100均ホウキに百合が咲く~最強限界無職女のダンジョン救助配信~ 作:羽黒楓
突然のことに、
「私の息、吸って!」
とか何とか言いながら、
そして
なにこれわっかんない!
でも。
この極限状況。
あの
いうとおりにするしかなかった。
それは
純度100%の魔力。
いや、それ以上。
ぷはっ、と口を離した
〈なんだこれ!?〉
〈突然の百合キス!?〉
〈なにしてるんだ?〉
〈意味わからんぞ?〉
〈マウストゥーマウスにしても相手が違うんじゃないか〉
「フーーーッ!」
「スーーーッ!」
思い切り吸い込む
そして異変はすぐにやってきた。
まず、
さらに脳内は冴えわたり、視力すらもよくなったのか、視界の解像度があがる。
今やシーコの傷口の、血管一本一本、神経一本一本の切断面まではっきりくっきり見える。
ああ、これは
そして、今考えるべきはただ一つ、シーコの救命だけだった。
「
「お姉ちゃんどいて! 今から治す!」
〈おおおおおキターーーーー!〉
〈すげえオーラの量! とんでもない魔力だぞ〉
〈すげーーーー〉
〈さっきの百合キスは魔力の移転か?〉
〈そうかも! さっきよりもイモスミのオーラ量が半端ない!〉
〈ユニコーン治した時の三倍はあるぞ〉
〈ホウキ女なんでもできるじゃん〉
〈やばい、ホウキ女どうなってんだ〉
〈あとで解説頼むぞ〉
〈オペが始まった!〉
〈ぎり間に合うか!?〉
〈ヤバい、左足の接合と右手首の接合を同時にやってる!〉
〈え、その輸血バッグどっからでてきたの?〉
〈まさか全部これオーラで作り上げてるのか?〉
超スピードでオペが進む。
切り落とされた手首と足がとんでもない速度と正確さで縫い合わされた。
オペをしながら
「お姉ちゃん! めいっぱいシーコさんに治癒魔法をかけて! かけ続けて!」
「わかった、ヒーリング!」
そしてついに。
「ゲハッ、ゴホッ……フー、フー、フー、……」
シーコの自発呼吸が復活する。
顔色もずいぶんよくなってきた。
だが、これだけの大手術である。
オーラでできた腕たちがだんだんと薄くなっていく。
「も、もう限界……でもまだ……!」
皮膚の縫合は終わっていない。
なんとかやり切ろうとするのだが、気力だけでは現実を超えられない。
「も、もう一回……」
ええと、あの行為ってなんて呼ぶものだろう?
人工呼吸……って感じでもないし……ええとええと、時間がない、伝わればいい!
「
「うん!」
体力も魔力も枯渇したぼうっとした頭で、
――おいしいやつ、またくる!
そしてふたたびのマウストゥーマウス。
シーコの命自体は救えた状態なので、今度はその唇を堪能する余裕があった。
堪能?
あれ、こんなこと考えちゃうなんてやっぱり余裕なくてパニックになってるよ私。
息を吹き込んでもらってから、意味もないのにチュッと音を立てて唇を離す。
「よし、元気復活! もう少し行くよ! お姉ちゃん、もっと治癒魔法!」
「うん! でも……私ももう……魔力が限界……」
チラッと
魔力を消費しているからか、それとも別の理由からなのか、そのほっぺたは真っ赤だった。
「そういうこと!? でも、
「なんですかそれ、私相手だと緊張しないってことですか」
ムカッとして
「いいからウチを早く治療してくれ……」
荒い息遣いをしながらシーコがそう言った。
〈意識戻った!〉
〈やったああああああ〉
〈よくやった!〉
〈完璧!〉
〈すげえ、三人のコンビネーションでシーコを救った!〉
〈【朗報】スーパーボランティア復活〉
〈ところで女子高生復活してるんだけど〉
〈高校生にこんな百合キス見せちゃダメだと思うの〉