
家族としては当然の願いだろう。
とにかく、命を救わなければ。
そして、意を決して妖命酒を口に含んだ。
あれ。
どちゃくそまずいだなんて小梅ちゃんは言っていたけど、甘くて案外おいしい……いや、今はそれどころじゃない!
文字通り、血塗られた唇だった。
でもよく見ればカサカサになっていて生気がない。
投降時間はたまに変えますけど、書き溜めは現在40話まであるんで毎日投稿は続けていきます
この作品のタイトルはどっちがいいと思いますか? 1.推しの救助費は六千万円。払えるわけない限界無職女は100均ホウキ一本で女性アイドル配信者を助けに行く~六畳間ダンジョンを毎日掃除していたら最強になってました~ 2.100均ホウキに百合が咲く~限界無職女のダンジョン救助配信~
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